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2018年1月12日金曜日

謝った「ノストラダムス」作家 財政破綻の予言も外れっぱなし、そろそろ謝罪していいのでは―【私の論評】財政破綻派は謝罪しないというなら破綻して無害な存在になれ(゚д゚)!

謝った「ノストラダムス」作家 財政破綻の予言も外れっぱなし、そろそろ謝罪していいのでは

ノストラダムスの肖像画 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 1970年代に『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになった作家、五島勉氏のインタビューが話題になっている。「1999年7月に人類が滅亡する」と信じた子供や若者は多かったが、現実にはならず、五島氏は「当時の子供たちには謝りたい」と述べたという。

五島勉さん。昨年88歳になった
 一方、経済分野での有名な「予言」といえば、「日本の財政は破綻する」というものだ。これもノストラダムスと同様、現実にはなっていないのだが、謝罪した人がいるとは聞いたことがない。

 財政破綻の問題は、一部の好事家だけの対象ではなく、経済学者の間でも心配する声は大きい。東京大学金融教育研究センターでは、主要な国内経済学者をメンバーとして「『財政破綻後の日本経済の姿』に関する研究会」を2012年6月から14年10月まで開催していた。その問題意識は「もはや『このままでは日本の財政は破綻する』などと言っている悠長な状況ではない」とし、「財政破綻後の状況や破綻後に直面する国民的課題・政策課題に焦点を合わせた議論・研究を開始する必要がある」というものだった。

『財政破綻後の日本経済の姿』に関する研究会のメンバーリスト
 経済学者による「財政破綻本」もかなり出ている。10年11月には『日本経済「余命3年」』、13年2月には『金融緩和で日本は破綻する』という書名の本も出版されたが、破綻は現実には起こらなかった。財政破綻は面白い材料なのか、ほかにも類書は少なくない。



 財政破綻を20年近くも主張している国会議員もいる。筆者が国会に参考人として呼ばれた際、「予言は当たっていない」と指摘すると、「当たっていないことは認めるが、言わざるを得ない」と述べていた。実現したら困るので、根拠がなくても言う必要があるというのでは、ノストラダムスの予言と大差ない。

 元財務官僚の筆者の経験からいっても、財政当局は、国内では財政破綻論は増税の根拠にできるので、放置している。むしろ、財政破綻論を書きたい著者には財政資料をレクチャーするなどして後押しすることもある。10年6月の『絶対に受けたい授業「国家財政破綻」』はその典型例だが、一方で「財政破綻しない」という筆者の意見も掲載されている希有な本だ。


 財政破綻を信じる人はさまざまだ。財務当局やマスコミが訴える「財政危機論」を信じているだけの人も多い。

 東大の研究会の場合、債務残高対国内総生産(GDP)比が他国に比べて大きく、財政が維持できないことが数式で示されている。しかし、その式が成立するには、単なる債務残高ではなく「ネット債務残高」である必要がある。

 バランスシート(貸借対照表)の右側(負債)だけでなく、左側(資産)を含めた両方を見る必要があるのに、東大の研究会では誤解しており、その誤解が直されないままその後の議論が行われている。

 間違った前提から正しい結論は導かれないので、予測が外れるのはある意味当然だ。東大の研究会は活動を停止したらしいが、関係者は謝罪してもいいのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財政破綻派は潔く謝罪せよ(゚д゚)!

ブロク冒頭の記事にでてくる、五島勉氏のインタビューでの謝罪とは、週刊文春のインタビュー記事にでてくるものです。その記事は文春オンラインでも読むことができます。以下のそのリンクを掲載します。


作家・五島勉インタビュー #1

以下に文春オンラインのインタビュー記事から、五島氏の謝罪の部分だけ掲載します。

五島 弁解するわけではないんだけど、私は「大予言」シリーズの初巻の最後に、「残された望みとは?」という章を書いていて、予言を回避できる方法がないか考えようと言ってるんです。もちろん、米ソの対立とか核戦争の恐怖とかがあって、ノストラダムスが警告した状況が来ることは間違いない。それは破滅的なことかもしれないけど、みんながそれを回避する努力を重ねれば、部分的な破滅で済むんだということを書いたんです。だからこの本は、実は部分的な破滅の予言の本なんです。 
 だけど、私がこの本を書くとき、ノンフィクション・ミステリーという手法に挑戦したことで誤解を生んでしまった。ミステリーが最後にどんでん返しをするように、初めに全滅するんだと書いておいて、最後になって人類が考え直して逆転して、部分的な破滅で済むんだと、それに向かって努力しなければならないと書いたんです。だけど、ここのところをみんな読まないんです。 
―― たしかに多くの人が、1999年7月に全滅するんだと信じていましたね。 
五島 ただ、私はそのことをちゃんと主張できるけど、当時の子どもたちがね。まさかこんなに子どもたちが読むとは思わなかった。なんと小学生まで読んで、そのまま信じ込んじゃった。ノイローゼになったり、やけっぱちになったりした人もいて、そんな手紙をもらったり、詰問されたりしたこともずいぶんありました。それは本当に申し訳ない。当時の子どもたちには謝りたい。
私は、「ノストラダムスの大予言」と、その続編の「続ノストラダムスの大予言Ⅱ(五島氏著)」も読みました。そのため、五島氏の主張は理解していました。

その当時の理解は、確かに世界の破滅はあり得るが、努力すればそれは回避できるだろうというものでした。



そうして、成年に達ししばらくすると、この書籍のことはほとんど忘れてしまいました。特に経営学の大家ドラッカーの書籍を読むようになってからは、ほとんど忘れてしまいました。

特にドラッカー氏が著書の中で未来予測について、以下のように語っていることを知り、未来予測は全く無意味であることを納得しました。

「未来を予測しようとすることは、夜中にライトをつけず、リアウィンドウを見ながら田舎道を運転するようなものだ。」

日本が滅多なことで財政破綻しないことはこのブログでも何度か掲載してきました。以下に新たにその根拠を掲載します。日本が財政破綻しないことなど、1分もあれば論破できます。

その意味では、この書籍は今の私にとっては、何の影響力もありません。おそらく、多くの人がこのような状況にあるものと思います。

それでも、五島氏は謝罪と、あの書籍の意図したことをはっきりとインタビューで応えています。これは、なかなかできないことなのかもしれません。

実際、多くの「財政破綻論者」が今でも謝罪などしていません。しかし、「日本が財政破綻しないこと」はあまりにもはっきりしており、このブログでも何度かその理由を掲載してきました。本当にこれは、1分もあれば論破できることです。以下に再度論破してみせまょう。

細かな数字は脇に置いて、日本の借金は1000兆円とされます。一人当たり800万円となり、一般家庭に置き換えて、給料が40万円なのに90万円の使っていて、1000万円の借金がある。だから破綻する。こう脅す説明では「日本の資産」について触れません。

無駄な支出は減らすべきですが、日本には大雑把にいって700〜800兆円の「資産」があります。こういうと、財政破綻論者は「ドヤ顔」で、資産はすぐ売れるとは限らないからやっぱり危ないといいます。しかし、それも論破できます。「資産」といった場合様々なものがありますが、日本政府の資産で一番大きいの純金融資産です。すぐに換金できるものがほとんとです。

金融資産とは、政策投資銀行(旧日本開発銀行)やUR都市機構(旧住都公団)などの特殊法人、独立行政法人に対する貸付金、出資金です。

もしそれらを回収したらどうなるかといえば、仮にこれらを民営化か廃止すれば回収ということになりますが、政府が破綻するということはまったくなく、役人の天下り先がなくなるだけの話です。

つまり、日本の借金なるものは200〜300兆円で、これはかなり大きいと見る人もいるかもしれませんが、世界水準でGDP比で見れば、決して突出した数字(割合)ではありません。このような見方をすれば、米英よりも少ないです。

財政破綻派が、1000兆円の借金と切り出した時点で「嘘」と思って間違いないです。

さらに、借金といえばサラ金や銀行からの借り入れをイメージしますが、日本国の借金の大半は「国債」によります。日本国債を買うのは国民や国内企業・金融機関です。外国の機関投資家などが購入するのはほんの数%にすぎません。これをわかりやすく例えれば、親が子どもから金を借りているようなものです。

つまり家庭内でお金が循環しているということで、これで家計が破綻した事例などありません。

「財政破綻論」を主張していた方々は、高橋洋一氏が主張しているようにやはり謝罪すべきと思います。そうでないと、主張していた方々自身が次のステップに進むことができないでしょうし、何よりも多くの人々に誤解を与えたままになってしまいます。

私の経験でいうと、私の母がなくなってから少ししてから、もう使わなくなった母のお茶の道具類を、古物商に引き取りにきていただいたのですが、その時の鑑定士が女性でしたが、その女性が「円が心配、無価値になるのでは」と語っていました。この女性は日本の財政破綻を心配しているようでした。

その、女性はそのような心配は全くないことを、上記のような説明も加えながら話をしました。このような無用な心配を多くの人々にさせるのは、本当に良くないことだと思います。財政破綻派があくまで謝罪しないというのなら、ご自身が破綻すべきと思います。

破綻して、発言力も何もなくなり、無害な存在になっていただきたいです。

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2017年4月9日日曜日

平和ボケに染まりたくないあなたへ… 韓国は崩壊への道まっしぐらか? 『さらば、自壊する韓国よ!』呉善花著―【私の論評】今日の有様をリー・クアンユーは予言していた(゚д゚)!



韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は逮捕され、1カ月後に後継者が選ばれることになりました。そんな激動する朝鮮半島情勢をいち早く分析したのが本書です。

ソウル拘置所に向かう韓国の前大統領、朴槿恵容疑者=31日未明
 呉善花氏は韓国から留学生として30年余前に来日。そのあと日本に帰化しています。それ故に透徹した眼で「母国」を観察しています。今回の一連のスキャンダルのキーパーソンである崔順実(チェ・スンシル)らと朴氏との長年の癒着や、朴親子(朴正煕(チョンヒ)・槿恵)の確執、韓国容共リベラル派の潮流(金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン))などを総ざらい。
崔順実被告
 さらに慰安婦問題の嘘、金正男暗殺事件、次期大統領選挙の予測など盛りだくさんです。これ一冊で、朝鮮半島をめぐる日本、韓国、北朝鮮、中国など各国間の厳しい国際情勢の動きが手にとるように理解できると思います。

 呉氏は、大統領選挙では容共リベラル派の候補者が一歩リードし「従北政権」誕生の可能性が高く、万が一、保守派の大統領が逆転勝利しても、日韓関係は今より冷え込み、韓国が北朝鮮にすり寄っていくのは必至とみています。

 それを阻止する道は、軍による「戒厳令」しかないだろうと……。かたや、日本海に向けてミサイルをぶっ放すしかノウのない北朝鮮。その北朝鮮と所詮は「五十歩百歩」の独裁国家中国。こんな厳しい国際情勢が目の前にあるのに、日本の国会は能天気に何を議論しているのやらと不安になります。

 そんな「平和ボケ」に染まらないためにもこの一冊をお手元へ。(ワック・920円+税)

 ワック株式会社「書籍部・歴史通」編集長 仙頭寿顕

【私の論評】今日の有様をリー・クアンユーは予言していた(゚д゚)!

北朝鮮には核・ミサイル問題について、中国の仲介を受け入れるつもりはなさそうです。だとすれば、昨日もこのブログに掲載したように、米国単独で北朝鮮に対して軍事行動に踏み切る可能性が出てきました。追い詰められた北朝鮮が最初に矛先を向けるのは、超大国の米中ではなく、むしろ日本と韓国です。

金正恩(キム・ジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏殺害には、毒ガスのVXが使われていました。金正恩氏は体制維持のためならば、同胞に対しても核や化学兵器の使用をためらいません。ご存じのように、北朝鮮はつい先日の5日にもミサイルを発射したばかりですし、6日には米軍がシリアに向けてミサイル攻撃をしました。

これで、いやがおうでも、韓国内にもかなり緊張が走るのではと思っていたのですが、ところが、まったく不思議なことにその韓国が、日本以上に「平和ボケ」の症状を呈しています。

来月に投開票される大統領選で最有力候補とされるのが、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏(64)です。文氏は自分が大統領になれば、北朝鮮への経済援助を再開すると明言しています。在韓米軍に配備された迎撃ミサイルシステムには否定的です。日本には、慰安婦合意の再交渉を求めています。文氏には日韓両国で北朝鮮に立ち向かおうなどという考えがまったくありません。文氏を支持する人たちは、本気で現体制の北朝鮮との融和を望んでいるのでしょうか。

北欧のスウェーデンから先月、7年前に廃止した徴兵制を復活するとのニュースがありました。バルト海で軍事的圧力を強めるロシアの脅威に対抗するためだといいます。日本では安保法制をめぐって、徴兵制復活につながるとの批判がありました。ハイテク兵器を扱う現代の軍隊に、素人は不要である。ナンセンスな議論だった。スウェーデンも、国民の危機感を高めるのが目的でしょう。国民皆兵制により国民全員で国防を担おうという国家の姿勢を指す、イスラエルスイスの姿勢を見習ったのかもしれません。

徴兵制があり緊張が続いていたはずの韓国で、一体何が起きているのでしょうか?この疑問に、呉善花さんの書籍は応えてくれそうです。

さてこの韓国の現状を前から的確に予言をしていた人がいます。それは、シンガポールの前首相のリー・クアン・ユー氏です。それについては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【野口裕之の軍事情勢】中国の代弁者に堕ちたシンガポール ―【私の論評】リー・クアンユー氏が語ったよように「日本はゆっくりと凡庸になる」ことはやめ、アジアで独裁は当たり前という概念を根底から覆すべき(゚д゚)!
リー・クアンユー氏
この記事は、2015年6月28日のものです。リー・クアンユー氏は、2015年3月23日に亡くなっています。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事よりリー・クアン・ユー氏のアジアでは独裁は当たり前という考かにかかわる部分のみを引用します。
リー・クアンユー氏の「遺言」である、「日本はゆっくりと凡庸になっていく」という予言はある意味では正しかったのかもしれません。特に日本の過去においては・・・・。

それはさておき、シンガポール共和国の建国の父であり、同国首相を長く務めたリー・クアンユー。死後、その功績に対して多方面から賞賛の声が寄せられています。

リーの影響力は実際の政治権力が及ぶ範囲を大幅に超えて作用していました。その政治権力は、シンガポールがマレーシアから1965年に分離独立して以降、東南アジアの小さな都市国家の境界を越えて広がることはありませんでした。しかしその影響力は、急成長する企業経済と一党独裁の共産主義政府とが併存する、毛沢東以後の中国へと大きく波及しました。
繁栄する都市国家シンガポール 
リーは資本主義と強権政治とを結び付けた政治家の嚆矢でした。彼の人民行動党は、中国共産党に比べればまったくもって暴力的ではないとはいえ、事実上の独裁政党として国を統治してきました。

シンガポールの活発な経済、物質的豊かさ、効率のよさという面に目を向けると、独裁主義は資本主義よりもうまく機能する、世界にはそうした地域が存在するのだ、という多くの人の考えを裏打ちするかのように見えます。

しかしリー政権は、民主主義を形だけ維持するために選挙を実施しておきながら、反体制派については脅しや財政的な破綻で対処する選択をしました。リーに立ち向かった勇気ある男女は、膨大な額の賠償を請求されて破産に追い込まれました。

しかし、リーは決して、西洋の自由民主主義が誤りだとは主張しませんでした。ただ「アジア人」には向いていないとは述べていました。アジア人は、個人の利益よりも集団の利益を上に置く考え方に慣れていると主張しました。生来、権力者に対して従順で、こうした傾向はアジアの歴史に深く根差す「アジア的価値観」なのだと主張していました。

しかし、シンガポールが民主化を進めていたら、今よりも効率を欠き、繁栄を欠き、平和でもない社会となっていたでしょうか。韓国と台湾は1980年代に不十分とはいいなが民主化され、それぞれの独裁的資本主義に終止符を打ちました。それ以降、両国は非常に繁栄しています。ご承知のように、民主主義が日本経済に悪影響を及ぼしたということも全くありません。

リーは終始一貫して、シンガポールのような多民族社会では、高い能力を持つ官僚が上から調和を押し付けることを前提としなければならないと述べていました。エリートを厚遇することで、汚職がはびこる余地を最小限まで狭めました。 
しかしそれには副作用もありました。シンガポールは効率的で汚職も比較的少ないかもしれないのですが、一方で不毛な土地となってしまいました。知的な業績や芸術的な成果が生まれにくい国となってしまいました。 
わずか人口540万人の小規模な都市国家で、ある一時期有効であったにすぎない政策が、より大きく、より複雑な社会にとって有益なモデルとなるとは到底考えられません。 
資本主義と強権政治を組み合わせた国家資本主義を目指した中国の試みは、大規模な富の偏りを伴う腐敗の巨大システムを生み出しました。またプーチンは、自らの政策の社会的失敗、経済的失敗を覆い隠すため、極めて好戦的な国家主義に頼らざるをえなくなりました。

それを思うと、シンガポールの滑らかに流れるハイウェー、摩天楼が林立するオフィス街、磨き上げられたショッピングモールを賞賛せずにはいられません。しかしリーの遺産を評価する際は、金大中・元韓国大統領がリーに向けて書いた言葉に注意を払う必要があります。 
「最大の障壁は文化的な性向ではなく、独裁的指導者やその擁護者が示す抵抗だ」。
金大中氏
さて、長期の独裁政権を率いてきたリー・クァンユーからみれば、確かに過去の日本は自ら円高・デフレ政策をとり、日銀は金融引き締めを、政府は緊縮財政政策を取り続け、それこそ日本国民を塗炭の苦しみに追いやりつつ、中国の経済発展に力強く寄与してきたと当然看破していたと思います。全く、日本の政治家や官僚は無能と映っていたことでしょう。

また、軍事的に見ても、憲法典にある9条にもとづき、どんな場合にも戦力を行使すべきでないという愚かな言説がまかり通っており、これはあたかも、国連憲章でも認められ、西欧では人権と同じく自然権される集団的自衛権をなきものにするごときものであり、確かに生前のリー・クアンユー氏からみれば、日本はいずれ経済的にも、軍事的にも、凡庸な国になるのは必定と見えたと思います。

アジアのそれぞれの国の典型的な顔立ち

そうして、晩年のリー・クアンユーからみれば、デフレであるにもかかわらず、金融緩和の効果がまだ十分に出ないうちに、8%増税を決めざるを得なかった安倍政権、中国の脅威がはっきりしているにもかかわらず、安保法制の改定に拒絶反応を示す日本の野党や左翼の有様をみて、やはり西洋の自由民主主義は「アジア人」には向いていないとの確信を深めたことでしよう。 
日本政権与党が独裁政権であれば、自国経済が疲弊するデフレ・円高政策などそもそも最初から絶対に実行させず、誰が反対しようが鶴の一声で金融緩和、積極財政を行い、無用なデフレ・円高など発生させなかったと考えたことでしょう。にもかかわらず、平成14年には、8%増税をして、さらに 10%増税をするのが当然とする日本の識者や、マスコミの有様をみて、その馬鹿さ加減呆れはてたと思います。 
そうして、シンガポールは無論のこと、国連憲章でも認められ、西欧の自由主義的価値観からも、人権と同じように、自由権として、認められてるいる集団的自衛権など、最初から何の躊躇もなく行使する道を選ぶのが当たり前と考えたことでしょう。それすら、すぐに実行できない日本の状況にも呆れ果てたことでしょう。 
リー・クアンユーからすれば、アジアにおいは、人権は制限するのは当たり前としても、集団的自衛権を自由に行使することを制限するのが当然とする、日本の野党や左翼の存在や与党の中にもそのような者が存在する日本の状況をみて、やはり、アジア人である日本人にも西洋の自由主義など全く理解できず、土台無理であるとさらに自信を深めたことでしょう。 
ところで、リー・クアンユー氏は、今年の3月23日に亡くなっています。安部総理は、昨年の12月に10%増税を阻止することを公約の大きな柱として、衆院を解散して、選挙をすることを決定し、それを実行して、選挙で大勝利をしています。 
これは、戦後初で総理大臣が財務省(旧大蔵省)に真正面から挑み、勝利したということで、一部の識者からは高く評価されいます。そうして、安部総理はこの選挙のときにも、集団的自衛権行使を含む、安保法制の改正を公約に盛り込んでいました。 
この有様を見て、リー・クアンユー氏はひょっとすると、日本は独裁政権でなくとも、まともな国に変わるかもしれないと思ったかもしれません。しかし、これは何とも言えません。なにしろ、亡くなったのが、3月ですから、この状況を把握していなかったかもしれません。 
もし、リー・クアンユー氏があと1、2年長生きをしていたら、日本の今の有様を見て、同じアジアにおいても、ひよっとすると日本においては、西欧型の自由主義は成り立つかもしれないので、しばらく様子を見てみようと考えを変えたかもしれません。
リー・クアンユー氏は、 西洋の自由民主主義は、「アジア人」には向いていないとは述べていました。アジア人は、個人の利益よりも集団の利益を上に置く考え方に慣れていると主張しました。生来、権力者に対して従順で、こうした傾向はアジアの歴史に深く根差す「アジア的価値観」なのだと主張していました。

これは、今日の韓国をみているとよくわかるような気がします。韓国で独裁制が終焉し、民主化がなされてから、最初のうちはまだ良かったのですが、最近ではどんどん北朝鮮に浸食されて、今まさに韓国に親北政権が生まれようとしています。

金大中氏は2009年に亡くなっています。もし、あの世というものがあったとして、後から来たリー・クアンユー氏と会話ができたとすれば、今頃金大中氏は、以下のようリー・クアンユー氏に語るかもしれません。

「やはり、リー氏の言ったことが正しかったようです。韓国人にも西洋の自由民主主義はむいていないようです、結局のところ韓国の今の動きを止めるには、現状では軍による戒厳令の発動しかありません。

しかし、それは一時的なものにすぎません、結局韓国に再度独裁軍事政権を成立させなければ、結局北朝鮮に飲み込まれてしまうだけです」

まさに今の韓国はこのような有様であり、リー・クアンユー氏の予言があたったような形です。中国、北朝鮮、韓国も自由民主主義は成り立たないのかもしれません。

そうして、日本でも呉善花氏が「こんな厳しい国際情勢が目の前にあるのに、日本の国会は能天気に何を議論しているのやらと不安になります」と指摘しているように、森友問題で無駄な時間を費やし、目前に迫っているかもしれない北朝鮮工作員の日本国内でのテロの脅威など全く目に入らないかのように野党はテロ等対策法には真向から反対しています。

そうして、昨日も以下のような報道がありました。
【テロ等準備罪】テロ準備罪めぐり誤認・扇動…野党が空騒ぎ 草野球チームも対象に…死んでいない限り共謀など
SEALDsの元メンバーらが結成した新団体「未来のための公共」の初集会=3月17日夜、国会前
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部引用します。
 共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐり、民進党や共産党など野党4党が事実に基づかない曲解や意図的な扇動で批判を強めている。改正案の問題点を突くのが野党の役割とはいえ、ミサイル発射を強行する北朝鮮情勢などが緊迫する中で、国会議員として無頓着な“空騒ぎ”に映る。(田中一世、酒井充) 
 7日夜、国会前で改正案に反対する集会が開かれた。主催は、安全保障関連法に反対し、昨年解散したグループ「SEALDs(シールズ)」の元メンバーの大学生らによる「未来のための公共」。ラップ調で「共謀罪は絶対反対!」などの絶叫が響く中、民進党の江崎孝参院議員がマイクを握り、こう訴えた。 
 「共謀罪を許してしまえば、この国の自由を奪うに違いない」 
 「皆さん方一人一人がもう監視の対象になっている」 
 既に国民全員が監視対象になっているという驚くべき発言に、異を唱える人はいなかった。むしろ「そうだ!」との声が上がり、江崎氏は「共謀罪廃案」に向け「命がけで戦う」と宣言した。社民党の福島瑞穂副党首が続いて発言した。 
 「人と相談し、社会をなんとか変えようとすることが、なんで犯罪になるのか」 
 相談だけで犯罪になることはあり得ず、改正案の趣旨をねじ曲げた解釈だ。共産党の岩渕友参院議員も「犯罪行為がなくても、相談しただけで処罰される恐れがある」と断定した上で次のように強調した。
このような、人たちは集団的自衛権の行使を含む安保法制のときも大反対しました。北朝鮮の暴発があったときには、この安保法制が効力を発揮することでしょう。北朝鮮工作員はによるテロの脅威や、東京オリンピックのときにもテロ対策は完璧にしなければなりません。

今回のテロ等準備罪にあたるような法律は、世界中の他の国々にも存在します。日本だけが存在しません。このようなことでは、テロの脅威に十分対応できません。

まさに、これらの人たち行動は、まるで今の韓国の有様のようです。これらの人々は、リー・クアンユー氏の言うように、まさに西欧的な自由民主主義は無理なのだと思います。

しかし、リー・クアンユー氏の予測は外れている側面もあります。それは、これらの頭がお花畑状態にある人々は、ごく少数であるということです。過去には、テレビなどが頻繁に報道したので、さも多く存在するように見えただけです。

特に、若い世代は安倍政権に賛成する人が多いです、一方頭がお花畑状態の人たちが支援する民進党政権などの野党支持者などはシルバー世代が多いです。特に、民進党はシルバー世代の支持者が多いです。

このまま、時がすぎれば、シルバー世代とともに、野党は消え去るか、お花畑をやめるしかないです。

日本は、歴史的にみても、他のアジアの国々とは違い西欧列強に植民地にされたことはありません。戦争に負けても、驚異的に発展して、先進国に仲間入りしました。

世界でもこのような事例はありません。発展途上国から先進国になった事例は、日本だけです。中国は未だ発展途上国です。一方、アルゼンチンは、日本とは逆に先進国から発展途上国になったただ一つの事例です。

このような歴史を持つ日本は、やはり韓国とは違います。いずれ、リー・クアンユー氏の予測とは異なり、「日本はゆっくりと凡庸になっていく」ことはないでしょう。

韓国は、急速に凡庸なアジアの一独裁国家の北朝鮮に飲み込まれることになるでしょう。中国も、図体が大きいだけのアジアの凡庸な一独裁国家に成り果てることでしょう。

そうして、両国とも先進国になることなく、中進国の罠にどっぷりとはまり、先進国になるそこねた国々として、後世の歴史にしるされることになるでしょう。

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2016年2月29日月曜日

【湯浅博の世界読解】「自滅する中国」という予言と漢民族独特の思い込み―【私の論評】すでに自滅した中国、その運命は変えようがない(゚д゚)!


孫子の兵法書
中国の習近平国家主席は昨年9月に訪米し、確かに「南シナ海を軍事拠点化しない」といった。果たして、この言葉を素直に信じた沿岸国の指導者はいただろうか。

その数カ月前、米国防総省の年次報告書「中国の軍事力」は、南シナ海の岩礁埋め立てが過去4カ月で面積が4倍に拡大していると書いた。中国の国防白書も、「軍事闘争の準備」を書き込んで、航行の自由を威嚇していた。

かつて、マカオの実業家がウクライナから空母ワリヤーグを購入したとき、中国要人が「空母に転用する考えはない」と語ったのと同様に信用できない。中国の退役軍人がマカオ企業の社長だったから、尻を隠して頭を隠さずというほど明白だった。

漢民族は自らを「偉大なる戦略家である」と思い込んでいる。孫子の兵法を生んだ民族の末裔(まつえい)であるとの自負が誤解の原因かもしれない。米国の戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問、E・ルトワク氏は、戦略家であるどころか「古いものをやたらとありがたがる懐古的な趣味にすぎない」と酷評する。実際には、中核部分の「兵は詭道(きどう)なり」というだましのテクニックだけが生きている。

その詐術も足元が乱れることがある。米メディアが南シナ海のパラセル諸島への地対空ミサイル配備を報じた直後、王毅外相が「ニュースの捏造(ねつぞう)はやめてもらいたい」といった。すると、中国国防省がただちに「島嶼(とうしょ)の防衛体制は昔からだ」と反対の見解を表明して外相発言を打ち消していた。

国家の外交が、ひそかに動く共産党の軍に振り回されている。軍優位の国にあっては、当然ながら国際協調などは二の次になる。

ミサイル配備が明らかになったウッディー島は、南シナ海に軍事基地のネットワークを広げる最初の飛び石になるだろう。早くも22日には、CSISが南シナ海スプラトリー諸島のクアテロン礁に中国が新たにレーダー施設を建設しているとの分析を明らかにした。

やがて、これら人工島にもミサイルを配備して戦闘機が飛来すれば、船舶だけでなく南シナ海全域の「飛行の自由」が侵される。

ルトワク氏はそんな中国を「巨大国家の自閉症」と呼び、他国に配慮することがないから友達ができないと指摘する。例外的に1国だけ、核開発に前のめりの北朝鮮がいるが、それも近年は離反気味である。

中国が脅威を振りまけば、沿岸国など東南アジア諸国連合(ASEAN)は、共同で対処する道を探る。オバマ米大統領が昨年はじめてASEAN大使を任命し、米・ASEAN関係を戦略的パートナーに格上げすることで、その受け皿にした。

中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を含む札束外交で歓心を買おうとしても、従属を強要する意図が見えれば中国への警戒心はむしろ高まろう。ASEAN首脳が米西海岸サニーランズでオバマ大統領との会談に応じたのも、対中ヘッジ(備え)になってくれると考えるからだ。

オバマ政権のアジア・リバランス(再均衡)に中身がなくとも、中国のごり押しで米国とASEANの緊密化が進み、中国の影響力をそぎ落とす。それがルトワク氏のいう『自滅する中国』という予言なのだろう。(東京特派員)

【私の論評】すでに自滅した中国、その運命は変えようがない(゚д゚)!

『自滅する中国』は、アメリカの戦略家E・ルトワク氏による、中国はなぜ対外政策面で今後行き詰まるのかを、大まかながら鋭く分析した異色の書です。

以下に、この書籍を読んで私自身が考えたことなどを掲載します。

著者は中国行き詰まる理由として、中国が巨大国家であるがゆえの「内向き」な思考を持っており、しかも古代からの漢民族の「戦略の知恵」を優れたものであると勘違いしており、それを漢民族の「同一文化内」ではなく、「他文化」に過剰に使用することによって信頼を失っていると指摘しています。

この「内向き」な思考にはしばしば驚かされます。中国でかつて行われた、反日デモは官製でもであることが明るみに出ていますが、なぜ国家があのようなことをするかといえば、日本を敵にしたたて、共産党政府に人民の怨嗟の矛先が向かないようにするためです。

最近ほとんど見られなくなった中国の反日デモ。
デモするのも、しないのも、中国内部の事情だ。 
しかし、この反日デモも、発生してしばらくすると、必ずといって良いほど、反政府デモに変わってしまうため、最近では政府が逆に規制をして実施させないようにしています。尖閣や、南シナ海の中国の行動に関しても、対外的な示威行動という側面は無論ありますが、中国内の人民や政敵にむけての示威行動という部分もかなりあります。

さらにこのようなことに、追い打ちするように、著者は中国(漢民族)は実は戦略が下手だという意外な指摘を行なっています。その理由として著者は「過去千年間に漢民族が中国を支配できていたのはそのうちの3分の1である」と語っています。そしてこの戦略の下手さが、現在のように台頭した中国にも随所に見られるというのです。

後半では日本を始めとする東アジアの周辺国の、過去五年間ほどの対中的な動きについて大まかに理解できる構成になっており、著者が驚くほど「嫌韓派」であることがわかるのは意外で面白いところですが、私が最も気になったのは、おそらく誰もが読み過ごしてしまうであろう22章の、アメリカの三つの対中戦略についての話です。

ここには、キッシンジャーがなぜここまで親中派なのか、その理由があからさまに書いてあります。

文章はやや固くて多少読みにくいと感じましたが、それでも原著者の原文の読みにくさを考えれば、これは十分読みやすいほうの部類に入ると思います。

ヘンリー・キッシンジャー氏 

この書籍には、甘言、阿諛、ウソ、脅し、裏切り、毒盛り、暗殺、奇襲・・・という中国の文化と政治を書いてあります。われわれ日本人なら多かれ少なかれ知っている事柄ですが、欧米人にはなじみのない中国のことですから、啓蒙の効果はあるでしょう。しかし、多くの欧米人には「本当? ウソでしょう?」と、すぐには信じられないかもしれません。

中国の演劇とか小説のことにもふれてあれば、中国がどんな世界かわかりやすかったかもしれないです。アメリカ人のルトワック自身も、われわれが何となく知っている、こうした中国の政治文化や外交政策を理解するには、ずいぶんと時間と研究をしなくてはいけなかったのではと想像します。

しかし、たとえばこの戦後の日中関係、あるいは日中国交樹立以後の日中関係、だけをみても、中国の伝統がわかります。たとえば数日前の新聞報道によると、反日政策が強い反中感情を生み出したので、こんどは一般の日本人をターゲットに親中的態度や感情を培養醸成するというようなことがよく見られます。微笑み、もてなし、平手打ち、足げり、罵り、甘言、握手、唾ふきかけ・・・と、ころころ手をかえます。

こうなると、騙す中国より、騙される日本が悪いのかもしれません。

中国は他者を政治的に支配しておかないと安心できません。冊封(さくほう)関係がそれで。まず甘言と賄賂からはいり、次は経済的に依存させ洗脳。最終的に中国の支配下におく。こうなるともう中国は遠慮会釈もなく、冷淡冷酷残忍なとりあつかいをします(第4章)。

さらに、ルトワック氏はこの書籍で、中国の孫子の兵法をとりあげます。これは2500年以上もまえ春秋戦国時代時代の中国の状況から生まれたものですが、この時代の中国内は群雄割拠の時代です。

これはルネッサンス期のイタリアの国際政治とおなじく、文化的に等質でおなじ規模の国家からなりたっていた時代の産物であり、第一に相互に徹底した実利主義と日よみり主義で闘争と協調がなされます。第二に故意に挑発し交渉に持ち込もうとします。第三に虚偽や騙しや、それにもとづく奇襲や暗殺が正当化されあたりまえになっています。

いまの中国もこれをそのまま繰り返しています。

以下に漢民族のコラージュを掲載します。


上段から左から右:蒋中正嬴政
毛沢東楊広郭躍中国人民解放軍の兵士達、パトリック・ルイス・ウェイクワン・チャン
楊玉環曹操司馬懿孫武
劉備関羽張飛孫権

中国人はこの古代からの戦略に深い知恵があるものと信じて疑わず、これさえあれば欧米などをあやつれ、優位にたてると考えています。キッシンジャーはこの中国の考えに敬意をはらう人間です(第9章)。(ただし、この本には書いてはいませんが、キッシンジャーはかって中国を嫌悪軽蔑していました。)

なお、著者は語っていませんが、脅し、甘言、賄賂、裏切りなどは、中国人どうしの対人関係でも用いられる常套手段です。だから中国は信用度の低い社会で、ご存じのとおり日本では考えられないことが起きています。

2012年の習近辺の主席就任でも、激烈なパワー・ポリティックスがありました。あの薄煕来(はっきらい)の裁判も法の正義が実現されるのではなく、単なる政治裁判のショーでした。



こうした中国のあきれるばかりの現金でお粗末なやり方は、かえって信用低下をまねき、中国に対する公式非公式の包囲網を自然と形成させました。第13章以下ではオーストラリア、日本、ヴェトナムなどの中国への警戒が述べられています。

ただこうしたなかで、事大主義・朱子学ファンダメンタリストの韓国だけは中国にすり寄りました(第16章)。その立派な口先とはうらはらに、自分は安全保障のコストをはらわずに、ただ乗りするありさまが書かれています。北朝鮮の核問題をどれだけ真剣に考えているのでしょうか。

私は、韓国の政策からして、もう日本は韓国を朝鮮半島唯一の正統政府をみとめる理由や義務はなくなったと思います。北が核を放棄し、拉致問題を解決すれば、アメリカが強く反対しないかぎり、北ももう一つの正統政府と考えていいのではないでしょうか。

中国がその表面とは違い、実態は多くの脆弱性をもつことは、近年欧米でもさかんに指摘されるようになりました。最後に著者は、この本はいままでどおり中国が成長していうという前提で議論をすすめてきたと断り、この前提に立ちはだかる中国の現実問題にふれます。

著者は中国の民主化に望みをつないでいますが、社会が豊かになれば民主化するわけではありません。これが欧米人の考えの弱いところです。中国の中産階級は西欧の中産階級と違い、歴史上王朝権力を支持してきました。いまは共産党政府を支持しています。また民主化した中国が親日とか親欧米だとは限りません。やはり中華的でしょう。

この本の主題からすれば小さなことですが、著者には欧米人のあいも変らぬロシアについての無理解があります。ロシアはその歴史的経験から中国を大変警戒しています。ロシアが伝統的にタタールの軛を離れ、ヨーロッパに復帰したいというその深層に理解がおよばないようです。ロシアはヨーロッパでありたいのです。

ルトワック氏はウクライナ危機でシナとロシアの接近は氷の微笑だと分析した
この本のどこかで著者は、中国は日欧米から貿易で管理的に差別されれば、ロシアから資源を買いつけることによって、問題を解決できるとしています。しかし資源の爆食国家中国に資源さえあればいいというものではありません。

資源を魅力ある製品化する効率的技術とか、その製品の販路販売の市場といった点で、ロシアが日欧米に代れるわけではありません。

ただし、最近のルトワック氏は、ウクライナ危機でシナとロシアの接近は、氷の微小だと分析しており、両国が本格的な協力関係になることはあり得ないと分析しています。

中国は無差別公平な自由貿易により大いにうるおい、かつ巨大化してきました。逆に、著者もいっているように、中国にたいし管理貿易をおこなえば、中国は大いに損をして弱体化します。この案は、著者に限らず、多くの人にも論じられています。
◆エドワード・ルトワック
エドワード・ルトワック氏 
ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。

米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。

同年国防省長官府に任用される。主著の『戦略:戦争と平和のロジック』(未訳)を始め、著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門:その攻防の技術』、『ペンタゴン:知られざる巨大機構の実体』、『アメリカンドリームの終焉:世界経済戦争の新戦略』、そして『ターボ資本主義:市場経済の光と闇』がある。
さて、ルトワック氏の分析もそうですが、過去の中国、そうして最近の中国を見ていても、何も大きな変化はなく「内向き」で最初から自滅することが運命づけられているようです。

事実、中国は大帝国を築き、分裂、また大帝国を築き分裂という歴史を繰り返してきました。そうして、大帝国と大帝国との間には、何のつながりもなく分断されているという、愚策を何千年にもわたって繰り返してきました。

中国の歴史を振り返ると、時代が移り変わり、登場人物も変わり、一見すべてが変わって見えるのですが、非常に単純化すると以下のような図式になります。
1.天下統一して、現代中国に近い版図の大国家ができる。

2.官僚主義により行政が腐敗する。

3.民衆が官僚主義の現況である大国家に反発する。それにつけこんだ新興宗教が広がり、大国家全土で反乱が多数興る。

4.叛乱の多発に乗じて地方軍が軍閥化する。軍閥が肥大化して群雄割拠の時代となる。

5.国内の乱れにより周辺異民族の活発化する。大国家の権威が地に落ちる。長い戦乱の世が続き多くの人民が疲弊する。厭戦的な世論が形成される。

6.大国家の権威が地に落ちたのを機に英雄が現われ周辺異民族を巻き込み再びの天下統一をはかる。
多少の前後があったとしても、大体がこのパターンに従うのが中国の歴史です。

現中国もその例外ではないでしょう。いずれ、分裂して小国の集合体になるか、分裂しなかったにしても、図体だけが大きい、アジアの凡庸な、独裁国家になり、他国に対しての影響力を失い自滅することになります。

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2015年11月1日日曜日

【iRONNA発】TPP芸人の予言は全部外れた! 「支那包囲網」に揺らぐ習近平―【私の論評】経済劣等生の中韓がTPPに加入できない理由を、はっきりさせないTPP芸人は「中国スパイ」だ(゚д゚)!


昨年北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席(右)と握手する韓国の朴槿恵大統領
 世の中にはいろいろな芸人がいるが、中でもTPP芸人という興味深いカテゴリーがある。かつて、民主党政権時代に「TPPは亡国の協定」とか、「国民皆保険がなくなる」とか、「日本の農業が壊滅する!」とか、面白いことを言って拍手喝さいを受けた芸人たちだ。安倍政権が誕生し、2013年にTPPへの参加を表明すると、この芸人たちは「表明した瞬間にすべてはアメリカの思い通り決まっている!」などと言っていた。この時はファンたちと大いに盛り上がったものだが、それも今となってはなつかしい楽しい思い出である。残念ながら一発芸人の命は短い。TPP芸人バブルは完全に弾けてしまったようだ。(iRONNA

 もちろん、日本の国益を守るためにTPPについて警戒すべき点があったことは事実だ。ISD条項やラチェット条項が本来とは違う意味でつかわれたりしたらこれは一大事である。

 ISD条項とは事後的な法律の変更などにより、対外投資が水泡に帰した場合、その賠償を請求できる権利を明記した条項だ。1989年に日本は支那と投資協定を結んだが、そこにもISD条項は入っている。支那のように法律をコロコロ変える国と取引する場合は必須の条項である。

しかし、この条項をありもしない機会損失に対しても類推適用するようなことがあってはならない。例えば、為替操作で損をしたので賠償しろ、といった無理筋の要求が通ってしまったら却って自由貿易に支障をきたすだろう。この点について私は注目していたが、結局今回のTPPでは従来通りのISD条項が採用されたに過ぎない。

 ラチェット条項については、すでに決まったものをひっくり返すことはできない規定と解釈されている。なので、日本がTPP交渉に参加してもタイミングが遅いので何も意見が言えないと、芸人たちは言っていた。

 しかし、実際はどうだろう? 日本が交渉参加してから2年の間TPP交渉は「漂流」した。その間、日本側の意見もかなりの割合で採用されている。芸人たちはいったいこの条項の何を理解していたのだろうか?

 確かに、ラチェット条項においては大筋で合意した分野をひっくり返すことはご法度である。しかし、逆に言えば合意前の分野はいくらでもひっくり返せるということにならないだろうか。今年8月の交渉の際に、ニュージーランドが乳製品の輸入枠をめぐってトンデモないちゃぶ台返しをした。産経新聞は次のように報じている。

 日米に交渉を乗っ取られた腹いせに、当初提示していた3万トン程度の乳製品の枠を、一気に3倍増の9万トンにしてきたわけだ。こんな無茶苦茶な連中がよく2年間の「漂流」でまとまったものだ。日本が参加した時点でまだまだ大筋合意に至っていない分野はまだまだたくさんあったのだ。

この記事の執筆者 上念司氏

 では、TPP芸人たちの予言はどの程度当たったのか、結果を見てみよう。国民皆保険はなくなっていない。というか、そもそも、そんな話し合いは最初から行われていない。「○○が食えなくなる」シリーズは今のところ全部ハズレだ。ISD条項で巨額賠償を払うこともなさそうだ。

 逆に、工業製品に対する関税は即座に2割程度撤廃され、将来的に99%撤廃される。農産物についても、日本は海外産の農産物を受け入れる代わりに、海外向けの輸出について無税枠や大幅な関税の撤廃という「果実」を手に入れた。和牛や質の高い果物など、関税があった時代から輸出されていた農産物の生産者は大いに盛り上がっていることだろう。

商売をやったことがない人は人のうわさを信じやすい。「再開発で渋谷がダメになる!」という与太記事を読んで真に受けてしまったりする人がいる。都営大江戸線は開業当初、「いったい誰がこの電車に乗るんだ?」と言われるほどすいていた。税金の無駄遣いだと。しかし、今は大江戸線の乗降客は相当増えている。麻布十番などは大江戸線と南北線の交わるターミナルになり、また近くに六本木ヒルズなどもできたことから商店街は活況だ。

 交通インフラや取引のルール変更などがあっても、そのことによってある地域や業界がダメになったりよくなったりすることが決まるわけではない。もちろん、各自が勝手に予想するのは自由だが、それがあたかも決められた未来であるかのように言うのは言い過ぎだ。ルールが変わったのなら、いち早く事業モデルをそれに適応させればよい。正解は分からないので、様々な挑戦を繰り返し、失敗しながら学べばいいだけだ。TPP参加国の民間企業は新しいルールに合わせて様々なチャレンジをするだろう。各国で多くの企業がチャレンジすることで経済は活性化する。日本の負けは決まったわけでもないし、勝ちも決まったわけではない。すべてはここからの努力次第なのだ。

そういう意味でいうと、今回TPPに参加できなかった支那と韓国は大きなハンデを背負うことになった。自業自得だから仕方がない。TPP加盟国は支那や韓国にいくらでも関税をかけたり、輸入制限をしたりすることができる。(もちろん、個別に貿易協定は結んでいるだろうからその範囲内であるが…)

 TPPに入るためには、資本取引が自由化されているとか、投資家の権利が守られているとか、様々な前提条件がある。しかし、支那において共産党の権力は神にも匹敵する。というか、神以上でなければならない。そのため、世界的な貿易ルールよりも、支那共産党の都合が優先されないと困ったことになってしまう。もちろん、投資家の権利など守っていたら支那共産党のメンツは丸つぶれだ。常に、経済問題は政治問題化するリスクがある。

 支那がTPPに参加しようとするなら、こういった宿題を自分でやってこなければならない。もちろん、宿題をやっている最中に共産党の仲間割れが修復不能になるかもしれないし、人民が暴動を起こして文字通り「爆発」するかもしれない。TPPに参加するメリットとこれらデメリットを比較して習近平は決断するのだろうか? 生暖かく見守りたい。

 また、韓国はTPPに入れない支那にあくまでも付き従っていくのだろうか? もはや二股外交は完全に破たんした。事大主義を貫き通すなら、そろそろ新しいご主人様を探すタイミングなのかもしれない。

 とはいえ、日本が韓国に救いの手を差し伸べるにはまだまだ早いのではないか? 国際的な反日キャンペーンについて、真摯な謝罪と賠償が終わっていない。まずはその問題を解決するのが先だ。韓国国内で大いに議論していただければいいのではないだろうか?(経済評論家・上念司)

【私の論評】経済劣等生の中韓がTPPに加入できない理由を、はっきりさせないTPP芸人は「中国スパイ」だ(゚д゚)!

上記の記事を書いている、上念司氏が最初からTPP大賛成の立場をとっていたというわけではありません。私が記憶しているTPP加入が決まりかけていたころの、上念氏のTPPに対する発言は、「TPPによって本当に自由貿易になるのだったら賛成だが、そうでない可能性もあるので今のところは反対の立場ということにしておく」というものでした。

その頃の私の立場は、このブログでも表明したことがありましたが、「とにかく、交渉能力の低い、民主党野田政権の時代には交渉すべきではない」というものでした。その当時には、自民党なら何とかなるかもしれないと考えていました。

日本がTPP交渉に入る直前には、TPPとはいってもまだまだ全貌は知られておらず、とにかく巨大で複雑で、理解しにくいものでした。これは、今でもかわらず、この協定の本質なのだと思います。

だから、TPP加入が決まりかけたころにTPP芸人たちや、政治家、農林水産業者が大騒ぎしたのも無理もないところもあったと思います。

しかし、日本がTPP交渉に入った頃から、TPP芸人たちと、上念司氏との行動は違っていました。いわゆる、TPP芸人たちは相変わらずTPP反対を続けていました。上念は、TPP芸人たちの語る危機について、一つ一つ薄皮を剥ぐように、その危機の根拠のなさをエビデンスをもって解明していきました。

そうして、今日に至っています。あまりよくわからないことに対しては、当初の上念主氏のように対応するのなら、許せるのですが、他者の受け売りで「反対、反対」と叫んだり、よく確かめもしないうちから、「TPPで日本は不利」と断定して、断定するだけではなく、それを真実にのように喚き散らすのは良くないことだと思います。

そうして、今日に至るまで、「絶対反対」ということも良くないことです。そうして、きわめつけは、TPPに反対して、AIIBにはバス乗り遅れ論を語る輩です。このようなTPP芸人は信用できません。

TPP芸人のうちでも、TPPに反対しながらも、AIIB参加にはもっと反対するというのであれば、まだまともだと思います。

しかし、同じTPP芸人でも、TPP大反対でありながら、AIIB参加に大賛成したり、「バス乗り遅れ論」を主張する輩ははっきりいえば、「中国スパイ」です。

AIIBがとんでもない代物であることは、このブログでも過去に掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
麻生財務相の「参加見送り」見解、中国メディアは未練たらたら・・・「日本国内でもAIIB参加すべきの声」と報じる―【私の論評】中国小国化に向け追撃戦に転じた安倍総理(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事ではAIIBの瑕疵について以下のように掲載ました。
1.AIIBには、ガバナンスの点で大いに問題がある。たとえば、AIIBの融資について理事会の関与がほとんどない。中国トップがある国へのインフラ投資を政治判断したら、AIIBはプロジェクトの採算性などを度外視して融資する可能性がある

2.AIIBは中国主導であり、中国がその後ろ盾になる。よって、その格付は中国と同等になる。中国の格付けは、トリプルAのアメリカ、ダブルAの日本より下のシングルAである。ということは、アメリカと日本が参加しない、AIIBの格付けは他の国際金融機関よりも低いということになる

3.中国の金融システムは金利の自由化すら終了していない途上国並みの未熟なもので、国際金融業務のノウハウも乏しい
要するに、AIIBは悪質な金融業者のようなものであり、中国が儲けるためには、信用など度外ししてとんでもないことをやらかす可能性が高いということです。

それに、中国がAIIBを主催する理由は、自国内から海外に金が逃避して、国内の金融が空洞化しており、さらには中国国内では投資が一巡して、大きな投資案件がないため、このままでは過去のように、国内で金をあつめてインフラ投資をして大きく経済発展するなどということが不可能になったため、これを打開するためです。

そうして、国外のインフラに投資して、それで中国が儲けてまた、経済発展をしようという腹です。

しかし、悪質な金融業者に過ぎないAIIBにそんなことができるはずもありません。おそらく、焦げ付きがたくさんでて、不良債権を増やすだけになります。こんなAIIB日本が参加すべきといい、TPPは大反対というなら、そんな人は、中国スパイの謗りを受けても当然のことだと思います。皆さん、このようなことを主張するTPP芸人の言うことは絶対に信用してはなりません。

それと、中国と 韓国が、TPPに入れない理由としては、ブログ冒頭の記事にも掲載されていましたが、これよりもっとはきりいえば、両国とも経済劣等生だからです。

それについても、このブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【米韓首脳会談】韓国トホホ… TPP参加にオバマ大統領から言及なし 朴氏は「緊密協力」―【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!
内閣府でフロマン米通商代表部代表(左)を迎える甘利明内閣府特命担当大臣

これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ここでは中韓の経済劣等生ぶりを示す部分だけ引用します。

結局中韓は個人消費をないがしろにしている

韓国も、個人消費はなおざりにして、インフラ整備やグローバル化ばかり繰り返し、外国の影響をもろにかぶる体質になってしまい、今や元は本来高くしなければならないのですが、それをしないため中国はインフレ、韓国はウォン高で苦しんでいます。

TPP 加盟国のうち、経済があまり良くない国もありますが、経済の規模にもよりますが、いずれにしても中韓のようにこれだけ、個人消費を犠牲にして偏った経済の国はありません。

そんなことから、中韓のTPP加入はまだまだ時期尚早です。
中韓の経済を良くする処方箋はあるのだが・・・・・

中韓の経済をまともにする処方箋は決まりきっています。両国とも、中間層をもっと増やしそれらが、社会・経済活動を活発にできるようにすれば良いのです。

中国であれば、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めれば、中間層が増えて、社会経済活動も活発化します。今までが、今までだったので、少しでもこの方向に進めば、実体経済は必ず良くなります。

韓国の場合は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化に関しては、中国よりは進んでいますが、それでも先進国から比較すれば、遅れているので、それを推進すべきです。それとともに、グローバル化の推進一辺倒から、内需を拡大する方向に舵を切り直すべきです。
サムスンなどのグローバル企業ばかり育成しようとしても、結局は脆弱な経済になるだけです。まずは、内需を拡大させるべきです。そのための方策はいくらでもあるはずです。

しかし、両国の首脳も、政府もこのようなことは、わかりきったことなのに、この方向に向かっての動きはまったくしようとしません。習近平は、反日とインフラ投資、朴槿恵は反日とグローバル化とりわけ、中国接近を馬鹿の一つ覚えのように繰り返すばかりです。愚かとしか言いようがありません。

であれば、中韓がTPPに参加すれば、とにかく韓国は、自国民を犠牲にしても、安い製品で他国から儲けることばかり考え、中国は外国へのインフラ投資をすることで儲けようとし、それを繰り返し、結局中韓もダメになり、他の国も悪影響を及ぼしてしまいます。
中韓の経済はいびつです。どこの国でも、経済に関して万全な国というのは、なかなかありませんが、それにしても中韓の実態経済はあまりにも歪です。このような国が、今後も安定して成長していけるなどと思い込むのは根本的な誤りです。こういう国は、TPPに加入させてはいけません。

にもかかわらず、 経済劣等生の中韓がTPPに加入できない理由を、はっきりさせないTPP芸人は、私は「中国スパイ」と断定します。だからこそ、ABBIバス乗り遅れ論など平気でぶちあげるのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

麻生財務相の「参加見送り」見解、中国メディアは未練たらたら・・・「日本国内でもAIIB参加すべきの声」と報じる―【私の論評】中国小国化に向け追撃戦に転じた安倍総理(゚д゚)!

【米韓首脳会談】韓国トホホ… TPP参加にオバマ大統領から言及なし 朴氏は「緊密協力」―【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!




【関連書籍】

中韓のTPP加入などあり得ません。それどころか、中韓の経済はもう瀬戸際です。崩壊するのは予定帳場となりました。もう、秒読み段階です。今後、日本が気をつけなければならないのは、経済だけではなく、中韓からの偽装難民です。以下に、それらを納得していただける書籍を掲載しました。

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2014年2月1日土曜日

販売激減…“原点”iPod終焉 ジョブズ氏の予言通り CEO示唆―【私の論評】どんなに革新的な製品でも終わりが来る場合とそうではない場合がある!次に終わるのは、電子書籍リーダーである(゚д゚)!

販売激減…“原点”iPod終焉 ジョブズ氏の予言通り CEO示唆



2008年に米サンフランシスコでiPodの新機種を発表する米アップルのジョブズCEO。革新的な製品もいずれは終焉を迎えることを予言していた(ロイター)

米アップルが2001年に世に送り出したデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」が、近く市場から姿を消すことになりそうだ。音楽も聴ける「iPhone(アイフォーン)」に取って代わられ、販売が激減しているためで、最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏(53)が投資家向け説明会で生産・販売の中止を示唆した。アップル躍進の原点ともいえる革新的な製品だったが、11年に56歳で亡くなったカリスマ創業者スティーブ・ジョブズ氏も終焉(しゅうえん)を予言していた。アップルは“ジョブズ後”に革新的な製品を生み出せず試練を迎えている。

「アイポッドのビジネスに終わりが近づいていることは、わが社の社員なら全員が知っていると思う」

英BBC放送は、クック氏が今月27日に行われた説明会でこう発言したと伝えた。

同じ日に発表されたアップルの2013年10~12月期決算によると、この期のアイポッドの販売台数は前年同期のほぼ半分の約600万台で、売上高も半分の9億7300万ドル(約973億円)にまで落ち込んだ。アップルの売上高全体に占める割合はわずか2%にとどまっている。一方で、アイフォーンは前年同期比7%増の5100万台、タブレット端末の「iPad(アイパッド)」も2100万台と、いずれも四半期としては過去最高を記録した。

この記事の続きはこちらから(゚д゚)!

【私の論評】どんなに革新的な製品でも終わりが来る場合とそうではない場合がある!次に終わるのは、電子書籍リーダーである(゚д゚)!

本日は、久しぶりにいわゆるガジェットに関わる話題を掲載させていただきます。このブロクでは、最近は中国や韓国の話題ばかりになってしまいましたが、以前は、iPhoneやiPadの話題も多く取りあけでいました。それと、スティーブ・ジョブズなどの話題もあげていました。

あのiPodがいずれ消えてなくなる(゚д゚)!

最近あまり掲載しなくなったのは、中国・韓国の問題が従来と比較すると、より先鋭化したということもありますが、やはり、アップルから最初のiPodや、iPhone、iPadのような革新的なアイディアが出てこなくなったということがあります。最初の頃の、これらの製品は、かなり先鋭的で、話題性がありました。私自身も、これらの製品をいちはやく購入して、その先進性についてこのブログで述べていました。

さて、私自身はといえば、実はiPodは一度も購入したことはありません。昔は、カセットテープのウォークマン、CDが普及してからは、CDウォークマンを使っていました。そうして、その後はガラケーで音楽を聴くようになりました。そのため、iPodに関しては非常に興味を持っていましたし、購入したいと何度も考えましたが、結局購入することはありませんでした。

mp3プレイヤーも売れていた・・・・・・

それにしても、当時の日本のガラケーは優れものでした。音楽が聴けて、電話もできて、メールもでき、インターネットも携帯電話用のサイトしかみれませんでしたが、とにかく見れました。考えてみれば、技術的には、日本の企業は、iPod、iPhone、iPadも作れるだけの技術があったと思います。

そうこうしているうちに、iPhoneが発売され、その次にiPhone3が発売され、その次にはiPhone3Gが発売されました。その先進性に魅了された私は、iPhone3Gを購入しました。この頃、今では信じられませんが、世界中でiPhoneが売れていたのに、日本ではまだまだ普及しておらず、特異な状況にありました。やはり、日本では、まだまだガラケーが幅を効かせていました。私の周りも、あまりiPhoneを持っている人はいませんでした。iPhone4や4Sがでてきてから、ようやっと日本でもかなりiPhoneが普及したと思います。

iPhone3GSは、iOS6までは使えた、最先端のスマホだった

その後、音楽は、iTunesと、iPhoneとパソコンで聴くようになりました。また、iPhoneで、様々なインターネット放送で音楽を聴くようになりました。iPhoneを購入してからは、無論のこと、iPodを購入する必要はなく、今でも、iPhoneで音楽を聴いています。その後は、iPadで、最近ではnexus7で聴いています。

iPodのような音楽プレイヤーは一時結構売れていたように思いますが、私のように結局買わなかった人も多いと思います。

さて、このiPodのようなことがまた起ころうとしています。それは、何かといえば、電子書籍リーダーです。電子書籍リーダーはまだまだ普及していませんが、それに追い打ちをかけるようなことがすでに起こっています。

それは、スマホの普及や、iPadやNexus7のようなタブレット端末の普及です。私自身は、電子書籍リーダーを何度となく購入しようとしたのですが、結局現在も購入していません。おそらく、iPodと同じく一生購入することなく人生を終えるのではないかと思います。

それは、無論、すでにiPhoneやiPad、最近ではNexus7も所有しているからです。電子書籍に関しては、さすがにパソコンでは読みにくいです。だから、iPhone3Gを購入したときには、これで電子書籍を良く読んでいたものです。そうして、iPadを購入してからは、iPadで良く読むようになりましたNexus7を購入してからは、電子書籍はほとんどこれで読むようになりました。

iPadAir,iPadmini以外のiPadは重すぎた(゚д゚)!

なぜかといえば、単純な理由からです。私の所有しているiPadは初代iPadなので、今iPadAirと比較すると、600g台の重さがあって、手軽に読むには重すぎるからです。その点Nexus7(2012年版)は、画面サイズは一回り小さいですが、書籍を読むには、300g台ということで、軽くて手軽だからです。

これが、あれば、電子書籍リーダーなど必要ありません。こう考えていくと、電子書籍リーダーもいずれ姿を消すのではないかと思います。電子書籍リーダーは、現在ではAmazon Kindleがありますが、リーダーはリーダーの単機能であり、読みやすいことは読みやすいのですが、単機能で物足りないです。そのためでしょうか、Amzonでも、Kindle Fireという独自のアンドロイド・タブレット端末を発売しています。これで、電子書籍が読めるだけではなく、アンドロイド端末でも電子書籍が読めるようになっています。

初代iPadは革新的だった(゚д゚)!

こうなると、電子書籍リーダーもいずれ消えてなくなる運命と見て間違いないと思います。ただし、今のタブレット端末にも足りない部分があります。それは、実際に使用した方はご存知かもしれませんが、タブレット端末は日光などの照り返しが強く、日中野外などでは非常に電子書籍などが読みにくいというところがあります。まあ、そのような状況というのは、考えにくく、室内で読めば、普通のタブレット端末でも十分に読めますが、それにしても、電子書籍リーダーの優位性の一つであることであることも事実です。これに関しては、確かに、Kindleなどの電子書籍リーダーのほうが、電子インクを持ちているので、かなり読みやすいです。

電子書籍リーダーKindleは、野外でも読みやすい(゚д゚)!

しかし、これとても、タブレット端末が、電子書籍モードなどを備えて、特に電子書籍を読みやすいような環境を整えれば、すぐに解消できます。それから、電子書籍リーダーは何といっても、低価格という魅力もありましたが、最近では、7インチのタブレット端末もかなり低価格になってきましたので、電子書籍リーダーとタブレット端末とを比較すると、タブレット端末がいろいろなことができるということで、軍配があがります。

実際に、最近では電子書籍リーダーの売上は、伸び悩みであり、タブレット端末のほうがはるかに売れています。こんなことから、電子書籍リーダーはいずれこの世から消えるのは間違いないものと思います。

Kindle Fireは電子書籍リーダーとしても、タブレット端末としても使える

スティーブ・ジョブズはiPodが消えることを2008年に予言していたということですが、こうして、見てみると、世の中には出現した時点でいずれ消え行く運命にあるものと、そうではないものとがあるように思います。それにして、パソコンそのものは、スマホや、タブレットが出てきてから、特にノートパソコンの売上は落ちているようですが、未だに売れ続けています。これからも、売れていくことでしょう。おそらく、従来のように爆発的に売れていくことはないにしても、スマホ、タブレットも売れ続けていくのだと思います。

Nexus7は軽くて動作も軽快、電子書籍リーダーとしても最適

それにしても、上の記事にもあったように、スティーブ・ジョブズが亡くなってから、アップルは革新的な製品は出していません。このままでは、アップルもいずれ、現状のソニーのような企業になりつつあるということでしょうか。

アップルでもどこの企業でも良いですが、何やら胸がときめくような、新たな新製品をたてつづけに出すような企業が出現してくれると良いと思います。そろそろ、最近ではデフレで苦境に陥っていて、余裕のなかった日本のメーカーから、そのようなものが出てくるべきではないかと思います。そうして、こんなことはいずれできるようになると思います。

最近では、STAP細胞など、胸がときめくような発表がなされましたが、これは最先端の研究の話であって、残念ながら、現在の私たちが直接恩恵をこうむるとか、それによって直接影響受けるということではありません。これは、まだまだ先のことです。

これ以外にも、何か画期的なガジエットが日本からでてくると良いと思います。デフレで縮こまっていては、せっかく潜在能力があっても、新たなイノベーションはなかなか生まれないのもいたしかたないところがありました。私は、日本が、デフレから本当に脱却することができたとき、日本の潜在能力は相当なものですから、新たな社会を形成してくような、新たなガジエットなども登場してくるのではないかと期待しています。そうなれば、このブログでもどんどん取り上げていきます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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