上は、 ニューズウィークの表紙を飾るAmazonkindle
一年以上前の第一報からようやっとアマゾンの電子本端末「Kindle」が初めて正式に姿を現しました。Newsweek最新号の巻頭記事ではAmazon.com CEOジェフ・ベゾスへのインタビューをもとにKindleの概要と野望が明らかにされています。明らかに、といっても昨年のFCC入りで外観から仕様までほぼ判明していたため、6インチ800 x 600のE Inkディスプレイ(バックライトなし)、QWERTYキーボード、EV-DOデータ通信、内蔵フラッシュメモリとSDカードスロットといったハードウェア面にはとくに目新しい要素はありません。
データ通信ネットワークのキャリアがSprintであること、本体価格が$399といったあたりは改めて確認された事実です。サイズ・解像度ともに同一のE Ink製ディスプレイを搭載した電子本端末にはソニーのPRG-505がありますが、Kindleは約100ドルほど高いかわりに単体で携帯データ通信ネットワークに接続してネットに出られることが特徴です。
KindleからアクセスできるAmazon.comではどこでも電子書籍が購入できるほか、PCからと同様に検索やお薦めリストの参照、レビューの閲覧まで可能。Kindle版電子本の価格はたとえばNY Times紙ベストセラーや新刊のハードカバーが$9.99。ほとんどすべての本について最初の章の試し読みは無料。書籍のほかTimesやウォールストリートジャーナル、ワシントンポストといった新聞、雑誌の購読もでき、無線LANスポットを探したり自宅でPCと同期する必要なくどこでも最新のコンテンツが閲覧できます。
またWebブラウザも搭載されており、本を読みながらGoogle検索やWikipediaの参照も可能。オンラインコンテンツのほか手持ちのWord文書やテキスト、PDFを持ち歩くこともできます。MP3とAACの再生にも対応(Amazon MP3参照)。機能やコンテンツの供給体制を眺めてみれば、たしかに本のiPodとして「アナログ最後の砦」(ベゾス)である書籍を攻略する、あるいはなかなか普及しない電子書籍に火を点けるという本気が伝わってくる充実ぶりです。400ドルという価格は機能以前に第一印象で高いと思われそうですが、後発だけに勝算がある設定なのかもしれません。今頃発売するのは、やはりアメリカ国内のクリスマス商戦を意識してのことでしょうか?いずれにせよ、今年のクリスマス商戦の人気ぶりで、将来が占えそうです。
私の感想では、重量の軽さが一つの鍵となると思われます。ペーパーバック一冊分の重さで、書籍を読むことには特化しているが、モバイルパソコンのうちモバイル(持ち運び)で良く使われる機能がほぼすべてそろっていて、使いが勝手がよければ、人気高騰が期待できると思います。
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