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2016年6月7日火曜日

海自が米・インドと共同訓練、中国にらみ沖縄の東方で―【私の論評】南西諸島における海自による「航行の自由作戦」の予兆か(゚д゚)!

海自が米・インドと共同訓練、中国にらみ沖縄の東方で 



海上自衛隊は7日、米国、インドの海軍と沖縄本島の東方海域で共同訓練を行うと発表した。10日から17日まで。昨年10月のインド洋に続き、日本の南西諸島周辺で3カ国が共同訓練をすることで、海洋進出を強める中国をけん制する。

海上自衛隊からは空母のような形をした大型護衛艦や、新型の国産哨戒機、インドとの間で輸出協議を進めている救難飛行艇が参加する。対潜水艦や対空などの戦闘訓練を行う。米海軍からは空母が参加する見込み。

この訓練は「マラバール」と呼ばれ、もともとは米印2カ国が毎年行ってきた。日本は2007年に初めて加わり、今回で5回目となる。前回は昨年10月、インド洋のベンガル湾での訓練に参加した。

南シナ海とインド洋、東シナ海で動きを活発化させる中国に対し、米国やインド、日本などは警戒を強めている。米国は、中国が南シナ海で造成する人工島の近くに艦船を派遣。また、懸念を共有する各国が、共同訓練や装備協力を通じて連携しつつある。

【私の論評】南西諸島における海自による「航行の自由作戦」の予兆か(゚д゚)!

インド海軍 手前は空母「ヴィラート」
昨年の「マラバール」には、日本の海上自衛隊も、戦術技量の向上と米印海軍との連携の強化を目的として参加し、護衛艦「ふゆづき」と人員約200名を派遣しました。昨年の「マラバール」では、日本の参加に関して2つのことが注目を集めていました。1つは、昨年のマラバールがインド洋で行われたということです。もう1つは、日本が昨年以降から、招待国としてではなく、固定メンバーとしてマラバールに参加することで合意した、と報じられた点でした。どちらも、印メディアなどから「ターニングポイント」と評されていました。

マラバールは1992年に始まりました。インドの核実験が原因で1998年から中断していたのですが、2002年に再開、その後は毎年行われています。基本的には米印の2国で行われるものですが、他国が招待国としてゲスト参加することがあります。日本も過去2007年、09年、14年、15年のマラバールに参加している。

昨年までのマラバール

以下に昨年までのマラバールについて振り返っておきます。

2007年に2度あったマラバールのうち、インド洋ベンガル湾で行われた2回目は、日本、オーストラリア、シンガポールが参加し、5ヶ国で行われたが、中国がこれに対して強く反発しました。ロイターによると、中国国内ではこの演習について、ヨーロッパのNATOのようなアメリカ主導の安全保障グループ作りとみなす者もいて動揺が引き起こされたそうです。

印英字紙ビジネス・スタンダード(BS)のウェブサイトによると、その後、中国政府は外交的攻撃を行ったそうです。米国営放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、インド政府は中国の圧力に屈して、その後、マラバールがインド洋で行われる際には、印米の2国演習に限定した、と伝えていました。BSは、マラバールは1年おきに西太平洋で実施されることになった、と伝えていました(例外あり)。

しかし、昨年のマラバールは2007年と同じくインド洋ベンガル湾で行われました。日本がインド洋でのマラバールに参加したのは8年ぶりでした。ロイターは、中国をいら立たせそうな海上軍事演習、と伝えていました。VOAは、戦略専門家らが、昨年「今年の日本の参加を、日米印3国間の安保協力の強化にとって重大なターニングポイントとみなしている」と伝えていました。また専門家らは、インドのアメリカとその同盟国への接近に対して中国が過敏に反応するという従来の懸念を、モディ首相が振り払いつつあることの表れともみなしていました。

昨年のマランバールに参加した海上自衛隊の「ふゆづき」
さらに、BSは、印国防省筋の情報として、今後、日本がマラバールの正式メンバーとなる、と伝えました。これによりマラバールは、今後は米印2国でなく、日米印3国の合同演習と称されるようになる、としていました。インド政府にとって大きな転換、とBSは報道しました。VOAは、これによりマラバールは3国による力の誇示の機会となる、としました。専門家らは、「非常に意義深い」ものになると語っていると伝えました。ロイターは、中国を不安にさせそうな動きだとしました。米防衛専門紙ディフェンス・ニュースは、インドの防衛専門家Nitin Mehta氏の、「日本がマラバールに固定メンバーとして加わることは、地域におけるインド、アメリカ、日本の海軍間の関係におけるターニングポイントとなる」という言葉を伝えていました。

日本が固定メンバーとしてマラバールに継続的に参加するようになることについては、昨年9月のモディ首相訪日時の日印首脳会談で両首脳が「重視した」、と共同宣言で伝えられている。

中国は日本がマラバールの固定メンバーになることを警戒していました。昨年10月10日付の印英字紙ヒンズーは、日本が継続的な参加国となるかを判断するために、中国はやがて行われるマラバールを注意深く監視している、と伝えました。また国営新華社通信が、米政府が「印米のマラバール海上軍事演習を、日本を継続的な参加国として含む3国合同の枠組みに変えることを追求」しているとしたことを引用しました。

昨年、9月にアメリカで行われた日米印外相の初の3者会合のために、中国の懸念が強まった、とオブザーバーらが指摘していると同紙は伝えました。その会合の共同メディアノートでは、日米印3ヶ国の外相は、インド太平洋地域における3ヶ国の利益の更なる一致を強調した、とされています。また、日米印の外相は、南シナ海におけるものを含め、国際法及び紛争の平和的解決、航行及び上空飛行の自由、ならびに阻害されない法に従った通商活動の重要性も強調した、とされていました。ヒンズー紙はこれらを中国への遠回しな言及としていました。

初の3者会合で握手する(左から)岸田文雄外相、ケリー米国務長官、
インドのスワラジ外相=昨年9月29日 ニューヨーク
中国が警戒するのも無理はなかったかもしれません。ディフェンス・ニュースは、マラバール2015の最重要点は敵潜水艦、水上艦、航空機の破壊のシナリオの演習となる、とインド海軍将校が語ったことを伝えていました。BSは、「人民解放軍」という名前は演習で用いられないだろうが、何を訓練しているかについて、疑問の余地はほとんどないだろう、と語っていました。

今年のマラバール

さて、昨年はこのマラバールのあった月である、10月の下旬から米国による「航行の自由作戦」が実行され、南シナ海にイージス艦「ラッセン」が派遣されました。

そうして、今年のマラバールは、日本の南西諸島周辺で3カ国が共同訓練することになっています。

南西諸島周辺とは一体どの地域を指すのでしょう。その地域を以下に示します。

南西諸島
南西諸島(なんせいしょとう)は、九州南端から台湾北東にかけて位置する島嶼群のことです。

「南西諸島」という名称は、現在の海上保安庁の前身である水路部が中心となって1887年(明治20年)頃に命名した地名とされ、翌年発行した海図『石垣泊地 日本・南西諸島・石垣島』にその名称が初めて記載されています。1894年(明治27年)発行の『日本水路誌』以降の海図から本格的に使用され、また国土地理院の前身の1つである日本陸軍陸地測量部による1937年(昭和12年)発行の陸図にも記載されています。しかし、「南西諸島」は公共機関が決定した行政名称であって、地理学・地球科学で用いられる専門用語ではありません。

これらの地域には、大隅諸島 、吐噶喇列島、奄美群島、琉球諸島、沖縄諸島 (沖縄島、久米島、硫黄鳥島など)、慶良間列島、先島諸島、宮古列島、八重山列島、尖閣諸島、大東諸島が含まれています。この広大な地域のいずれかで、演習が行われるということで、一体どこで実施するのかは、わかりませんが、これは当然のことながら、尖閣列島や、沖縄に対する中国に向けての牽制であることは、間違いありません。

新たな「航行の自由作戦」の始まりか

さて、尖閣といえば、読売新聞は今年の1月12日付で、日本政府が、中国軍艦が尖閣諸島周辺の12海里(22キロメートル)以内の領海に侵入することに備える新たな措置として、国際法上許容されている無害通航権を認めず、すぐに海上警備行動を発令する方針を決めたことが確認されたと報じました。今後、中国軍艦が尖閣諸島周辺12海里以内へ侵犯すれば、海上自衛隊がすぐに現場に投入され、即刻退去を要求することになります。

現行の国際海洋法条約によると、軍艦を含むすべての船は、その国の平和、安全、秩序などを脅かさない限り、他国の領海を自由に航行できる無害通航権が認められていますが、日本は中国の軍艦に対してこれを認めないことにしたのです。日本政府関係者は、「中国が無害通航権を主張することは、日本の尖閣諸島領有を認めることと同義になる」とし、中国がこれに対して抗議する可能性はないと見ています。

日本政府がこのような方針転換に乗り出したのは、昨年11月に中国海軍の情報収集船が尖閣諸島周辺の接続水域(陸から24海里以内)を一日かけて東西方向に反復航行するなど、最近になって中国海軍の不審な動きが急激に増えたからです。海上警備行動が発令されると、自衛隊は正当防衛に当たる場合などには、武器を使用できるようになっており、日中海軍間の偶発的な衝突が発生する可能性もあります。日本でこれまで海上警備行動が発令されたのは、1999年に北朝鮮の工作船と推定される船が日本の海岸に姿を現した場合など、3回しかありません。


菅義偉・官房長官は12日の定例記者会見で、「昨年5月に閣議決定している。日本領海で無害通航に該当しない航行を行う外国軍艦への対処に関し、海上警備行動を発令し、自衛隊の部隊により退去要求と措置を行うことを基本としている。昨年11月に中国海軍の情報収集艦が尖閣諸島周辺を反復航行した際には、外交ルートを通じた関心を表明をした。具体的な内容については(言及を)控えたい」と述べました。

今年のマラバールが南西諸島で行われるのは、当然のことながら、このことと多いに関係があるものとみられます。

日本としては、今年のマラバールは、「中国に無害通航権を認めず、すぐに海上警備行動を発令する方針」を中国に通知するだけではなく、この方面で日米印の共同演習を行うことにより、中国を牽制する意味があったものと考えられます。

さて、昨年のマラバールの直後に、南シナ海での「航行の自由作戦」があったことを考えると、今年のマラバールの直後にも何かがあるかもしれません。

もしかすると、日本の海上自衛隊による尖閣、沖縄付近の海域の「航行の自由作戦」が始まるかもしれません。

日本としては、南西諸島の領海と尖閣諸島周辺12海里のみを海自の護衛艦がパトロールすれば良いものと思います。

昨日は、このブログで、中国の孫建国連合参謀部副参謀長が、アジア安全保障会議において、「南シナ海は昔から中国のものだ」と自説を繰り返し、「一部の国が問題を過熱させている」「ある国は『航行の自由』を都合良く解釈して武力をひけらかし、徒党を組んで中国に対抗している」と、強い調子で米国などを牽制(けんせい)したことを掲載しました。


オバマ政権は、あと半年余りですが、現在の米国はカーター国防長官ら、強硬派の国防総省主導で進むため、今年後半は、「航行の自由作戦」を拡大していくことでしょう。一方の中国も、南シナ海での埋め立てをますます加速させていくことが想定されます。

そうなると、南シナ海における「米中激突」は、まさに「いまそこにある危機」ということになります。

ある日本政府関係者は、こう漏らしたそうです。

「先の伊勢志摩サミットでの日米首脳会談で、オバマ大統領は、『日本も自衛隊を南シナ海に派遣する覚悟はできているんだろうな』と、安倍総理に問い質した。南シナ海問題は、日本にとっても、いよいよ対岸の火事ではなくなってきた」

たしかに、南シナ海が中国の「内海」となれば、中東から日本へ至るシーレーンを中国が支配することになり、日本の生殺与奪を中国に握られることになります。そのようなことは、最初からわかつていたことで、南シナ海問題は、まさに対岸の火事ではないのです。

日本としては、まずは尖閣・沖縄は自らの手で守ることを要求され、さらに南シナ海においては、直接イージス艦などの艦艇を派遣することはできないかもしれませんが、対潜哨戒機などの派遣による監視活動などが求められることになるかもしれません。

そうして、その第一段階として、もし中国が今後も、尖閣諸島周辺の接続水域(陸から24海里以内)南西諸島付近における航行をやめないならば、日本の海上自衛隊による「航行の自由作戦」が行われることになるでしょう。

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2016年5月7日土曜日

【緊迫・南シナ海】中国の海上民兵、米イージス艦を包囲 過去2回の「航行の自由」作戦中 米司令官明かす 中国に強い懸念伝達―【私の論評】米軍はやっかいな海上民兵に対抗するために、大陸中国の卑劣な便衣兵文化を認めよ(゚д゚)!


2009年秋田港外港に入港したイージス駆逐艦「カーティス・ウィルバー」

米太平洋艦隊のスウィフト司令官は6日、南シナ海で米軍が過去2回実施した「航行の自由」作戦で、派遣したイージス艦が「海上民兵」と呼ばれる武装した漁民が乗り込む船に囲まれたと明らかにした。ワシントンでの講演で語った。

海上民兵は最近、南シナ海で増加傾向にあり、中国政府が関与しているとの見方が出ている。

スウィフト氏は「中国海軍の高官と海上民兵について意見交換し、強い懸念を伝えた」と述べた。偶発的な衝突を防ぐため、米中両国の海軍同士の協議が必要だとの考えを示した。

スウィフト氏によると、昨年10月に「航行の自由」作戦で派遣されたイージス駆逐艦ラッセンと、今年1月に派遣されたイージス駆逐艦カーティス・ウィルバーの周囲に海上民兵が乗った船が近寄ってきたという。

【私の論評】米軍は卑劣な海上民兵に対抗するために、中国の便衣兵文化を認めよ(゚д゚)!

いずれ海上民兵が南シナ海ち米軍を悩ますことになるであろうことは、このブログにすでに掲載したことがあります。上の記事は、この予測を裏付けるものです。

その記事のリンクを以下に掲載します。
知られざる中国の「海上民兵」―漁船が軍事組織に―【私の論評】海上民兵は便衣兵と本質的に同じ!!米国は、南京虐殺事件の虚偽を認めない限り、便衣兵に悩まされることになる(゚д゚)!
尖閣周辺海域に向かう中国漁船 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、海上民兵に関する内容を以下にコピペします。
ベトナムと同様、中国は海上民兵を抱える数少ない国の一つだ。この部隊は通常、民間漁船で編制され、さまざまな活動に従事する。これには難破船の救助など緊急対応から、島に上陸して主権を主張するといった強硬な活動まで含まれる。大企業で民間活動に従事する船員や漁業連合が軍事組織に採用され、軍事訓練や政治教育を受け、中国の海洋権益を守るために動員される。 
中華人民共和国の建国初期に創設された海上民兵は、世界最大の漁船団で編制されている。ここ数年で海上民兵は洗練さと重要性を増し、建築資材の運搬から情報収集まで幅広い任務を果たすようになってきた。最精鋭部隊は、必要があれば機雷や対空ミサイルを使い、「海上人民戦争」と呼ばれるゲリラ攻撃を外国船に仕掛けるよう訓練されている。現在、海上民兵は実質的に中国政府が管理する第一線の部隊として機能し、東シナ海と南シナ海で中国の権利を主張するための監視や支援、けん制などの活動に従事している。
機雷の配置訓練を受ける中国の民間漁船 
海上民兵に関する疑問の中で、最も複雑なのは「誰が統率しているか」だ。建設作業や訓練など、海上民兵がこなす日常業務は沿岸都市や郡に配置されるおびただしい数の人民武装部によって実施され、これを軍分区の司令部が監督している。海上民兵はさまざまな機関から直接指揮を受けて幅広い役割をこなすため、ここから先の組織構造は一段と複雑になっている。
最近、規模を縮小したり専門性を高めたりすることで、各部隊の役割を変容させる努力が続けられてきた。その一例が浙江省玉環郡の海上民兵大隊で、この部隊は海軍の船に燃料や弾薬などを供給している。
このほか、偵察部隊、重要な施設や地域を護衛する部隊、敵を混乱させたり敵の設備を故障させたりする部隊、海上輸送能力を増大させる部隊、修理や医療救助に従事する部隊など、さまざまな支援活動に関わっている。
また、海上民兵は中国の政治活動や外交政策に協力し、係争海域における中国のプレゼンス維持を支援したり、領有権を主張する島々に上陸したりしている。
数千隻に上る海上民兵の船には「北斗」と呼ばれる中国独自の衛星測位システムが設置されている。これにより民兵は他の部隊を追跡できるほか、テキストメッセージの送受信、船員がタブレット上に手書きした中国語の読み込みなどができる。
中国による海上民兵の雇用は、周辺国だけでなく米国などにも幅広い影響を及ぼす。東シナ海や南シナ海で米国やその同盟国が中国との紛争に巻き込まれれば、軍事活動に従事する数多くの民間漁船への対処法を定めた交戦規定が要求されるだろう。南シナ海で激しい衝突が見られないのは、弱小な中国の近隣国がゲリラ的な混戦に直面し、これが中国海軍の戦闘参加を回避させているからかもしれない。
民間人と衝突すれば政治的に敏感な問題になるため、米国などの海軍は手足を縛られた状態にある。その間、海上民兵は係争海域で際限なく拡大する中国の施設建設や護衛といった支援活動を継続することになる。
以上をご覧いただければ、海上民兵とはいわば海上の便衣兵です。便衣兵(べんいへい)とは何かといえば、一般市民と同じ私服・民族服などを着用し民間人に偽装して、各種敵対行為をする軍人のことです。これは、国際法違反であり、捕虜となっても裁判にかけられ処刑されるのが普通です。

「便衣兵」の用語は日中戦争に関連して主に使用されます。このほか、戦争・紛争当事国が、「便衣兵」と同義の「隠れ戦闘員」と見なした非合法戦闘員・ゲリラを殺害した行為が、国際法上問題と指摘された例はベトナム戦争、イスラエル・パレスチナ紛争、コロンビア内戦など数多いです。便衣兵は捕虜とは異なり、陸戦法規の保護を適用されません。

さて、便衣兵というと、南京虐殺の虚偽にもかかわりがあります。東中野修道は「日本軍は便衣兵の厳正な摘出を行い、捕虜の資格が無い便衣兵のみを処刑したものだ。これが曲解されたものが南京大虐殺である」と主張しています。

ただし、この便衣兵は現在の中華人民共和国とは全く関係ありません。日本が南京を陥落したときには、中華人民共和国は存在せず、日本と戦ったのは現在台湾にある中華民国の軍隊である、国民党軍と戦ったのです。

さらに、大陸中国は南京で虐殺されたのは、20万人(最近ではいつの間にか30万人となっている)だとしていますが、これもそもそも虚偽です。どのくらいの人数かはわかりませんが、しかし20万人などから程遠い、数少ない便衣兵が処刑されたと私は、見ています。

この説に関しては、これを拒絶する人も多いですが、しかしながら、20万人も市民を虐殺ということになると、あまりにも辻褄のあわないことが多すぎます。

飛行服姿の原田要さん
最後のゼロ戦乗りともいわれた、原田要(かなめ)さんは、昭和12年に日本軍が中国・南京を攻略した際、原田さんは海軍航空隊の一員として現地にいました。記憶にあるのは、露店が立ち、日本兵相手に商売を始めた住民の姿です。「南京大虐殺は信用できない。もしあれば、中国人はわれわれに和やかに接しただろうか」と語っています。

これについては、ここで述べると長くなってしまいますので、これ以上は説明しません。しかし、私は便衣兵が処刑されたのは事実であり、これが著しく曲解されたのが南京大虐殺であると考えています。

大東亜戦争中には、日本軍は便衣兵にも悩まされましたが、督戦隊や清野戦術にも悩まされました。

「督戦隊(とくせんたい)」とは、自軍部隊を後方から監視し、命令無しに逃げてきたり、降伏をする自軍兵士を射殺する兵士たちのことです。

「清野戦術」とは、中国軍は敗走時に、日本軍が利用できる物を何も与えないようにするため、民家から食糧など奪える物を奪ったあと、できる限り全ての家屋を焼払う戦術のことです。これに逆らう者は殺害されました。

なお、日清戦争の時にも、当時清國軍にも便衣兵が存在していたそうです。さらには、大東亜戦争当時の八路軍(共産党軍)にも、便衣兵がいました。今日の海上民兵といい、これは大陸中国の文化であるといっても良いのではないでしょうか。

NHKテレビで報道された八路軍の女性便衣兵
さて、南京虐殺20万人、30万人という膨大な数字は、南京裁判(南京戦犯軍事法廷)と東京裁判から一人歩きをはじめました。両裁判は南京、東京と場所は離れているものの、ほぼ同時期に進行していきました。

南京法廷 は北京、上海、広東など10ヵ所で開かれた中華民国政府による法廷の一つで、いわゆる「BC級戦犯」が対象となりました。

この南京法廷では、“南京虐殺の実行者 ”に対する審判が主要な柱とされ、何かと議論の多い「百人斬り競争」の向井、野田両少尉が裁かれたのもこの法廷でした。
大虐殺の実行者とされた谷 寿夫中将 (第6師団師団長 )に対する判決文のなかに、虐殺数の内訳が出てきます。

谷中将率いる第6師団は、第16師団(師団長・中島 今朝吾中将)、第18師団(同・牛島 貞雄中将)、第114師団(同・末松 茂治中将)などの部隊とともに、大規模な虐殺、放火、強姦、掠奪を行ったとしています。

殺害数については、以下のとおり「集 団 屠 殺」 および「個別分散屠殺」 の2つに大別し、前者の19万人、後者の15万余人と合わせ、「30万人以上 」 にのぼったとしています。

しかし、これはあまりに多すぎであり、そうして肝心要の物的証拠がほとんどありませんでした。そもそも、20万、30万の犠牲者というと、会戦レベルの犠牲者数です。会戦ですら、このような犠牲者が出ることは滅多にありませんでした。

古代中国では会戦もあったでしょうが、近現代では中国は会戦など経験したことがありません。だから、20万、30万の犠牲者という意味が理解できないのではないかと思います。南京という一都市を陥落させるのは会戦ではありません。

一都市に会戦レベルの将兵を送り込み、市民を20万人前後も殺害するなど、莫大な時間と労力を投入せざるを得ず、これは不可能に近いです。これは、古代中国人は理解できなたかもしれませんが、近現代の中国では不可能かもしれません。



そうして、あれから長い時経て、今度は中華人民共和国が南シナ海で海上民兵という便衣兵を投入しているのです。

今のところ、アメリカの艦艇を取り囲むくらいのことしかしていませんが、いずれさらに妨害行動やさらなる軍事行動に出てくる可能性が大です。海上民兵の漁船にミサイル、魚雷などを搭載すれば、これは米軍にとってかなりの脅威になります。

これに対して、民間人と衝突すれば政治的に敏感な問題になるため、米国などの海軍は手足を縛られた状態にあるといって良いです。

米国側としては、海上民兵の本質は便衣兵であるとして、いざというときには、これを排除しなければないときがきます。

その時に、また過去の歴史が繰りかえされるかもしれません。米軍は、卑劣極まる便衣兵を排除したにもかかわらず、中国側からは、漁民を虐殺したと非難されることになるかもしれません。

2013年三沙海上民兵部隊が創設され、女性民兵が56式歩兵銃を持って宣誓した
そんなことにならないためにも、米国としては、東京裁判の間違いを認め、南京虐殺20万、30万の虚偽を公にして、中国大陸には卑劣な便衣兵文化が存在することを認め、現在も海上民兵という形で存在していることを世界に向かって公にすべきです。

そうすれば、米軍は卑劣な便衣兵に対してすぐに対処できるようになります。それをしなければ、米軍はいつまでも中国の便衣兵に悩まされることになります。海軍力ではとうてい、米国や日本にも勝てない中国はそれを良いことに、便衣兵でさらなる海洋進出を続けるかもしれません。そんなことは、断じて許すわけにはいきません。

我が国も、便衣兵が東シナ海で暗躍し、領海侵犯などした場合には、厳正にこれに対処する旨を中国政府に伝えるべきです。便衣兵は人民解放軍と同列にみなすと通告すべきです。

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