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2018年9月16日日曜日

今は我慢。中国の「自滅」を誘うために日本が取るべき外交戦略―【私の論評】日本は、中国の自滅を待つにしても、するべきことはしなければならない(゚д゚)!

今は我慢。中国の「自滅」を誘うために日本が取るべき外交戦略


日本がトランプの仕掛ける貿易戦争や、中国の尖閣諸島攻撃に遭っても国益を失わず上手く対抗できる策はあるのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、主要国の波乱含みの内政について分析するとともに、日本がいかに長期安定統治されている国かを紹介。焦らず周辺諸国と良好関係を構築する戦略をとれば、内政が不安定な国が先に自滅するだろうと論じています。

日本、戦略の要は【時間かせぎ】

今まで100万回書いていますが、日本の敵ナンバーワンは中国です。これ、別に私が、反中だとかそういう理由でいっているのではありません。中国が、アメリカ、ロシア、韓国を巻き込んで「反日統一共同戦線」をつくろうとしているので、そういうのです。完全証拠は、こちら。
ところが日本には、「アメリカが主敵だ!」という意見も多く、その手の本もよく売れています。なぜ、そういう話になるのでしょうか? 日本はアメリカ幕府の天領だからです。そして、「ロシアは北方領土を返さないから敵だ!」という意見は、とても多い。さらに、「世界中で慰安婦像設置運動をつづけている韓国は敵だ!」という人も多いです。私も、憤りを共有していますし、理解できます。これらの意見は、どれも一理あります。つまり、「日本の敵はアメリカ中国ロシア韓国だ!」というのです。
しかし、こういう考えは、「まさに中国の思惑どおり」ですね。100万回読んだかもしれませんが、原文を熟読してください。戦略の骨子は、以下のようになっています。
  • 中国、ロシア、韓国で【反日統一共同戦線】をつくろう!
  • 中ロ韓で、日本の領土要求を断念させよう!
  • 日本に断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣、【 沖縄 】である!
  • 日本に【 沖縄の領有権は 】ない!!!!!!
  • 【 アメリカ 】も反日統一共同戦線に引き入れよう!
そして、今の日本人の意識の状態は、
  • アメリカは敵
  • ロシアも敵
  • 韓国も敵
これって、「まさに中国の思惑どおり」なのではないですか????
もちろん、日本人がアメリカ、ロシア、韓国を嫌う客観的な理由はあります。しかし、もし私たちが、「日本を守りたい」「戦前の失敗を繰り返したくない」と思うなら、「感情的ではなく、「戦略的」に考える必要がある。
戦略は明らかです。中国は、日米分断、日ロ分断、日韓分断を狙っているので、日本は逆に、日米日ロ日韓関係を強固にしていく。たとえば、トランプさんから安倍さんに、貿易関係で厳しい要求がきそうです。私は、
  • シェールガス、シェールオイルを買う
  • 攻撃型の武器をどんどん買う
ことで、対米貿易黒字削減に取り組めばいいと思います。なんやかんやいっても日米関係が強固であれば中国は(少なくとも現時点では)尖閣を侵略できません
2010年の尖閣中国漁船衝突事件。あれは、なぜ起こったのでしょうか? まず、リーマンショックから、アメリカは沈みまくっていた。そして、09年に誕生した鳩山政権が、遠慮なく日米関係を破壊した。この二つの要因で中国は、「アメリカは日本を助けないだろうと予想した。だから、ああいうことになったのです。
アメリカも弱体化が著しいですが、それでも日米関係が強固であれば、中国はまだ手出しできません

日本の強さは、安定性

日本の戦略は、アメリカロシア韓国友好関係を築くこと。「目に見える中国包囲網」を日本が主導する必要はありません。要は、日米関係、日ロ関係、日韓関係が良好であればそれでいい
そして、日本は、ひたすら時間を稼ぎます。なぜ? 日本は、【世界一安定している国】だからです。これからの世界を見るに、「安泰だ!」といえる国は多くありません。アメリカは、1945年がピークだった国。冷戦終結後に2度目のピークを迎えた。その後は、衰退しつづけています(それでも世界最強ですが)。
中国の成長期は2020年まで。その後、経済は伸びず、日本以上の少子化が襲い、体制維持が難しくなっていくことでしょう。ロシアは、現在でも、制裁でかなり疲弊しています。石油、ガス依存がひどく、「成長戦略が描けないでいる。欧州は、イスラム移民が増えすぎて、後50年もすると「キリスト教文明」ではなくなり、「イスラム圏に飲み込まれてしまうことでしょう。
日本は、どうでしょうか? 皆さんご存知のように、日本は「現存する最古の国」です。政治家はコロコロ変わりますが、不変の皇室があり、異常に安定している。そして、民主主義が根付いているので革命は起こりにくい
日本の政治制度も、非常にすぐれていると思います。たとえば自民党がダメになれば、ちゃんと政権交代が起こる。政権をとった民主党がダメなら、総理は、一年で首になる。民主党に3人総理をやらせて、ダメなら、また自民党に政権が戻る。国益にだいたい沿った政治をする安倍内閣は、長期になる。
というわけで、日本の政治制度はすばらしいです。これがアメリカみたく、「4年、二期までです」となったらどうですか? 皆さん、鳩山内閣が4年続いたことを想像してみてください。まさに悪夢でしょう???
というわけで、他の大国と比べて日本は安定している。日米、日ロ、日韓関係を良好にたもつ。日印、日欧、日・東南アジア、日豪関係を良好にたもつ。そのまま10~20年経てば、中国は体制が維持できず自滅することでしょう。
【私の論評】中国の自滅を待つにしても、日本するべきことはしなければならない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事、大局的にはこのような行き方が正しいものとは思います。しかし、中国が自滅するまでには、少なくとも10年ながければ20年はかかるとみると、これだけでは足りなくなものと思います。

特に日米関係に関しては、長い間には様々な紆余曲折があると思います。

実際、それを予感させる出来事が最近立て続けに起こりました。6月7日にホワイトハウスで日米首脳会談が行われた際に、冒頭でトランプ大統領が「私は真珠湾を忘れない」と安倍晋三首相に不満を示したという。対日貿易赤字を抱えるアメリカが日本の経済政策を批判したもの、と同紙は解説している。

ただし、これは誤りであることは、このブログで指摘しました。以下に該当記事のリンクを掲載しておきます。
「真珠湾攻撃忘れないぞ」トランプ米大統領、安倍首相に圧力―【私の論評】日本のメディアは米国保守派の歴史観の変貌に無知(゚д゚)!
会談で握手する安倍首相(左)とトランプ米大統領=6月、ワシントンのホワイトハウス

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では米国では保守派の間では過去の歴史が見直されていて、単純な「日本悪玉観」は否定されており、いわゆる「リメンバー・パールハーバー」の意味も旧来の意味とは異なっていることを掲載しました。

トランプ大統領も保守派ですから、当然トランプ氏の発言の中にでてきた「リメンバー・パールハーバー」の意味も旧来の意味とはことなるわけです。

もう1つは、7月に日本と北朝鮮の情報当局がベトナムで極秘接触していたことです。日米両国は同盟国として対北問題で緊密に連絡し合うと約束したにもかかわらず、日朝の接触は伝えられていませんでした。

これについても、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米も知らなかった…日朝極秘接触 7月にベトナムで拉致問題全面解決に向け協議 日米連携に影落とす危険性も ―【私の論評】ワシントン・ポストでは相変わらずパンダハガーが勢いを維持している(゚д゚)!
北朝鮮交換と接触したとされる北村滋内閣情報官
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分を以下に掲載します。
これは、同時に中国の現状の大変さを物語っているとも受け取れます。日米が協同して、中国を叩くということになれば、中国には太刀打ちできません。

中国としては何とかして、日本を味方に引き入れ、日本を親中派政権にして米国の経済冷戦をかわしたいと考えているのかもしれません。だからこそ、ワシントン・ポストを利用して、日米が離反するように仕向けている可能性があります。しかし、次の総裁選では安倍総理が圧倒的に有利ですから、そのような目論見は成就することはないでしょう。

これは、しばらく趨勢をみてみないことには、まだなんとも言えませんが、ワシントン・ポストの報道にはこういう背景があるということを知った上で、報道を吟味すべきと思います。特にワシントン・ポストを鵜呑みにする日本の報道には、留意すべきです。
日米間の隙間風を伝えるこの2つのニュースはどちらも政策当局からのリークとの見方があります。「真珠湾発言」は安倍政権の官邸外交に反発する日本の霞が関が流したもので、「日朝接触」の出どころは中国だというものです。

ところで、非核化交渉は6月12日の米朝首脳会談以降、うまくいっていません。北朝鮮が朝鮮戦争の終戦宣言を求めるのに対し、米側は非核化の具体的行動を要求し、折り合いがつきません。

いら立ちを募らせるトランプは、非核化交渉が不調に陥った背後に中国の存在がある、と批判しています。北朝鮮を対米外交の駒として使っている、というのです。そこで中国は日朝秘密交渉をリークして、トランプの怒りの矛先を日本に向けさせようとしたというのが、この出来事の真相かもしれません。

しかし、この2つの出来事が、日米関係をわずかでも毀損させたという事実は全くありません。

とはいいながら、日米を離反させようと考える勢力は、中国は無論のこと、日本の中にも、米国の中にさえ存在します。今後日本が中国の自滅を待つにしても、それまではまだ時間があります。

このような勢力の存在の暗躍は、ハーバード大学の政治学者サミュエル・ハンチントン教授が96年に書いた論考『文明の衝突』(邦訳・集英社)そのもののようです。同書によると、ヒューマニズムを基盤とする西洋文明の代表者アメリカは早晩、儒教の代表者である中国と世界秩序をめぐって激突することになるとしています。

「精神的なぬくもりを感じさせない」冷酷な宗教である儒教は個人よりも集団に重きを置き、権威と階級などを重視します。これは、独裁体制を支えてきたイデオロギーでもあるので、中国も北朝鮮も儒教を放棄しません。中国が考える国際秩序は国内秩序の延長線上にあり、国力の増大に伴い西洋中心の秩序に挑戦してくるとしています。

『文明の衝突』の中でハンティントンは、中国や朝鮮、その他いわゆる東アジアのことも記載されています。そうして、これらのことを東アジア文化圏としています。では、日本は、その中に含まれているかといえば、そうではありません。

日本は、日本文化圏としています。ハンティントンも、最初は、日本も中国に影響を受けた国なので、東アジア圏の中に含めようと考えたようですが、結局それでは実体を表しておらず、日本は、あまりにユニークで、どうしても、東アジア文化圏に含むことはできず、結局は、日本文化圏としたと、著書の中にも掲載されています。

ハンティントンは「アジアにおけるアメリカの影響力が小さくなると、日本は<再びアジア化>すべきだとする考えが日本国内で勢いを増し、東アジアの舞台で中国が改めて強い影響力を持つのは避けられないと考えだすだろう」とも書いています。

文明の衝突の表紙

既にそうした前例がありました。89 年に中国が天安門広場で民主化を求める市民と学生を弾圧した後、自由主義陣営が対中制裁を科しました。ところが92年、冷戦崩壊の隙を突くかのように日本は天皇の訪中決め、欧米の結束を崩壊させたのです。

日本の中には明らかに「日本は再びアジア化」すべきだという考えを持つ集団がいます。それは、野党は無論のこと与党の自民党の中にさえ存在します。

ただし、これらの勢力は中国が尖閣諸島沖で、中国の漁船が日本の海上保安庁の艦艇に体当たりしたり、南シナ海で環礁を埋め立て軍事基地化するなどの他にも立て続けに傍若無人な振る舞いを繰り返したため、日本の対中世論は急激に悪化し、今では影を潜めています。

しかし、これらがいつ息を吹き返すかは予想がつきません。日本はこうした勢力を封じ込めつつ中国の自滅を待つ必要があります。

さらに、国際情勢がこれだけ急激に変化してしまったのですから、従来通り日本の防衛を米国に頼るのではなく、少なくとも、自国民の生命財産を守るためには、自衛戦争をできるようにしておく必要があります。

今後米国は日米の同盟関係を崩すことないとは思いますが、日本が日本の領土を守るために何もしないということであれば、今すぐではなくても、今後10年、20年たてば、日米関係にヒビが入る可能性も十分にあります。

ブログ冒頭の記事にもあるとおり、日本の中には米国も、韓国も、ロシアも敵などと考える勢力は確かに存在します。その中で、韓国やロシアはたとえ敵に回っても、GDPでみると両国とも東京都なみですから、さほど悪影響はないかもしれません。無論できたら、敵に回さずに、味方に引き入れておいたほうが良いことは良いには違いはありません。

しかし、米国を本当に敵に回してしまえば、おそらく日本としては、中国と手を組むしかなくななります、これこそ中国の思惑通りということになります。

そんなことになれば、先日のこのブログに掲載したシーパワー国の同盟でもある日米英同盟が破綻しています。

そんなことになれば、中国の崩壊どころか、中国としては日本の経済力を最大限に利用して、米国と対峙することになります。その挙句の果に、中国と共倒れということになりかねません。

そのようなことだけは絶対に避けるべきです。そのためにも、日本は少なくとも自国領土を守れるように、体制を整えておくべきです。

以上まとめると、日本は、国内で「日本は再びアジア化」すべきだという勢力を封じ込めつつ、少なくとも自国領土を防衛できる体制を整えつ、多くの国々を味方につけ、中国の自滅を待つという外交戦略が最上であると考えます。

今後10年、20年と時がすぎれば、日本は他国を味方に引き入れただけでは、中国の自滅を待てない状況になるのは明らかだと思います。

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2018年4月19日木曜日

朝日新聞、セクハラを口封じか 胸わしづかみにされるも先輩から「我慢しろ」…元女性記者が衝撃告白―【私の論評】朝日新聞も、テレ朝もダブルスタンダードを放置するな(゚д゚)!



 元朝日新聞の女性記者が、17日放送のフジテレビ系「バイキング」に生出演し、新人時代に取材相手からセクハラ被害に遭い、会社の先輩に相談したものの、「我慢しろ」と言われたと衝撃告白した。財務省の福田淳一事務次官(58)のセクハラ疑惑を厳しく追及している朝日新聞だが、自社の女性記者には「セクハラ被害の口封じ」を強いていたのではないのか。

バイキングでは同日、福田次官のセクハラ発言疑惑について、取り上げていた。「女性記者とセクハラ」の実態を知るという、元朝日新聞の女性記者Xさんが登場した。

Xさんは、自身の新人時代の体験として、「取材相手に突然胸をわしづかみにされ、社に戻って男性の先輩に相談したところ、『これくらい我慢しろ』といわれてしまった」「(当時)その場ではショックで何も言えない。とても受け止められなかった」「私の場合は、ほかの会社の先輩記者に相談して解決を図っていった」などと、実名で告白した。

朝日新聞は17日の社説「財務次官問題 混乱は深まるばかりだ」で、福田氏のセクハラ疑惑を取り上げ、財務省について「本当に事態を解明する意欲があるのか。相手方の保護をどう考えているのか。ここでも一般常識との溝が際立つ」と痛烈に批判した。

だが、Xさんの告白が事実ならば、朝日新聞(の先輩)は、実態を解明する意欲もなく、相手方の保護も考えず、Xさんのセクハラ被害について「沈黙を強要=口封じ」した疑いが浮上する。まさに、「一般常識との溝が際立つ」のではないか。

夕刊フジでは同日、(1)Xさんは就業していたのか(2)先輩社員の「これくらい我慢しろ」との発言は、セクハラ行為への口封じではないのか(3)セクハラ被害の見過ごしは御社で常態化しているのか-などの質問状を朝日新聞に送った。

朝日新聞広報部は、Xさんの9年間の在籍を認めたうえで、「お問い合わせいただいた番組中のご発言については詳細を把握しておらず、コメントいたしかねます」「なお、弊社は『セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規定』を定めており、従業員から被害の申し出に対しては、会社として適切に対処しております」と回答した。

【私の論評】朝日新聞とテレ朝はダブルスタンダードを放置するな(゚д゚)!

上の記事で、Xさんと表記されている方の名前は、秋山千佳さんです。17日のバイキングのキャプチャー画像と動画を以下に掲載します。




これが事実なら朝日新聞は、見事なダブルスタンダードと言って良いと思います。

さて、この番組でも報道されている福田氏の発言がセクハラかどうかは本人が裁判で争うと言っている現在の段階ではグレーです。きのうテレ朝が明らかにしたのは、次のような事実だ。
少なくとも2016年11月から今年4月まで、女性記者が福田氏とのオフレコの会話を無断で録音した。
記者はこの問題を報道しようとしたが、上司が握りつぶした。
このため女性記者は、音声データを週刊新潮に提供した(金銭の授受はないと主張している)。
福田氏のセクハラ自体は別問題として、冷静に考えればこの女性記者は懲戒処分にあたるのではないでしょうか。無断録音を公開したのは取材先との信頼関係を壊すオフレコ破りであり、録音データの週刊誌への提供はマスコミ関係者としては、前代未聞のルール違反です。

2008年の音声データ漏洩事件では、朝日新聞の辰濃哲郎記者が解雇、専務(編集担当)と編集局長などが減給処分を受けました。これは病院の内紛にからんで、辰濃記者が無断で録音した音声データを関係者に渡した事件です。

セクハラとは、女性に対して雇用関係や契約などの優越的地位を濫用することですから、この場合は彼女が苦情を申し立てているのに1年半も取材させた上司の行為もセクハラにあたります。

上の朝日新聞の例だってそうです。相手から胸を鷲掴みにされたことを報告しているのに、我慢しろと言ったのですから、これは優先的地位の濫用にほかなりません。胸鷲掴み自体に関しては、詳しい情報がないので何ともいえません。

テレ朝の説明には、不審な点が多いです。女性記者が問題を申し立てていたのなら、なぜ1年半も「福田番」のままにしたのでしょうか。さらに、主計局長から事務次官まで同一人物の番記者をやらせるローテーションは異例で、これでは癒着を誘発するようなものです。

福田事務次官

ありそうなのはテレ朝も女性記者も承知の上で、スケベオヤジ福田氏を利用していたのですが、最近人間関係が壊れたという推測です。あるいは単に女性記者が番記者をはずれて、復讐してやろうと思ったのかもしれません。あるいは、セクハラされていることを上司に伝えてもスケベオヤジの番記者にされ続けたことに怒りをぶつけたのかもしれません。

公平にみて、福田氏がスケベオヤジであることは事実でしょうが、それとテレ朝や朝日新聞のダブルスタンダードとは別問題です。セクハラそのものに関しては、これから調査や裁判になるのかもしれませんが、ダブルスタンダードを放置しておくのはさらに問題です。これでは、これからも報道倫理が守られず、さらにセクハラを助長することになります。

この件で行政を混乱させたテレビ朝日は関係者を処分し、全社員に報道倫理を教育すべきです。朝日新聞も今回は直接は表沙汰になりませんでしたが、元記者がデレビで告白したのですから、未だにその体質が残っている可能性がありますから、当然のことながら、関係者を処分して、全社員に報道倫理を徹底すべきです。


2012年12月29日土曜日

「俺がわがままなだけなんだ。我慢するしかない」という諦めが日本社会をダメにする −【私の論評】「わがまま」というより「潔さ」が日本人の精神の背景にありしかも間違って認識されている。日本人は、古来の精神に復帰すべし!!

「俺がわがままなだけなんだ。我慢するしかない」という諦めが日本社会をダメにする



この悲惨さの原因は、日本人が「我慢」を美徳だと勘違いしているからではないでしょうか。

自分の想いを押し殺し、「これは俺が”わがまま”なだけなんだ。オトナなんだから”我慢”するしかない」と、問題解決への努力を諦めてしまっている人が多いから、世界的に見ても悲惨な状況が生まれていると思うのです。「我慢」なんて、「諦め」を自己肯定的に言い換えただけです。

僕自身もサラリーマン時代、この手の「俺がわがままなだけなんだ」という安易な諦めを多用していました。実際変えがたいものもあったと思いますが、振り返ってみると、負担を受入れる覚悟で声を上げれば、十分変えられたものもあったように思います。

「俺がわがままなだけなんだ」ということばのもと自分を押し殺すのは、ある種の防衛本能のようなものなので、いま苦しんでいる人たちを責めるつもりは毛頭ありません。僕自身もそうでしたし。

でも、誰かが「わがまま」を言い出して、行動しないと、世の中は変わっていかないと思うんですよね。選挙権にせよ、有給休暇にせよ、あらゆる社会制度というものは、誰かの「わがまま」が最初にあったのではないでしょうか。

今この時代においては、テクノロジーのおかげで「わがまま」が許容されやすくなっているのも大きなポイントです。僕はまさにこうしてブログを書くことで「わがまま」を享受しています。ITによって在宅勤務がやりやすくなったことも、「家族を大切にしたい」という労働者の「わがまま」を受入れる下地となっているでしょう。

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】「わがまま」というより「潔さ」が日本人の精神の背景にありしかも間違って認識されている。日本人は、古来の精神に復帰すべし!!

イケダハヤト氏
イケダハヤトさんの、上のブログの記事私は、概ね賛成です。ただし、言葉遣いを変えればもっと多くの人に受け入れられるような気がします。「わがまま」という言葉は、ネガティブなところがありますから、これだとなかなか受け入れられない人も多いのではないかと思います。

そこで、私としては、イケダさんの「わがまま」に変わり、「潔さ」を提唱させていただきます。なぜ、このように考えるかといえば、その理由をご理解いただくために、まずはこのブログに過去に掲載した記事をご覧いただきたいと思います。

マック、崩れた「勝利の方程式」:日経ビジネスオンライン―【私の論評】民間のデフレ対策もそろそろ限界、潔さではどうにもならない状況に!!

詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、本日の話題と関係する部分のみ以下に掲載しておきます。
そうして、原田会長としては、市場に関して自分の見立て違いであると反省しておらるようですが、私は、現状では、それだけではなく、日銀のマクロ金融政策や、政府の財政政策に関しても、そろそろ、苦言を呈しても良い時期にさしかかっているのではないかと思います。
これは、経営者としては、格好が悪いです。景気が悪くても、胸を張って、「景気が悪くても、こんなに業績をあげています。こんなに頑張っています」という経営者のほうが、かなり格好は良いです。そうして、景気が少しくらい落ち込んだからといって、すぐに、景気のせいにする経営者など、格好も悪いして、自らの能力のなさを披瀝しているようなものでした。そうして、これは、20年くらい前までは、確かにしっかりあてはまったことだと思います。
しかし、現状では、かなり状況が異なってきています。すでに、デフレ傾向になってから、20年、統計上でも、はっきりとデフレとなってからも、14年m継続しています。14年以上もデフレが続いた国など、歴史上はじめてではないかと思います。無論、日本では、まともな経済統計ができて以来はじめてのことです。
上の記事をご覧いただければ、私の言いたいことはお判りになると思います。イケダさんは、育児休暇をなかなか取得しないとか、会社に不満があっても、それをいわずに押し殺して「俺がわがままなだけなんだ。我慢するしかない」という諦めが日本社会をダメにするとしているわけです。


そうして、結局私が言いたいこともほとんど同じなのですが、私の場合は、表現が少し異なり「自分の周りに自分以外のことで問題があったとても、そのせいにすることは、潔くない、だから我慢するしかない」ということになります。「潔い」というのは、日本人の感性にあっていますから、こちらのほうが、より多くの人々に受け入れられやすいと思います。

上にも書いたように、これだけ長い間デフレというのは、本当に異常なことでした。しかし、日本の多くの経営者らは、「潔さ」からでしょうか、デフレに対して真っ向から抗議をするという人はあまりいなかったように思います。これだけ、デフレが続けば、雇用にも悪影響があるのは、当たり前ですし、円高傾向になるのも当たり前です。特に、異常なウォン高の韓国と、異常な円高の日本とでは、企業同士の競争といっても、日本側は、まるで最初から足枷手枷をされて勝負しているようなものでした。あの凡庸な企業にすぎないサムスンですら、日本の企業と比較すれば圧倒的に有利な条件で競争ができたのです。

最近、アベノミクス効果で、円安、ウォン高傾向になってから、日本企業は俄然活気づいています。それにしても、 これだけデフレが続く前に、大企業の経営者などは、もっともっと、怒りの声をあげて、政府には、まともな財政政策を、日銀には、金融緩和をせまるべきでした。このデフレは、大きな社会問題や、社会の歪の発生源でもあります。特に若者の雇用や、賃金にはかなり悪影響を及ぼしてきました。

だからこそ、私は社会を良くするためには、「潔さ」だけではどうにもできないと思うのです。「潔さ」よさ などきっぱり捨てて、社会を変えるために、多くの人々がもっと声をあげていれば、このデフレもこんなに長くは続かなかったのではないかと思います。

これに比較すると、アメリカなどでは、影響力の大きい大企業の経営者などが、何かあると日本と比較すると、すぐに抗議の声をあげます。FRBにだって、政府にだって景気対策がうまくいかないと、すぐ声をあげます。場合によっては、外国にまでも抗議の声をあげます。たとえば、あの車のビッグスリー(アメリカの三大自車メーカー)は、トヨタが進出しはじめた頃もなにかにつけて抗議をしていました。




最近だと、たとえば、日本からの車の輸入に関税がかからなくなるからといって、TPPに反対してみたり、日本の小型車が日本の独自の規制を行っているので、日本にアメリカから輸出するには、この規制にしたがわなければならないため、これに抗議したりしています。日本人の感覚からすれば、こんなことまでいうなんて"なんてわがまま"なのかと思うようなことを平気で言います。私は、このようなことを日本の自動車メーカーの社長が語っていたことは、聴いたためしがありません。ただし、例外はあります。あのUNIQULOの柳井さんです。これは、本日は本題ではないので、当該ブログをご覧になって下さい。

しかし、これはこれで良いのだと思います。言ってみるだけ言ってみても損をすることはありませんから!!それに比較すると、本当に日本の大手企業や経営者は、あまりこのようなことを言いません。それに、報道もされません。これは、やはり、日本人の人生観や考え方に深く根ざしているからかもしれません。

私は、この根底には、今では中途半端になってしまった日本文化の存在があると思います。たとえば、武士道の精神です。「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉がありますが、これは良く曲解されて、たとえば、戦時中の特攻隊の精神的支柱とみなされたりします。

しかし、本当の意味は、そんなに単純ではありません。潔く死ぬことだけが、武士道ではありません。むしろ、こういう気構えをして、はかない命であるからこそ、今日この日を大切に力一杯過ごしていこうというのが、武士道のもう一つの側面です。しかし、今の日本でもこれが曲解されて、潔さばかりが強調されるどころか、「潔さ」と「諦め」が混同されているところがあるのだと思います。これは、武士道を特に意識していなくても、日本人の美意識の中に「潔さ」という動かし難い観念があることだけは確かだと思います。

そうして、今の日本では、イケダさんがおっしゃる通り、「潔さ」と「諦め」が混同され、「我慢」し続ける人が多くなっているのだと思います。


今の日本人にはこのように、「諦め」の境地ばかりが目立つのですが、かえってアメリカ人の中に「武士道的」生き方をする人もでてきました。その筆頭は、誰あろう、元アップルのCEOであったかのスティーブ・ジョブズ氏です。

このことは、以前のブログにも掲載しました。その記事のURLを以下にコピペします。

Appleを復活させた「魔法使い」、ジョブス氏の休職―【私の論評】ジョブスの生き方は、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という日本人の理想を体現している!?
ジョブスは、上の動画の中で、「死を意識すること」の意義、特にポジティブな面を強調していました。これは、日本の武士道の中の「葉隠れ」の思想とも根本では相通じるところがあります。まさに、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という言葉を真の意味で実践しているようです。葉隠れは、一部の人々が曲解しているように、死を美化するものではありません。というより、まさに、上の動画でスティーブ・ジョブスが「死を意識すること」の意義と似ています。というより、生まれ育った環境や活躍してる舞台がIT業界であることなど葉隠れの思想がでてきた時代背景とは大きく異なるので、表現や、出てくる行動が少し異なるようにみえても、本質的には同じだと思います。
今の多くの日本人が忘れてしまったこのような生き方、少なくとも、少し前までは、多くの日本人の理想とした生き方、彼の生き方は、それを私たちに思い出させてくれます。だからこそ、日本でもジョブスに人気があるのだと思います。今日本では、産業に活気がありません。ジョブスがやってきたような、イノベーションは、少し前までなら日本が行っていたと思います。私は、そのようなイノベーションが行われなくなった今の日本、背景にはジョブスのような一昔前の日本人が理想とする生き方を多くの日本人が忘れてしまったからではないかと、危惧しています。
さて、そう思って現在のジョブスを見ると、あの有名なプレゼンでみせる、黒を基調とした服装、ジーンズという飾らないいでたち、なにやら、戦に挑む日本の古武士のようにも見えてきます。あの全身全霊を傾けて、ものごとに取り組む姿勢とエネルギーは、本質的には「葉隠れの思想」から沸き出でてくるものであることが、理解できます。今の若い世代には、「葉隠れ」と言っても、ほんどの人が何のことかも理解していないようです。いつから、日本の優れた世界に誇るべき伝統文化が、継承されなくなってしまったのか!!本当に残念なことです。
だから、私は、ジョブスを単純にカリスマとは呼びたくはありません。私は、彼を偉大なリーダーであると呼びたいです。日本にこのような生き方をする政治家や経営者が昨今、非常に少なくなってきたことを残念に思います。

今のニッポン人には、古の日本人の精神が残ってはいるのですが、中途半端な残りかたをしているのだと思います。だから、我慢して諦めるとか、その諦めを潔さと勘違いしているという事があるのだと思います。

こうした精神構造を変えるには、イケダさんが言っているように、我慢するしかないとか、私の言葉でいえば、潔さから諦めるなどということやめて、真正面から問題を指摘し、その問題に取り組むという姿勢が重要なのだと思います。その姿勢を持つためには、今更日本人が外国人のものまねをしても身につくとは思えないので、やはり、ジョブズのように現代風の武士道のような、日本古来からの精神に復帰するしかないと思います。みなさんは、どう思われますか?


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