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2020年6月28日日曜日

米名門大、元大統領名変更 人種差別主義者と判断— 【私の論評】「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は本当だ!(◎_◎;)

名門大、元大統領名変更 人種差別主義者と判断

黒人男性暴行死抗議デモ

ウッドロー・ウィルソン

米名門プリンストン大は27日、国際連盟創設に尽力したことなどで知られるウッドロー・ウィルソン元大統領の名前が付けられた学部や建物の名称を変更すると発表した。同大総長を務めた政治学者でもあったが「人種差別的な考えや政策は教育機関として不適切と結論付けた」と説明した。

改名の議論は過去にも浮上したが、2016年に名前を維持する方針を決定していた。大学によると、中西部ミネソタ州の白人警官による黒人暴行死事件を機に高まる人種差別撤廃の動きに影響を受け、改めて議論した結果という。

1913~21年に大統領を務めたウィルソンは世界平和に尽力し国際連盟創設も主導した功績によりノーベル平和賞を受賞。一方、19世紀の奴隷解放宣言後も白人と黒人を隔離し続けた南部諸州の政策を支持するなど人種差別主義者だったとの批判もある。

【私の論評】「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は本当だ!(◎_◎;)

米国では、黒人男性暴行死をきっかけとする、デモ活動などが吹き荒れています。私とししては、過激なデモ活動などには同意しがたいのですが、このプリンストン大学の措置は、良かったと思います。

それにこの措置は、前にも検討されたものであり、今回のデモに対応した部分もあるとは思いますが、以前から懸案になっていたものを今回判断したということです。

憲政史家の倉山満氏は、2016年に『大間違いのアメリカ合衆国』を出版しています。そうして、中でも日本人が思い描いているイメージとかけ離れたアメリカ大統領を厳選し、サイトで倉山氏が採点を連載で公表していました。その中には、ヴィドローウィルソンのものもあります。それを以下に引用します。


理想主義が招いた悲劇?人類に不幸を撒き散らした、最悪の大統領
第28代 ウッドロー・ウィルソン




第28代 ウッドロー・ウイルソン
①国益への貢献 1点 ☆
②世界秩序への貢献
マイナス30点

××××××××××
××××××××××
×××××××××× 
③正気を保ったか
マイナス15点 ××××××××××
×××××
世界秩序への貢献は五段階評価でマイナス30点、正気度はマイナス15点です。

これまでの私の著書でさんざん筆誅を加えていますので、もはや多弁を弄する必要もありませんが、大英帝国にケンカを売り、まとめてフランス帝国にケンカを売り、ついでに大日本帝国にケンカを売り、ロシア帝国を滅ぼし、ドイツ帝国をぶっ潰し、ハプスブルク帝国を八つ裂きにし、オスマン帝国を抹殺し、ロシア革命を擁護しまくってソ連を育て、その他中国・北朝鮮の共産主義国家を生まれさせたのも元をただせばコイツのせいです。

今の人類の不幸の最低九割がウィルソン一人の責任と言っても過言ではありません。

正気度は医学的に大マイナスだということが明らかになっています。私が勝手に言っているわけではなく、フロイトがそういう本を書いています。任期の最後の一年は本当に気が●っていました。

問題は国益への貢献で、第一次大戦をどう評価するかでしょう。

当時のアメリカでは第一次大戦への参戦はまったく評価されず、「何しに行ったのだ。結局、アメリカの若者を死なせただけではないか」とボロクソに言われていました。「世界の大国になんて俺たちは誰もなりたいと思っていない」という反発が強かったので、国際連盟加入も議会で否決されています。

第二次世界大戦がなければ第一次大戦にまったく意味はないので一点としましたが、いかがでしょうか

<採点方法>
① アメリカの国益にどれほど貢献したか
② 世界の秩序にどれほど貢献したか
③ いつまで正気を保ったか

①と②は他の国の指導者にも適用可能な普遍的なものです。

そこへもうひとつ③の基準がどうしても必要なのがアメリカならではです。①はアメリカ人から見たときの基準、②はアメリカ以外から見た客観的な基準、③は自然科学的基準です。各項目5点満点の5段階評価です。
ウィドロー・ウィルソンとはいっても日本では、比較的知名度も低く、何時ごろの大統領なのかも知られていないと思うので、以下に少し前の歴代の大統領の名前、代数などを記した表を掲示します。



これは、米国の歴代大統領の表の一部をiPadでキャプチャしたものです。28代から32代までの大統領の部分をキャプチャしました。

フランクリン・ルーズベルトは、第二次世界大戦を指導した大統領ということで、日本でも知名度があると思います。

このルーズベルトは、正気だったがどうかはわかりませんが、明らかに悪人です。ルーズベルトは反共国家の大日本帝国を滅ぼし、ついでに大英帝国も滅ぼし、スターリンをこれでもかと擁護しまくってソ連の超大国化を自ら後押しし、世界中に共産主義をまき散らして現在の中国、北朝鮮問題の端緒もルーズベルトのヤルタ会談にあります。

わが国との大戦でフランクリン・ルーズベルトが数多の国際法違反を繰り広げたことも忘れるべきではありません。米国の勝因は2つあります。それは、無差別通商破壊と無差別都市空襲です。

無差別通商破壊とは、わが国の輸送船への攻撃です。米軍は戦闘員と非戦闘員の区別など付けず、民間船こそ狙い撃ちしました。あまつさえ、病院船までも情け容赦なく攻撃して恥じることがありませんでした。

無差別都市空襲とは、軍事目標以外にも空爆を加えることです。大戦終盤、日本中の都市に空襲がなされました。焼夷弾による意図的な民間人殺傷などは明確な国際法違反であるのですが、米軍はためらいませんでした。

そうして、2発の原爆です。この時の大統領はルーズベルトではありませんでした。しかし、原爆投下への道筋を無差別都市空襲によってつけたのは、ルーズベルトだったと言っても良いでしょう。ルーズベルト直後の、トルーマン氏はどちらかというと、小市民的であり、当時すでに無差別都市空襲の実績がなければ、原爆投下の決定をしなかったかもしれません。

原爆は非人道兵器であり、その使用自体が国際法違反です。当時の米国の原爆投下に、違法性を阻却できるような事由は存在しません。民間人への意図的殺傷に加え、非人道兵器の使用の、二重の国際法違反です。

米国の憲法学者、草の根保守のリーダーであり、積極的な行動主義者であった、故フィリス・シュラフリー女史は、当時ソ連と対峙し反共の砦でもあった日本を戦争で打ち破ったことで、米国はソ連ならびその後の中国の台頭を許し、さらには今日北朝鮮の核にまで、怯えるような状況を作ったのはルーズベルトであるとしています。

今回、プリンストン大学がウッドロー・ウィルソンの学部や建物の名称を変更すると発表したのは、過去の歴史の見直しということで評価できますが、保守派にはある共有されている、フランクリン・ルーズベルト悪人説は、なかなか改められることはないでしょう。

なぜなら、これを認めてしまうと、ルーズベルトを正義として認めてきた、米国の人口の約半分を占め、法曹界、芸能界、大手米マスコミは無論、多くの職場や学校を占めるリベラル層の価値観が大きく揺らぐからです。自分が長く信じてきた、価値や信念がまちがいだっと認めることは誰にとっても辛いことです。

しかし、一方ではルーズベルトを悪党と認識する、保守層も間違いなく米国の半数近くは存在していたからこそ、トランプ大統領が誕生したのも事実です。しかし、メディアやその民間や公的機関で長い間、リベラルの声があまりにも大きく、保守派の声がかき消されてきたことも事実です。

だからこそ、今日米国のデモ騒動は深刻な事態となり、歴史的な建造物や人物の像を打ち壊すなどの深刻な事態を招いているのです。本日も以下のようなツイートを見つけました。





この動画の活動家の女性は、「リンカーンと奴隷像」が開放された元奴隷たちのお金で、制作されたことを知らないのでしょう。ただ直情的に、奴隷の像に怒りをぶつけていたのでしょう。

実は、リーンカーンも悪人であるということを示す歴史的事実もあるのですが、それはさておき、そのようなことはこの活動家の女性は知らないでしょう。

しかし、当時のお金を出した黒人に取っては、リンカーンは救世主だったに違いありません。

その事実を無視して、直情的に像を壊そうとか、倒そうとするのは間違いです。それよりも、何よりも、歴史的事実を俯瞰的に、客観的に調べたりする習慣のある人はこのような愚かな真似はしないでしょう。

歴史的客観的事実から、自分の意見を形成し、まずはそれを主張することからはじめるとおもいます。そのようなことをすれば、時間がかかっても、プリンストン大学のような判断をする組織が現れてくるはずです。

直情径行的な行動に走らせるのは、やはり無知がなせる業でしょう。

なぜ今日、米国や日本が、中国や北朝鮮問題に悩むことになったかを真剣に遡れば、米国では悪人ルーズベルトに行きついたり、常軌を逸した、ウッドロー・ウィルソンに行き着くのは当然です。日本では、近衛文麿など行き着くことになります。

これは、通り一遍の歴史の教科書などを読んでいては、到底たどり着けません。やはり、自ら頭を使って、真摯にそうして客観的に歴史を遡る必要があります。

私は、学生にソ連やナチスを周知のこととして、話をしたことがあります。その直後にその学生に真顔で「ソ連やナチスってなんですか」と質問されて驚いたことがあります。

先の活動家女性も、この学生も歴史を真摯に遡ったことはないのでしょう。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

鉄血宰相と呼ばれたオットー・フォン・ビスマルク(1815年-1898年)の言葉です。

直訳は、

「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。
 私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む」

だそうです。

何かを判断するとき、自分の経験則だけに頼るのではなく、他者も含めた過去の歴史に学ぶことでより良い判断ができる、という意味の言葉です。

この言葉は一種の集合知の活用を推奨していると言うこともできます。この集合知というと、思い出すことがあります。

それは、会社で最初に私の部下になった青年ことです。その青年は東京の一流私大学出身でしたが、ある時「郵便を見てきてくれ」と指示を出し、実際にそうしてもらったのですが、何回も見に行ったにも関わらず、そのたびに「はい。見てきました」と返答しました。

しかし、さすがに4回目の時には、「もしかして」と思って郵便受けを自分で見に行くと、何と郵便物すでに到着していました。その青年は、本当に郵便を「見てきた」のです。


郵便受けを見る人

このことがあってから、特にコミュニケーションについては、よく考えないと失敗することもあると悟りました。そのため、コミュニケーションやマネジメントに関する書籍に興味を持ち、いろいろ探していたのですが、なかなか良い書籍が見つかりませんでした。

その時に、たまたまドラッカー氏の書籍、「マネジメント」に巡り合うことができました。その後その青年には、コミュニケーションにつき、ドラッカーの書籍に書いてあることを噛み砕いて教えました。

その後、コミュニケーションに関わらず、マネジメントなどに関わることで、何か疑問に思うことがあれば、質問しなさいと伝えると、彼は頻繁に質問するようになりました。

私は、その質問に応えるため、ドラッカーの書籍を何冊も読むことになりました。その都度彼が納得する応えができたので、彼も驚いているようでした。

そうして、気づいたのですが、マネジメントに関する問題のほとんどは、他の書籍をあれこれ読むまでもなく、ドラッカーの書籍にほとんど掲載されているのです。職場でいろいろな人が悩む事柄については、大抵のことがドラッカーの書籍に掲載されているのです。

これはある意味驚きでした。そうして、そのことをある日彼に話したのです。彼は驚くとともに、早速ドラッカーの書籍を読み始めました。その彼は、今では一人前になり、多くの部下を支えて、大活躍しています。

ドラッカー氏は、長年多数の企業のコンサルタントなどを実行して、様々な経験をし、それだけではなく様々な書籍も読んだ上で、様々な著作をしたのでしょう。

そのためか、ドラッカーの書籍にはマネジメントに関する集合知ともいえるありとあらゆる知識が満載されています。

このような集合知が手に入れ、それを実際の仕事に適用できれば、職場でマネジメント上のことでは、あまり悩むことこともありません。悩まずに、努力をすることができます。

これを知らない人は、様々なことで悩んでいるようです。新聞を読んだり、テレビなどを視聴していると、すでにドラッカーの著書に解決策が書かれていることで、悩んでいる人がいかに多いのか、本当に驚きます。

それ以外にも、ケインズやスティグリッツ、クルーグマン、フードマンなど名だたる経済学者が示している、経済理論などを知ることなく、自分の経験だけで経済や金融を語る人が多いことに驚きます。私自身は、経済の本よりは、ドラッカーの書籍を読むことが多いのですが、それでも時には読むことがあります。


スティグリッツ氏
特に難しい理論については、分からないことも多いので、一般向けに書かれた書籍を読むことが多いです。それでも、その時々で大まかな方向性などは理解できます。世の中には、そのようなこともせずに自分の経験や、ほんの数ヶ月の目の前の状況から経済を語る人が多いことに驚くことがしばしばあります。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という事例にも今でも頻繁に出会うことがありますそうして、思うのは、やはり自らの狭い経験にだけ学ぶ人は、最終的には本当に困った人になってしまうということです。

困った人とは、すぐに他者に操作されてしまう人ということです。米国のデモで暴力的なことをする人たちも、人の知恵を借りたり、集合知を利用できず職場でいつまでも悩み続けいつまでもまともに意思決定できな人とは、結局そういう人なのかもしれません。

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