<ドイツ太陽光発電を拡大させたFIT>
オバマ政権が掲げるグリーンニューディール政策もあり、世界が今、「太陽光発電」に注目している。ドイツは2005年に日本を抜いて太陽光発電の設置量で世界一の座につき、その後、経済危機の影響でも衰えることなく、その設置量を伸ばしている。
この背景には、フィードインタリフ(FIT)制度と呼ばれる、いわばドイツ政府の発明がある。FITは、太陽光発電による電気の100%を (各家庭で消費させるのではなく)20年間にわたって家庭の電気の購入価格の約4倍の価格で電力会社が買い取ることを政府が保証する制度である。FIT は、投資を考える人々にとって太陽光発電を運営すること自体が金銭的に魅力あるものに仕立てあげている。
個人が家庭の屋根に太陽電池を200─300万円かけて設置すれば、翌日から発電事業主となるのだ。収入を得ながら最初の10年で元を取り、残りの10年は収入のすべてが利益になるという簡単な計算ができる。
ドイツでは、将来の年金対策のような感覚で個人が自分の家の屋根に太陽電池を設置しており、環境問題に興味がない人にとっても投資対象として 大きな魅力がある。南ドイツを中心として、2008年末までに、個人の家や倉庫、工場などの屋根に累計3500メガワットの太陽電池が設置されたといわれ ている。この3500メガワットの太陽電池が設置されたのは、ドイツ国内全体で太陽電池が設置可能な南向きの建物の屋根の1%未満に過ぎず、マーケットの 将来性は大きいと見られている。
<欧州各国に広がるFIT>
FITは、太陽光発電や風力発電など、二酸化炭素(CO2)を発生させない代替エネルギーへの切り替えを促進するための「環境対策」を目的と した制度である。しかし、ドイツ政府は内需拡大や雇用確保のために、太陽電池やインバーターなどの関連産業育成を重視していたといえる。その結果、導入直 後には30万人の新たな雇用を創出した。
また、シャープ<6753.t>を抜き世界一のセルメーカーに育ったQセルズ
FITはドイツをお手本として、スペイン、イタリア、フランスなどの西欧諸国をはじめ、チェコ、ブルガリア、スロバキアといった中東欧諸国な ど、数多くの国で導入されている。最近ではトルコでもFITの導入が検討されている。日本でも政府の補助金復活に加えて、10年間にわたって2倍の電気代 で買い取りを保証するという日本版FITの導入が予定されている。
昨年来の経済危機は、少なからず欧州の太陽光発電事業にも影響を与えている。ドイツ以外の欧州各国では、FITの導入後、各家庭の小規模シス テムではなく、広大な土地に太陽電池を並べるいわゆるソーラーパークと呼ばれる数メガワット単位の大型発電事業の開発が多く行われてきた。
しかし、経済・金融危機により、ファンドなどの多くの投資家が途中で手を引いてしまったり、あるいはプロジェクトに対する銀行からのファイナンス供与が困難に陥って、従来に比べて開発のスピードが落ちてきている。
<太陽光発電が雇用を生む仕組み>
ドイツでのFIT導入時には、電力会社に通常の4倍という高い価格で電気を買い取る義務を負わせる一方で、そのコストを補うために、電気を消費するビルに対して毎月の電気代に加えて約250円程度のFITの代金を請求する権利を与えた。
また、電力会社には電力買い取り契約の手続き簡素化やグリッドへのスムースな配線、グリッドの安定的運営の義務を負わせている。つまり、太陽 光発電の高いコストはドイツ国民全体が広く薄く負担するということで、政府、電力会社、さらに国民が一体となり、同一レベルの目的意識を持って進めるとい う社会全体のコンセンサスが得られているのだ。
実際の運営面でも手続きの簡素化などの工夫がされており、さらに各家庭の屋根が投資単位となっているため、経済危機の影響も少なく、家庭向けの需要は順調に伸びている。
最近では、個人が自分の家の屋根に太陽電池を設置する場合に、金融機関からいわば自動車ローンと同じような感覚でエンドファイナンスを得るこ とができる。手元資金が少なくても、売電の収入によるローン返済も自動的にできるため、手軽に個々の家に太陽電池が設置できる体制が確立されている。
ドイツ以外の国では、FITそのものはあっても、実態として、発電事業主に対するライセンスや許認可の取得、あるいは電力会社への売電契約の 手続きなどがドイツに比べて複雑になっている。結果として投資対象となりうる単位が、各家庭ではなく、大型のソーラーパーク開発事業が主になっている傾向 が強く、経済・金融危機の影響を直接受けてしまった原因といえる。
EUの黄昏は確実か?
ドイツの太陽光発電、随分伸びているので、前から不思議におもってましたが、裏にはこういう仕組があったのですね。
でも、これを読んで皆さんはどう思われるでしょうか?私は、いわゆる共産主義を思い出してしまいしまいました。ドイツのカール・マルクスにより理論体系がつくられた、共産主義は、当のドイツでは根付かず、結局、ロシア、中国、北朝鮮、その他多くの国々導入されていきました。そうして、国民の面倒は政府が全部見るとして、華々しく登場し、自由主義陣営にも大きな影響を及ぼし、福祉国家をつくるというという方向に走らせました。そうして、共産主義そのものも失敗し破綻しました。そうして、福祉国家の試みも全部の国で失敗しました。
共産主義は一見よさそうな理想論でしたが、あまりにも理論的であり、実証主義などからは縁遠い主義でした。ここでは、共産主義論議をするつもりがないので簡単にすませますが、人間の利己主義的な傾向や、もともと予測がつきかねる行動や、実体経済などほとんど無視していました。それに、共産主義下では全く新しい人間が生まれるなどといわれていましたが、そんなことはありませんでした。それに、旧ソビエトなど、すでに1950年代からほころびが見えていました。無理に無理を重ねて行われた、人類の共産主義という壮大な実験は、ことごとくすべて失敗し、崩壊しました。
結局、ロシア、東欧で共産主義は大失敗し、結局1990ね年代に共産主義国は、消滅しました。中国でも、実質上政治主体である中国共産党は残りましたが、結局実体は、共産主義経済ではなく、資本主義経済になっています。今は、発展途上国の一部に残っているだけです。それも、いろいろ、変質してしまって、本来の共産主義などとは随分違ってきています。北朝鮮なども、共産主義としていますが、実態は単なる金王朝です。実質上共産主義は、数十年の間に誕生して、終焉をむかえました。
いまや、誰も共産主義をまともに信じている人はいなくなりました。この共産主義と、太陽光発電は非常に似ているのではないでしょうか。両方とも、かなり人為的な理論をもとにしています。国が電力を高値で買い取るなど、完全に自由主義経済の原則を無視しています。このままこの制度がFITが拡大してき、それこそ、ドイツ国内の鉄道のすべての電力が太陽光発電になったらどうなるのでしょうか?まあ、そんなことはないでしょうが、でも、いずれ、多くの企業や個人などが、太陽光発電をやりはじめたら、どのようなことになるのでしょうか?
以前このブログにも掲載しましたが、今環境問題解消の寵児とも言われている電気自動車が、結局充電する電気が火力発電によるものであれば、かえって環境に負荷を与える存在にもなりえることをドイツの環境保護団体が公表しています。人間や社会全体をみずに、一部だけ切り取って見て作り出した、共産主義の失敗ともつながるような調査結果だと思います。
ここで、一つ良く思い出していただきたいことがあります。50年以上前に言われていた環境問題です。特に都市では、石炭などばい煙が大きな問題になつていました。さらに、都市で交通機関として、馬が多様されており、馬糞が都市の深刻な環境問題の一つなってました。
現在そのような問題があるでしょうか。多くの都市では、石炭がほとんどつかわれなくなったので、ばい煙の問題はもう発生していません。馬糞の問題も、そもそも、馬を使わなくなったので全くありません。そうです、ここで言いたいのは、人類技術革新の早さです。30年後くらいであれば、あたらずとも遠からずの
予測がつきます。しかし、50年後ともなるとほとんど空想や夢物語のようなもので、予測などつきません。
しかし、太陽光発電などによって産業などを変えるということは、少なくとも、50年、100年は今のような太陽光発電が続くという前提のもとで実施しているということです。今から、50年後になれば、代替エネルギーが開発されているかもしれません。それに、省エネ技術にもいろいろブレークスルーが誕生して、今では考えられないくらいハイコストパフォーマンスのものができているかもしれません。そうです、かつての共産主義のように時代遅れになっている可能性が大です。
多くの人が勘違いしていますが、日本は今でも世界に冠たる省エネ技術大国です。しかも、かつての共産主義のような理想論ではなく、この自由主義経済の中で実証済みの技術ばかりです。実証済みの技術をこれからも、積み重ねていけば、さらに革新的なものが生まれてくると思います。50年後には、50年後の時代のブレークスルーにあわせた実証的なものが生まれてくると思います。
日本でも、FITのようなものをつくって、現状ではまだ普及していない技術などを普及するような政策をとっても良いおもいますが、共産主義や、太陽光発電のように実証されていないものに関しては実施すべきではないと思います。スマート・グリッドのような技術であれば、量産されれば、10年後、20年後には間違いなく成果を出し、実体経済の中でハイコスト・パフォーマンスを実現できるので良いと思いますが、その時々で、10年後、長くても30年後にハイコストパフォーマンスになることが期待できないものには適用すべきではありません。
昨年(2008年)には、2007年のco2排出権取引の実績が発表されています。それによると、削減どころか、co2は増加していいます。昨年はどうだったのでしょう。昨年は、金融危機があったので、無理ではなかろうかなどと考えるかもしれませんが、それは違います。昨年は、急激な輸出減などが起こっていて、co2の排出はそれだれでも削減になります。インターネットで調べてみたところ、3%の削減となっています。しかし、これはどう解釈したら良いのでしょうか?ドイツなどは、GDPに占める輸出の割合が40%を超えています。EU全土であれだけ輸出が減って3%というのは、実はほとんど削減されていないというより、実際は増えているというのが実情だと思います。
排出権取引もどちらかという実証的な制度ではありません。太陽光発電とともに、共産主義と同じようなうきめにあってしまうかもしれません。排出権取引は、実体はサブプライムローンよりも低劣なデリバティブ商品に過ぎないと思います。
いずれにせよ、EU諸国の理想主義によるFITや、排出権取引、かつての共産主義のようにほころびが見えているのではないでしょうか?それに、本格的な破綻がやってくるのも案外早いかもしれません。のべつまくなく、FITによって支援をしていては、政府の財源にも限りがあるでしょうから、きっと早い時期に破綻がくると思います。
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