米金融安定化法が成立 下院、修正案を可決
2008年10月4日 夕刊(毎日新聞)
【ワシントン=古川雅和】米下院は三日午後(日本時間四日未明)、金融危機対策のための「緊急経済安定化法案」の修正案を賛成多数で可決した。上 下両院の可決を受けて、ブッシュ大統領は同日、同法案に署名し成立した。サブプライムローン問題を発端にした金融恐慌を防ぐため、米政府は最大七千億ドル (約七十五兆円)の公的資金で金融機関の不良資産を買い取る異例の手段をとることになった。
採決は賛成が二百六十三人、反対が百七十一人。修正前の法案に反対した下院議員は、個人向け税制優遇措置の拡充などが盛り込まれたことを評価し た。前回の否決直後に米国株式市場が過去最大の下げ幅を記録し、金融機関の破たんが相次ぐなど混乱が拡大したことも、賛成票が増えた理由になった。
修正案は上院がまとめ、一日に可決した。公的資金を段階的に使って米政府が金融機関の不良資産を買い取り、米連邦準備制度理事会(FRB)議長らでつくる「金融安定監視委員会」がチェックする原案の基本部分は残した。
公的資金を金融機関の救済に使うことに対する国民の理解を得るため、預金保護の上限額を二〇〇九年末まで十万ドルから二十五万ドルに引き上げるこ とを決定。自然災害の被災者の税の支払い免除や、代替エネルギーの利用促進のための税制改正も盛り込んだ。預金保護の上限額の拡大に伴い、所管する米連邦 預金保険公社(FDIC)が米財務省から無制限で資金を借りられるようにした。税制優遇策や金融危機と直接関係ない措置の導入で、財政負担は拡大する。
下院は九月二十九日に原案を否決。与野党指導部の合意に対し、国民の理解が得られないと、与野党から多数の造反者が現れた。早期実施に上院は法案を修正して可決、議会指導部とホワイトハウスは下院議員の説得を続けていた。
NY株:157ドル安 金融安定化法の実効性に懐疑的
【ワシントン斉藤信宏】3日のニューヨーク株式市場は、金融安定化法が成立したものの雇用面など実体経済の悪化に対する不安が強まり、ダウ工業株 30種平均は前日終値比157.47ドル安の1万325.38ドルで取引を終えた。終値としては05年10月27日以来約3年ぶりの安値水準。ハイテク銘 柄主体のナスダック総合指数も終値は同29.33ポイント安の1947.39と05年5月以来約3年5カ月ぶりの安値となった。
ダウ平均は午前中に一時、同313.41ドル高まで上昇したが、金融安定化法の成立で金融危機対策に関する材料が出尽くしたことに加え、同法の実効性に懐疑的な見方が台頭。9月29日に下院が法案を否決した直後につけた安値も下回る水準まで下落した。
金融馬鹿、賭博師が市場から退場するまで危機は続く?
先日書いたとおり、金融馬鹿と、賭博師が市場から退場するまで、アメリカ国民は納得しないことでしょう。これらの、馬鹿どもが馬鹿なことさえしなければ、こんなことにはならかったのです。馬鹿どもの尻拭いをすることが、今回の法案の役割です。尻拭いしただけでは、アメリカの金融システムに対する一般の不信感は拭い去ることはできないでしょう。
今のままでは、金融馬鹿と、賭博師がそのまま放置されているということです。いつ、また同じことが繰り返されるかわかりません。あるいは、また舵を大きく取り間違って新たな危機に陥る危険性も無視できません。
おそらく、アメリカ金融システムは、いろいろ紆余曲折をしながら、統合されたり、解体されたり、どこかの傘下にはいるなどのことをして、金融馬鹿と賭博師が辞任を余儀なくされて、市場から去り、それから先日述べたように実体経済への配慮をしつつ、本当に実体経済が回復する見込みがでたころに、回復するでしょう。おそらく、3年から5年はかかるでしょう。
こうしたことを前提として、日本は日本の針路を決めなければならないことになます。いずれにせよ、大変なことです。しばらく、内需拡大策をとるしかないかもしれません。ただし、昔のようなことをやれば、またバブルの再燃ということなって同じことの繰り返しになります。私の考えでは、政府がらみの行政独立法人などはできれば、解体して、NPOなどによる民間活力を最大限活用し、本当の意味での、質の良い社会資本、それも道路港湾など経済学でいうところのものではなく、社会学でいうところの社会資本(社会的ネットワークにおける人間関係など)の充実をすべきときではないかと思います。
いままでのように、道路を作るにしても、ただ作ってお金をばら撒くのではなく、社会的ネットワークにおける人間関係をかなり強めることができるなら、道路をつくるということです。この社会学の分野、日本は欧米に比較してまだかなりというより徹底的・致命的に遅れています。口の悪い欧米の学者からは、日本の社会科学分野は翻訳家レベル(外国の成果を翻訳して日本国内に伝えるだけ)の域を出ていないなどと揶揄されることもあります。今後の日本独自の社会学、ならびに応用社会学を開発して、この難局にあたっていく必要があるものと思います。
これらの難局をのりきるためには、従来のような金融システム内部だけ、あるいは経済学だけの考え方や手法だけでは無理だと思います。現在、ある特定の産業の中の技術などは、その産業の中で育ってきた技術によっては革新することはできません。たとえば、製薬産業がそうです。応用科学だけ では革新できません、それまでほとんど関係のなかった応用生物学(バイオテクノロジー)が適用されています。すべての産業でそのような傾向が見られます。
経済も同じことだと思います。実際の経済の運用や、経済学、金融や金融工学で培われてきた手法だけではうまくいきません。これから、大方の日本人には無縁であった社会学的考えかたが威力を発揮していくと思います。このことに関して、多くのマスコミは完全無知です。政治家の中でもほとんど普及していないと思います。現在のこの難局は従来の金融・経済的手法では解決できません。今こそ新たなパラダイムが必要です。
以下は、上の文中にも出てきた、先日私が金融安定化法案について書いた内容です。こちらも、是非ご覧になってください。
■ウオール街救済でCEO報酬の激減も、不良債権を積み上げた経営者の責任は?―もっと単純にそんな経営者は辞任でいかがでしょうか?
金融安定化法案、上院は通過しましたが、下院はどうなることでしょうか。私は、当然のことだと思います。サブプライムローンは、誰も頼みもしな のに、勝手に、金融馬鹿がおかしげな金融商品をつくって、これまた、賭博師が派手に売り出して儲けようとして失敗しただけのことなのに、金融馬鹿と賭博師 を公費を使って救おうとしているだけのことですから。やはり、けじめはつけるべきだと思います。金融馬鹿と賭博師には、市場から退場してもらうしかありま せん。これだけの単純な話だと思います。公的資金はいずれ注入したほうが良いと思いますが、それだけではアメリカの実体経済はよくなりません。私のブログ では、アメリカの今後の実体経済を占うヒントも掲載しました。是非ご覧になってください。
上の記事では、NPOについて述べてありますが、アメリカのNPOの実体など知らないと、理解できない面もあります。下の記事を読んでいただければ、十分ご理解いただけると思います。こちらも是非ご覧になってください。
■三笠フーズ立ち入り、5年で96回=それでも見抜けず―国民を愚弄する農水省腐れ木っ端役人、ここまで杜撰な管理体制!!
最 近の三笠フーズの悪行と、それに対応した農水省の無能ぶりから、私は消費者行政などかなりの部分をNPOなどに任せたほうがはるかに安全・安心であると 確信するにいたりました。辞任が決まった福田総理大臣の肝いりで消費者庁が創設されましたが、当初の目論見ではNPOも大きな役割を担うはずだったのが、 残念ながら見送られました。残念なことです。今後、消費者行政に関しては抜本的なシステムの変更が行われない限り、この手の事件は発生し続け、単なるイタ チごっこに終わる可能性が大です。いまこそ、システムの抜本的な改革が必要です。
■生活保護不当要求の組員に中止命令・・・大阪府警が全国初 行政対象暴力で-サブプライム問題の本質が見える?
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