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2012年3月21日水曜日

また始まった北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐる‘綱渡り外交’−【私の論評】報道で見え隠れする北朝鮮の日本への恐れ?

また始まった北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐる‘綱渡り外交’

 



北朝鮮が核・ミサイル問題をめぐり、また‘綱渡り外交’を始めた。国際原子力機関(IAEA)のテューダー報道官は20日(現地時間)、北朝鮮が16日、国際原子力機関(IAEA)視察団の平壌(ピョンヤン)訪問を要請したと公開した。

中国・北京で武大偉・韓半島問題特別代表に会った北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外務次官(写真上)は、2月の米国との約束を履行するために視察団を招請したという発言を公式確認した。ただ、テューダー報道官は「北朝鮮の要請を受け入れるかどうかをまだ決定していない」と明らかにした。IAEA視察団が北朝鮮入りする場合、09年4月以来3年ぶりとなる。

 

北朝鮮が視察団を受け入れると主張した16日は、人工衛星「光明星3号」を打ち上げると発表した日だ。衛星打ち上げ計画で国際社会を揺さぶりながら、一方では米国との2・29合意を履行するために国際原子力機関(IAEA)視察団を受け入れるという二重戦略を見せたのだ。

 

ワシントン外交消息筋は北朝鮮について「金正日(キム・ジョンイル)死去後も変わらないようだ」とし「典型的な形で11月の大統領選挙を控えてオバマ政権を揺さぶっている」と分析した。

 

米国務省のヌーランド報道官は定例記者会見で、「北朝鮮から公式的な言葉を聞いていない。IAEAの査察が行われるのは明らかに有益なこと」と述べた。衛星打ち上げ前に視察団が北朝鮮入りすることに反対しないという意味かという質問に対し、ヌーランド報道官は「北朝鮮側が時間を浪費しないことを望むが、反対のための反対はしない」と前向きなニュアンスを漂わせた。しかし「視察団を招請したとしても、衛星打ち上げが国連決議違反であり、米国との約束を破る行為という事実自体は変えられない」と強調した。核査察は受け入れるものの、北朝鮮の衛星打ち上げは受け入れられないという意味だ。

(中央日報)

【私の論評】報道で見え隠れする北朝鮮の日本への恐れ?

最近、お昼のワイドショーなどで、北朝鮮の人工衛星というより、実質上の大陸間弾道弾のことが報道されています。本日も、昼その種の番組をみながら食事しました。そこで、以前の麻生内閣時の朝鮮ミサイル発射のときとは、明らかに異なっていることを発見しました。皆さんは、お気づきになったでしょうか?

 

それは、テレビに出ていた軍事評論家が、テレビの司会者から「もし、朝鮮のミサイルが日本に向かってきたら迎撃することはできるのですか?」と問われて、「90%の確率で可能です」とはっきり答えていたことです。こんなことは、以前なかったことです。2009年に北朝鮮から、弾道ミサイルが発射される直前のときには、複数のテレビ番組において似たような質問に答えて「難しい」と答えていました。それが、今回「90%の確率で」とはっきり答えています。

 

これは、おそらく正しいのだと思います。わずか、数年の間に何かがずいぶん変わったということです。本日は、このことについて掲載します。

 

実は、日本の自衛隊は過去に2度、弾道ミサイルの迎撃訓練に成功してまいす。両方ともSM3(下写真は、発射風景)というミサイルによる迎撃に成功しています。SM3とは、イージス艦に搭載して、宇宙空間を慣性飛行中の弾道ミサイルを迎撃するミサイルのことをいいます。

 

まず第一回目についは、海上自衛隊は、SM3の配備・習熟訓練のためアメリカへ行っているイージス艦こんごう(下写真)が2007年12月18日に公開撃墜実験を行い成功した、と発表しました。ハワイ島のカウワイ島の米軍基地から発射された模擬弾頭を搭載した弾道ミサイルを発射すると、900Km離れた海上に配備されたこんごうが4分後にこのミサイルをレーダーで探知して、1発のSM3を発射し、発射から3分後に高度100Km以上の大気圏外において標的弾道ミサイルを撃墜しました。

 

ただし、このときは、結局は、ある一定条件の中で行われた訓練であり、大陸間弾道弾を撃ち落せたということであり、実際に北朝鮮の弾道ミサイルをうち落とせるかどうかまでは、判定できないレベルであったので、あまり話題にはなりませんでした。これに関しては、軍事オタクの方が、ご自身のブログでいろいろ分析しているので、詳細は、そちらをご覧ください。

 

第二回目は、2010年10月26日のことです。全世界を震撼させる、ある事件が起こりました。日本の海上自衛隊の護衛艦「きりしま」(写真下)が、ハワイ沖で大陸間弾道弾の迎撃試験を見事成功させたのです。

 

「きりしま」の放った迎撃ミサイルは、6発の大陸間弾道弾にすべて命中。弾道弾を、宇宙空間で迎撃してしまったのです。これは世界初の快挙です。世界で二番目に大陸間弾道弾がミサイルで撃墜させられたのです。しかも、この時は、軍事上の機密ということで、あまり詳しくは発表されてはいませんが、北朝鮮ミサイルも迎撃できることを十分証明することができたようです。

 

日本の海上自衛隊は、試験開始前から、「100発100中ですよ」とケロリとしていたといいますが、対する米国のミサイル防衛庁(MDA)は、びっくり仰天したようです。

 

高速で飛来するミサイルを、宇宙空間で撃ち落とすというのは、飛んでくるピストルの弾を、ピストルの1発の射撃で撃ち落とすよりも尚、難しいといわれています。なぜかといえば、宇宙空間には大気がありません。ですから、迎撃ミサイルの軌道を、途中で羽を使って変えることができないのです。だから、ミサイル自体の噴射角で制御するしかありません。これは、かなり高度な技術がなければ、できることではありません。

 

大陸間弾道弾は、一基のミサイルに、複数弾頭を搭載したり、核を搭載したりできるミサイルです。射程距離は8000km~10000kmもある。そしてこれを配備しているのは、現在、米国、ロシア、中共と北朝鮮の4国です。

 

これを迎撃することは、自国の安全を守る上で絶対に不可欠なのものでしたが、これまで実現が不可能だったのです。ですから「報復攻撃をするぞ」という、政治的、軍事的脅しだけが、これまでは唯一の対抗策だったのです。

 

それを、いともあっさりと、日本の海上自衛隊が迎撃してしまったのです。米国内では、このニュースは、大々的に報道されました。北朝鮮やロシアや中国から飛んでくる大陸間弾道弾の脅威にさらされずに済むようになるのです。これがビックニュースでなくて何だというのでしょうか。

 

ヨーロッパでも、このニュースは大々的に報じられました。日本は、他国からの侵略の脅威から、かなりの確率で、これで逃れられるのです。それに、もともと、アメリカの艦艇や、ミサイルを使っているわけですから、アメリカは、無論のこと、これらの武器を用いている他の国でも、日本のやりかたを見習えは、できる可能性が高いのです。米国では、このニュースの動画が、作られました。これを、下に転載します。

 

 

こんなこと信じられますか。これだけ、防衛環境が激変したことをほんど発表しません。もう、従来のように北朝鮮のミサイルの驚異に怯える必要はないのです。むろん、だからといって、すべてが安全というつもりはありません。しかし、従来と事情が大きく異なってきていることは確かです。国内で、もっと、こうした海上自衛隊の実力を認めることが必要ではないかと思います。

 

しかし、このことを日本のメディアはほとんど発表しないし、今回の北朝鮮ミサイルの発射実験にともなう報道でも、この事実をあまりはっきりとは公表しません。

 

だから、ほとんどの人が、上で掲載した、軍事専門家のいう「90%の確率で撃墜」の意味がほとんど理解できなかったと思います。

 

この事実を当然北朝鮮は、知っており、実はもっとも神経質になっているのは、北朝鮮だと思います。前回の弾道ミサイルの打ち上げも結局失敗でした。今回も、失敗する確率は高いです。もし失敗して、ミサイルが日本領土に落ちそうになれば、日本は、当然迎撃します。そうなれば、かなり高い率で、撃墜されてしまいます。そうなれば、北朝鮮の脅威や、脅しも灰燼に帰するわけです。

 

日本は、こうしたかなり精度の高い迎撃能力をもっているわけですから、北朝鮮の脅威など従来から比較すれば、かなり低くなったとみて良いはずです。そうして、これを外交カードとして、拉致問題などに活用することもできるはずです。極端なことをいえば、北朝鮮がミサイルを打ってきたとしても、ほんんど全部撃墜できるわけです。そうして、北朝鮮には、迎撃能力がないため、こちらは、無傷で北朝鮮に対してミサイルをいくらでも打ち込めるわけです。

 

北朝鮮海軍、空軍など、それこそ、赤子の手をひねるように簡単に屈服させることができます。日本の対潜哨戒能力は世界一ですし潜水艦技術も世界トップクラスでスクリュー音が小さく、北朝鮮の技術では補足することもできず、とても、北朝鮮の力の及ぶところではありません。

 

こんな背景から、今回のミサイル発射では、以前のように、報道も政府側も緊迫感がないようにみえます。それにしても、この事実をはっきりと発表しないことにはかなり問題があると思います。民主党や、マスコミは、どうあっても、国民に弱い存在であることをアピールし続けたいのかと思ってしまいます。

 

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