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2010年11月9日火曜日

世界バレー:iPadで采配 リアルタイムで情報把握―頼りすぎると落とし穴が?!

世界バレー:iPadで采配 リアルタイムで情報把握

セルビア戦でiPadを手に選手に指示を出す日本代表の真鍋政義監督
バレーボール世界選手権の女子第16回大会で、日本代表が今大会から使用している多機能情報端末「iPad(アイパッド)」が注目されている。代表の真鍋監督は、スタッフから届けられた現在進行形のデータをiPadで見ながら、采配(さいはい)を振っているのだ。

コートサイドでプレー内容を打ち込んでいる渡辺啓太・分析担当によると、情報収集しているのはサーブ、サーブレシーブ、トス、スパイク、ブロック、ディグ(アタックのレシーブ)の6分野。相手の攻撃パターンや選手の特徴などのビデオ研究は以前から行われてきたが、当日のプレーのデータはセット間に紙に印刷して渡していた。iPadを利用した場合、その日のデータをリアルタイムで把握し、「試合途中での戦術の修正や選手交代に迅速に生かせることが強み」という。

実際のデータ運用はかなり複雑だ。サーブレシーブの成功率が悪い相手をサーブで狙うのは序の口で、サーブを相手の特定のゾーンに打った場合、相手の攻撃パターンが一つに偏る、といった情報も見えてくる。1次ラウンドで20ブロックをマークした井上香織(デンソー)に対しても、1プレーごとにブロックの狙い目をベンチから指示していたという。渡辺分析担当は「選択肢を絞れれば、選手は楽になる。世界で初めての試み」と語る。

もっとも情報を生かすも殺すも選手次第。日本は9日の韓国戦に勝ち、セルビアがロシアに敗れれば、準決勝進出が決まる。情報戦での優位がメダル獲得に結びつくか--。【毎日JPより

【私の論評】頼りすぎると、とんでもない落とし穴が?!

セブンイレブン 発注端末
iPadは、今年の発売ですが、これに似たようなものなら一般には普及していませんでしたが、実は随分前から、私たちの身近なところで、随分前から使われていました。それは、セブンイレブンの発注端末です。セブンイレブンのお店にも、無線LANの導入されたのと、独自の発注端末で容量の大きい情報も閲覧できるようになり、発注もスムーズな作業が可能になっています。

この端末、かなりiPadに似ていると思います。まず、大きさがそうですし、画面だってカラーです。ただし、入力はiPadのように画面から入力するのではなく、上の写真でおわかりのように、横についた入力キーで実施します。まあ、入力するとはいっても商品コードと、発注数量くらいなものですから、これで十分なのだと思います。店の中で、実際に、棚などに陳列される商品を見て回りながら、入力するということになると、従来のノート・パソコンでは困難です。おそらく、試行錯誤して、最終的にこのような今でいうところの、iPad風の形になったのだと思います。これは、全部の店には導入は、されてはいませんが、仮に導入されていなくても、すべての店に端末がありますから、過去や直近のデータを見ながら、発注入力することには変わりありません。

昔は、レストランで使うハンディターミナルも、確か、まともに買うと、数十万もしたのでびっくりしたことがあります。この種の端末は、一般には販売されていないため、セブンイレブンの店が多いとはいっても、どうしても数が限られています。だから、結構高いものだったと記憶しています。いまだと、iPadにして、セブンイレブン独自のアプリを搭載したほうが安上がりかもしれません。

この端末が導入されて以来、発注がかなり便利になったようです。セブンイレブンでは、あのイトーヨーカドー仕込みの商品単品管理が息づいていますから、この端末にもかなりの工夫がなされています。まず、たとえば、お弁当なら、お弁当の単品ごとに、過去のデータも、何年分かは見れますし、直近のデータも見ることができます。さらに、この端末、グラフィックも相当優れものですから、過去の様々のデータをいろいろい比較してグラフ化してみることができます。

お店の発注担当の人は、この端末を見ながら以前よりは、楽に発注できるようになったと思います。セブンイレブンでは、昔から、発注などもバイトの人にまかせています。

なぜ、このような商品単品管理の仕組みや、このような端末が導入されたかといえば、実は、小売業は、皆さんが想像しているよりも、はるかに厳しい商売だからです。

たとえば、皆さんが商売をするとして、スイカを100個仕入れたとします。99個売って1個残ったらどうでしょうか?商売としては、まずまずでしょうか?私は、そうは思いません。スイカ100個なら、この最後の1個を売り切らないと利益はでません。もともと、小売業というのは、粗利が少ないのですから、スイカのたとえだとそういうことになります。

だからこそ、こうした端末が導入され、誰にでも、発注することができるようにしたのです。しかし、このような端末を導入したからといって、いつも正確無比な発注が誰にでもできるかといえば、そんなことはありません。

もう、5年近く前の夏でしょうか。そのときは、7月初旬だというのに、何と最高気温が18度という日が続いていました。東京でも、低温の状況で、何でも鍋物などが大人気というような有様でした。あるセブンイレブンの店の前には、バイクで来た人が何と、ダウンジャケットを着ていました。バイクだと寒いからでしょう。

ところが、この店に入って驚いたことがありました。何と、その店の麺売り場(カップ麺ではない)には、冷麺ばかりがところ狭しと並んでいました。その頃、私は、自宅でも冷やしラーメンなど食べずに、暖かいラーメンばかり食べていたので、非常に違和感を覚えました。

飲み物も、全部冷たいもので温かいものは一つもありませんでした。まあ、7月ですから、お客様の心理を考えれば、売り場構成の基本としてはこれでも良いのでしょうが、それにしても、直近の気温のことや、お客様のことを考えれば、当然暖かいものも置いておくべきではないかと思いました。そうして、様子をみて量を調節するなどのことが必要だったと思います。

それから、しばらくそのことは忘れていたのですが、次の年にセブン&ワイ会長の鈴木敏文氏が本を出したので、購入して読んでみると、何と、私と同じようなことを体験して同じようなことを考えていたことがわかりました。その前の7月に鈴木氏がやはり、セブンイレブンに入って買い物をしたときのことを書いておられて、「夏とはいってもこれだけ気温が低いなら、やはり、暖かいものもお客様が欲しがるので置いておくべきだったろう」と述懐されていました。

セブンイレブンといえば、今でも日本最大のコンビニチェーンです。あのiPad風の端末で情報武装していても、このようなことがおこるのです。

なぜ、こうしたことがおこるかといえば、セブンイレブンなどでは、いわゆるPOSとか、この上の端末などで、実施すべきは、仮説の検証であり、このような端末などは、あくまで仮説を検証するための道具にすぎないとしています。あくまで、人間が検証するための手助けという考え方なのです。要するにこの種の端末に蓄積されているのは、過去のデータに過ぎないということです。だから、今の原現実に対処するには、本来発注する人間が考えて、仮説を立案しなければならないということです。無論、そのために過去のデータも活用するということです。そうして、その結果、商品が予想どおり売れれば、その仮説は正しかったということになります。

でも、失敗してしまったのは、過去のデータに頼りすぎたということです。確かに、7月ですから、昨年のデータを見れば、冷たい緬や、冷たい飲み物が売れているのが当たり前です、しかし、冷夏であれば、当然それに対処しなければならないわけで、こうした対処ができなかったとうことです。

セブンイレブンですら、こうした失敗をすることもあるわけですから、私たちも、気をつけなければならないと思います。

上のiPadの使用例は、直近のデータを見られるようにすることで使っているようですから、セブンイレブンのような間違いはおこらないかもしれません。しかし、所詮バレーボールをプレイしているのは人間です。人が、モノを購入するときにも、人の心理が大きな影響を及ぼします。

バレーボールだって、大勢の人の心理や、体調その他が絡んでくるわけですから、やはり、使い方としては、監督は、直近のデータをみながら、仮説をたてて指示を出し、試合の趨勢をみながら、さらに仮説をたてて、試合の趨勢をみるという具合に活用し、そうして、最終的に試合が終わったときには、すべての仮説の検証を行い次の試合にフィードバックしていくというのが妥当だと思います。

そうして、監督は無論そのような使い方をしていると思います。頼りすぎると、セブンイレブンの上の事例のように落とし穴にはまることもあると思います。

いずれにせよ、商売ではどんなに情報武装しようとも、結局は売上をあげられなければ全く意味がないということです。スポーツでも、どんなに情報武装しようとも、結局は試合にかたなければ、全く意味がないということです。

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