2011年9月24日土曜日

セシウムが瞬時に取り除かれた 放射線対策に夢の吸着装置―【私の論評】今日の私たち日本には、とてつもない技術力がある!!今回の震災、原発事故を契機として、さらに強いとてつもない日本を目指すべきだ!!(その2)

セシウムが瞬時に取り除かれた 放射線対策に夢の吸着装置 
2尾のバルーン魚ロボットが空中遊泳している様子、イノベーション・ジャパン2011にて

福島第一原子力発電所の事故で放射線対策に関心が高まっている中、2011年9月21、22の両日、東京で開かれた大学の研究見本市「イノベーション・ジャパン2011」では画期的な発見や工夫が注目を集めた。

海水や血液などの液体成分から半減期の長いセシウムを瞬時に取り除く技術を発表したのは、東京慈恵会医科大学臨床医学研究所の並木禎尚講師ら。直径70~80ナノメートルの磁性微粒子にセシウム吸着材 (プルシアンブルーやゼオライト粉末) をくっつけた。こうしてできた微粒子をセシウムの溶けた海水に混ぜて磁石を近づけると、微粒子がセシウムを吸着して集まり、数秒から数十秒で99.9%のセシウムを回収できた。牛乳、牛の血清にセシウムを入れた場合の回収率も同様だった。

従来のゼオライト粉末などによる吸着は、自然の沈殿を待つために数時間かかった。並木さんらは磁石を利用して、抗がん剤をがんに集めるDDS(薬剤送達システム)を研究していて、原発事故に応用できることに気づいた。海水や被曝した人の血液からの回収装置として利用可能という。

被曝後に飲んで効果のある薬も

福岡大学薬学部の高田二郎教授らは、放射線被曝後に飲んだり注射したりすることで、放射線の害を減らせる可能性がある「急性放射能症」薬を発見した。マウスの全身にX線を照射する実験では、なにもしないと30日後にはほとんどが死ぬ。ところが、「ビタミンEの前駆物質」であるこの薬を使えば、被曝1時間後の投与で90%、10時間後で75%、24時間後でも40%が生き続けた。粉末で長期間保存でき、原子力事故や核テロ対策などに対応できる。米国でもこうした薬剤を探索中で、FDA(食品医薬品局)は、人への安全性と動物への効果を確認すれば、臨床試験抜きで承認する方針を決めている。

しかし、日本の厚生労働省の現行基準では人への効果確認が必要なため、基準が変わらない限り日本での製品化は不可能という。高田さんは「倫理面から人への効果確認はできない薬だが、日本もぜひ米国基準を採用してほしい」と訴えていた。

「イノベーション・ジャパン」は独立行政法人の科学技術振興機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構が主催、大学発の最新技術を産業界に紹介し、産学連携で新産業を起こそうという国家的戦略的な催しで今年が8回目になる。

【私の論評】  今日の私たち日本には、とてつもない技術力がある!!今回の震災、原発事故を契機として、さらに強いとてつもない日本を目指すべきだ!!(その2)
わたしは、以前にもこれと同じような記事を掲載して、解説をしたことがあります。それに関しては、以下のURLをご覧になってください。


放射性セシウム:土壌からほぼ全量回収可能…新技術を開発―【私の論評】今日の私たち日本には、とてつもない技術力がある!!今回の震災、原発事故を契機として、さらに強いとてつもない日本を目指すべきだ!!


今回また、新たな技術のニュースです。原発事故など、起こってしまったことは、もうもとには戻りません。しかし、だからといって、ただ大変だといって、閉塞感に苛まされることなど真っ平御免です。だからこそ、前回あのような記事を書きました。詳細は、当該記事をみていただくものとして、以下にその記事の結論部分をあげておきます。
今は、ドラッカーのいうように、パラダイムがすでに、シフトしているわけですから、既存の考えだけにとらわれて、閉塞感にさいなまされるだけというのではなく、とてつもない新たな技術を生み出すこと、さらに、とてつもない技術などを前提として、新たな社会を築くことなどに、注力すべき時と思います。震災、原発事故に対して、ただ手を拱いて、絶望しているのではなく、これを新たな産業の芽とすることに多くの人が挑戦していただき、さらに、強い、日本を創出していくべきと思います。
ドラッカーのいうパラダイムシフトとは、今や、ある産業の新技術は、その産業の中からでてくるのではなく、全く別の分野から出てくるということです。たとえば、現在製薬の分野での最新の成果は、従来のように、化学、生化学によるものではなく、バイオテクノロジーによるものがほとんどです。

このようなことは、例をあげればきりがないくらいです。最近の、高速インターネットの光通信は、従来の銅線を生み出す技術などとは、全く関係のない、ガラスによる、グラスファイバーによってもたらされたものです。昔、車はあくまで、機械であり、エレクトロニクスとはあまり関係なかったのですが、今や、半導体をはじめ、エレクトロニクスがなければ、なりたちません。

磁性微粒子にセシウム吸着材 (プルシアンブルーやゼオライト粉末) をくっつけた微粒子は、まさに、現在のナノテクノロジーのたまものです。これは、当然のことながら、従来の放射線に関する技術などからうまれてきたものではありません。これは、今までの東電などの電気会社の研究開発や、従来の放射能にかかわる技術などからは生まれるような技術ではありません。

今回のこのニュースも、ドラッカーの言っていることが正しいことを実証していると思います。それよりも、何よりも、私たちの日本では、様々なハイテクノロジーが存在しており、その裾野もかなり広いし、厚いです。

今回のように、運悪く原発事故がおこってしまったにしても、今までの常識や、枠組みからは考えられないような、新技術がでてきていますし、これからも続々とでてきます。それらの技術は、日本国内では、もちろんのこと、世界に福音をもたらすはずです。今回のように、実際に、放射能が多量に漏れ出すなどということは滅多にないことです。確かに、この事故は不幸なことでしたが、これをチャンスとして、様々な技術が生まれ、生まれるだけではなく、実用化される可能性が飛躍的に高まったということです。

まざに、禍転じて福となす、という考え方により、さらに強いとてつもない日本を目指すべき時だと思います。

現在の政権など、歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災や津波、原発事故でさえ、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。

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