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2017年3月22日水曜日

「小池都知事、いい加減にして!」 「豊洲」で勝間氏、橋下氏の批判相次ぐワケ―【私の論評】このままだと訴訟や、小池知事自身が百条委員会に呼ばれることに(゚д゚)!


豊洲新市場の問題にこだわる小池百合子東京都知事に対し、経済評論家の勝間和代さん(48)がテレビで批判的にコメントして、ネット上で反響を呼んでいる。勝間さんは、小池知事は都民のためにならないことをしているというのだ。

「安全と安心がこんがらがっている」「小池さんは速やかに豊洲に移転すべきだ」。2017年3月20日の都議会の百条委員会では、石原慎太郎元都知事(84)が証人喚問され、小池知事批判を繰り返した。

小池東京都知事 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

    安全」より「安心」

石原氏は、豊洲については、専門家たちが科学的に安全だと言っているとし、地上では地下水を使うわけではなく水道水を使えばいいと指摘した。また、地下水をポンプでくみ上げ、ろ過して海に捨てればいいとも話した。

一方、小池知事も、14日の都議会で、豊洲はコンクリートで土壌が覆われ、土壌汚染対策法上も安全だと認めている。また、都の専門家会議も19日、座長が「科学的、法的には安全」と評価している。

しかし、小池知事は、消費者の信頼は得られておらず安心とは言えない、との認識を変えないままだ。

これに対し、識者からは、小池知事の認識への異論が出ている。

勝間和代さんは、TOKYO MXテレビの番組「バラいろダンディ」への21日の出演で、「この問題を扱うことが都民のためにならないと思っているんですよ。結局、健康問題にそこまで影響がない問題に対して、これだけ多額の時間とお金を使う必要があるのか」と小池知事に疑問を呈した。そのうえで、「もっとちょっと都民のためになることをやってほしい」「小池さん、いい加減にしてほしいんですよ、この問題に対して関わるのは」と訴えた。

勝間和代さん
豊洲移転の延期に当初から異論を唱えている元大阪市長の橋下徹さん(47)も、3月に入ってツイッター上で小池知事への批判を続けている。

  「小池ファースト」

橋下氏は、ツイートの中で、「地下水の環境基準適合は市場開設のための法律上の条件ではない」として、「小池さんは専門家会議とじっくり議論もせずに移転延期判断をした」と批判した。さらに、「小池さんの意思決定こそ100条委員会で追及すべきテーマだ」とさえ揶揄している。

報道によると、小池知事が豊洲問題を7月2日投開票の都議選の争点にすると明かしていることから、都議会などからは、移転の判断を都議選以降に先送りするのではないかとの憶測も出ている。

小池知事と対決姿勢を示す自民党は、3月21日の都連会合で、下村博文会長が豊洲問題について「小池氏が都議選の政争の具にし、自民党にダメージを与える戦略ならば邪道だ」と述べた。小池知事の地域政党「都民ファーストの会」は公明党と選挙協力して過半数獲得を目指しているが、下村氏は、「イエスマンばかり集めたら、都政が失墜する」とも指摘した。

一方、小池知事については、依然として人気が高く、産経新聞社とFNNの合同世論調査で、3月に入っても支持率が80%ほどに達していると報じられている。小池知事は、22日の講演で、「自民党都連には、イエスマンどころかノーマンもいない」と皮肉り、人気をバックに対決姿勢を露わにした。

ネット掲示板などを見ると、「小池が騒ぎを起こしたわけではない」「小池は石原の尻拭いをしてるだけ」などと小池知事を擁護する声が依然としてある。しかし、移転延期を決めたときとは違い、小池知事への逆風も出てきた。「豊洲を政争の具にするのはダメ」「見てきてわかったけど、小池ファーストなんだよな」「そろそろ問題提起じゃなくて具体的な結果が欲しい」といった厳しい意見も書き込まれている。

【私の論評】このままだと訴訟や、小池知事自身が百条委員会に呼ばれることに(゚д゚)!

この所、連日ワイドショーでも新聞でも、築地と豊洲の問題が盛り上がっています。すでに東京にとどまらず、全国的な騒動となっています。

この築地から豊洲への移転問題も大きな争点(ただし延期するという公約はなし)とし、都知事選で選ばれた小池百合子東京都知事ですがその動きに何やら暗雲がたちこめてきたように思います。

今回、非常に気になったのは、移転先豊洲の9回目の水質検査で今までより明らかに高い数値が検出されたとの報告からの流れで、報道された以下の内容です。
【動画付き・豊洲問題】小池百合子知事は都議選の争点を念頭 市場地下水から環境基準79倍のベンゼン…市場関係者は移転にあきらめも
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に動画と、記事の一部分のみ引用します。

 「ショッキングな数字だ」と、会議を傍聴していた築地市場協会の伊藤裕康会長はポツリ。他の市場関係者から「これでは消費者が納得しない」と怒りの声が上がり、過去の調査結果について「(都が)改ざんしていたのでは」と疑問視する声も噴出。「これで移転は終わった」と断言する関係者もいた。 
 専門家会議は近く再調査を実施し3月中に結果を公表するとしたが、移転そのものへの反対の声が高まるのは確実だ。 
 昨年8月に豊洲移転延期を決めた小池氏。この日は「これからの方向性は専門家会議で議論してほしい」と慎重な発言に終始した。ただ「私が結論を出すのではなく、都民に時には判断をしていただく」と“民意”を問う姿勢を強調した。 
 夏の都議選で争点になるかを問われると「これまでの流れに関わってきたのは都議会。そういうことも避けられない」と明言。対立する都議会自民党への攻撃材料にしたい考えをにじませた。 
 昨年からもつれていた市場移転問題。まだまだ収まりそうにない。
この状況、私が懸念していた最低最悪な事態になつたと思います。現在、東京にはオリンピックを始め数多くの問題がありますが、この築地市場の豊洲移転問題は緊急を要する問題です。

今最もやっていけないことは、先延ばしにすることです。例えば民意を問う住民投票にするだとか、夏に行われるであろう都議選の政局にするために、すぐに決めることを避けるなどすることです。

この問題は、伸ばせば伸ばすほど数多くの関係者、ひいては都民が大損失を受けることになります。

これを早期に解決させるためにはもうすでに時期的に論理的な解決方法では不可能で、必要なのは知事による大きな政治決断です。そもそも都知事選は、この豊洲移転問題もその点も大きな争点でした。

無論、各候補者には移転するしないのどちらかの違いがあったにしても、その決断をする覚悟はあるはずでした。多くの都民が、小池知事にも当然それを期待していました。

しかし、実際蓋を開けてみればどうでしょう。小池知事には必要な決断をする覚悟はどうやら無いようにしか思えません。むしろ、最近は進んで混乱させようとしているとすら思えるほどです。

しかも、最低最悪の悪手である豊洲移転問題を都議選のために政治利用しようと考えているのではないかということが、先の報道からかなり明確になりました。

そうして、その疑念は、石原慎太郎氏の百条委員会での証言においてもますます深まりました。

そもそも、豊洲の建物の下はさんざん報道されてきたように、コンクリートで覆われており、さらにはピット状になっていて、空間が空いています。これだと、汚染物質が上まであがってくる心配はありません。

豊洲の地下水を飲料水や、市場で他の用途でも使用とするというのなら、確かに非常に問題ですが、そんなことはありません。

この問題が、報道されはじめたとき、私は安全性には問題がないと感じていたので、調査するのは良いにしても、豊洲移転を前提として、盛り土問題などを含め、当初の意思決定の不備に関しては豊洲移転と並行してすすめるべきであるとこのブログで主張しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
豊洲6000億円の移転費用、実は都民の負担はナシ!?―【私の論評】移転と、意思決定の問題とを分けて考えられない人は緊縮脳の恐れが(゚д゚)!
豊洲市場の水産仲卸売り場(2015年10月)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
しかし、意思決定の手続きの問題と、豊洲の安全性や、移転などとはやはり分けるべきでしょう。移転はなるべくはやくすすめて、意思決定の手続きの問題はそれとは分けて徹底的に原因を究明し、二度と同じようなことが起こらないように、意思決定のシステムを構築しなおすべきでしょう。

意思決定の問題はなおざりはできないが・・・・・・
さて、この件については、意思決定とか安全性の問題のほかに、さらに根深いものがあるような気がします。 
これは、オリンピックの問題に関して考えると、合点がいきます。様々な施設に関して、経費がかかり過ぎであることが問題になっています。 
確かに、経費のかかりすぎは問題ですが、何やら最近では、国や都の財政でも、とにかく緊縮するのが絶対善であるかのような風潮です。このような人たちは、頭が緊縮にとりつかれて、脳が緊縮脳とでも形容すべき状態になっているのでないでしょうか。豊洲やオリンピックの問題に関しては、やはりこうした風潮が影響しているのではないかと思います。 
とにかく、あまりにも長い間デフレが続いしまったため、家計においては何でも節約するのが善であり、それはデフレ防衛のためには、当然のことなのですが、国や都の財政にまで、それが当然というか絶対善であるかのような考えの人が多いです。特に、マスコミの報道ぶりにそのような考えがありありと透けて見えます。 
マスコミや、国民が無自覚にデフレ政策を求めてるような風潮があります。 概算要求の記事などでも「もっと歳出をカットしろ」「借金するなバカ野郎」のような内容が飛び交うのが定番のようになっています。 
需要不足のデフレ下で需要抑制策の緊縮財政を行ったら逆効果なのに、そんなこともわからない人が多いようです。無論、政府や都が際限なく公共工事を行なうといっても限界があり、その限界を超えてしまえば、公共工事の供給制約が発生してしまうとか、クラウディング・アウトが生じてしまう負の側面はあります。

しかし、バランスをとって実行すれば、それは悪いことではありません。さらに、緊縮の反対の積極財政の方法は他にも、減税や給付金などもあります。 にもかかわらず、未だに緊縮財政=絶対善、果ては金融引き締め=絶対善だと信じて疑わないようなマスコミや多くの国民が存在することに辟易とすることがあります。こういう人たちは、国や都の財政をあたかも個人の懐具合のように考えていて、国や都が大量の資金を投じて何かを行えば、そのお金は世の中から消えてしまうと思い込んでいるのではないかとさえ、思ってしまうことがあります。
この記事では、豊洲移転をことさら大問題化するマスコミに対して彼らは積極財政や、金融緩和に反対しなんでも緊縮が良いと思い込んでいること揶揄して、彼らの頭を緊縮脳と呼びました。そうして、「意思決定の問題と、移転」とを分けて考えられない、彼らの硬直した頭のことを経済面での緊縮が良いと思い込む頭と同じ緊縮脳であると、さらに揶揄しました。

しかし、今から考えると、一番の緊縮脳は小池知事だったということです。「意思決定の問題と、移転」とを分けて考えていれば、豊洲の移転は早期に実行できたでしょうし、さらに意思決定の問題に関しては、さらに都議選での争点化も可能です。どうしてそのようにしなかったのか、本当に不思議です。

やはり、小池知事は緊縮脳だということでしょうか。




そういわれてみれば、小池知事は「もったいない」を東京五輪で国際語にしようと、意気込んでいましたが、これまさに緊縮脳ということでしょうか。しかし、だとすれば、どんな場合にでも節約に走るはずなのですが、そうでもありません。

小池知事は、20年にわたって多くの都職員が尽力し、専門家が知見を寄せ、都議会の承認も得た末に、石原氏が決断(裁可)したプロジェクトを、自らの「感性」で止めたのです。

そうして、この延期は小池氏の選挙公約には、明記されていません。小池知事は、重要な「延期」を決める際、議会に諮ることすらしなかったのです。つまり独断で決定したのです。

開会中の都議会では、補正予算として50億円が、市場移転延期に伴う業者への補償金として計上されました。これは、市場会計(独立採算事業である市場の勘定)から支出される予定ですが、この会計は築地だけでなく、東京の全市場のものです。当然、他の市場関係者からは不満の声が漏れ始めています。

加えて、50億円は暫定で、今後膨らむ恐れも大です。となれば、血税である一般会計で負担せざるを得なくなるのです。このようなことで、小池知事は、「もったいない」を標榜できるのでしょうか。

このままだと小池知事は豊洲移転をしないまま都議選に突入するでしょう。都民の「被害額」は数億から数十億にまでかさむことになります。

そうしてこの延期には、科学的根拠がありません。単なる小池知事の得体のしれない「安心」のために延期されるのです。このレベルだと、なにもせずに都議選までひっぱるようならば、都民から訴訟が起きる可能性もありますす。さらに、小池氏が政治的に頓挫したら数年後に百条委員会に証人によばれることになるかもしれません。

【関連記事】



2016年9月15日木曜日

都議会自民“崖っぷち” 豊洲移転の延期追及から一転…世論は小池氏支持―【私の論評】ローカルでは信じられない程いい加減なことが!東京もその例外ではなかった?


内田繁氏と小池知事 写真・チャートはブログ管理人挿入 以下同じ
「都議会のドン」こと内田茂都議率いる、都議会自民党が窮地に陥っている。土壌汚染対策の決め手となる「盛り土」が一部実施されていなかった豊洲新市場(東京都江東区)について、都側の主張に沿って「安全対策は万全」として、築地市場(中央区)からの移転推進の先頭に立ってきたからだ。会派幹部らは、都職員らの「独断」「隠蔽」「虚偽説明」を責め立てているが、最大会派のチェック機能に問題はなかったのか。

28日開会の定例議会を控え、都議会が慌ただしくなっている。

各会派は続々と豊洲新市場の視察を行っており、14日は公明党都議団が現地入りする。職員の都議会への出入りも、これまでにないほど激しくなっており、都庁内には、災害や非常事態のような緊張感もみられる。

そんななか、都議会自民党は14日午後、緊急の勉強会を開催し、土壌汚染対策の最新状況について、都側から報告を受ける予定だ。移転を強力に推進してきただけに、自民党都議が職員を厳しく糾弾する可能性もある。

実際、フジテレビは13日、担当部署の現在の幹部らが「盛り土」が行われていないことを把握しながら、伝達をしていなかったと報じている。職員に対する恨み節は当然といえる。

土壌対策として本来なされるべきであった盛り土についてチャートを用いて説明する小池東京都知事

 だが、豊洲新市場への移転は、都議会自民党が石原慎太郎知事時代から推進してきた目玉プロジェクトだ。職員だけを責め立てて、「俺たちは知らなかった」ですむ話ではない。

 都政の重要政策は、ドン・内田氏率いる都議会自民党の意向を無視して進められることはなかった。幹部職員は、真っ先に都議会自民党に“おうかがい”を立てるのが常識だからだ。

 都政事情通は「築地市場の豊洲新市場への移転延期は、都民の評価が真っ二つに割れていた。都議会自民党は、移転推進派の業者と一体となって『小池百合子知事の移転無期限延期は暴挙だ。業者への補償はどうなるのか』と反転攻勢に転じる計画だった。それが今回の盛り土の問題で、世論は『小池氏はよくやった!』と拍手喝采を送っている。自民党は厳しい立場にある」と指摘した。

 都議会自民党関係者は「今回の件は、まったく知らされていなかった。移転が完全にストップすれば、業者や自治体への影響は甚大だ。都議会自民党のダメージも計り知れない。議会のチェック機能も問われる…」と絶句している。

【私の論評】ローカルでは信じられない程いい加減なことが!東京もその例外ではなかった?

市場が移転されるにあたって、都は建設予定地の土壌と地下水の汚染状況を平面で調査した結果、土壌で2地点、地下水で13地点の汚染が確認されていることがわかりました。

検出された有害物質はシアン化合物、六価クロム、カドミウム等全部で7種類ありました。

それぞれ土壌及び地下水(六価クロムを除く)での汚染が確認されています。特にベンゼンによる土壌汚染がひどく、通常の10,000倍以上の汚染が確認された地点もありました。
また、以上のような高濃度の汚染が確認された地点において、深さ方向での汚染調査が行われた所、地下数十センチの範囲で基準値を超える汚染が確認されました。

都はこのような汚染状況の対策として、「法令で求められる水準を上回る手厚い内容の対策をとる。」と説明していました。

具体的な対策案として以下のような方法が書かれています。

土壌汚染対策
ガス工場操業時の地盤面の下2メートルまでの土は、きれいな土壌と入れ替えます。その上に厚さ2.5メートルのきれいな土壌を盛ります。ガス工場操業時の地盤面の下2メートルより下の土壌から、環境基準を超える操業に由来する汚染物質を取り除きます。 
出典:東京中央卸売市場
地下水汚染対策

地下水中に環境基準を超える汚染が見つかっている区画の地下水を汲み上げて浄化します。 
出典:東京中央卸売市場
この土壌汚染対策として行われてる工程が「盛り土」というものです。実際に都のHPにある豊洲市場が完成した際のイメージ図では以下のようになっています。


この赤枠で囲っている部分が問題になっている部分です。元々の計画では、本来汚染されていた土をきれいなものと入れ替え、更にその上に土を盛ってふたをするということになっていました。

今回それが市場建物の部分は行われていなかったということで、土壌汚染対策に本当に問題はないのかという大きな問題に発展したということです。

図の青い四角の部分が、本来盛り土されるはずが、コンクリートの構築物になった部分

都は盛り土を行わなかった理由として、建物の構造上、技術的に盛り土ができないという回答をしています。

更に、水産物を扱う売り場棟の建設で配管類を通すため床下に数メートルほどの空間を設ける必要が生じたため盛り土を行わず汚染土壌を除去しただけで建設をしたそうです。

説明によると、売り場棟の下にはコンクリート層を設け安全上には問題はないとしていますが、しかし当初の説明にあった土壌汚染対策とは違う方法で建設が進められたということです。

本来盛り土を行うことで汚染への対策と安全性を主張していたはずにもかかわらず、盛り土を行わないというのであれば土壌対策はされていないという認識になるのが当たり前です。

盛り土を行わなくても安全性に問題はないという見解がありますが、地盤や建物の強度としての「安全」を言っているのでしょうか。

生鮮物を扱う上で汚染による人体への影響がないという意味での「安全」なのでしょうか。

様々な点で気になる事が明るみになっていませんが、今後の都の説明次第で、移転にも影響がでてくるかもしれません。

以下にフジテレビで報道された、豊洲市場建物の本来盛り土されるはずだった部分の地下の動画を掲載します。

実際に放送された内容の動画を以下に掲載します。




おそらく、盛り土をしていれば、これほど水が貯まることはなかったのでしょう。上の動画で、この水を都職員は雨水としていますが、そのような断定は今の時点ではできません。いずれはっきりするでしょうが、地下からの水が湧き出ているということは十分考えられます。

なお、上の動画でリスマス試験紙を用いて、PHの測定をしている議員もいて、何やら意味ありげですが、これは全く意味がありません。コンクリートの原料は石灰で、石灰はアルカリ性です。打ち立てのコンクリにたまった水が、それが雨水であろうと、地下からのものであろうと、強アルカリを示しても不思議でもなんでもないです。未だ、詳しい検査をしてみないと何ともいえません。

しかし、この地下の水が汚染されているか否かはまだはっきりはしていません。そうは言っても盛り土がされていないのは事実であり、これは大問題です。

2011~14年、約850億円かけて敷地全体を2メートル掘り下げて土を入れ替えた上で、さらに2・5メートル盛り土をする大規模なかさ上げ工事を行ったと説明していました。

盛り土をせずに、コンクリートにしたことで、経費がどの程度浮いたのか、浮いたとしたら、その経費はどこに消えたのか、徹底的に調査をしていただきたいものです。

このような事例を見ると、私はやはり地方自治体のいい加減さを思い出します。ごく最近では、富山県議の不祥事があります。

富山市議会の政務活動費の不正請求問題で記者会見する「民政クラブ」の
針山常喜幹事長(右)と高田一郎会長=平成28年9月13日午前、富山市

富山市議会で政務活動費の不正請求が相次いで発覚している問題で、民進党系会派「民政クラブ」の針山常喜幹事長(70)は13日、領収書を改ざんし政活費を不正請求するよう事務員に指示していたことを認め、議員辞職する意向を表明しました。会派会長の高田一郎氏(69)も責任を取って辞職します。

富山市議会(定数40)の政活費不正を巡っては、自民会派の議員5人が領収書偽造など不正を認め、うち3人が辞職しています。

針山氏は富山市で記者会見し、会派事務員に領収書の金額欄に数字を書き加えさせるなどして、不正請求していたと明らかにしました。水増し分は、会派の口座から針山氏と高田氏の口座に移し、選挙時に使うためプールしていたといいます。

都でもそのこのようなお金がブールされている可能性も十分にあります。盛り土をせずに、コンクリートの構造物にしたということで、資金が浮いた可能性があります。この資金がブールされている可能性もあり得ます。

この都の資金のプール(裏金)については、佐藤優氏も指摘しています。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。

地方自治体は、国政と比較するとなかなか報道されなかったり、問題を指摘される機会がないせいでしょうか、このような問題は全国のあらゆる自治体に蔓延しているのかもしれません。

大阪の問題に関しては、橋下徹元大阪府町・元大阪市長であった橋下徹氏が、いろいろと暴露しました。地方自治体は、東京、大阪にかぎらず、いろいろな問題がありそうです。

私自身も、学生のときにそれを経験したことがあります。これに関しては、資金的なものではないのですが、本当に驚いたことがあります。

それは、私が学生の時に、シンクタンクのバイトである人口10万程度の地方都市の新しい下水道の設置をするために積算をしているときに発覚しました。

私は概算を積算したのですが、どうしても市で算出した積算とは数値がかけ離れていました。私の概算のほうが何度計算しなおしても、大きい数字が出るのです。概算であっても数値にあまりの差がありました。これは自分が計算間違いをしているのかもしれないと思い、そのことをシンクタンクの主任研究員に報告したところ、概算そのものは間違いがないようなので、現地調査に行くことになりました。


しかし、その原因は現地調査をするまでもなく、その地方都市の市役所で調べたところすぐに判明しました。何と、その積算は、現在の当該市の人口が変わらぬものというか、そもそもそのようなことは全く考慮に入れず計算したものだったのです。

当時は、今と違って、その地方都市は宅地開発などが盛んで、人口が増えていました。下水道も当然のことながら、人口増を念頭に入れて積算しなければなりません。それをしないと、下水道のキャパシティが不足して、すぐに追加工事が必要となるという事態になったことでしょう。

そうして、驚いたことに、その計算をした人は、その年に高校を卒業したばかりの新人であったことが判明しました。その新人に単純に計算の仕方を教えて、でてきた計算結果について特に調べもせずに、土木課長が押印し、その上の上司の部長もこれも何も調べもせす押印していたのです。

土木課長とはいっても、たまたまそこに配置されて、土木の仕事をしているというわけで、専門家でも何でもないので、こういうことになったのかもしれません。地方自治体には、人材が不足しているので、こうなったのかもしれません。それなら、それなりのやり方というものがあると思うのですが、どうもそうはなっていないようです。

現在はこのような積算用のソフトウェアがあるので、作業は格段に楽になった。
しかし、最初の想定が間違っていれば、このようなソフトも無用の長物になる。
私はこの時初めて市役所などの地方自治体の仕事は、結構いい加減なことを知ったわけです。そうして、私は他のシンクタンクでもバイトをしたのですが、そのときにも似たような話をいくつか聴きました。本当に、その当時は、それらのことに憤りを感じたものです。その憤りは今でも、感じます。積算間違いは一歩間違えば、事故を誘発します。

このような傾向はおそらく、この地方都市だけに限らず、他の都市でもあったし、今でもあるのかもしれません。ただし、現在なら少子高齢化の傾向ですから、このようなことがあっても問題にはならないだけなのかもしれません。

そうして、このいい加減さは、地方都市に限らず、東京都や大阪府のような大きな自治体でも、多かれ少なかれあるのだと思います。実際、多くの人が内田繁氏が、都議会のドンであるなどということは、最近報道されて初めて知ったのではないでしょうか。

そうして、全国の他の自治体にもこのようなドンが存在するのかもしれません。私達が気づいていないだけかもしれません。

東京といっても、日本の首都という側面の他に、テレビに東京のローカル放送があるように、ローカルとしての東京があります。このローカルの東京のいい加減さが、今回の豊洲市場の問題の背景にあることが、今回白日のもとに晒されたのです。

このような問題、曖昧にせずに徹底的に調査して、二度とこのようなことが起こらないように、関係者を追求するだけでなく、システムそのものを変えていただきたいです。そうでないと、このような悪い体質は温存し続けることになると思います。

そうして、小池知事には是非東京だけに限らず、全国の他の自治体においても、このようないい加減さを排除するためにも、その先駆けになっていただきたいものです。また、私達もいままで以上に自分たちの身近な地方自治体に関心を持ち、何ができるのか考えていきたいものです。

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