鳩山由紀夫首相は25日午後(日本時間26日朝)、ピッツバーグで記者会見し、経済問題を話し合う最上位の会合とされた20カ国・地域(G20)の会合について「大人数で結論を出していくようなテーマは限られてしまう」と役割が大きくなりすぎることに懸念を表明。「G8(主要国8カ国)はなくすべきではない」とも語り、G8の会合がなお重要との考えを示した。
G8では日本がアジアで唯一の参加国だが、G20には中国やインドなどの新興国も参加している。首相の発言の背景には、G8の役割が弱まれば、日本が埋没しかねないとの危機感があるとみられる。
鳩山氏は「政治指導者が20人から25人集まって議論して、一つの結論を見いだすことは至難の業だ。官僚が事前に様々な調整をすることになりかねない。G20でいい結論を出そうとすればするほど、逆に官僚の思いが前に出てくるような中身になってしまうのではないか」と指摘。「G8なら政治家同士で議論が活発に行われる。先進国の首脳が集まる政治的な意味はこれからもある」と述べた。
また、新たなアフガニスタン支援策については「オバマ大統領にとって内政の医療保険改革と外交におけるアフガン支援の二つが大きなテーマだ。そういう意味で優先したい」と述べ、在日米軍再編や日米地位協定の見直しなど、政権公約で掲げた他の日米間の懸案に先行して取り組んでいく考えを示した。
ただ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題については「沖縄県民の心情を考えたときに一刻も猶予がない話だ。ある一定の時間のなかで結論を見いだしていく必要がある」と語った。
G8は当然必要でしょう!!
G8は当然これからも必要だと思います。なぜかといえば、いわゆる先進国は、他の国と比較すると、経済でも社会でも政治でもこれからの課題がいわゆる、新興国とは随分異なるからです。新興国に関しては、先進国が過去に歩んできた道をものすごい勢いで走っているに過ぎません。その速度の速さに、多くの人が目を奪われています。
先進国といってもいろいろタイプはありますが、日本などを除くと、100年以上もかけてゆっくりと経済的に恵まれた国になったところがほとんどであり、新興国のように20~30年で経済が急速に伸びたわけではありません。長い時間をかけた分だけ、いろいろな積み重ねがあります。特に、最近いわれているソーシャルキャピタルの蓄積など先進国のそれは、新興国には及ぶべくもないと思います。
それに、中国などの国に対しては、もっと等身大に見ていく必要があるものと思います。いくら、中国のGDPの伸び率が高いとはいっても、中国の人口は13億もあります。これは、日本の10倍以上です。人口から考えれば、たとえば、中国のGDPが日本と同等になったとしても、人口あたりに換算すれば、1/10以下ということです。
さらに個人あたりの、資産でいえば、アメリカは2000万、日本は1000万超、イギリスなどは500万超というところです、中国は、そのような統計資料を見たことも、あるのかもわからないのですが、おそらく、比較の対象にならないと思います。
2年ほど前の資生堂の調査(中国当局の統計よりも余程信用ができる)によれば、年収が100万円を超えた人が、はじめて1000万人を超えたということでした。だから、日本でいう中国の富裕層の台頭はかな疑問符がつきます。
日本でも、もし、中国の富裕層向けのビジネスを本格的に実施したとしたら、あっという間に行きづまるかもしれません。まあ、そんな心配はしなくても良いのかもしれません。日本の産業界も賢いですから、日本の対中国直接投資は減り、今年の7月からはインドに対する直接投資のほうが増えています。富裕層ビジネスなどとのたまう、企業は中国の実体を知らないだけかもしれません。それに、中国では、未だ、政治と経済の分離、民主化、法治国家化という基本的なことが実現されておらず、社会的には、先進国のそれと比較すると著しく遅れています。このような社会を持つ国は、とても、先進国とはいえません。
さて、私の言いたいことは、もうお分かりだと思います。やはり、新興国と、先進国とでは、これからの課題が全く異なります。先進国の課題としては、もはや、旧来のようには、これから大きく成長するとみられる産業(バイオ、ナノ、素材産業、宇宙産業、社会事業、大規模海洋牧場など)が、直近では大規模に稼動できないことです。
それと、先進国は、先進国なりに高度な社会モデルをつくりあげてきましたが、現状では、20世紀末から完全に変質してしまった社会に未だ十分対応していません。変質した社会とは、高度に情報化した社会であり、高度の知識社会であり、およびこれらの台頭による、社会的変化です。これに対して、新興国は、良い悪いは別にして、先進国が過去に築いてきた社会に、ものすごい勢いで追いつこうとしているところです。いわゆる、お手本や雛形があるのです。
しかし、先進国には、雛形、お手本はありません。おそらく、各国が自分の国の諸事情に合わせて、独自に開発していくしかありません。そうして、その中かから、いくつかの先進モデルが出来上がるのだと思います。できあがらなければ、いずれ新興国に追い抜かれることになるでしょう。しかし、新興国も追い抜いたとたんに、先進国と同じ課題を突きつけられることになります。前世紀にEU諸国を経済的に追い越した今日の日本の姿はまさにこれです。
このブログでは、以前から述べたきたように、やはり特に日本は、すっかり変わってしまった社会に対応できるインフラを整備するのが、緊急の課題だと思います。そんなときに、残念ながら、新興国の事例は全く役に立ちません。新興国でも、こうした先進国の自分たちからみれば、進んだ社会の問題など、聞かれても返答に困るでしょうし、大方の人は想像もつかないと思います。
私は、昔アメリカの本などを読んでいて、いろいろな社会問題について書かれてあったのですが、全くピンとこないことが良くありました。その当時は、私は中学生か高校生で、その頃にはアメリカでフリーターをやっているほうが、日本でサラリーマンをやっているより年収が良いというような時代でした。そんな時代には、日本ではほとんど意味を持たないようなことや、問題にもならないことがアメリカでは大きな社会問題になっていたのだと思います。
サミットでも、G20だけということになると、社会的にも経済的にも、もう先進国では旧型になったモデルに関してのみ論議されるということになり、先進国における次世代モデルなどは話題にならないと思います。これは、新興国にとっては良いことだし、G20の場は、先行の失敗や成功事例を多く学ぶ機会ともなります。しかし、先進国にとっては、ほとんど参考にならないことになるどころか、旧型の社会・経済モデルからなかなか抜けられないということになりかねません。
企業経営においては、現在と将来のバランスをはかっていくことが重要です。将来のことを考えて、現在は効率が悪くても今からやっておくべきことがあります。逆に、将来のことばかり考えすぎると、現在がおろそかになってしまいます。バランスが必要です。それと同じよに、サミットも、現在の問題・課題、将来の問題と課題の両方を論じていくことが肝要です。そうなると、おのずと、G8では将来のこと、G20では現在のことなどと役割分担ができるのではないかと思います。
現在では日本は、社会がある程度豊かになってからの歴史の長いEU諸国や、アメリカなどのソーシャルキャピタルの蓄積などについて、真摯に学んで、日本にも取り入れてく必要があります。さらに、特に現代にマッチした日本の伝統・文化の良さも取り入れて社会の新たなモデルを構築し、それを他の先進国に伝えていべきだと思います。そのためにも、G8は必要だし、これからますます重要性を増していくと思います。
ただし、過去の延長線上でだけものを考え、先のことといえば、数ヶ月先しか考えないような先進国の政治屋さんには、確かにG8は必要ないかもしれません。20年、30年先までのことを視野に入れている、政治家なら絶対に必要だと考えることでしょう。さて、鳩山さんはどっちのタイプなのでしょうか?
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