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2019年8月13日火曜日

空港機能停止!香港デモ、第2の天安門事件に発展か 「香港1つ片付けることができないのか…」共産党内から習氏に批判も?―【私の論評】中国共産党が最も恐れる香港市民の価値観とは?

空港機能停止!香港デモ、第2の天安門事件に発展か 「香港1つ片付けることができないのか…」共産党内から習氏に批判も?

抗議の群衆に占拠された香港国際空港=12日

 香港が騒乱状態だ。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡り、香港国際空港ロビーで12日午後、市民による大規模な抗議デモが発生。航空当局が同日夕方以降のほぼ全便を欠航とした影響で、空港では13日も欠航が相次ぎ機能不全となった。行政府への市民の怒りは収まるどころか拡大するばかり。「第2の天安門事件になりかねない」。専門家も緊張感をもって注視している。


 アジア有数のハブ(拠点)空港が機能停止に陥った。香港国際空港で12日、抗議の群衆数千人が押し寄せ、搭乗手続き業務などができなくなった。13日朝には業務が再開されたものの、香港メディアは300便以上に上る多数の欠航が決まったと伝え、同日午後1時半現在、混乱が続いている。

 全日空は同日未明の羽田発の運航を中止。格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションも関西と沖縄発の2便が欠航した。キャセイパシフィック航空など香港を拠点とする航空会社でも欠航が相次ぎ、同日は各社合計で少なくとも10便以上の日本発の便が運航できなかった。「(ホテルも含めて)全部キャンセル」「国内旅行に切り替えるしかない」など、夏休みを海外で過ごす計画だった日本人旅行客は成田などでパニックとなった。

 6月に本格化した一連の抗議活動。今月5日には呼び掛けられたゼネストに航空業界の関係者らも参加、約250便が欠航したばかり。香港政府トップの林鄭月娥行政長官は13日、記者会見し、一連の抗議活動について「自由と正義の名で、多くの違法行為が行われている」と非難。だが、香港メディアによると、会員制交流サイト(SNS)では13日以降も空港での集会が呼び掛けられている。

 12日に発生した抗議活動はSNSを通じ、シンボルの黒い服を着た市民らが集まった。抗議参加者らは、11日に九竜地区の繁華街で行われた抗議活動で、警察が発射した鎮圧用の弾を右目に受けた女性が負傷したと批判。警察が地下鉄駅構内に催涙弾を発射したことにも反発した。

「世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気」(ビジネス社)などの著書がある評論家の石平氏は、「第2の天安門事件に向かっている。10月1日が中華人民共和国70周年にあたるため、習近平政権としては祝福ムードをつくり出したいはずだが、政権内部からも習氏に対し『香港1つ片付けることができないのか』と批判が出てきそうだ。人民解放軍を投入すると国際社会から非難される可能性もあるが、最終的には何らかの武力鎮圧に出るだろう」とみる。

 その上で、「仮に鎮圧できても、経済の中心地である香港を捨てることになり、来年1月の台湾の大統領選にも影響することが考えられ、後遺症は大きい。ただでさえ、習氏は米中貿易摩擦など中国を悪い方向に進めているとみられている。中国共産党が習氏を排除するか、さもなくば習氏と中国共産党政権が共倒れする状況もありえる」。予断は許さない。

【私の論評】中国共産党が最も恐れる香港市民の価値観とは?

今回の一連の香港でのデモ活動は、単なるデモとか、香港市民が中共に抗議をしている等という見方以上にかなり大きな中国社会の分水嶺につながる大きな変動だと思います。

この問題は本来、中国が多元社会であるにもかかわらず現在の中国共産党が「一つの中国」を国是に掲げているからにほかならないです。しかしながら、歴史を背負う中国の為政者にとって、「一つの中国」はつねに追い求めなくてはならない夢想の共同体なのです。

習近平の「中国夢」カレンダーの表紙

今日から現在に至るまで、中国を端的に表現するなら、「一つの中国」「中華民族」という国是・スローガンと、それとはまったく裏腹の、上下の乖離・多元性という社会の現実、この両者の併存です。

中国には過去において、どのような帝国がつくられようが、今日の共産中国が、チベット、ウィグルまで含めた大帝国をつく出そうと、多元社会という呪縛からは逃れられません。

それは、以前のこのブログにも述べたように、今でも厳然として宗族(そうぞく)という集団が機能しているという現実があるからです。中国の宗族については、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
まさに血で血を洗う戦い!? “独立王国化”する中国マフィア…共産党は“容赦なき”取り締まり ―【私の論評】宗廟、宗族を理解しなけば、中国社会を理解できない(゚д゚)!
中国の黒社会
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、宗族とはどのようなものなのか、説明している部分を以下に引用します。
宗族(そうぞく)とは、中国の父系の同族集団。同祖、同姓であり、祭祀を共通にし、同姓不婚の氏族外婚制をたてまえとするものです。同じく血縁でも母系は入らず、女系は排除されます。

したがっていわゆる親族のうちの一つであっても、親族そのものではありません。文献では前2世紀頃あるいは3世紀頃からみえます。同族を統率する1人の族長の支配下におかれ、族内の重要問題は,同族分派の各首長 (房長) らによる長老会議または族人による同族会議が召集され、協議決定されました。

宗族は往々集団をなして同族集落を構成し、その傾向は華中、華南に強く、1村をあげて同族であることも少くありませんでした。その場合、閉鎖的で排他性が強く、利害の衝突から集落相互間に争いを引起すこともありました。また同族結合の物的基礎として、共同の祖先を祀る宗祠設立のほか、義荘,祭田の設置、族譜 (宗譜) の編集なども行われました。

そして中国のいたるところ、宗廟があって、世界中に散った一族が集まる習慣がいまも確然として残っているのです。 
これが、宗族、日本人に分かりやすく言えば、「一族イズム」です。 
中国人にとって、今でも一族の利益、一族の繁栄はすべてであり、至高の価値なのです。それを守るためにはどんな悪事でも平気で働 くし、それを邪魔する者なら誰でも平気で殺してしまうのです。一族にとっては天下国家も公的権力もすべてが利用すべき道具であり、 社会と人民は所詮、一族の繁栄のために収奪の対象でしかないのです。 
だから「究極のエゴイズム」を追い求め、一族の誰かが権力を握れば、それに群がり、もし失脚すれば、一族全員がその道連れ となって破滅するのです。 
習近平と王岐山一族が、いま何をやっているか、なぜそうなのか。正に宗族の論理によって突き動かされ、一族だけの利権を追 求し、一族だけが繁栄を究めているのです。 
中国共産党が『宗族』を殲滅したのではなく、むしろ、宗族の行動原理は生き残った上で、党の中国共産党政権自身を支配しているのです。中国における宗族制度の原理の生命力はそれほど堅忍不抜なものであり、宗族は永遠不滅なのです。 
中国人は、現代日本人の感性や規範、道徳、しきたりとまったく異なる伝統を今でも保持しているのです。
こうした宗族に支配された社会構造が、現在の中国にも厳然として残っているのです。中国の歴史は、本質的に多元的な社会を一つの中国としてまとめようとする試みの連続でした。そうして、過去の大帝国はすべて瓦解しました。

実は多元的な社会を「一つ」にまとめようとする試みは、中国史のみならず、程度の差はありますが、アジア史・東洋史にも少なからずみられました。そのプロセスで生まれる軋轢をどう処理するかが、それぞれの歴史の要諦でした。

その手段として用いられたのが、宗教です。だいたい世界3大宗教と呼ばれるイスラーム、キリスト教、仏教は、いずれもアジア発祥です。それはおそらく、多元性をまとめるための普遍性やイデオロギー、あるいは秩序体系を提供することが、アジアの全史を貫く課題だったからでしょう。

それも一つの宗教・信仰に限定したわけではありません。1人の君主が複数の宗教を奨励、信奉し、同じ場所に暮らすそれぞれの宗教の信者をつなぎ止めて、共存させるといったこともありました。

アジア各地では宗教という普遍的なものも、多元的に存在していたのです。そうであるなら、複数の宗教・普遍性の存在を認めて重層化させることでしか、多元共存を可能とする統一的な体制は保てなかったわけです。

言い換えるなら、アジア史において政教分離は成立しにくいということです。多元性の強い社会で安定した体制を存続させるには、宗教のような普遍性を有するものがどうしても欠かせません。複数の普遍性を重層させねばならない場合は、なおさらです。

ヨーロッパで政教分離が成立したのは、そもそも社会も信仰も単一均質構造でまとまっていたからです。分離しても社会が解体、分裂しない確信が、その背後に厳存しています。仮にアジアで政教分離を実施したら、たちまち体制や秩序はバラバラになって混乱をもたらしてしまったでしょう。

中国の場合も、統合の象徴として儒教・朱子学が用意されました。ところが儒教は、漢人のイデオロギー・普遍性ですので、モンゴル・チベットと共存した清朝では、それだけでは不十分です。儒教の聖人を目指した清朝の皇帝は、同時にチベット仏教にも帰依して、普遍性の重層を図ったのですが、その体制も18世紀までしかもちませんでした。

かくて近代以降、儒教・チベット仏教もろとも、先に述べた「国民国家」や「一つの中国」が代替することになります。同時に、清代の多元共存に代わる秩序と統合のシンボルとして「五族共和」や「中華民族」のような概念がしばしば提起されました。

「中華民族」は理論上「多元一体」のはずですが、そのセオリーどおりに「一体」が実現したことはありません。チベット・新疆の民族問題や香港の一国二制度の実情・現状をみれば、一目瞭然ではないでしょうか。それに、中国には宗族が根強く残っていることを考えれば、国家の設立すら困難というのが、実情です。

こうして「中華民族の復興」を「中国の夢」とする習近平政権も、はるか古くからの中国史の1コマとして捉えることができます。リアルな中国史を振り返れば、現在香港で起こっていることの本質が理解できると思います。

香港にも宗族が、新界原居民という形で形跡は残っていますが、多くの香港市民は長い間の英国による統治により、台湾のように、宗族の良い面だけが残っているようです。

台湾の宗族については、以前もこのブログで説明したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「親中」に逆風が吹き始めた台湾総統選―【私の論評】台湾では、宗族の良い要素だけが残ったため、民主化が実現されている(゚д゚)!
台湾の蔡英文総統
現在の台湾では、宗族の伝統は残ってはいますが、中国のように「究極のエゴイズム」を追い求めるような存在ではありません。 
台湾においても、従来の宗族は儒教を通して、祖先崇拝、族長の統治、系譜の存在、一族の互助、家廟、祀堂場所の建立など、宗族の組織は非常に厳密でした。宗族員の結合は堅く、宗族の機能も広汎でした。 
しかし、古くは日本統治、最近では産業の進展にともない、宗族の構成は大きく変化しました。 
喪失して要素としては、族長権威と、共有財産です。持続されている要素としては、祭祀と墓参りです。残存要素としては、豊かな人間関係、経済の援助、系譜の尊重などです。 
台湾では、宗族の良い要素だけが残ったようです。ここが、宗族の伝統の悪い面も根強く残り、中国共産党をも支配している大陸中国とは、対照的です。
台湾では、宗族の構成が大きく変化したからこそ、まがりなりにも民主主義が根付いているということができます。
中国共産党が『宗族』を殲滅したのではなく、むしろ、宗族の行動原理は生き残った上で、当の中国共産党政権自身を支配している大陸中国と、香港は本質的に社会が違うのです。

長い英国支配により、香港では行政的に宗族は大きな意味を持たなくなったのです。これは、国家の成立にとっては避けて通ることができない道でした。国家が成立しないところに、民主主義も生まれることはないのです。政治と経済の分離、法治国家化も無理なのです。

大陸中国も本来はこの道を通るべきでしたが、結局中国共産党は「宗族」を殲滅できなかったどころか、当の中国共産党を支配しているのです。大陸中国では、結局共産主義も宗族のエゴイズムには勝てなかったのです。現在の中国の本質は、共産主義ではないし、国家資本主義でもないのです。その本質は、宗族支配の究極のエゴイズムなのです。

香港も宗族が支配する地域であれば、中国共産党もこれを比較的簡単に制御できたかもしれません。強力な宗族を懐柔できれば、香港は意外と簡単に中国の手に落ち、一国二国制度など有名無実になっていたかもしれません。

この価値観の相克が、現在の香港に色濃く反映されているのです。この問題は、かなり大きな中国社会の変動であり、これからますます大きくなっていくことでしょう。やがて、香港だけでなく、中国全土に広がっていくことでしょう。

最終的には、中国は価値観を共有できるいくつかの単位にまで、分裂することでしょう。中国共産党は、それを最も恐れているのです。おそらく、彼らにとっては米国との冷戦よりも、こちらのほうを恐れているに違いありません。だからこそ、香港の取り締まりは厳しくなる一方で、第二の天安門事件になるのではと危惧する専門家も存在するのです。

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2015年3月17日火曜日

三原じゅん子氏「八紘一宇は大切な価値観」予算委で発言―【私の論評】戦後日本平和の象徴"八紘一宇の塔"のある宮崎市の平和公園は、前の東京オリンピックの時のように、次のオリンピックでも聖火リレーの中継点にすべきだ(゚д゚)!

三原じゅん子氏「八紘一宇は大切な価値観」予算委で発言

朝日新聞デジタル 2015年3月16日21時09分



自民党三原じゅん子参院議員(比例区・党女性局長)は16日の参院予算委員会の質問で、「ご紹介したいのが、日本が建国以来、大切にしてきた価値観、八紘一宇(はっこういちう)であります」と述べた。八紘一宇は「世界を一つの家とする」という意味で、太平洋戦争中、日本の侵略を正当化するための標語として使われていた。

三原氏は、企業の国際的な課税回避の問題を取り上げる中で「八紘一宇の理念のもとに、世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用することを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを、安倍総理こそが世界中に提案していくべきだと思う」と語った。

答弁した麻生太郎財務相は「八紘一宇は戦前の歌の中でもいろいろあり、メーンストリーム(主流)の考え方の一つなんだと思う。こういった考え方をお持ちの方が、三原先生の世代におられるのに正直驚いた」と述べた。

【私の論評】戦後日本平和の象徴"八紘一宇の塔"のある宮崎市の平和公園は、前の東京オリンピックの時のように、次のオリンピックでも聖火リレーの中継点にすべきだ(゚д゚)!

朝日新聞の「八紘一宇は「世界を一つの家とする」という意味で、太平洋戦争中、日本の侵略を正当化するための標語として使われていた」というこの論評は、これだけではバランスに欠けていると思います。

八紘一宇に関して、ウィキペディアから一部を以下に引用します。

"八紘一宇(はっこういちう)とは、『日本書紀』巻第三神武天皇の条にある「掩八紘而爲宇」の文言を戦前の大正期に日蓮主義者の田中智學が国体研究に際して初めて使用し、縮約した語。八紘為宇ともいう。大意は「道義的に天下を一つの家のようにする」という意味である。

そもそもは、『日本書紀』巻第三・神武天皇即位前紀己未年三月丁卯条の「令」にある
「上則答乾霊授国之徳、下則弘皇孫養正之心。然後、兼六合以開都、掩八紘而為宇、不亦可乎」(上は則ち乾霊の国を授けたまいし徳に答え、下は則ち皇孫の正を養うの心を弘め、然る後、六合を兼ねて以て都を開き、八紘を掩いて宇と為さん事、亦可からずや。)
— 日本書紀巻第三・神武天皇即位前紀己未年三月丁卯条の「令」

からの引用である。ここで「八紘」とは、
九州外有八澤、方千里。八澤之外、有八紘、亦方千里、蓋八索也。一六合而光宅者、並有天下而一家也。
— 『淮南子』地形訓
「……湯又問:『物有巨細乎?有修短乎?有同異乎?』革曰:『渤海之東不知幾億萬裡、有大壑焉、實惟無底之穀、其下無底、名曰歸墟。八紘九野之水、天漢之流、莫不注之、而無增無減焉。』……」
— 『列子』湯問

に見ることができる。すなわち「8つの方位」「天地を結ぶ8本の綱」を意味する語であり、これが転じて「世界」を意味する語として解釈されている。また、「一宇」は「一つ」の「家の屋根」を意味している。

昭和21年1946年)より開廷された東京裁判において、「田中上奏文(Tanaka Memorial)」を歴史的真実として判決を導く裁判を進めていた検察側意見では「八紘一宇の伝統的文意は道徳であるが、…一九三〇年に先立つ十年の間…これに続く幾年もの間、軍事侵略の諸手段は、八紘一宇と皇道の名のもとに、くりかえしくりかえし唱道され、これら二つの理念は、遂には武力による世界支配の象徴となった」としたが、東條の弁護人・清瀬一郎は『秘録・東京裁判』のなかで「八紘一宇は日本の固有の道徳であり、侵略思想ではない」との被告弁護側主張が判決で認定されたとしている。"

さて、動画には上の動画においては八紘一宇の塔について、麻生財務大臣が述べている部分もありました。八紘一宇の塔について以下に記載します。

八紘之基柱(あめつちのもとはしら)。宮崎県宮崎市の平和台公園に位置する塔。現在の名称は「平和の塔」。また正面に彫られた「八紘一宇」の4文字から「八紘一宇の塔」ともいう。
八紘一宇の塔で、戦後の日本で最も象徴的だったのは、この塔のある「平和台公園」が東京オリンピックの聖火ランナーの第2の出発点となったことです。

昭和39(1964)年に開催された東京オリンピックのときの「日本での」聖火ランナーの出発点は実は、宮崎県宮崎市でした。宮崎県は、日本神話における天孫降臨の地としても知られますが、そのなかの宮崎市の「平和台公園」が、聖火ランナーの第2の出発点となりました。

なぜ宮崎の「平和台公園」だったのかというと、そこに「八紘一宇の塔」があるからです。この塔は、昭和15(1940)年に、皇紀2600年を記念して、天孫降臨の地である宮崎に建立されたものです。

天孫降臨記念祭における 高千穂之峰の頂上での祭事

この塔は、高さ36.4メートル、面積1070平方メートル、体積834立方メートルという巨大なモニュメントで、世界各地の切石1789個で建造されています。そして正面中央には、巨大な「八紘一宇」の文字が高らかに掲げられている。

この書は、秩父宮雍仁親王(ちちぶのみややすひとしんのう)によるものです。「八紘一宇」というのは、最近の日本人は、八紘一宇=軍事侵略のための旧日本軍のスローガンといったイメージで認識している人が多いようです。

東京裁判のとき、連合国側の検事が、「八紘一宇は、皇道とともにくりかえし唱道された理念であり、武力による世界支配の象徴である」と主張したのは事実です。

これに対し、当時の日本側弁護人が主張したのが、「八紘一宇は日本の固有の道徳であり、侵略思想ではない」というものでした。そうして、東京裁判の結果はどうなったかというと、判決文で検察側の主張は完全に退けられ、八紘一宇は、日本の道徳観であると書かれることになったのです。

弁護人側の「八紘一宇=日本固有の道徳説」が完全に勝利したのです。「八紘一宇=軍事力行使のためのスローガン説」は、あの「3R(復讐(Revenge)の念をもって日本を改造(Reform)し、日本を米国の属国として復活(Revive)させる)のだという、明快かつ意図的な東京裁判ですら、完全に否定されたのです。

では、八紘一宇の概念については、すでに上に掲載しましたが、これをわかりやすく一つまとめると、「世界は一家」ということです。「八紘一宇」は、軍国主義などにも利用されてしまったという側面もありますが、元々はそういうことではなく、きわめて平和的な日本古来の道徳観です。だからこそ、この八紘一宇の塔のある公園は、「平和台公園」という名称になっているのです。

この八紘一宇の塔には、塔の四隅に信楽焼の立派な立像が配置されています。像はそれぞれ武人、工人、農人、魚人のお姿をしています。世界は一家であり、その世界を支えているのは「武人、工人、農人、魚人」だというわけです。

八紘一宇の塔の四隅を飾る武人、工人、農人、魚人のお姿は、そのまま四魂(荒御魂・和御魂・幸御魂・奇御魂)を意味しています。

荒御魂(あらみたま)というのは、悪を誅する魂です。

和御魂(にきみたま)というのは、人の和、仁愛の魂です。

幸御魂(さちみたま)というのは、収穫と豊穣の魂です。

奇御魂(くしみたま)というのは、智慧の魂です。

八紘一宇の塔の4つの像 クリックすると拡大します
四魂は、人々の心の中にあり、「一霊」によって天につながるのだそうです。そして「一霊」とは、人の良心です。これを「一霊四魂」といいます。要するに八紘一宇の塔のモニュメントがあらわしているメッセージは、「人々の良心によって世界はひとつになれるのだ」ということです。

この塔のデザインをしたのは、彫刻家の日名子実三(ひなごじつぞう)氏です。彼は、日本サッカー協会のシンボルマークとなっている、八咫烏のエンブレムをデザインしたことでも知られています。

八紘一宇の塔は、塔の手前の中央通路あたりに、平たい、人がひとり乗れるくらいの石が置いてあります。その石に立って、手をたたくと、ビーンという音がこだまします。





八紘一宇の塔のある平和公園は、戦後においては東京オリンピックの聖火ランナーの第2の出発点となったように、戦後日本の平和の象徴でもあったわけです。

現在の日本で、このようなことをしたら、どういうことになるでしよう。おそらく、中韓が黙っていないと思います。また、日本の左翼系の人たちも黙ってはいないでしょう。おそらく、様々な難癖をつけてくるでしょう。

東京オリンピックの頃の、中韓は明らかに現状のような反日国家ではありませんでした。だから、八紘一宇の塔を平和のシンボルとして、オリンピックの舞台に登場させても全く非難などありませんでした。日本国民も、中韓の国民もこれを少なくとも許容していたはずです。

しかし、あれから数十年を経て中韓は当時と比較すると明らかに変節しました。特に、中韓の政府はまるで自己保身の権化に成り果てました。国民や他国のことなどそっちのけで、自己保身のために、日本を悪者に仕立てて、自分たちに向けた国民の憤怒のマグマの噴出を日本に向けさせてきました。そのために、意図して意識して、反日活動や教育を体系的に繰り返してきました。

しかし、私達としては八紘一宇の言葉やその塔に関して、戦中の戦意高揚という意味ではなく、本来の日本の平和の象徴として語り継ぎ、韓国、中国を含む戦後アジアの発展への日本の寄与の象徴とし、東京オリンピック当時にはなかった、“現在の日本に対する中韓政府の人為的なイメージ”を乗り越え、国際的に共感を得られるように努力すべきものと思います。

世界に向かって、八紘一宇の言葉と、その塔の意味、特に戦後の日本の平和のシンボルとしてこれも発信していくべきものと思います。

Twitterなどをみていると、多くの人が、三原議員の「八紘一宇」発言に批判的ですが、私はそうは思いません。「八紘一宇」の言葉の真意味と、その塔を設立した日本国民の願いが世界に広まれば良いと思います。

三原じゅん子議員のこの発言が、その第一歩となれば幸いです。そうして、次の東京オリンピックにおいても、八紘一宇のある平和公園が、聖火リレーの中継点となるべきものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

歴史問題は、東京オリンピック当たりまではあまり大きな問題とはなっていませんでした。それらが問題になったのは、80年代あたりからです。中韓政府が、国内の根本的な問題を解決できなかったため自分たちの保身のため日本を悪者に仕立てたというのが真相です。

そんなことは、私達日本人自身が良く知っていたことなのに、戦後70年もたつと、それを知らない人、教えられてない人、知ろうとしない人が増えてきました。

以下の書籍は、歴史問題を考える上で非常に良い、視点を提供してくれます。是非ご覧になって下さい。

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2013年1月16日水曜日

安倍首相、初外遊に出発 東南アジア3カ国「価値観同じ国と関係強化」―【私の論評】安倍首相の中国外しに、鳩山外交で応酬したつもりの中国の国際感覚?!!



東南アジア諸国訪問のため、羽田空港を出発した安倍晋三首相と昭恵夫人

安倍晋三首相は16日午前、ベトナム、タイ、インドネシアを歴訪するため、政府専用機で羽田空港を出発した。首相の外遊は初めて。麻生太郎副総理、岸田文雄外相はすでに東南アジア諸国連合(ASEAN)の4カ国を訪問しており、安倍政権としてASEAN重視を打ち出す狙いがある。各国首脳と会談するほか、18日にはインドネシアで外交政策演説を行う予定。19日に帰国する。

首相は出発前、羽田空港で記者団に対し「今回の外遊を安倍政権の戦略的外交の皮切りとしたい。訪問を通じ、自由と民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を同じくする国々と関係を強化していく」と述べた。

この記事の続きは、こちらから!!

【私の論評】安倍首相の中国外しに鳩山外交で応酬したつもりの中国の国際感覚?!!


安倍首相は、このブログにも掲載したように、選挙前の時点でアメリカのオバマ大統領に会うことを打診していました。結局は、今回は、オバマ大統領側の都合がつかないということで、今回は見合わせになりました。安倍総理としては、最初はやはり、アメリカということは十分理解できます。

しかし、アメリカの次はどこといえば、おそらく安倍総理以外だと、世界第二の経済大国ということで、中国だったかもしれません。しかし、安倍総理は、中国を外しました。そうして、中国の侵略が懸念される、東南アジア諸国を選びました。これは、意図して意識した戦略的行動です。

この戦略的行動に関しては、私などが説明するよりも以下の動画をご覧いただくと良くご理解いただけるものと思います。ごらんいただければ、その妥当性、正当性がご理解いただけるものと思います





安倍総理、はっきりと中国外しを内外に向かって示したと思います。今でも、領海・領空を侵犯し、昨年は、官製反日デモなどやっていた中国など、日本の外交から外されても仕方ありません。もう、日本の経営者たちも、異常な中国幻想に酔うことなく、等身大の中国をみて去就を決めるべきだと思います。

さて、安倍首相の訪問予定が入っていない中国において、何というか、全く理解不能のことが発生しました。その動画と記事を以下に掲載させていただきます。


鳩山元首相が訪中 領土問題の存在認めるべきと主張  :日本経済新聞

【北京=島田学】鳩山由紀夫元首相は 15日、訪問先の北京で中日友好協会会長の唐家セン元外相と会談した。意見交換のテーマの大半が尖閣諸島となり、出席者によると鳩山氏は「日本政府は日本 の領土と言っており、中国政府は中国の領土と言っている」と述べ、領土問題の存在は認めるべきだと主張したという。

日本政府は民主党政権時代から「領土問題は存在しない」との立場を示しており、鳩山氏の発言は日本政府の見解とは異なる。

鳩山氏の訪中は中国側の招待によるもので、16日には中国共産党の賈慶林・前政治局常務委員とも会談する見通し。その後、南京に移って「南京大虐殺記念館」を訪問する予定だ。鳩山氏側は習近平総書記との会談を求めていたが、今回は実現しないとみられる。
それにしても、中国はどうなっているのでしようか。最早、総理や代表はおろか、議員でもない鳩山さんを招いて、意見交換をして何になるというのでしょうか?やはり、鳩山さんのことをさらに何かに利用できないかとか、あるいはスパイのように取り込むつもりなのでしょうか?それにしても、最早利用価値などほとんどないと思います。

理解不能の宇宙人?

そうして、このようなことが報道されても、中国には、全く何のメリットもないと思います。まあ、交通費など、鳩山さんが負担するでしょうから、中国側としては痛くも痒くもなく、鳩山さんに言ってみたら、「領土問題の存在は認めるべき」という主張がでてきたということだと思います。しかし、だからといって、どうなるというのでしょうか?

鳩山さんですから、各界に人脈があるのかもしれませんが、しかし、その人脈も、今ではあまり役にたたないと思います。他の現役の議員などのほうが余程役立つと思います。


最早、日本の多くの国民は、鳩山氏の馬鹿さ加減は良く知っているし、今更こんな人を相手にしても、やっぱり、鳩山と、中国はとっても変という印象をさらに深めるだけだと思います。

安倍総理が、東南アジアを歴訪する今、鳩山さんを呼んで、意見交換するなど、中国もいよいよ焼きが回ってきたのかもしれません。というより、中国は、あの大規模な官製反日デモをやったり、尖閣上陸をした時点ですっかり焼きがまわって、もう、将来に何の展望も見出すこともできないと思います。

だからこそ、裸官が、大金を持って海外に逃亡するのだと思います。もう、外交も何もまともでない中国、今後ますます、日本国民も、日本の民間企業も中国から離反することになると思います。もうすでに随分前から中国には、国際感覚が欠如していましたが、もう、崩壊したようです。

安倍総理には、これからも、戦略的外交を着々と推進して、アジアの安定を図っていただきたいものです。そう思うのは、私だけでしょうか? 皆さんは、どう思われますか?

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「鳩山政権」世界10大リスクの5位 米コンサル会社-日本国民はとんでもない政党を選んでしまった?!

 

温室ガス25%減、鳩山代表が明言-これで日本の黄昏が始まるか?

 

普天間迷走どこまでも―意思決定に手間取り続ける民主党に日本国統治は無理!!

 

首相-徳之島3町長会談は7日午後 官邸で―沈黙は金なりという格言を知らない宰相?


特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...