2011年10月5日水曜日

最初にうまくいくよりも、失敗を克服する方が早く成功する―【私の論評】間違いや、失敗だけはしないようにと考える人間は、信用ならない!!

最初にうまくいくよりも、失敗を克服する方が早く成功する


最初にうまくいくよりも、失敗を克服する方が早く成功する。

この格言は、イギリスのエコノミスト・ジャーナリストのTim Harford氏の言葉です。日本にも「失敗は成功の母」という言葉がありますが、それと同じく「成功とは失敗によって生まれるものだ」と言っています。失敗はどんな人にも避けようがないので、避けようとするよりも、それを克服する方がもっと良くなるというのがポイントです。

Harford氏は、失敗に対処する時に注意しなければならないポイントがいくつかあると言っています。まず最初に、間違ってしまったことを否定しないようにしましょう。

間違ってしまったことを認め、正そうとするのは、この世で一番大変なことのように思えます。自ら作り出した状態を、乗り越えなければなりません。

失敗した状況を受け入れると、これまでのすべての努力が無駄になるかのように、時に、失敗を避けようとするあまり、何かを失うのが怖くて深追いしすぎてしまうことがあります。結局、何が起こるかは誰にも予測できません。試行錯誤を繰り返すことしかできないのです。失敗は試行錯誤の大事な一部。長い目で見ると、失敗を受け入れることで、実際の成功につながる可能性があります。

この格言についてもっと詳しく読みたい方は、「The 99 Percent」の記事を以下のリンクからチェックしてみてください。また、「New York Times」にも「失敗は成功の母」の別の切り口の記事があり、こちらも興味深いです(どちらも英文)。

Why Success Always Starts With Failure | The 99 Percent

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)

【私の論評】間違いや、失敗だけはしないようにと考える人間は、信用ならない!!

ドラッカー
私が、上の言葉を読んで、真っ先に思い出したのが、ドラッカーの『マネジメント』に掲載されている成果に関する一説です。それを以下にコピペしておきます。
成果とは長期のものである。すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである。それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。 
成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。

人は優れている人ほど、ミスをする。そして、そこから学んで、次はミスをしないようにする。だから、ますます優れていく。
Tim Harford氏の言っていることと、Drucker氏の言っていることは、表現が異なるだけで全く同じだと思います。

最初からうまくいくことばかり考える人間は、ドラッカーのいうように、見せかけか、無難なこと、くだらないことにしか手をつけない人だということです。このような、人間は、永遠に大きな成果をあげることはできないということです。ドラッカーのほうが、より厳しく、真摯だと思います。なぜなら、ハーフォード氏は、単なるアドバイスに過ぎないのですが、ドラッカーは、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないと言っているからです。

誰もが、新しいこと、困難なことに挑戦すれば、失敗することのほうが多いです、しかし、失敗しても、それを謙虚に反省して、次の機会にまた努力すれば、最初から成功するよりも、はるかに大きい成果につながるということです。

最近は、このことを認識する人も、このことを評価する人も減ってきているような気がします。これは、政治の世界でも、経営の世界でもそのような傾向がみられます。民主党になってからの、總理大臣はただの馬鹿や低能なので、このことは全く当てはまらないですが、自民党時代の總理大臣の中には、任期が短すぎて、成果をだしようもない人も多くいたと思います。

特に、私は麻生さんに関してはほんとうに残念だと思っています。なぜなら、バブルが終焉してから、このかた、緊縮財政ではなく、大規模な財政出動を起こった總理大臣は、小渕さんのほかは、麻生さんだけです。この20年間、デフレ続きですが、政府としてまとまなデフレ対策をしたのは、この二人だけです。この二人が、任期を全うできなかったのは、本当に残念であるばかりではなく、日本の運命も大きく変えてしまったと思います。


麻生さんが任期をまっとうできたとしたら、日本のデフレも随分克服されたと思います。それに、今回の震災も、確かに、被害にあわれた方々は、お気の毒ですが、麻生氏のように、景気対策をおている最中に、復興需要というものが生まれますから、これをもって、日本のデフレは完全に克服されたものと思います。

そういう可能性を見出していた人は、おそらく、私以外にも多数いたことでしょう。にもかかわらず、本当にくだらないことで、身内からも麻生おろしの動きがあり、新聞は本当に漢字を読み間違えたとか、ホテルのラウンジで酒を飲んでいたなどのくだらないどうでもよいことで、連日叩きました。

麻生さんの、積極財政に関しては、マスコミも、野党もさんざんぱら、全くマクロ経済を無視した根拠で叩きに叩きました。そうして、これらの者たちは、マクロ経済学の教えなどからは、まったく離反した、増税を主張しています。全く愚かとしかいいようがありません。増税の規模にもよりますが、ある程度以上の増税をやってしまえば、かえつて、税収が減ります。こういう愚か者たちは、税収が減ったら、さらに増税といいだすのでしょうか?

あのルーピー鳩山、空き菅、ドジョウが歴代の総理をやって、右往左往したいまとなっては、麻生氏がなぜ総理大臣を辞任しなければならなかったのか、きちんと筋を通おして説明できる人などいるのでしょうか。

世の中の政治家や、企業家でさえも、最初に失敗するよりも、うまくいくことを考えたほうが、早く成功すると思い込んでいるのではないでしょうか?これでは、本当の意味で、人は育たないし、成果をあげる人材にも恵まれないということになります。全く、愚かとしかいいようがありません。

今のマスコミや、政治家は、まちがいや失敗をしない者を信用し弱みがないことを評価しているのではないでしょうか?これでは、政治家はいつまでたっても育ちません。

このような者たちを処断するのは国民自身だと思います。まずは、このような誤った信念を持つ、政治家には投票しないようにすべきです。また、このような誤った主張をする新聞は購入しなければ良いのです。実際私も、最近、新聞は読まないようにしています。日本の新聞を読むと、日本の経済や、政治のことがわからなくなります。若い人にも、新聞を読むことをやめるようにすすめています。

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