日本人は自信喪失? |
[長谷川 幸洋]
安倍晋三政権が進める経済政策は正しいのか、それとも誤っているのか。日本国内では円安株高の修正もあって、早くも「アベノミクス失速」とか「変調」「乱気流」といった見方が出ている。だが、一歩外へ出てみると、前向きに評価する声が目立つ。デフレと停滞の20年間を過ごすうち、多くの日本人には「自信喪失モード」が染み付いてしまった。そろそろ元気を取り戻して、アクセルを踏んでもいいのではないか。
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【私の論評】 20年もデフレに苦しめられた日本人が自信喪失をするのは当たり前!!でもそこを利用されてまたまたデフレに逆戻りすることだけは断じて許されないことだ(゚д゚)!
日本は、デフレ気味なってから20年、完璧にデフレに入ってからはすでに今年で15年目に突入しました。これだけデフレが続けば、人々の考えも固定化されてしまうのが当たり前です。この期間の長さは異常です。おそらく、古今東西例をみないはじめてのことだと思います。どなたか、他の例をご存知であれば、是非教えていただきたいです。
日本の過去20年は、多くの人が悲観的にならざるを得ない状況にあった! |
これに関しては、多くの国民はもとより、いわゆる識者とか有能であると思われるような人々も悲観的になるのは無理もないことと思います。いわゆる経営者といわれる人々も、自信を喪失し、何をするにも悲観的になってしまう傾向が当然とされるようになっているのだと思います。だから、上の記事で“『アベノミクス失速』は日本人の自信喪失の表われ”というのも十分理解できます。
これに関しては、このブログでも過去にいろいろと掲載しました。その代表的なもののURLを以下に掲載しておきます。当該記事に掲載した写真も一緒に掲載させていただきます。私はこれらの記事で、とにかく異常なデフレを常態と考えてしまうこと自体が大きな過ちであることを強調しました。
詳細は、それぞれの記事を読んでいただくものとして、本日のブログの趣旨にそった形でそれぞれの記事の内容の抜粋も掲載させていただきます。
向上心と自信が持てない今の若者? |
しかしそうはいっても、最近の若者があまり元気がないこと、新しいものになかなかチャレンジしないこと、車もかわず、飲みにもあまり行かず、あまり自己投資することもなく、せっせと貯金する有様などみていて、やはり疑問を感じたので、いろいろと考えてみました。
そうして、最初は、やはり、「ゆとりの教育」が原因であろうと考えました。しかし、上の記事にもあるように、留学に行きたくないとか、失敗を恐れるあまりか、自分から進んで、新しい事柄にチャレンジしようとする気概も足りないことから、これは、「ゆうとりの教育」だけが、原因ではないと考えるようになりました。
そうして、いろいろい考えてみてわかったのが、やはり、かなりデフレが影響しているということです。深刻なデフレであれば、特に若者は、将来の希望がなかなか持てなくなります。たとえ、良い大学に入れても、今では、なかなか思い通りの企業にはいることもままなりません。
入ったら、入ったで、自分の親や、周りの人の話を聴いてもあまり良いことはありません。会社のき業績が不振で、会社をリストラされたが、なかなか再就職口が見つからないとか、派遣で給料が安くて、結婚もままならないとか、 給料もあがるどころか減っているとか・・・・・・。あげれば枚挙に暇がありません。それに、上の記事にもあった、留学したがらないという理由の中には、上では指摘されていませんでしたが、経済的な理由も大きいです。それに極めつけは、自殺者の多さです。
就活が報道されなくなったとき、賃金は上昇している? |
さて、雇用と給与は密接な関係にあります。雇用が増えれば、賃金も増えます。なぜなら、雇用が増えると、雇用市場で何がおこるかといえば、働き口がたくさんできるので、求職者はより給料の高い方に勤めようとします。そうなると、給与が安い企業では、人を雇うことができなくなるので、必然的に給与を上げざるを得なくなります。そうして、給与が全体的にあがっていくわけです。
従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、ベンチャーの最大の敵であることを!!
アメリカのセクシーな起業家 Polina Raygorodskaya |
なぜ、そんなこになるかといえば、デフレ気味になってからすでに20年、誰もが否定しようがないデフレに陥ってから、15年にもなります。こんな状況では、日本に限らず、どんな国でも起業が減るのは当然のことです。こんな経済状況下では、起業そのものがかなりリスキーです。上の記事ては、このことを完璧に無視しています。デフレを無視して、あたかも、日本だけが、起業が少ないかのように記載しています。それは、間違いです。
上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!−【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!
こんな国に見込みがないなどと思い込むのは、マスコミの刷り込みによるものがほとんどです。日本が駄目なら、世界を見回せば、地獄に落ち込んでいるような国々が数多くあります。歴史のある程度長い国であれば、現在いわゆる先進国であっても、過去には、戦争に負けて、他国の支配下にあったり、経済的にとてつもなく落ち込んだり、内乱にあけくれたなどということはいくらでもあることです。そのような国と比較しても、日本は、様々な資源に恵まれていますし、古い文化が息づいているいるにもかかわらず、革新的でもあります。
そうして、原田会長としては、市場に関して自分の見立て違いであると反省しておらるようですが、私は、現状では、それだけではなく、日銀のマクロ金融政策や、政府の財政政策に関しても、そろそろ、苦言を呈しても良い時期にさしかかっているのではないかと思います。
これは、経営者としては、格好が悪いです。景気が悪くても、胸を張って、「景気が悪くても、こんなに業績をあげています。こんなに頑張っています」という経営者のほうが、かなり格好は良いです。そうして、景気が少しくらい落ち込んだからといって、すぐに、景気のせいにする経営者など、格好も悪いして、自らの能力のなさを披瀝しているようなものでした。そうして、これは、10年くらい前までは、確かにしっかりあてはまったことだと思います。
しかし、現状では、かなり状況が異なってきています。すでに、デフレ傾向になってから、20年、統計上でも、はっきりとデフレとなってからも、10年以上継続しています。10年以上もデフレが続いた国など、歴史上はじめてではないかと思います。無論、日本では、まともな経済統計ができて以来はじめてのことです。
日本の家電メーカーは、確かに一時業績を落としましたが、これはこれらのメーカーが20年にも及ぶ、デフレに翻弄された結果であり、もしデフレでなければ、これほどまで業績を落とすことはなく、存在意義を問われたり、韓国企業に比較して劣っているなどと論評されることはなかったと思います。
いずれにせよ、日本と日本企業が、未曾有のデフレで弱体化していたときに、その真相を見極めることなく、日本企業の存在価値を問うてみたり、いたずらに外国企業礼賛をしたりする輩は、 視野が狭いか、売国奴か、それらに扇動された愚か者だったということです。
この記事では、現役官僚の提言をある投資家の方が批判してるのですが、この現役官僚方は、そもそも日本が深刻なデフレ状況にあることを完璧にスルーして、企業論を語っていました。そうして、この若手官僚の提言を、投資家の方が批判しているのですが、その批判に関しても、日本がデフレであるという大事な背景を完璧にスルーしていました。デフレの観点を欠いて企業の組織論をぶちあげたとしても、それは大事な観点を欠いており、正しい論考にはなりません。
中央銀行、日本では日銀の金融政策が雇用に大きな関わりを持っていることが良くお分かりになると思います。一般に、日本では、雇用というと、すぐに厚生労働省の政策であると考えられがちですが、厚生労働省のできることは、すでに決まっている雇用枠の中で、雇用のミスマッチを是正することくらいしかできません。雇用枠に直接それも、速やかに影響を及ぼすことができるのは、日銀です。日銀の金融政策によって、その時々の雇用枠が定まります。
さて、いろいろな記事を掲載しましたが、とにかくデフレを前提にものを語っても意味がないことを十分ご理解いただけたものと思います。反面、これだけデフレが続けば、多くの人が、自信喪失をしてしまうのも無理からぬことでもあります。今の日本は、デフレのまっただ中にあります。これを前提として、いろいろな改革案を語っても無意味です。今日本に大局的な大きな問題が10あったとします。もし、デフレが解消されれば、この10のうちの6くらいまでは、片付きます。後の4つだって、解決の糸口は見いだせるようになります。
しかし、デフレから脱却しなければ10すべての問題が解決されません。糸口さえみえなくなり、何かをやれば、何かが駄目になり、駄目になったことに手をかければ、またのどれかがさらに悪くなるということで、永遠に解決できないことになります。デフレそのものが大きな間違いであり、そこから脱却しなければ何も成就できないということになります。
この簡単な事例を以下に掲載しておきます。それは、年金問題の解消です。
そろそろ、結論を掲載します。現在アベノミクスに関して、多くの政党が批判的です。マスコミも様々な方面から批判しています。私は、アベノミクス自体の批判は決して悪いとは思いません。しかし、それが、デフレ脱却のための、金融緩和策、財政出動をも否定するというのなら、それは完璧な誤りです。各党の党首も、このあたりをはっきりさせずに、ただアベノミクス反対論を唱えています。おろかです。
そうではなく金融緩和スべきこと、財政出動すべきことは前提として、その上でアベノミクス批判するというのなら、建設的ですし、多くの国民にとっても選択肢ができるということで有意義だと思ます。
しかし、金融緩和、財政出動そのものまで、否定するというのなら、本当にただの馬鹿で阿呆だと思います。
そして、なぜ馬鹿で阿呆なのか、現代史を紐解けば明らかです。日本は、小泉内閣のときから、第一次安倍内閣のときまで、日銀が景気対策として金融緩和をしており、あともう少しで、日本はデフレから脱却できそうでした。にもかかわらず、日銀は日本がデフレから脱却しきらないうちに、金融緩和策をやめ、金融引き締め策に走りました。その結果は皆さんご存知の通り、日本は、またデフレスパイラルの底に沈んでいきました。その後第1次安倍内閣は崩壊しました。
だから、現在アベノミクスそのものを批判すること、すなわち、金融感を否定することは、全くの間違いであり、そんなことをいう政治家を馬鹿・阿呆というのです。日本人の自信喪失を利用されてまたまたデフレに逆戻りすることだけは断じて許されないことです。私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?
本日は、ブログ記事自体に掲載したので、【関連記事】は掲載しません。
【関連図書】
しかし、デフレから脱却しなければ10すべての問題が解決されません。糸口さえみえなくなり、何かをやれば、何かが駄目になり、駄目になったことに手をかければ、またのどれかがさらに悪くなるということで、永遠に解決できないことになります。デフレそのものが大きな間違いであり、そこから脱却しなければ何も成就できないということになります。
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厚労相「年金に大変な運用益」 アベノミクス効果―【私の論評】デフレを前提としてものごとを考えることはもうやめにしませんか?!!もうルールが変わっていますよ!!インフレルールで動かなければ、おいてきぼり喰いますよ!!この記事では、年金は結局民間金融機関により国内外の債権などで運用されており、今年1~3月期の運用益はとてもない金額になっていたことを掲載しました。1~3月期といえば、まだ株価もあまり上昇はいていませんでしたが、それにしても、前の年の同時期よりは上がっていました。そのくらいの株価上昇でとてつもない運用益がでていたのですから、それ以降はすごいことになっていたはずです。それに、もっと株価が上がれば、運用益はとてつもないことになるわけです。これをもってしても、デフレから脱却できれば、どれほどとてつもないことになるか想像がつくというものです。
そろそろ、結論を掲載します。現在アベノミクスに関して、多くの政党が批判的です。マスコミも様々な方面から批判しています。私は、アベノミクス自体の批判は決して悪いとは思いません。しかし、それが、デフレ脱却のための、金融緩和策、財政出動をも否定するというのなら、それは完璧な誤りです。各党の党首も、このあたりをはっきりさせずに、ただアベノミクス反対論を唱えています。おろかです。
そうではなく金融緩和スべきこと、財政出動すべきことは前提として、その上でアベノミクス批判するというのなら、建設的ですし、多くの国民にとっても選択肢ができるということで有意義だと思ます。
しかし、金融緩和、財政出動そのものまで、否定するというのなら、本当にただの馬鹿で阿呆だと思います。
そして、なぜ馬鹿で阿呆なのか、現代史を紐解けば明らかです。日本は、小泉内閣のときから、第一次安倍内閣のときまで、日銀が景気対策として金融緩和をしており、あともう少しで、日本はデフレから脱却できそうでした。にもかかわらず、日銀は日本がデフレから脱却しきらないうちに、金融緩和策をやめ、金融引き締め策に走りました。その結果は皆さんご存知の通り、日本は、またデフレスパイラルの底に沈んでいきました。その後第1次安倍内閣は崩壊しました。
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