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2014年8月21日木曜日

経常収支赤字と財政赤字を弄ぶ「エア御用人」たちの笑える論理―【私の論評】財務省はブレイキング・バッドのウォルターのように破滅に向かって走る!これに媚びるエア御用人どももいずれ破滅する(゚д゚)!

経常収支赤字と財政赤字を弄ぶ「エア御用人」たちの笑える論理

図表はブログ管理人付加 以下同じ


経常収支=国の「収益」ではない

経常収支赤字の場合、そもそも国の「収益」とは無関係だ。経常収支赤字になると金利が高騰するという人もいるが、データで見れば、経常収支と金利も無関係だ。これらは、2012年2月23日付け本コラム「日本の貿易収支が赤字転落で本当に国債は暴落するのか」にデータを含めて書いてあるので、参照していただきたい。

とはいっても、経常収支赤字が「永遠」に続くと問題になるだろう。というのは、経常収支赤字は、国際収支会計上の定義といっても同じであるが、国の対外資産を減少させるからだ。もっとも、日本の対外純資産は300兆円なので、仮に5兆円の経常収支赤字でも純債務国になるまで60年かかる。10兆円の経常収支赤字でも30年だ。こうした長期になると予測するのが馬鹿馬鹿しくなる。その間に「想定外」のことが起こるからだ。

経常収支と金利は無関係

経常収支赤字と財政赤字は一緒に話題になることもある。これは理由がある。会計上の定義でもあるが、IS(投資・貯蓄)バランス論がある。民間部門の貯蓄超過が政府の財政赤字と経常収支黒字の合計に事後的に等しくなるというものだ。

  もっとも、ISバランス論は会計上の事後恒等式であり、その間の因果関係をいうものではない。このため、経常収支赤字であるからといっても、それが財政赤字をもたらすものではない。まして、国際収支のリファイナンスに問題がなければ、金利の話にはならない。

経常収支赤字が問題という人は、金利の上昇を問題にする人が多いが、どうもその人たちは、財政赤字で金利が上昇すると言いたい人のようだ。このあたりは、ISバランス論や過去のデータからはロジカルでないのだが、これがそういう人たちの心情なのだ。

かつては財務省も経済成長派

筆者は、経常収支赤字に比べば、財政赤字のほうがサステイナビリティの点では問題があると思っている。しかし、財政赤字で経済を壊すのは、馬鹿な為政者がいれば簡単だ。実際、経常収支赤字の国際金融問題より、財政破綻のほうが実例も多い。

かといって、財政健全化を増税で行えとも思わない。その根拠は、名目経済成長によってプライマリー(基礎的財政)収支が改善するという事実である。この点は、2012年6月14日付け本コラム「6・13 国会公聴会 私が述べた消費税増税反対の10大理由」を参照してほしい。

財務省も馬鹿ではない(なかった!)。少なくとも筆者がいた時は、財政再建は経済成長という主張だった。

先日、藤井真理子氏(現東京大学先端科学技術研究センター教授)の論文「英国における国債管理政策の変遷:1694-1970」を見つけた。英国の財政再建では「経済の成長や国富の増大を背景とした税の自然増収等を基本的な要因とする」と書かれている。当時、財務省幹部のところで説明し、やはり財政再建は経済成長しかないという結論だった。

ところが、今の財務省は、財政再建のためには増税が必要という立場だ。これは、財務省の「歳出権拡大」という意図だ。その詳細は、2013年12月26日付け本コラム「消費増税は「財政再建」のためでなく「歳出権の拡大」が証明された政府予算」を参照してほしい。

財務省の御用人たち

財務省の目的達成のために、都合のいい人たちがいる。「エア御用人」というもいうべき人で、前述した財政赤字で金利が上昇すると言う人たちだ。

この種の人は、金融関係者が多い。

金融機関のサラリーマンであれば、所属する金融機関の立場が大いに関係している。金融機関は、外為資金の運用・取り扱い、国債入札や財務省オペの対象、財務省の事実上の内部組織である国税庁、国税局と税務上のトラブルを避けたい等の点において、財務省には弱い立場である。だから、睨まれないように財務省を「よいしょ」しがちだ。

さらに、公式に言われることはないが、「増税しないと財政破綻になって、ハイパーインフレ・金利上昇で国債暴落」というのは、預金・国債を売って別の金融商品を売り込むときの密かな商売用語だ。

実は、こうした人たちは、「量的緩和をするとハイパーインフレ・金利上昇で国債暴落」するとも言っていた。そして、経常収支赤字でも、ハイパーインフレ・国債暴落なのだ。営業トークと考えれば、「ハイパーインフレ・金利上昇で国債暴落」が重要なので、その原因は何でもいいのだ。

予想が外れた言い訳

もっとも、現実は彼らの予測した金利上昇は起こらず、大きく違っている。論より証拠で、彼らがデタラメを言ってきたのが露呈してしまった。

そうしたら、今度は「国債市場が死んでいる」と言っているようだ。予測が外れて、金利上昇がないことを、日銀の買い入れで価格形成機能がゆがんでいると言い換えているのだ。その典型は、19日にロイターが発信した記事等に見られる。

長期金利がそう簡単に上昇しないのは、理論通りだ。2013年5月16日付け本コラム「長期金利上昇懸念の「から騒ぎ」」で書いた通りである。

長期金利について急騰すると言ったり、低金利のままで問題と言ったり、言うことが支離滅裂なのはかなり笑える。

以下は、これまで本コラムに書いた量的緩和の経過時間とともに、どのように長期金利が動いていくかをまとめたものである。



まず、名目金利はすぐには上昇しない。むしろ下がることもある。しかし、実体経済が上向くにつれて、上昇していく。おおよその目安は名目経済成長率と同じくらいだ。もちろん実体経済の動きを先取りするときもあるので、多少のオーバーシュートもある。ただし、一般的には名目金利の上昇は名目経済成長にやや遅れることが多い。名目経済成長を確信した設備投資が経済成長に遅れるからだ。

 したがって、実質金利(=名目金利-予想インフレ率)は、当面低下する。これは、名目金利より早く予想インフレ率が上昇するからだ。それこそが実体経済を刺激する原動力だ。しかし、経済が上向きになるにつれて、実質金利も上昇していく。これは名目金利の上昇が起こるからだ。

上の記事は、要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】財務省はブレイキング・バッドのウォルターのように破滅に向かって走る!これに媚びるエア御用人どももいずれ破滅する(゚д゚)!

本来は、上記のような高橋洋一氏が語るようなことは、昨年の増税前までに十分論議がつくされ、増税の判断をしなければならない人々は理解しているはずです。財務省もこれに関しては、理解していると思います。

そもそも、経済論議などはすでに終わっていました。高橋洋一も、すでに昨年あたりに言い尽くしたことを、上の記事でまとめているわけです。

このまとめ、良くまとめられていると思います。昨年の高橋洋一氏の掲載した記事を合わせて読むと、現状が良く理解できます。

いずれにせよ、もうこのような経済論議は十分つくされ、にもかかわらず、昨年は増税されてしまったわけです。

どういうことかといえば、もうすでに増税するしないの是非は本当は十分つくされていて、もう後は政局の問題だけということでしたが、結局反増税派は政局に負けて、増税されてしまったということです。

そうして、4月の増税後の4月、5月、6月の数字の落ち込みに関しては、増税派は想定内としているわけです。ただし、何をもとにしているのか、全く理解できません。

今更、増税を推進してしまったてまえ、経済が悪化したとはいえないというだけです。まるで、幼稚な悪いタイプの主婦感覚のようです。

夫の年収は1200万でも転居先のセレブママに合わせたら家計は火の車

悪い主婦感覚の典型は、すべてにおいて「赤字=悪」と思いこむことです。通常は、これで良いかもしれませんが、家庭においても、企業においても、ましてや政府に関していつもこれが正しいとは限りません。

企業も、景気が良い時期であっても、いっさい借金をしないで、運営しようとしていては、発展はありません。景気の良いときであれば、借金をして、人材を確保したり設備投資をするから会社も発展します。

国だって同じことです。幸いなことはに日本国は、海外から借金する必要はないどころか、あまりに長い間デフレが続いたことから、企業などの海外投資が増え、結果として、対外金融純資産(日本国が世界に貸し付けているお金)は、20年以上も世界一です。

どうしてこんなことになるかといえば、デフレで消費が冷え込み、国内の需要が細り、国内に有望な投資先がないからです。だから、海外に投資するのです。

そうして、デフレがなぜおこったかといえば、景気が悪くても、日銀は金融引締めばかり実施してきたことと、政府も緊縮財政ばかり繰り返してきたからです。

デフレであっては、本来財務省も税収が減って、省益にもそぐわないのですが、財務省は消費税増税によって、目先のとりあえずの、差配権を拡大し、省益を増大することしか考えていません。

しかし、これを実施して、継続すればどういうことになるかといえば、増税直後(は税収が増えたとしても(せいぜい1年程度)、その後には税収が先細りします。

大筋では、こんなことは誰もが知っているはすです。

しかし、増税派は、このようなことは無視して、財政赤字を放置しておけば、財政赤字が酷くなる、財政赤字が酷くなれば、財政破綻する、だから増税するなどという詭弁をろうしているわけです。

本当は、増税をすれば、消費が低迷して、結局税の原資である、国民所得が減り、したがって税収も減り、財政再建も遠のくわけです。

しかし、財務省は財政再建至上主義を頑なに崩さず、経済をある程度理解している人なら誰でもわかる、いいわけをして、増税路線を貫いているわけです。そうして、財務省のハチャメチャな経済理論を信じこむマスコミや政治家が大勢いて、高橋洋一氏のようなまともな論評には一切耳を貸さず、増税こそ正しい道であり、これに反対する連中は皆間違いであるというような妄想に浸りきっているわけです。

しかし、これがいつまで長続きするものやら。今回の増税でもすでに4月-6月期の落ち込みは、まともにみれば、かなりの落ち込みですし、これから年末にかけて相当落ち込むと思います。

その時に、増税派はどういいわけをするつもりでしょうか。この時にも、財務省の悪知恵で、景気はさほど落ち込んではないし、これは増税のせいではないと信じこまされたとします。

それで、来年また10%増税をしてしまえば、またまた、日本は坂道を転がり落ちるように、デフレ・スパイラルの泥沼に沈み込んでしまいます。

そうして、税収はかなり減ります。そうなったとき、さすがに、悪いタイプの主婦感覚に毒されていた人々も、ようやく気づくのではないでしょうか。

それは、十分にあり得ます。わすが、4~5年前までは、韓流ブームだったり、中国の異質性を理解しなかった人がほとんどなのですが、中韓が傍若無人の限りをつくしたので、最近では、雑誌などでは、反韓流の特集をすれば、売上が伸びたり、アンケートをとると中国が嫌いな国とする人々が圧倒的に多くなりました。

これと同じようなことが、いずれ財政においてもおこるものと思います。

最悪財務省は、今年も増税キャンペーンを行い、それが大成功したとして、来年消費税増税10%が導入されたとすれば、今度は今年の増税どころではありません。かなり景気が落ち込み、再来年にはどん底を迎えることになります。

そのときには、いくら鈍感で馬鹿で低能な政治家やマスコミも増税が間違いであったことにようやっと気づくことになると思います。

そこにきて、塗炭の苦しみを味わう国民も、財務省や増税派の議員やマスコミなどを赦すことはないでしょう。

行き着く先は、財務省の解体です。これは、大蔵省が解体されて財務省と日銀にわかれたときのようなものではなく、財務省は原型をとどめないことでしょう。

ここに、日本のいわゆる大蔵省から続いてきた官庁の命脈も絶たれるわけです。

来年増税されなければ、こんなことにはならないでしょうが、増税されれば、財務省は坂道を転がり落ちるようにそのパワーを失い、原型をとどめないくらいに解体され、おそらく、財政に関しては何らかの形で政治主導となり、財政を運営していくことになると思います。

財務省次官、職員様への推薦ドラマ ブレイキング・バッド
上のポスターは、"Braking Bad"というアメリカの人気ドラマのポスターです。このドラマすさまじい人気で、全部で7シーズンも放映されました。これは、あの"24"に匹敵するほどです。最近、huluで全編を見終わったばかりです。

この物語は、ある平凡な田舎の高校のウォルター・ホワイトという化学教師が、軽い気持ちで、麻薬づくりを行うようになり、その過程でどんどん悪くなっていき、結果的に多くの人々を巻き込み、多数の殺人も行なわ泣けばならなくなり、破滅します。麻薬づくりの助手として、ジェシー・ピンクマンという若者をつかっていました。

ウォルターは、家族のためにこのようなことをしてしまったのですが、最後は家族にも見離されて、孤独な死を迎えることになります。ジェシーは何とか命だけは助かります。

このドラマをみていて、私はなぜか、日本の財務省と日銀を思い浮かべてしまいました。自分や家族のことだけを考えて、悪いとわかっていないがら、麻薬づくりをする姿は、まるで増税キャンペーンをする財務省のようです。そうして、ウオルターは、癌を患っていますが、財務省も今やデフレという経済の癌を放置する役所になりさがってしまいました。



財務省も省益のことだけ考えて、動いているうちに随分変質しましたし、これからも変質を続けていくと思います。ウォルターのように、辻褄合わせのためにどんどん悪くなっていくことでしょう。ジェシー・ピンクマンは、まるで日銀のようです。

その挙句の果てに、ウォルターは破滅します。ジェシーは、命だけは助かります。

おそらく、財務省はこのまま悪くなりつづければ、ウォルターのように破滅するでしょう。ジェシーは、あくまで助手的な立場を貫いたので、助かりましたが、日銀も今では、金融引締めから、金融緩和に転じたので、破滅まではしないでしょう。

おそらく、日本銀行自体は、解体されることはなく、そのまま継続するかもしれません。しかし、日銀法の改正により、現状のおかしげな、日銀の独立性は破棄されることでしょう。そもそも、国の一下部組織に過ぎない、日銀が日本国の金融政策を決定するということ自体が、おかしなことです。

世界の中央銀行のほとんどはそうはなっていません。あくまで、中央銀行の独立性とは、国の金融政策の方向性は政府が決定し、日銀はその決定に従い、具体的な施策を選定するときに他社に影響されず、自由に選べるというのが、世界基準の中央銀行の独立性というものです。

ウォルターは、自分が亡くなった後の、家族の生活費のことを心配して、悪の道に入りました。だから、このドラマは人々の共感を得て空前の全米大ヒットにつなかったのだと思います。

しかし、財務省は違います。財務省にとっての家族とは、ほんらい国民であるはずです。しかし財務省は、省益のことだけ考え、国民生活など二の次で増税に突っ走っています。人間にたとえると、自分のことだけ考えている人のようなものです。こんな人は、どんなことがあっても、他の人から共感を得ることはできません。

財務省は今のところ、破滅に向かって全速力疾走しています。

まるで、ウオルターがそうとは思わず、どんどん深みにはまっていたのと同じようです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年10月13日日曜日

【ボール・クルーグマン】財政赤字ガミガミ屋どもこそ非難すべき―【私の論評】日本も同じ!!でも政治家のほとんど、特に自民党に"いかれポンチ"が多すぎ!日米両国とも財政赤字の罠にはまってしまった!

財政赤字ガミガミ屋どもこそ非難すべき

by ポール・クルーグマン

アメリカのいかれポンチ代表共和党のJohn Boener

あと2週間後に政務上限危機が起きて経済に悲惨な影響がでたとして,そのときは John Boehner のもとでヘマした連中を非難しよう.それに,財政赤字ガミガミ屋どもも非難しよう――「責任ある」ピーターソン予算委員会みたいな連中,それに,支持したおマジメなみなさんもそろって非難してやろう.

『ニューヨークマガジン』でジョナサン・チェイト (Jonathan Chait) が思い出させてくれてるように,ああいった組織はそろいもそろって2011年に共和党を応援した.共和党がはじめて債務上限を使って現職の大統領に脅しをかけたとき,連中はそろって応援してた.

いかれポンチを応援した、いかれポンチの Jonathan Chait

金融危機が起こりそうないまの様子をみて連中がびびってたとして……ねえ,あんたら,自分の目標に役立つならあんなゆすりもOKだって主張してたのは他でもなくあんたたちだったよね.

© The New York Times News Service

【私の論評】日米双方とも政治家に"いかれポンチ"が多すぎ!だから両国とも財政赤字の罠にはまってしまった!

いかれポンチ?これは、ある方のtwitterの写真です

イカレポンチ

@u_ya_mu_ya


いわゆる、“いかれポンチ”も数が多くなるととんでもないことになります。アメリカでは、 John Boehner のもとでヘマした連中、財政赤字ガミガミ屋どもは、現状のアメリカの様子をみると、“いかれポンチ” も数が多いと、 あと2週間後に政務上限危機が起きて経済に悲惨な影響が出るようなとんでもない事態になることを示しています。

リーマンショックの時には、敏速に対応して、金融緩和を積極的に進めた米国とは、対象的に日本では、日銀が金融緩和をしなかった(当時の日銀はしたといっていていたが、他国と比較すると量的に少なすぎ)日本が、もともとリーマンショックとはほとんど関係なかったのに、ほとん゛と独り負け状態になったことから、米国のほうが経済対策は、はるかに優れているようにみえました。

そうして、日本の政治家や、官僚なども、アメリカに比較すると"いかれポンチ"が多いのかと思い、忸怩たる気持ちがしたものです。

しかし、上の状況をみていると、アメリカも経済に関しては"いかれポンチ"が多数いるということで、お気の毒ではありますが、何やら滑稽でもあります。はっきり、「ばーかみたい」という感じです。ホール・クルーグマン氏もこれらマクロ経済が全くわからない"いかれポンチ"を随分前から、批判し揶揄していました。そうして、著書で、「テレビなどでは、医学の分野の話だと、医師が説明するのが普通だが、なぜか経済の話になると、マクロ経済と全く関係のない人がそれこそ、"いかれた話"を平気でする」と嘆いていました。"いかれポンチ"は、米国でも日本と変わらず多いようです。

日米共にマクロ経済オンチは多いようですが、日本は左に(おそらく反資本主義であるマルクス主義の影響)、アメリカは右に(リバタリアニズムや古典派系経済学の影響だろう)多い傾向があるようです。ただし日本でも新自由主義の構造改革系は反マクロ経済学的要素が強いです。財務省も緊縮デフレ脳です。政治家も少数の例外を除けば不勉強極まりありません。

経済学者のいうことは当てにならないなどという人もいますが、クルーグマン博士も言っていたように、現在の世の中でも、マクロ経済学的な見方は成り立っています。それに、今の日本経済をみていても、マクロ経済学が現実の世界に当てはまるのかなどということは、到底理解できません。

なぜなら、今の日本は、過去20年にもわたって、マクロ経済がこうすべきことと教えていることのすべて逆をやってきています。ただし、今年の4月から、包括的金融感をして、ここ20年ではじめて、マクロ経済学の教えに合致した金融政策をやりはじめたばかりです。これでは、マクロ経済学が、世の中の現実に即しているのかどうかなど、検証不能です。今の日本、まずはマクロ経済学の教えと合致する経済政策をするのが、最優先課題だと思います。

それにしても、日本では、こうしたマクロ経済学を全く無視する"いかれポンチ"が顕在です。顕在どころから、数的にほとんどが"いかれポンチ"です。自民党も、数的には安倍総理も"いかれポンチ"の多数派に囲まれ、長期安倍安定政権を目指すために、忸怩たる思いで「来年4月からの増税」に妥協してしまいました。

自民党の"いかれポンチ"議員は、民主党の"いかれポンチ"議員などと比較すれば、まだましですが、その数の多さは、パーセンテージでみれば、あまり変わりはありません。民主党の"いかれポンチ"度合いは、酷すぎました。中国に対する態度も、自民党にもこうしたとんでもない議員も多数いますが、民主党のポンチ度合いは、度外れていました。

むろん、自民党にも、民主党さえまともな人もいました。民主党は、閣僚はほとんど全部"いかれポンチ"でした。これでは、いくらまともな議員がいてもどうにもなりません。自民党の場合は、少なくとも安倍総理は"いかれポンチ"ではないですし、閣僚にも、議員にもそうではない人もいます。だから、自民党のほうがまだまともかもしれません。だからこそ、こういう人たちに頑張って欲しいです。

認知症の老人は、自分が認知症と理解してない人も
多い。いかれポンチも自分をそうだと思ってない(゚д゚)!

"いかれポンチ"の多数派は、このことに気づいていません。"いかれポンチ"は、全く自分のことをそう思っていません。認知症の老人の多くが、自分は認知症ではないと思っているのと非常に良く似ています。他人評価でなくて、自己評価の世界に生きていて、他人の言うことなどは、歯牙にもかけません。

民間企業の経営者などが、マクロ経済を理解しなくても、"いかれポンチ"とはいえないとは、思います。なぜなら、彼らはミクロ経済の担い手だからです。現経団連会長、米倉のようなのは、いただけませんが、企業経営者の中には、マクロ経済のことは知らなくても、商売上手、事業運営のうまい人はいくらでもいます。しかし、政治家や、経済新聞記者、マスコミ、経済に関係する官僚、財界団体の長などがマクロ経済に疎ければ"いかれポンチ"と言われても仕方ないと思います。

経団連米倉会長

これは、本当に国に関係なく、日米共通です。このまま"いかれポンチ"をそのままにしておけば、上記のアメリカのような、滑稽な出来事が起こっても不思議ではありません。実際、日本の民主党政権下でも、もう少しで現在のアメリカと同じようなことが起こりかけたのは、記憶に新しいところです。

いずれにしても、"いかれポンチ"の多い政治家による政治は、うまくはいきません。日本で、"いかれポンチ"を見抜く方法は、簡単です。クルーグマンのように 「財政赤字ガミガミ屋」は、日本でも"いかれポンチ"の代表格です。特に、「このままでは、日本は財政破綻する」などと心の底から信じ込み、経済成長よりも、財政再建が先と信じ込む政治家は極めつけの"いかれポンチ"です。

社会保障費の削減と、経済成長するということは、全く別次元の問題であり、社会保障費が増えようが、増えまいが、経済成長は実現できます。それに、デフレから一刻もはやく脱却して、経済成長しなければ、税収が減り、そうなれば、ますます、財政赤字が増えるわけです。だから、今は経済成長が最優先なのです。そのためには、アベノミクスの第一の矢である、金融緩和をさらに推し進め、年内には実現できなかった、第二の矢である、大規模な財政出動が必須です。

こんな簡単な理屈がわからないのが、"いかれポンチ"です。いかれポンチどころか、精神を病んでいるのではないかと思います。あるいは、頭が老化したか、完璧に劣化したのか・・・・・・・?

これらの、"いかれポンチ"の言論を徹底的に批判すること、言質をとること、選挙のときには当選させないようにすることが、日本をまともにする最初の一里塚になります。これは、アメリカも同じことです。だかこそポール・クルーグマン氏は、上記のように"いかれポンチ"どもを徹底的に批判しているし、過去においても手ひどく、執拗に批判しまくっていたのです。そういわれてみれば、ブッシュ政権批判など度がすぎていて、批判というより一歩間違えば、罵倒という感じでした。

辛辣な批判をすることで有名なポール・クルーグマン博士

一流の経済学者から罵倒を浴びせられれば、さすがに、参ってしまうだろうし、経歴に傷がつくだろうし、相当ショックだろうと思います。でも、仕方ないです、そもそも"いかれポンチ"は、アメリカだろうが、日本だろうが、政治家などになってはいけないのです。日米双方の、まともな経済学者、まともな言論人、そうした私たちのような草の根の人間は、これから、徹底的に"いかれポンチ"を叩いていくべきです。そうでなければ、日米双方ともまともにはなりません。

日本が財政破綻するなどは、単なるトンデモ説であることは、このブログでも何回か説明しましたし、このブログの読者の皆様は、ほとんどご存知だと思いますが、そうではない方のため、本日は以下に動画を掲載します。この動画をご覧いただければ、よくご理解できると思います。



国家の経済を家庭の主婦的感覚で考えて、貿易赤字(貿易赤字がたくさんあるからといって、それが即経済が悪いこととは結びつかない)で大変だとか、景気が悪いのに、財政赤字をガミガミ(景気が悪いときには、何をさておいても経済成長が重要)いう"いかれポンチ"は、日米ともに政治家になる資格はありません。ましてや、このあたりを理解できなマスコミ関係者も、日米ともに、経済記者、経済新聞を名乗る資格はありません。こういう"いかれポンチ"どもは、世のため、人のため、この世から駆逐しなければなりません。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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