安倍首相 |
「私は北朝鮮にダマされない」「(米朝首脳会談で、ドナルド・トランプ大統領が、正恩氏に拉致問題を提起した)次は私の番だ」「日本が北朝鮮と直接(日朝首脳会談で)向き合い、拉致問題を解決していく」
安倍晋三首相は14日、首相官邸で、拉致被害者家族に、断固たる決意をこう表明した。
さらに、安倍首相は16日、読売テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」に生出演し、「(拉致問題は)すべての拉致被害者を日本に帰国させたとき、初めて解決する」「拉致問題が解決しなければ、経済支援は行わない」「正恩氏が、大きな決断をすることが求められる」と断言した。
いまが拉致被害者全員奪還の最大のチャンスだ。
驚かないでいただきたい。米朝首脳会談(12日)以降、「北朝鮮の完全非核化」を含め、北朝鮮が生きるか死ぬかのカギは、日本が握っている。
旧知の米情報当局関係者は「すべては、安倍首相とトランプ氏が綿密に仕組んだ罠(わな)だ。正恩氏は完全にはまった。逃げられない」といい、続けた。
「米朝首脳会談の席上、トランプ氏は『戦争か、非核化か』と決断を迫り、『完全非核化すれば、北朝鮮に素晴らしい経済発展がある』とバラ色のビデオを見せた。正恩氏は大喜びだった。そのうえで『完全非核化後、経済制裁は解く。だが、米国は1セントもカネは出さない。中国や韓国もほぼ同じだ。頼れるのは日本だけだ。拉致問題を解決すれば安倍首相は応じる。解決拒否なら経済発展はない。いま決めろ!』とやった。正恩氏は震えながら『(安倍首相と)会いたい』といった」
米朝首脳会談後の夜、トランプ氏は安倍首相に次のように電話している。
「今後は非核化と同時に、拉致問題を交渉して進めていかなければならない。シンゾー、ビッグ・プレーヤーとして関わってほしい」「100%、シンゾーを信頼している」
トランプ氏の勝利宣言ではないか!
現時点で、官邸が検討している日朝首脳会談の候補は以下の3つだ。
(1)8月中に、安倍首相が電撃訪朝し、平壌(ピョンヤン)で開催する。
(2)9月11~13日に、ロシア極東ウラジオストクで国際会議「東方経済フォーラム」が開かれる。ウラジーミル・プーチン大統領が、正恩氏を招待し、フォーラムの合間に安倍首相と会談する。
(3)9月中~下旬、米ニューヨークでの国連総会に合わせて設定する。
衝撃情報がある。水面下で、北朝鮮はとんでもない行動に出ている。以下、日米情報当局から入手したものだ。
「米朝首脳会談から帰国後、正恩氏は幹部らに『日朝首脳会談の早期実現』を命令した。幹部らは『このままでは、正恩氏と北朝鮮のメンツが立たない』と頭を抱え、日本国内の北朝鮮協力者に『正恩氏礼賛、安倍潰しの世論工作をやれ!』と秘密指令を出した」
「首相官邸や自民党の周辺に、北朝鮮関係者とされる人々が秘密接触している。彼らは『(拉致被害者を帰したら)安倍首相は本当に北朝鮮を支援するのか。信用していいのか』『拉致被害者を帰して、日本で激しい北朝鮮バッシングが起きたら、抑えられるのか』と泣きついている」
日本はこのチャンスを絶対に逃してはならない。何度でもいう。拉致被害者全員の帰国は日本人全員の悲願だ。日本の主権がかかっている。
だが、問題は左派野党の方々だ。
政府・与党が「国会会期の1カ月延長」を申し入れたら、断固拒否したのだ。
はぁ? 能天気もいい加減にしろ! 現状が分かっているのか。ゴールデンウイーク前後には職場放棄の「18連休」で、国民からは「税金ドロボウ!」と批判された。反省すらない。あきれてものが言えない。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。
【私の論評】北を屈服させつつある日米の次のターゲットは中国(゚д゚)!
この記事の冒頭の記事で、"米朝首脳会談(12日)以降、「北朝鮮の完全非核化」を含め、北朝鮮が生きるか死ぬかのカギは、日本が握っている"というのは間違いないでしょう。
これは、トランプ大統領が意図的にそのように仕向けたのだと思います。何しろ、米国は北朝鮮に長年にわたって騙され続けてきたという経緯があります。
その米国がまた北朝鮮に援助などの面で直接関われば、また同じことを繰り返す可能性が大きいです。だからこそ、トランプ大統領は援助の部分は安倍総理に任せたのでしょう。
実際安倍総理なら、かなり前から北朝鮮と交渉してきたという経緯があります。北朝鮮との交渉ということでは、各国首脳の中では最も経験のあるうちの一人であることは間違いありません。
長年北と交渉をしてきた経験のある安倍総理 |
まさに、日本が北への支援にあたるということになれば、拉致問題の解決に関して北に譲ることはないでしょうし、拉致問題は、核の完全放棄に対する正確なリトマス試験紙なる可能性が高いです。
拉致問題を積極的に解決しようとしない北が、核の完全放棄だけを積極的にするなどということは考えにくいです。
このブログでは、米朝首脳会談後すみやかに、中朝首脳会談が開催されるか否かが、リスマス試験紙になるのではないかという見方をしていましたが、それよりも、拉致問題のほうがより正確なものになることでしょう。
6月12日の米朝首脳会談で北朝鮮は完全な非核化を約束しました。ただ米側は対北朝鮮制裁解除は完全非核化実現後になるとの立場で、非核化の行動ごとに北朝鮮が見返りを得る「段階的措置」を求める北朝鮮側の主張とは隔たりがあります。
この隔たりを埋めなおかつ、拉致問題を解決しなければ、日本は北朝鮮を支援することはありません。というより、日本の国民感情を考慮すればそのようなことはできないでしょう。
日本だけが、拉致問題を北朝鮮に迫っても、日本は北朝鮮に憲法の制約上軍事オプションを用いることは難しいので、たとえ援助をするという約束をしても、北が拉致問題解決に応じることはなかなかないと考えられますが、同時に米国の強大な軍事力を背景にすれば、話は違ってきます。
拉致問題を解決しなければ、日米による制裁はさらに強化され、それても北が応じなければ、次の段階では、機雷封鎖や一部爆撃をして、北朝鮮を完璧に孤立させることもできます。最後の段階では米国が軍事オプションを用いることになります。その時は、金正恩がこの世から姿を消すことになります。
これだと、北朝鮮は結局日本の経済支援を受け入れざるをない状況になります。
現在、トランプ政権は中国と貿易戦争を行っています。これに関しても、米国だけではなく、日本も絡めばかなりのことができるはずです。
いずれにせよ、トランプ大統領としては日米の協力のもとに北を早い段階で屈服させ、中国に対してさらに激しい締め付けを行い、いずれ屈服させたいと考えていることでしょう。
トランプ大統領は15日に、中国からの輸入品500億ドル相当への25%の追加関税措置を発表したばかりで、その際、中国が報復措置を講じた場合は追加関税を課すと述べていた。中国は直ちに報復措置を発表しました。
この貿易戦争、以前もこのブログでも掲載したように、中国には全く勝ち目がありません。この貿易戦争、いずれかの段階化で日米が協力して、中国に対する制裁という形にもっていけば、中国はかなり窮することでしょう。
中国も、北朝鮮も、まともに先進国などと貿易をしたいのなら、民主化、政治と経済の分離、法治国家化することを迫られることになります。
しかし、これを実行するとすれば、両国とも現体制は崩壊するしかなくなります。
その日が来るのは案外近いかもしれません。
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