河添恵子さん |
「米国による日本への琉球返還(沖縄返還、1972年5月)は国際法的には根拠はない。日米2カ国間の授受であり、中国は承認しない」「明治政府が中国から琉球を強奪した」
中国共産党系メディアで最近、沖縄の領有に関する挑発的な論文が散見される。
李克強首相が昨年5月に訪独した際は、ブランデンブルク州にあるポツダム会談の会場跡地を見学し、「日本がポツダム宣言を受け入れ、無条件降伏したことを人々は忘れない」「ポツダム宣言第8条は、カイロ宣言の条項を履行すべきことを明確に指摘している。カイロ宣言は、日本が中国から盗み取った領土を中国に返還するよう規定している」などと発言している。
いつもの情報戦のほか、習近平政権はさまざまな手段を駆使しつつ、欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死だ。
那覇市の首里城公。中国は沖縄全体の強奪を狙っている |
そのため、中国政府が近年、とりわけ関係強化に腐心してきた国がロシア、そして、ドイツである。中国はEU(欧州連合)の原動力であるドイツ経済との緊密化、ロシアとの同盟関係の強化が、米国と日米同盟の牽制につながり、欧州を黙らせ、中国の立場を有利にすると考えている。
ウクライナ騒乱後、ロシアはウクライナ南部にあるクリミア半島を軍事的に制圧し、ロシア連邦に編入した…。冷戦終結後の秩序破壊が進むなか、習国家主席率いる中国は、欧州パワーの低下を見極め、オバマ大統領を“言うだけ番長”とせせら笑い、「地図や歴史の塗り替えには千載一遇のチャンス」と捉えているはずだ。
南シナ海や東シナ海で暴れてみせる中国は、台湾併合だけでなく、沖縄県・尖閣諸島を実効支配する機会をうかがい、沖縄本土の強奪まで視野に入れ始めている。しかし、「反米」「反基地」が売りの地元紙『沖縄タイムス』『琉球新報』は、中国の脅威をまともに報じようとしない。沖縄本土や尖閣諸島の歴史や領有権についても、政府見解と異なる、読者の混乱を招く内容ばかりを掲載している。
■河添恵子(かわそえ・けいこ)
この記事は、要約記事です。詳細は、こちらから(゚д゚)!
【私の論評】日本の国益を守る立場ではなく、戦勝国の戦後体制を守る立場からみても、中国の暴挙は許せないはずなのに・・・・・・(゚д゚)!
上の記事の河添さんの、「いつもの情報戦のほか、習近平政権はさまざまな手段を駆使しつつ、欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死だ」という見解は、正しいです。
もともと、韓国や中国は第二次世界大戦後に、いわゆる戦勝国から第三国と呼ばれていました。この当時、第二次世界大戦の戦勝国は、戦争に参加した国、戦争が行われた国々などを分類する基準として以下を設定していました。
第一国、第二次世界大戦に参戦して勝利した国。
第二国、第二次世界大戦に参戦して敗北した国。
第三国,第二次世界大戦に参加しなかった当事国以外の国。戦争問題などに直接関係のない国。中国人や、韓国人、朝鮮人などを第三国人と呼ぶと、差別用語のように考えている人もいますが、そんなことはありません。もともと、戦勝した連合国の分類用語にすぎません。
第二次世界大戦後直後においては、中華人民共和国はまだ成立していなかったことと、朝鮮半島は大戦中は日本に属していたことから、中国と南北朝鮮は、第三国と呼ばれていました。
中国に関しては、終戦直後には蒋介石率いる中華民国が中国であるという認識もありました。トルーマン大統領の時期には、新しく成立した中華人民共和国に対してアメリカは台湾防衛方針を明示、朝鮮戦争で米中対立は決定的になりました。
それでしばらくの間は国連の中国体表は中華民国(台湾)のままになってたのですが、米中和解に外交を転換したニクソン大統領の時期に、中華民国(台湾)から、中華人民共和国の方に、国連代表権と共に常任理事国も移りました。
第三国は、本来第二次世界大戦の当事国ではないわけです。だから、本来は、中国の領土は蒋介石の中華民国が主張していた中国領が戦勝国によってつくられた戦後体制の中での正しい版図となるはずです。
その中には、チベット、ウイグルなどは含まれていないのは当然のこととして、ましてや現在の東シナ海の尖閣列島や、南シナ海の島々など含まれているはずはないのです。
第二次世界大戦の戦勝国である戦勝国のための戦後体制の枠組みからしても、現在中国が行っている海洋進出など、相容れないものであるし、本来は中華人民共和国が戦勝国の機関である、国連の安全保障理事会の常任理事国になっていること自体も奇異なことです。
そうはいいながら、いまさら中華民国(台湾)が、中華人民共和国に成り代わるということも不可能ですから、常任理事国入りは認めたにしても(管理人注釈:本当は認めないほうが戦勝国にとっては良かった)、中国の版図としては、第二次世界大戦直後に中華民国が主張していた領土に限るべきです。
それ以上のことをすれば、第二次世界大戦の戦勝国は、中国の侵略行為とみなすべきです。そうして、現在の中国はすでにチベット、ウィグルなどに侵略してわが物にし、その次は海洋進出をして尖閣列島や、南シナ海の島々を侵略しようと狙っています。
こんなことは、戦勝国は絶対に許してはいけないことです。許してしまえば、戦後体制が崩れます。
戦勝国の筆頭は無論アメリカですが、この国の元首でもあるオバマ大統領の態度が煮えきりません。
これについては、以前のこのブログにも掲載したので、以下にその記事のURLを掲載します。
「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」 米紙ウォールストリート・ジャーナルが主張―【私の論評】オバマは尖閣日本領表明によって、自ら頭の中のお花畑の虚構に生きるルーピーではないことを証明せよ(゚д゚)!詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、米紙ウォール・ストリート紙が、「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」という記事を掲載したことを受け、
そうして、忘れてならないのは、アメリカの煮え切らない態度です。尖閣は、日本の固有の領土であることは、あまりにも明らかな事実なのに、アメリカはこの問題に関して煮え切らない態度をとり続けています。尖閣問題が起こってからこのかた、未だアメリカは尖閣は日本固有の領土であり、日本と中国の間で尖閣の領土問題はないと、はっきりとした公式見解は発表していません(管理人注:当時は全く発表されていなかった)。
上の記事のように、WSJが指摘しているように、アメリカが、はっきりとした公式見解を発表すれば、中国が引き下がる可能性は多いにあります。
無論、アメリカがそのような発表をすれば、中国は反発するでしょうが、それでも実質的に尖閣での領空・領海侵犯がかなり減るというようなことにはなる可能性は高いです。
カイロ宣言における中国代表は、国民党軍の蒋介石 |
そもそも、アメリカ側の立場にたっても、尖閣問題に関しては、戦後体勢を維持するという観点からも、中国の示威行動はやめさせるべぎです。ここで、アメリカが何もしなければ、中国は本来戦後体制の利得者ではないにもかかわらず、結果として戦後体制利得者であることを認めることになります。現在の中国共産党中央政府は、日本とは戦争をしていません。戦ったのは、蒋介石率いる国民党軍です。戦後の国々は、戦後体制によって三つに分類されました。第一国は、米英などの第二次世界大戦での戦勝国、第二国は、日独などの敗戦国、第三国は、そもそも戦争に参加して直接戦わなかった国々です。
現在の中国、韓国、北朝鮮は、あくまで第三国であり、戦後体制の利得者ではありません。そもそも現代中国が独立したのは、戦後のことです。にもかかわらず、もし今後も尖閣について日本の領土であると、アメリカが表明しなければ、アメリカは中国の戦後体制の利得を認めることになります。
それを許せば、中国は他の戦後体制の利得を次々と要求することになるのは必定です。そんなことは、少し考えれば理解できることです。中国は、明らかに戦後体制利得者になる道を模索しています。
アメリカがこのように、煮え切らない態度をとり続けてきたのは、最近の中国の台頭をみて、今後中国国内が世界最大の消費市場になると見込んだ米国内親中・媚中派が、中国側の巧みな誘導にのって戦後体制の次の新しい世界の体制は、米中二極体制であると思い込みこみ、アメリカ国内でも、大きな影響力を発揮しているからです。
この記事には明示はしていませんが、現在の中国は戦後利得者になることを模索しており、それだけならまだしも、中華民国の戦後利得からさらに大きな利得を得ようとたくらんでいます。
まさに、中国は、上の記事で河添さんが語っている、「 欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死」なのです。
こんな横暴は許しておくわけにはいきません。ご存知のように、日本は戦後体制の中に組み込まれ、その体制はアメリカの属国といっても良い状態です。
戦後体制や、属国であるという立場を認めたとしても、今のアメリカのオバマの煮え切らない態度は許容できるものではありません。確かに、自分の国を属国であると考えるのは嫌なことです。しかし、属国になるには、属国となるメリットがあるから属国になるわけです。
それは最低限、属国の宗主国は、属国が他国の侵略を受けたら守るとか、侵略を受けそうになったら、毅然とした態度で侵略国家に対して臨むという義務を果たさなければなりません。
しかし、オバマは戦後体制を破綻させようとする中国の妄想暴走に煮え切らない態度をとり続けています。オバマは、米国の戦後利得を守ろうという気がないのかもしれません。戦後体制を守らないというのなら、戦後体制に飲み込まれた日本も、戦後体制から離脱するしかありません。
宗主国が義務を果たさないというのであれば、属国になっている意味がありません。
日本としては、いつまでもオバマが煮え切らない態度をとりつづけるというのなら、属国の地位から独立の道を勝ち取るしかありません。
言うだけ番長とも、日本国内では揶揄されている、煮え切らない態度をとりつづけるオバマ |
そのために、今からできることは進め、アメリカとの同盟関係は維持してもかまいはしませんが、それ以上でも以下でもない関係構築するべく準備を進めていくべきです。
最終的には、憲法改正も必要でしょうが、現行憲法内でもできることを模索して、備えていくしかありません。そのためには、集団的自衛権などが問題になるような、平和ボケではどうにもなりません。長期的にみれば、アメリカの凋落も明らかです。いつまでも、属国根性でいては、いずれ日本は中国領になってしまいかねないという危機感を日本国内で共有すべきです。
経営学大家であるドラッカー紙は、日本の明治維新を賞賛し、日本は全国的コンセンサスがとれた場合は一夜にして変わることができるとしていました。
今は、確かに戦後体制から脱却は絶望的に見えるかもしれません。しかし、江戸末期の幕藩体制は誰もが崩壊させることなど困難に見えたことでしょうが、崩壊しました。ある臨界的に達すれば、今の日本も、明治維新のように一夜にして変わることができるかもしれません。
ただし、それを実現するためには、それなりの準備が必要です。倒幕には桜田門外の変などの前触れがありました。明治維新を実現するにも、それなりの準備や、時宜を得るということが必要でした。
今の私たちも、まずは世論を形成するなどして、日本の戦後体制から離脱を準備していく必要があります。河添さんが指摘するように、あのような反日メディアニ紙がある沖縄でも、県民は徐々に意識しつつあるとしています。日本国内でも、そのような機運は徐々に醸成されつつあります。これを空気にまで高めていく必要があります。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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