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2009年5月22日金曜日

パブコメも効果なく議論終了、医薬品ネット販売規制へ - 楽天は訴訟検討も―あくまで自己責任ということで実施すれば問題はないのでは?

パブコメも効果なく議論終了、医薬品ネット販売規制へ - 楽天は訴訟検討も(2009/05/22)(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

厚生労働省は22日、医薬品のネット販売規制について議論する検討会の最終 会合を開いた。医薬品ネット販売を規制する省令については、2年間の経過措置を設けて6月1日から施行されることになったが、省令に反対する楽天会長兼社 長の三木谷浩史氏は、会合後「訴訟を検討する」と話した。

22日開かれた「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」最終会合

2009年6月1日から施行が予定されている改正薬事法では、医薬品を「第1類」「第2類」「第3類」の3種類に分類。これに関し、2009年2月6日に公布された厚生労働省の省令では、第1類と第2類の医薬品のネット・通信販売を規制する内容となっている。一方厚労省では同日、医薬品の販売方法を再度議論するため「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を設置した。

2009年5月11日に開かれた同検討会の第6回会合で は、離島居住者や以前からの継続使用者に対して、伝統薬などの薬局製造販売医薬品と第2類医薬品の通信販売(ネット販売含む)ができるようにする「省令の 一部を改正する省令案」(経過措置案)を厚労省が提示。この案について5月12日~18日にパブリックコメントが行われ、その結果を議論する場として、 22日に検討会の最終会合となる第7回会合が開かれた。

パブコメの8割強が「医薬品ネット販売規制に反対」

検討会が行われた厚労省の会議室には、テレビ局や新聞社などから大勢の報道陣が詰め掛けた。これに関し楽天の三木谷氏は、「これだけの国民的議論に なっているので、今回の会合はカメラの前で全て生で伝えるべきではないか」と提案。だが、北里大学名誉教授で座長の井村伸正氏が多数決をとったところ、出 席した16人の構成員のうち賛成派は3人。厚労省側はカメラマンに退去を求めたが、なかなか帰ろうとしないカメラマンらに対し、「今後の取材に関しご相談 させていただくことになりますので」などと話して退去させるなど、会合は冒頭から大荒れの模様となった。

予定時刻を10分すぎてようやく始まった会合では、厚労省事務局から、前回提示した経過措置案とほぼ同内容の措置案と、前回提示した経過措置案に対 するパブリックコメントの結果について説明。パブリックコメントとして寄せられた総数9,824件の意見のうち、「経過措置に賛成」は42件、「経過措置 に反対」は1,146件。「その他」に分類された「郵便など販売の規制をするべきではない」は総数の84.9%に当たる8,333件あった。

1,146件あった「経過措置に反対」の内訳は、「経過措置は不要」とするものが692件、措置の対象者をもっと拡大したり対象品目を拡大すべきな どの意見を含む「経過措置の内容に反対」が454件で、経過措置そのものに反対する意見と、賛成だが不十分であるとする意見が混在する結果となった。

國領氏は「規制すれば必ず脱法的なものがはやる」

これに関し楽天の三木谷氏は、「パブリックコメントをどう受け止めているのか」と厚労省事務局に質問。これに対し事務局は「パブリックコメントは数 字を見るのではなく、原案になかったもので我々が気付かなかったものについて参考にするもので、骨子について変える必要はないと判断した」と回答。全国消 費者団体連絡会事務局長の阿南久氏は「経過措置を不要とする意見が700件近くあるのに、なぜ経過措置を認めることになるのか分からない」と発言。これに 対し事務局では「他のパブコメもそうだが、(行政が示した)原案でいいという人の意見は少ない。我々が気付かなかったことがあれば加えていく(のがパブ リックコメント)」と回答した。

三木谷氏はまた、パブコメに寄せられた『離島に住んでいる人はよくて、山の中、例えば、薬局まで自動車で山道を1時間以上走らなければならない場所 に住んでいる人は駄目なのですか』という意見を示し、「なぜ経過措置は離島に限っているのか」と事務局に質問。事務局は「離島の場合、陸上の交通手段によ る(薬局・薬店への)アクセスができないから」と回答した。だが、日本置き薬協会常任理事長の足高慶宣氏は、「『へき地』や『離島』といった概念がはっき りしているかのように議論するのはおかしい。経過措置案に反対だが、(施行するとしても)『離島』というような概念を入れるべきではない」と主張した。

その後は、医薬品のネット・通信販売を規制する根拠となる、厚労省が公布した省令の『対面の原則』を中心に議論が行われた。慶應義塾大学総合政策学 部教授の國領二郎氏は「(厚労省が示した省令の運用で)病気になった本人だけでなく、代理の人が購入してもいいということであれば、対面の原則は崩れてい るのではないか。ネットをテーマに議論するからみんな頭に血が上るのであって、要はリスクコミュニケーションの問題ではないか。どうやったら本人にきちん と情報提供できるかを考えるべきだ」と述べた。

さらに國領氏は、「新型インフルエンザの感染拡大の真っ只中で、(対面販売を原則とする)省令を本当にこのまま施行していいのか。また、以前から言っているが、ネットでこういう規制をすると必ず脱法的なものがはやる」とも指摘した。

三木谷氏「厚生労働省に一般消費者の視点ない」

こうした議論の中、阿南氏、足高氏、三木谷氏、全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかり氏らが、経過措置案に対する反対意見をあらためて表明。一方、国領氏や日本チェーンドラッグストア協会副会長の小田兵馬氏は、消極的ながら「やむを得ない」として賛成を表明した。

会議後半、慶應義塾大学薬学部教授の望月眞弓氏は、経過措置案への反対の立場を明らかにした上で、「もともとこの案は、省令の施行により利便性を損 なうという人のためのもの。そういう意味では、離島の居住者であることの確認や、施行前に医薬品を購入していたことの確認をきちんととっていく必要があ る」と要請した。

青山学院大学経営学部教授の三村優美子氏は、「この検討会は、省令の円滑施行という目的で設置されたものであり、(省令は)今まで販売をできたもの を一気に認めないとするものであるから、経過措置は最低限のやむを得ないものであり賛成。ネットもかってのような無法地帯でなくなる可能性も、この検討会 で分かった」と話した。

7回に渡る会合の座長を務めた井村氏は、「経過措置案にコンセンサスを得るのは難しく、厚生労働省の責任でやっていただくほかない。このままの案で やるというのなら、望月氏が要請したような細かな点をきちっとやってほしい」と事務局に求めた。最後に井村氏は、「最後まで真剣に議論していただいて感謝 している。安全な医薬品の供給がこれまでの議論の大前提なので、厚生労働省はぶれないで勇気をもって進めていってほしい」と述べた。

楽天の三木谷氏は会合後「弁護士と相談して訴訟も検討する」と述べた

経過措置は設けられながらも、基本的には対面販売を原則として医薬品のネット販売を規制する方針が固まったことに対し、楽天の三木谷氏は会合後、 「アメリカもヨーロッパもアジアも認めているのに、まさしく時代に逆行するもの。厚生労働省がいかにひどい役所か分かった」と発言。さらに、「厚生労働省 に一般消費者の視点は全くなく、今までの教訓も全く生かしていない。21日のシンポジウムで反対の意見を表明した国会議員や有識者、100万人以上集まった規制に反対する署名もあり、今後は弁護士と相談し訴訟も検討する」と話していた。

経過措置を定める省令案については、5月下旬に公布予定。2月6日に公布された省令とともに、6月1日から施行される予定となっている。

あくまで自己責任ということで実施すれば問題はないのでは?

この問題前から気になっていましたが、まずは、自己責任ということ、さらにはサイトには詳しい解説をつけること、調べたげれば、薬の副作用や、副作用の具体的事例、さらには、QFA、さらには、質問の受付、さらにはコールセンターなど設置するなどのことをすれば、十分いけるのではないかと思います。

高齢化社会に入って、サイトなどの通信販売による医薬品の需要は高まるばかりです。しかし、通信販売による医薬品による薬害なども起こる危険性があります。医薬品による薬害は一般の人が思っている以上に酷いことがあります。以前にこのブログに掲載したことがありますが、医薬品ではないですが、頭を染めることによって酷い皮膚炎になるこもあります。

一般に流通しているような、染料ですら使い方を間違えたり、皮膚の弱い人が使うと大変なことになります。滅多にはいないですが、失明の例もありました。ましてや医薬品であれば、どんな副作用などがあるかわかりません。だから、この問題規制をかけたくなる気持ちはよく判ります。

一方こうしたサービスを利用したい消費者の気持ちもよくわかります。時々夕張などの様子がテレビで映されたりしますが、本当に買い物、通院は大変なようです。それに、最近では地方都市などでも、中核的なスーパーが撤退して、他の遠くにあるスーパーまで行かないとまともな買い物もできないような状況になっているところがたくさんあります。

このままだと、両者にほとんど歩み寄りもなく、妥協点も見出せず、永遠に平行線をたどることになるのではないかと思います。

しかし、危険や副作用とはいっても、すべての人にとって危険だとか、副作用があるわけではないと思います。オール・オア・ナッシング的に一律でものを考えるのではなく段階的なものの考え方が必要になってくると思います。それに、これだけITが進んでいるのですから、何とか新しいやり方を工夫して、妥協点を見出していくという動きになって欲しいものです。

たとえば、インターネットの購入の場合は、顧客はインターネットをアクセスして購入するわけですから、サイトにある程度の問診機能を持たせ、少しでも危険のある人にはその危険をはっきり告知して、それでも購入する人に対しては、「お客様のお求めになろうとしている、医薬品の○○には、お客さまにとって、□□の問題がある危険性があります。できるなら、病院に行かれて○○。それでも、お求めになる場合は自己の責任においてご購入ください」などの情報を掲示するようにすると良いと思います。

そうして、このような情報をつくるのは、第三者機関ということで医療機関なども関わるようにするとか、あるいは、インターネットで薬を購入する場合は、この第三者機関に既往歴、治療暦などをあらかじめ提供することを義務付けることなどをします。そうして、この第三者機関でワン・ツー・ワン・マーケティング用のシステムを使って、個々人の顧客に対してアドバイスなどを入れられるようにします。これは、無論人ではなく、システムで実施し、しかも、このアドバイスもあくまで、副次的なもので、最終的には顧客の責任において購入してもらうことを強調します。そうして、運用費用はこのシステムを使う小売業者から徴収します。

この第三者機関厚生労働省の天下り先としても、一躍脚光を浴びることでしょうし、役人たちも大喜びです(笑)。最近は、内需拡大のために、随分大盤振る舞いしているようですから、数百億くらいの予算はすぐつくかもしれません。この問題、官僚の側からすれば、最近薬害の問題が大きくクローズアップされたので、たとえ、消費者の不便があったとしても、自分や自分たちに害が及ばなければ良いという考えでしょうし、販売するほうからすれば、多少消費者に危険があったとしても、やはり儲けを考えるということだと思います。

まあ、先ほどの天下り先というのは、半分冗談ですが、役人の方も固いことばかりいっていないで、こういった観点から世の中のために役立ち、自分たちのためにもなることをしてはいかがかなものかと思います。そうでないと、この問題いつまでもくすぶり続けるものと思います。まあ、私の本心としては、こうした第三者機関できれば、独立行政法人などにするではなく、NPOにやらせるべきだとは思いますが・・・・・・。

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