2011年10月28日金曜日

元いいとも青年隊・岸田健作、ホームレスになっていた―【私の論評】すべての組織には、コミュニケーションの原則がある!!

元いいとも青年隊・岸田健作、ホームレスになっていた

フジテレビの番組「笑っていいとも!」に「いいとも青年隊」として出演し、その後も「おバカキャラ」として活躍したタレントの岸田健作さんがホームレスになっていたと、2011年10月28日発売の芸能スクープ誌「フライデー」が報じている。

「元『いいとも』青年隊が再起をかけて、衝撃の過去を告白!」と題して本件を報じた「フライデー」によると、岸田さんは「芸能界で働くのが突然怖くなった」ことを理由に「自分から芸能界を去りました」といい、家賃の支払いができなくなったことからホームレスになったとしている。

「財布を無くしたと言って通行人に小銭をもらい、体は公園内のトイレで洗った。コンビニの外に捨てられた弁当を漁り、口に入れることもあった」

そのような生活を代々木公園で2ヶ月ほど続けていたとき、公園内で練習するダンサーたちに出会ったという。彼らに刺激を受け、再び「表現をしたい」いう気持ちが芽生えたことで、派遣会社に登録して公園と仕事現場を往復しながら働き、「再起」を目指したとされる。現在はロックバンド「Kensaku Kishida en V」のボーカルやスプレーアート・アパレルブランド「B★ROP」のデザイナー、11月12日公開の映画「COOL BLUE」での主演を務めるなどしている。

岸田さんは、同じく芸能界を引退して「ハイパーメディア”フリーター”」となった元俳優・黒田勇樹さんのインターネット番組に出演した翌日のブログ(2011年6月24日)で、ホームレス生活から脱したことを以下のように振り返っている。

「(ホームレスの)経験があったから今があるし、今スゲー充実してるし。(中略)多分自分の人生の中で一番貴重な時間だったと思う。だって、100円おにぎりの美味しさがわかって、自分にやりたい事がある事を知れて、本当に大切な人達がわかって、、、もーこんな贅沢な経験出来たんだよ?(中略)今は毎日大切な仲間や大切な人達に囲まれて1日1日大事に生きれるようになった」

【私の論評】すべての組織には、コミュニケーションの原則がある!!



岸田健作さんといえば、あの「笑っていいとも」が印象に残っています。いいとも青年隊で活躍していたのはまだ記憶に新しいところです。以下に岸田さんの来歴など書いておきます。
岸田 健作(きしだ けんさく、1978年11月8日 - )(行現在で32歳)は、東京都足立区出身のタレント。東京都立江北高等学校卒業。現在の所属事務所は株式会社GFエンタープライズ(専属契約)。 
1997年3月にオーディションに合格し、『笑っていいとも!』の10代目いいとも青年隊として、小笠原秀春と共にWith Tとして、2000年3月まで活動。その後も『笑っていいとも!』の月曜レギュラーの他、数々のテレビドラマ、バラエティ番組にも出演していた。2009年12月からミクスチャーロックバンド「Atomic Seven」のヴォーカルとして、自ら作詞作曲を手掛け音楽活動をしていたが、2010年5月に活動休止。現在はヴィジュアル系ロックバンド「Kensaku Kishida en V」を新たに発足し、ヴォーカルとして2011年1月から活動中である。実家はケーキ屋であり、得意料理はショートケーキ。なお、オープニングを歌って踊る青年隊は彼と小笠原が現在最後の代となっている。 一時期、芸能界の怖さを感じて身を引き、2か月ほどホームレス生活を送ったこともある。
 ブレイクダンス
2002年、ガレッジセールのゴリがブレイクダンスで世界一とされる全韓国大会に出場するため、体操オリンピック選手の池谷幸雄、Panicrewの植木豪、HIPHOPダンサーの岸田健作、新体操インターハイ選手の山田千鶴率いるダンスクルー、「ユンソナ」を結成しブレイクダンス大会決勝進出を果たしている。この時の監督は日本人で初めてブレイクダンス世界大会優勝を果たしたTHE SPARTANIC ROCKERSの宮田健男であった。
http://ameblo.jp/kishida-kensaku/(岸田さんのブログ) 

公園内で練習するダンサーたちに出会ったということが、再起のきっかけになったようですが、そのようなことがなけば、どのようになっていたか、分かりません。詳しい前後関係は、わかりませんが、やはり、岸田さんにもいわゆるコミュニケーション能力、それも、特に、組織におけるコミュニケーション能力が低かったのではないかと思います。


やはり、組織におけるコミュニケーション能力がなければ、岸田さんのようにドロップアウトまでしなくても、しなくても良い苦労をしなくてはならないこともあるものと思います。だから、以下に、ドラッカー氏が提唱している組織におけるコミュニケーションの定義や原則など掲載しておきます。これは、学校などでは、なぜか教えませんが、本当に大切なことです。

■コミュニケーションの定義
ドラッカーによれば、コミュニケーションとは「思想、意見、情報を伝達しあい、心を通じ合わせるプロセス」のことを指すそうです。 
情報とコミュニケーションは違うもので、「情報は感情、価値、期待などの人間的属性を除去すればするほど、有効となり、信頼性が高くなる」と述べています。 
コミュニケーションは情報伝達と混同せず、共通認識ができるまでやっていくという姿勢が必要なのです。 
ではどうすれば共通認識ができるのでしょうか?それには、まず以下ドラッカーの4つの原則を知る必要があります。
■コミュニケーションの原則

1.コミュニケーションは知覚である
受け手の分かる言葉で話す。立場を考える。例えば日本語が苦手な外人に話す時を考えましょう。その相手の立場に立ったスタンスが重要です。ソクラテスは、「大工には、大工の言葉で話せ」と言っています。
2.コミュニケーションは期待である
人間は自分が知覚しようと期待するものだけを知覚できます。例えば街で薬屋を探しているとき、八百屋の存在は目に入らないものです。ラーメン屋を探しているときは、蕎麦屋は目にはいりません。相手の期待を知ってはじめて、コミュニケーションができます。

3.コミュニケーションは要求である
伝える方には要求があります。伝えられる方も要求が強ければ深く伝わるでしょうし、弱ければ(もしくは聞く気がなければ)伝わりません。 
それには、その人の人生観、倫理観、包容力、愛情、使命感など、多くの精神の力を借りて、相手と会話していくことが必要になるのです。
4.コミュニケーションは情報とは違う

前述のとおりです。コミュニケーションは人間的です。情報と大きく違うことを理解してください。

さて、上の原則を知っておくだけでも、組織でのコミュニケーションは格段に違ってくると思いますが、上の原則をふまえつつ、現在の企業などの、組織のコミュニケーションのとりかたを以下にまとめておきます。コミュニケーションにもいろいろあります。たとえば、家族や友人同士のコミュニケーションにも上記の原則は、あてはまります。無論、企業などの組織にも当てはまりますが、特に、企業の場合は、仕事をしたり、仕事を円滑にすすめるために、仕事としてのコミュニケーションも求められます。これに関しては、最近の人は、若者に限らす、上司といわれる人々もかなり弱くなっています。以下に、その要因も復命、組織内コミュニケーションについてまとめておきます。

■組織内コミュニケーションの取り方

1.「集団」の力から「個人」のレベルアップ
成果主義人事制度の浸透、ITの発展により、より個人的な成果を重視する傾向が90年代の後半から続き、終身雇用、年功序列が批判にさらされるようになってきました。もともと、日本企業の特徴は、(1)終身雇用、(2)年功序列、(3)企業別労働組合であったと言われています。しかし、集団の中に安住してはいけない、「強い個人」が必要である、などとされ、そのため給与制度では年齢給の世界から一足飛びに年俸制が議論されるようになってきました。「寄らば大樹」といった働き方が認められなくなってきたのです。3つの特徴に代表される日本企業の強みのひとつは、社員が安定した組織に長くいることで、様々なノウハウが蓄積され、それを長い年月をかけて伝承していくことにありました。 
また、一つの組織に比較的長くいることで、コミュニケーションにかかるコストが少なく済んでいました。つまり、共通の文化を背景に持つことで言葉の一つひとつ?をとっても、よくわかりあえる部分が多く存在しました。そのことが、また社員の満足感(そこまでいかなくとも安定感)を生んでいたと考えられます。ところが、日本企業に改革・革新の必要性が生じてくると、集団に適合する人材から「強い個人」が求められるようになったのです。「強い個人」を期待人材像におくことで日本企業は新たな境地を切り開いていったのですが、最近では同じ組織に属しながら、わかりあえない関係というものが目立つようになりまし。

2.組織の問題とは、すなわちコミュニケーション不全である
「強い個人」が求められた結果として組織内のコミュニケーションが寸断され、組織力・総合力の弱体化が顕著になってきました。一方、「強い個人」は、わがままだ、勝手だ、、教育がなっていない、などいろいろな批判にさらされました。そこで最近改めて行われていることが、「報連相」を強化しようという動きす。もともとコミュニケーション不全の問題とは、組織内の意思疎通をうまくしなければならない、との極めて日本的な企業組織の事情から発生してきたと考えられます。 
組織内コミュニケーションを円滑にするとは、タテ(報告)・ヨコ(連絡)・まわりへの伝達(相談)をうまくすることと理解されてきました。確かにベースとして「報連相」を徹底することは大事なことでありますが、問題はうまく解決できていません。考えてみれば、「報連相」とは情報の出し手の問題であって受け手は問題にされていません。そこで最近では、情報の受け手である管理者側にも問題があるのではないかと、コーチングをはじめとする傾聴のテクニックが重視されるようになりました。コーチングとは、個人の持つ力を引き出す手法で、支援・質問をベースにしたコミュニケーションスキルです。その中でも傾聴(相手の話を感情の部分まで理解する)はコミュニケーションのために必要とされています。
3.人と人とのつながり(ネットワーク)が組織を保つ
このところ、復古主義的といわれながらも運動会や社歌の唱和、社内SNSなどを行う会社が増えてきています。会社組織が昔ながらのタテ(上司-部下)とヨコ(同僚)だけで形成されているわけではなくなっている状況が背景にあると考えられます。世代、性別、役職を超えた、ランダムなつながり、まさしくネットワークの形成こそが、現在の組織における最重要課題となっているものと思われます。 
このようにして見てくると組織におけるコミュニケーション問題は、タテ(上司-部下)的な発想によるアプローチだけでは足りないようでです。組織内メンバーが確かに組織に属していて、他の人と繋がっているという感覚を持つことによってコミュニケーションギャップを減らし、組織をうまく保つことができる。コミュニケーションの欠如は、人と人とのつながりが希薄になったことが大きな原因です。つながり合っているということこそが人を支え合うのです。そのためには、自己開示と相互の価値観の交流を通じた打ち解けた関係作りが必要となるのでしょう。
ドラッカー氏は、コミュニケーションとは、彼からの私へ、私から彼に一方的につたわるのではないとしています。コミュニケーションとは、「私たちの中の一人から、他の私たちの一人」に伝わるものとしています。だから、普段から、「私たち」という関係を築いておかなけば、ならないということです。ミーティングや、会合を頻繁に開催して、その中て、情報をいっぱいだせば、それで済むものではないのです。

また、ドラッカー氏は、目標管理を導入せずして組織の円滑なコミュニケーションはない 「耳を傾けることはコミュニケーションの前提である。だが、耳を傾けるだけでは、効果的なコミュニケーションは実現しない」(『マネジメント[エッセンシャル版]』) と語っています。

耳を傾けることは、上の者が下の者の言うことを理解できて初めて有効となります。ところがドラッカーは、下の者は当然のことながら、上の者であってもコミュニケーション能力を持ち合わせているとは限らないといいます。

そこでドラッカーは、組織におけるコミュニケーションの近道を教えています。しかも、近道であって王道です。それはドラッカーが開発した目標管理(MBO)です。 

ドラッカーは目標管理を導入して初めて組織の円滑なコミュニケーションが成り立つといいます。なぜなら部下は、会社もしくは自らの部門において、いかなる貢献ができるのかを明らかにすることが求められるからです。

部下の考えが上司の期待どおりであることは稀です。事実、目標管理の最大の副産物は、上司と部下のものの見方の違いを明らかにすることにあります。

同じ事実を違ったように見ていることを互いに知ることこそが、コミュニケーションの第一歩なのです。 

なかなか、小難しいことを書いてしまいましたが、組織のコミュニケーションは、たとえば、世間で思われているように、しょっちゅう語り合ったり、顔をあわせばそれですむとか、話しているから良いとか、そういう次元の簡単な問題ではないということです。そう思っているだけでも、全く考えないよりも数段良いことと思いす。とにかく、こうした原則を知らなければ、岸田さんのつらい体験も、他人ごとではなくなってしまいます。

上記では、企業の例などを主にだしましたが、これは、芸能界でも、どこでも、組織といわれるものには、あてはまる原則です。これをないがしろにすれば、仕事ができなくなるばかりか、組織の中で完璧に浮いてしまい、それでも、この原則を振り返ることなしに、やりすごせば、やがで、組織そのものから、ドロップアウトせざるをえなくなります。だから、本当は、重要だし、知らないことは本当にこわいことです。

今後、上記のような原則を学んで、多くの人々に岸田さんのような不幸な経験をしなてもすむようにしていただきたいですしそれに岸田さんも、もうこれで失敗しないようになっていただければと思います、会社で上のほうの地位にある人も、部下が岸田さんのような若者を辛い目にあわせることがないよう、部下と真の意味でコミュニケーションを深めていただきたいと思います。

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