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2011年7月3日日曜日

震災後に注目を集める新しい働き方『分散型オフィス』まとめ―【私の論評】震災を期に多くのものが変わりつつあり、ビジネスチャンスが到来の時期と捕らえるべき!!

震災後に注目を集める新しい働き方『分散型オフィス』まとめ



3月11日の東日本大震災は、サラリーマンや会社のありかたというものを見直すきっかけとなりました。その中でも、今、大きく変わろうとしているのが「オフィス」です。

これまでは、社員が仕事をするための機能を一箇所に集中させ、そこに全ての社員を収容することで業務効率化・経費削減する”集中型”のオフィスが主流でした。しかし、震災後はより積極的にクラウドやノートPC、IT機器を活用することで社員を”分散”する傾向にあります。そのほうが不測の事態にも強く、省エネにもなり、結果として経費削減にもなることに企業も気付き始めているからです。

本稿では、震災以降に出てきた新しいもの、以前から注目されていたものも含めて、従来には無かった新しいオフィスの形、”分散型”オフィスをまとめてみました。

コワーキング・スペース
『共同』、『共に』という意味の接頭辞coをworkingに付けて作られた言葉「コワーキング」。日本にも見られるような、いわゆる小規模の月極めレンタル・オフィスと違って、フリーアドレスで無線LAN完備の時間貸しオフィスが「コワーキング・スペース」です。仕切りのない漫画喫茶のオフィス版といったところでしょうかね。六本木店、渋谷店の2店舗を運営する「JELLY JELLY CAFE」(http://jellyjellycafe.com/)は1日千円程度、1ヶ月契約でも15,000円(2011年7月現在)と、かなり安いです。気軽にお試ししてみるのもいいですね。

JELLY JELLY CAFE
セカンド・オフィス
異なる企業が複数集まり、共に働きながら職場をシェアするのが、「セカンド・オフィス」です。「第二のオフィス」の名のとおり、既にオフィスを所有している企業が、他社との共同プロジェクト運営のためにオフィスを共有します。場所をパーテーションで区切り、大人数でオフィスを借りるコストカットするシェア・オフィスと違い、あくまで複数の企業の協業を主眼に置いています。日本では赤坂にオープンした「オフィス・コロボックル」(http://www.facebook.com/KOROBOCL)が一部で話題になってますね。
公共の空間をセカンドオフィスにするという手もある
そんな時にボーズコンフォートのような、まわりの音をシャ
ットアウトするノイズ・キャンセリング型のものが役に立つ
ルームシェア型オフィス
同じような仕事をする会社員や個人が集まり、生活しながら人脈を広げたりスキルを磨き合う、現代版の「トキワ荘」とも言えるのがこの「ルームシェア型オフィス」です。phaさんが主催し、WEB系のエンジニア、クリエイターを集めた「ギークハウスプロジェクト」(http://geekhouse.tumblr.com/)は都内だけでなく京都や愛知など、全国に広がっています。生活費を節約しつつ、同じ志を持つ仲間を欲する若い人たちの間で、今後ますますニーズは高まるでしょう。今後は企業が主導し社員を住まわせるルームシェア型オフィスなども生まれそうです。

ギークハウス文京護国寺 外観
ギークハウスの中の様子
一般的な事業所における一人当たりの必要スペースは、おおよそ2坪と言われています。都内の平均的な相場ですと、100人の事業所で月400万円、千人を超えるような規模の大企業だと、月々4千万円ほどかかることになります。

技術的にはskypeやUSTREAM、twitter等で社内の情報共有できる状況も整っています。社員を分散し、いつでもどこでも作業できるようにしてしまえば、個人の必要スペースどころか会議室やミーテイングルームさえいりません。セキュリティの問題もあり、大きな会社がスピーディに導入するのはなかなか難しいかもしれませんが、上記で紹介したような社員”分散型”のオフィスが、日本でも少しずつ浸透していくでしょう。
【ガジエット通信より、要約】

【私の論評】最近は、分散型オフィスを支援するクラウドも充実している!!
このブログでは、以前にも震災前と後で変わったものの事例として、フアッションをあげました。今年、アパレルメーカーや、フアッション雑誌などでは、春夏の流行りの色は、ピンクや赤といういうことで、ファッション雑誌など6月号あたりでは、表紙も中も特にピンク一色に染まったという感じでした。

しかし、震災後実際に売れているのは、色としては、スティント・ブルー、白、ベージュなどでした。また、靴もバレーシューズがかなり売れたようです。特に、バレーシューズに関しては、都内では、地震があったときに、女性もかなりの距離を歩いて自宅まで帰った人もいます。このようなとき、ハイヒールであれば、相当辛い思いをされたのではないでしょうか。だからこそ、地震に限らず、いざのときの準備ということで売れたのだと思います。

また、震災を期に、結婚を考える女性も増えました。都市部の女性を中心に結婚相談所への照会が相次ぎ、会員同士で成婚して退会するケースが急増しました。婚約指輪の売れ行きも伸びました。未曽有の災害に直面して孤独感にさいなまれ、人との絆を持ちたいとの思いが広がった、との見方もあります。

ちなみに、新宿高島屋(東京都渋谷区)のアクセサリー売り場では、4月1~19日の婚約指輪の売り上げが前年同期比で約4割増加しました。「婚約指輪を買うつもりはなかったが、自分たちの出会いや気持ちを形にして残したい」と訪れるカップルもいたそうです。

新宿高島屋一階アクセサリー売り場
さて、このほかにも、皆さんご存知のように、原発の安全神話が崩れたり、自粛があってみたり、節電があってみたり、震災を期に確かに多くのものやことが、大きく変わりました。

分散型オフィスに関しては、ずいぶん前からいわれていて、たとえば、経済産業省によるオフィスあアルカディア構想なるものがありました。函館からJRで千歳空港まで行くには、南千歳で降りて、そこから、千歳空港駅まで行く必要がありますが、その南千歳駅で降りると、駅のフォームにこのオフィスアルカディア構想の看板が良く見えるようになっていたのを記憶しています。

オフィスアルカディア構想とは、経済産業省による地方拠点法に基づき国の支援のもと、オフィス、研究所など、産業業務機能の地方分散を目的とした政策でした。千歳にも、千歳アルカディア・プラザなる施設があり、この施設は、この政策に基づき千歳オフィス・アルカディア団地内立地企業への産業業務支援中核施設として、ビジネス支援サービスを中心に運営されます。また、平成10年開校の我が国唯一の光技術を専門とする「千歳科学技術大学」と連携した国際産業交流拠点としての役割も併せ持っています。

1階には、交流を目的とした産業情報プラザ、レストラン、多目的ホールがあり、2~4階はレンタル、テナントオフィスとして賃貸を行うそうです。フリーアクセスフロアや光ケーブル網を整備するなど経済性と機能性を重視しています。建物外観は地区の持つ先進性を表すためアルミパネルとカーテンウォールを中心に構成したそうです。

千歳アルカディアプラザ
この構想は、2000年あたりにはじめたもののようですが、2005年時点では、入居率100%だったようです。しかし、このような採算度外視の国の関連の施設は別として、各地でのこのような試みは、あまり成功しなかったようです。特に、都内ではそのようです。

何しろ、大企業のほとんどが、従来型のままで、大きな建物に、全社員が朝一時に集まるという方式を継続したままでしてから、結局は、進まなかったのだと思います。大企業などで、そのような方式をとるということは、やはり、その方式が一番効率的でコストもかからなかったということです。

しかし、震災後には、この考え方も変わりつつあると思います。まずは、大地震が起こったときに、社員が一箇所に集中してまとまつていれば、それだけ被害も多くなります。これが、分散してあれば、被害は少なくなります。

それから、地震で、都内はそうでもなかったですが、津波の被害にあったところにあった、自治体や、会社などでは、情報が津波にさらされてしまったということです。いくら、最新鋭のパソコンや、LANなどを組んでいたとしても、津波にさらされてしまってはどうしようもないです。

このようなことを防ぐためにも、ますます、クラウドの使用が検討されるようになるでしょう。情報漏洩など恐れていても、いざ、地震などの震災にあえば、情報そのものが消えてしまうこともあり得ます。そうなってしまえば、どうしようもないです。クラウドに蓄けば、パソコンなど津波にさらわれようとも、情報だけはなんとかなります。そうして、被害にあった直後でも、インターネットに通じるパソコンだけあれば、以前と何のかわりもなく、すぐに、情報の出し入れができます。

そうして、現在は、従来に比較すれば、クラウドはかなり使いやすい状況になっています。クラウド用のいろいろなアプリが開発されていて、しかも、以前と比較すれば、低廉で使い勝手もかなり良くなっています。その典型は、GoogleのAPPです。Google Calendarによる、ビデオチャット、スケジュールの共有、メール、その他、文書、スプレッドシート、写真、動画その他の共有がいとも簡単にできてしまいます。

実際、多くのクリエーターなどが、クラウドを用いて、場所を選ばずに仕事をしています。スターバックスにいけば、そのような人が良く見受けられます。特に、企画をたてるような仕事であれば、現在では場所は選びません。この傾向はますます強まるでしょう。

このような諸条件が揃っているため、今回の震災を期に、分散型オフィスが普及する率がかなりたかまったと思います。

さて、今回は、分散型オフィスの記事がたまたまあったため、この話をしましたが、これは震災による変化の一事例にすぎません。他にも、まだまだ、変わるものがあります。こうした、社会の変化に目をつけることによって、様々なイノベーションが可能になります。現在は、この変化をただ黙って見過ごすことなく、新たなビジネスチャンスが到来したのであり、特に社会的イノベーションを起こしやすい時期と捉えるべきだと思います。

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