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2017年3月2日木曜日

【阿比留瑠比の極言御免】民進党が旧民主党時代から投げ続けてやまない「ブーメラン現象」の研究―【私の論評】脱力感炸裂の今の民進党の救世主は馬淵氏だけ(゚д゚)!


参院予算委員会で民進党の小川敏夫氏(右)の質問に答弁する安倍晋三首相
=2月28日午後、参院第1委員会質
住んでいる自治体の運動公園の行事で、子供と一緒にブーメラン競技の体験教室に参加したことがある。かなたへと投じたブーメランが、きれいな弧を描いて自分の元に返ってくるのは確かに気持ちがよいものだった。民進党は、まるでこの快感のとりことなっているかのようである。

 2月27日の衆院予算委員会では大西健介氏が、28日の参院予算委では小川敏夫氏がそれぞれ、独特な保守色が注目されている学校法人「森友学園」をめぐり、安倍晋三政権との密接な関係を印象付けようと追及した。ところが、ともに民主党(現民進党)時代にも同様の関わりがあったことを指摘されて自爆した。

 これらは、本紙既報のため詳述は避けるが、いずれもお手本にしたいような正確なブーメランだった。相手への攻撃が寸分違わず自分に跳ね返る姿には、一種の様式美すら感じた。

 今や民進党といえば、ブーメラン現象を思い浮かべる人も少なくないことだろう。それにしても、事前に少しでも調べていれば誰でも分かることなのに、どうしてわざわざブーメランを投げようとするのか。何かやむにやまれぬ動機や理由はあるのだろうか-。

日本維新の会の足立康史衆院議員 写真はブログ管理人挿入以下同じ
 この点について、日本維新の会の足立康史衆院議員が以前、自身のブログで整理していたので紹介したい。足立氏によると、民進党議員のブーメランには、(1)反射型(2)指令型(3)信念型-の3つの類型がある。

 (1)は当人が深く考えずにその場の都合で反射的に口にするもので、(2)は当人の意向にかかわらず上からの指令でやっているもの、(3)は当人の思想・信条、強固な思い込みや勘違いなどによるものだろう。足立氏は、ほとんど無意味な(1)や(2)に比べ(3)は「反面教師くらいにはなりそう」と皮肉っている。

 また、ジャーナリストの山村明義氏は新著『日本をダメにするリベラルの正体』の中で、足立氏の言う「反射型ブーメラン」についてこう分析している。

 「リベラルな議員特有のもので、その特徴は、『過去をいつの間にか忘れる』というもの」

 「リベラル主義者は、その理念として常に『進歩主義』でなければならず、自分の歴史や過去を振り返ってはいけない、という先入観があるよう」

 確かに、民進党議員の国会質問を見ていると、3年3カ月にわたる民主党政権の失政への反省はほとんどみられない。国会では、政府側が「その政策判断は民主党政権時代のものだ」と指摘すると、堂々と「(今は)民進党だ」と反論する議員も見受けるほどだ。

 こういう議員らには、相手は「悪」「邪」だが、自分たちは「正義」「善」だという根拠のない決め付けがあるように思える。正義はわれにあるのだから、何を言っても許されるとばかりに相手のすべてを否定しようとするから、自分自身の過去の言動と矛盾してしまうのではないか。

 筆者が初めて署名記事で民主党に関しブーメランという言葉を用いたのは平成22年5月、当時の鳩山由紀夫首相に対してだった。

 「何か本質的な間違いというか、本質的な考え方がどうも違う。それが結果として表面的な失言につながっているのではないか」

 鳩山氏が20年11月に、麻生太郎首相(当時)に浴びせたこんな言葉を引いて、「見事なブーメランとなって跳ね返っている」と書いたのだった。あの時からもう7年近くたつが、この党は変わらない。

(論説委員兼政治部編集委員)

【私の論評】脱力感炸裂の今の民進党の救世主は馬淵氏だけ(゚д゚)!

何やら、最近の民進党はさらにグタグタぶりが、さらに加速したようです。これについては、前から一度このブログにも掲載しようとも思ったのですが、あまりのグタグタぶりに、なんというかゲンナリして、疲れてしまい、掲載しませんでした。

本日のブログ冒頭の記事、かなりよくまとまっていて、グタグタぶりがわかりやすく整理されていたので、本日はやっと掲載するつもりになることができました。

上の阿比留瑠比氏の指摘以外にも、最近の酷い民進党のグタグタぶりの事例があります。以下三つほどその事例をあげておきましょう。

まず第一は、大阪府が私学設置基準を緩和したときは、安倍政権の時ではなく、民主党の野田政権のときです。だから、民進党は、本当に基本的な事実の確認もできないで、とりあえず安倍政権を批判したいのです。


さて、上の写真はある方のブログから転用したものです。おそらく、最近の新聞のものだと思われますが、この記事には"しかし、12年4月、松井知事は突然「借り入れありの幼稚園」にも小学校参入の目とを開く・・・・"という下りがあります。

12年4月というと、確かに民主党野田政権時です。このまま追求を続けていくと、民進党は当時総理だった野田幹事長を追求しなければならなくなるかもしれません。まさに、大ブーメランです。

最初からこのようなことは分かつていますから、だから森友学園問題は、民進党議員が問題にしても、マスコミが問題にしても、いっこうにつまらなく、聞いていると、脱力感を感じるだけです。

次に、二つ目。衆院予算委員会の野党筆頭理事を務める民進党の長妻昭元厚生労働相が、ツイッターで「国会で追及してほしいことをお寄せください」と呼びかけました。ところが、ネットユーザーからは、民進党のあんな疑惑やこんな不祥事の“追及”を求める声が相次いで寄せられたのです。

衆院予算委員会で質問する民進党の長妻昭理事
1日のツイッターでの呼びかけに対しては、蓮舫代表の「二重国籍」問題や、“ガソリーヌ”こと山尾志桜里前政調会長の政治資金問題、後藤祐一衆院議員の防衛省職員への暴言問題など民進党議員の疑惑や不祥事を追及のテーマに据えるよう求める意見がまたたく間に集まりました。

女性をラブホテルに強引に連れ込もうとしたと「週刊新潮」に報じられ党青年局長を辞任した初鹿明博衆院議員や、旧民主党時代、国会の審議時間中に自民党の女性議員を投げ飛ばした津田弥太郎参院議員(すでに政界引退)の名も挙がりました。

当然のことながら、ツイッターなどのSNSは、不特定多数の人々が見ているものです。こういう結果になることを長妻氏は予測できなかったのでしょうか。できなかったとすれば、あまりにお粗末です。

蓮舫氏
最後は、連邦代表の動向です。参院予算委員会は2日、平成29年度予算案に関する3日間の基本的質疑を終える。野党第一党・民進党の質問時間は1日で全て終わったのですが、参院きっての論客であるはずの蓮舫代表がバッターとして立つことはありませんでした。

予算委で論戦が交わされた1日午後、蓮舫氏の姿は国会近くの民進党本部にありました。

「官では届かないサポートが必要な方々がいる」

NPO法人関係者と意見交換し、共生社会実現への意気込みを語った蓮舫氏ですが、国会論戦の主要テーマへの言及はありませんでした。

1月末の参院予算委で行われた28年度第3次補正予算案に関する質疑では、蓮舫氏は民進党のトップバッターを務め、稲田朋美防衛相らに舌鋒鋭く厳しい質問を浴びせて存在感をアピールしました。にもかかわらず、本予算案の論戦に姿を見せないことは非常に不自然です。

この1カ月間で蓮舫氏は党内での求心力を低下させました。次期衆院選公約の目玉にしようとした「2030年原発ゼロ」方針に支持団体の連合が猛反発。連合傘下の電力総連からは、党公認候補の推薦見送りまでちらつかされ、3月12日の党大会で表明する構想は断念に追い込まれました。


調整力不足が白日の下にさらされ、持ち味であるはずの「発信力」も空回りするばかりでした。原発政策に関する議論が行われた2月22日の党会合では、党側が報道陣に「蓮舫氏の写真撮影“NG”」を言い渡す場面もありました。表舞台で華やかに舌鋒鋭く対外発信を続けるより、まず地道に党内や支持団体の基盤固めをすべきでした。

私は、現在の民進党は大嫌いですが、それでも野党第一党としての本来の役割を果たすべきと思っています。

今の民進党は、まともな経済論議も、安全保障論議も、技術に関する論議もできません。さらには、党内や支持団体とまともにコミュニケーションをとることすらできません。

こんなことでは、野党第一党としての本来の役割を果たすことはできません。それでは、与党である自公に奢りや高ぶりがでてくるようになるかもしれません。

現在驕り高ぶっているのは、他ならぬ民進党です。自分たちは「正義」「善」だという根拠のない決め付けをして、与党は「不義」「悪」と決めつけ、上から目線でものいい、自らを一切反省しないから、グタクタになってしまうのだと思います。

この民進党をまともにするには、まずは民進党自体の日本経済に関する見方を根本的に変える必要があります。なぜなら、やはり多くの国民にとっての最大の政治課題は日本経済が良くなることです。

安倍政権がまがりなりにも、支持率が高いのは、8%増税によってGDPの伸びは低くとどまったものの、金融緩和策によって雇用情勢が劇的に回復したためです。安全保障などの問題も重要なのですが、やはり景気が良くなることが一番です。

そうなると、まともに経済論議のできない今の民進党では、どうにもならないわけです。民進党で経済に関してまともな感覚を持ち合わせているのは、現在では馬淵澄夫議員だけです。金子洋一氏もまともなのですが、残念ながら、昨年の参院選で落ちています。

民進党は、蓮舫氏に代表を退かせて馬淵澄夫議員が同党代表にならないかぎり、政策的な面で自公政権との対抗軸は打ち出せません。

馬淵澄夫議員
馬渕氏は過去には、金融引締め一辺倒の日銀相手にしっかりとしたインフレターゲット論を主張するなど、かなり勉強しているようです。国会会議録検索システムで、発言者=馬淵澄夫、会議指定=財務金融委員会で検索して、平成16年3月23日の議事録を見ると、馬淵議員と福井日銀総裁のやりとりを読むことが出来ます。

馬渕氏が代表になれば、国会でまともな経済論議ができるようになるかもしれません。今の民進党は破茶目茶な経済論議しかできません。代表選の時の候補者の三人の全員が増税すべきという持論を展開していました。全く話にも何にもなりません。彼らは、まとに経済統計を見ているのでしょうか。いや、目が悪いのではないでしょうか。

とにかく、今の民進党の救世主は蓮舫でもなく、山尾志桜里でもなく、その他有象無象のどうでも良い議員などではありません。馬渕氏です。

私は、無論民進党支持者ではなく安倍政権を微温支持しています。他に、支持できる政党や、政治家がいないので、支持しているのです。安倍総理がいなくなれば、自民党を支持しないかもしれません。しかし、そうなっても、今のままの民進党なら支持できません。

自民党から民主党への政権交代のときも、「一度はやらせてみせるべき」などとは思いませんでした。最初から経済がさらに落ち込み大変なことになると思いました。そうしてそれは的中しました。

それにしても今の民進党は以前にも増して酷すぎます。国会での民進党議員の著しくレベルの低い国会論戦などもう見たくも聴きたくもありません。あれを見ていると、最近は本当に脱力感ほ感じるようになったので、もっとまともになってほしいです。

そうして、本来のや第一党の役割を果たすべきです。今のままの民進党なら、はやく消えたほうが良いです。

いっそ、ガラガラポンをして、民進党を消滅させ、馬渕氏を党首とした新党をたちあげるべきなのかもしれないと思ってしまいます。

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2016年6月23日木曜日

自民、27年ぶり単独過半数獲得も 参院選議席予測 浅川博忠氏 ―【私の論評】実は、岡田民進党代表こそ安倍政権の真の救世主だ(゚д゚)!

自民、27年ぶり単独過半数獲得も 参院選議席予測 浅川博忠氏 



与野党激突の参院選(7月10日投開票)が22日、公示された。安倍晋三首相(自民党総裁)は「自民、公明両党で改選議席の過半数(61議席)」という目標を掲げ、民進党や共産党など野党4党は「改憲勢力3分の2阻止」のため、全国に32ある「1人区」で候補者を1本化したが、結果はどうなるか。政治評論家の浅川博忠氏に序盤戦での政党別獲得議席予測を依頼したところ、自民党が27年ぶりに単独過半数を獲得するという結果が出た。

注目の予測は別表の通りだ。浅川氏は昨年12月と今年2、5月にも、夕刊フジで参院選の議席予測を行っているが、「与党圧勝、野党敗北」という大きな流れに変化はない。


浅川氏は「自民党優位の状況は変わっておらず、与党で過半数どころか、自民党だけで単独過半数を達成しそうだ。東京都の舛添要一前知事の『政治とカネ』『公私混同』問題がマイナスになるとの見方もあったが、辞職で一区切りがついた。自民党は比例代表でも堅調で、60議席を獲得する勢いだ」と語った。

自民党は57議席以上を獲得すれば、非改選の65議席と合わせ、1989年以来の単独過半数を実現する。自民党にとっては、大きな節目となる戦いといっていい。

安倍首相は21日、東京・内幸町の日本記者クラブで開かれた与野党9党首による討論会で、自民、公明両党で改選121議席の過半数である61議席を獲得するとした目標について「低い目標ではない」と強調した。自民党選対も厳しい見方をしているようだが、浅川氏の分析では、やや控えめのようだ。

自民党はなぜ、これほど優位なのか。

浅川氏は「代替案を示さず、批判ばかりしているように見える民進党の低迷に助けられている。民主党政権時代の悪いイメージがまだ国民の間に残っており、国民は安倍政権に安心感を持っている」と語った。



岡田克也代表率いる民進党は、選挙区と比例代表を合わせて、前回2013年の参院選より11議席増の28議席を獲得する。野党第1党の座は死守するとはいえ、非改選を含めた参院勢力は45議席にとどまる。共産党などとの1人区での野党共闘の効果はどうなのか。

浅川氏は「野党が勝利できそうなのは、東北や長野など8選挙区程度ではないか。野党共闘は一定の効果はあるが、現在の情勢を劇的に転換することはできない。1人区はいわゆる『過疎地域』が多く、もともと与党に依存する傾向もある」と指摘した。

岡田氏は勝敗ラインについて明言は避けているが、改憲発議に必要な「参院の改憲勢力3分の2(162議席)阻止」を繰り返している。改憲勢力を、自民党と公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党と考えた場合、浅川氏の予測では、非改選を含めた4党の合計は162議席となる。岡田氏の目標達成は厳しそうだ。

志位和夫委員長の共産党は、比例代表で伸びを見せる。東京や大阪など、複数選挙区での議席獲得も視野に入っており、11議席を獲得する。「『反安倍』の立ち位置がはっきりしている。議席を積み増すのは確実だろう」(浅川氏)

おおさか維新の会は5議席と伸び悩んだ。橋下徹前大阪市長という「希代のスター」が党の表舞台から去った影響は小さくないのか。浅川氏は「選挙区では大阪、兵庫で1議席ずつ獲得しそうだ。ただ、地域政党という印象が強く、全国的な広がりに欠ける」との見方を示した。

果たして、参院選後の永田町はどうなるのか。

浅川氏は「安倍首相の最終目標は憲法改正だ。参院選で勝利した勢いで、徐々に改憲に向けて動き出すだろう。『ポスト安倍』も不在で、2018年9月までの総裁任期が、20年東京五輪まで延長される可能性もある。『自民一強』『安倍一強』のダブル一強が、さらに加速するのではないか」と語っている。

【私の論評】実は、岡田民進党代表こそ安倍政権の真の救世主だ(゚д゚)!

政治評論家の浅川博忠氏

上の記事に掲載されている政治評論家の浅川博忠氏とはどのような人なのか、まずはそれから掲載します。

民間シンクタンク・産業計画会議(松永安左エ門主宰)研究員として、「人造り国造り」研究に従事。

その後、政治評論家として独立、現在に至る。永田町の現場で多数の政治家からナマ取材も多く、その分析と読みには定評がある。特に選挙の際の票読みにはかなり定評があります。最近都知事を辞任した舛添氏についても、知事選のときには、舛添氏有利と分析していました。『政権交代狂騒曲』など、著書も多数出版しています。

■職歴・経歴
1942年9月 東京に生まれる。都立九段高校を経て、1966年 慶應義塾大学商学部卒業。小泉元首相とは同窓だそうです。
1983年7月 (社)時事問題研究所 常務理事を兼任。(~1990年7月)
2001年6月 小泉首相による「首相公選制を考える懇談会」メンバー。(~2002年8月)

【現在の肩書】
東北福祉大学客員教授
作新学院大学客員教授


票読みにはかなり定評がある、浅川氏の分析ですから、かなり自民党が有利なのは間違いないです。安倍首相の掲げる「自民、公明両党で改選議席の過半数(61議席)」という目標は、十分達成可能な情勢です。

それにしても、なぜこのようなことになるかといえば、上の記事で浅川氏は、「浅川氏は「代替案を示さず、批判ばかりしているように見える民進党の低迷に助けられている。民主党政権時代の悪いイメージがまだ国民の間に残っており、国民は安倍政権に安心感を持っている」と語っています。

その意味では、まさに民進党の岡田代表は自公政権の救世主であるともいえます。後世の歴史家は首相官邸が機密費を使って傀儡に仕立てたスパイであると疑うかもしれません。

安倍政権の本当の救世主岡田民進党代表

そもそも、岡田氏が自発的にスパイと同じ動きをしているのか、それとも誰かに操られているのかは、理解不能です。しかし、これだけは言えます。岡田克也氏ある限り、安倍自民党内閣は安泰であると!

安倍内閣は三角大福の時代なら政権即死に至るような致命的な多くの政治的失敗を繰り返してきました。最近では、甘利経済産業大臣辞任は記憶に新しいです。しかし、その機会をことごとく岡田氏は生かせませんでした。

また、アベノミクス批判でも、岡田代表は、8%増税の大失敗を徹底的に追求すれば良かったのに、反対のような、賛成のようなどっちつかずの批判の仕方で、この安倍政権最大の大失敗を全く生かすことができませんでした。また、金融政策は大成功しているにもかかわらず、それを批判し、多くの国民を惑わせました。


そうして、安倍自民党内閣は支持率を向上させ、「一強」状態です。にもかかわらず、護憲派野党結集のための新党で、引き続き不人気の岡田氏が参議院選挙まで代表を務めるというのですから、なんという僥倖なのでしょうか。

もはや、安倍首相に「憲法改正をしてください」と言わんばかりです。よほどの変わり者でない限り、いくら現状の政策に不満があっても、岡田氏との二択ならば迷うことなく安倍自民党を選ぶことでしょう。

そうして、岡田氏は自分で気づいているかどうかはわかりませんが、安倍首相は憲法改正をするなどとははっきり言っていないにもかかわらず、「安倍政権は憲法改正をする」と事あるごとに語っています。これは、まるで国民への「憲法改正」のスポークスマンです。

国民の側としては、岡田スポークスマンが「安倍首相は憲法改正」をすると力強く語っているわけですから、安倍総理が参院選の後に憲法改正をしたしても多くの国民は、「そんなことは知らなかった」ということにはならないわけです。



この勢いだと、参議院選挙では、連立与党の自民党と公明党に加え、おおさか維新の会と日本のこころを足せば、三分の二の議席を超えるかもしれません。実際、上の予測表ではぎりぎりでそうなっています。

岡田克也氏のおかげで、敗戦後初めて憲法改正が現実味を帯びてきたのです。何と素晴らしいことではありませんか。

本当に、素晴らしいチャンスがめぐってきているのです。しかし、そんな時に、強硬論を唱えて、日本国憲法を全面的に改定すべきとか、本丸の9条を変更しろなどと主張すると、憲法改正へとせっかく岡田代表に醸成していただいた苦労が水の泡となるかもしれません。

そんなことは避けたいです。では、憲法改正をどのように実施すべきか以下に掲載します。


《その一》

まずは、七条の誤植は改正する。

七条四  
国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 
国会議員の選挙の施行を公示すること。

天皇の国事行為を列挙した七条の四号には、誤植があります。「国会議員の総選挙」など日本国憲法下では存在しません。今回は夏に衆参同日選挙があるかもしれないといわれいましたが、そうなった時でも参議院の半分は非改選なので、「国会議員の総選挙」ではありません。

この「総」の一文字が誤植なのです。まず憲法改正でこの一文字を削れなくて何ができるでしょうか。そのようなことを言い出すと、また岡田さんには反対することでしょう「安倍首相は、戦争をする気だ」だとまた声高に叫ぶに違いありません。

誤植一文字を削れば戦争になると絶叫する護憲派を見て、まともな日本人がどう思うことでしょうか。岡田さんの絶叫は、護憲派の正体を国民の前に炙り出すことになり、岡田さんがまた安倍首相に大きな味方をすることになります。

《その二》

五十三条の不備を修正する
五十三条

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。 いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。 
     自民党案に変える。
 自民党改憲案五十三条
内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。 いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があったときは、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない。

昨年、野党が日本国憲法五十三条の規定に従って臨時国会の召集を要求したにもかかわらず、政府は外交日程を理由に開催しませんでした。日本国憲法では、日程の制限がないので憲法違反にはならないとの解釈が有権解釈になっています。

これに対し先の国会で、民主党の岡田克也代表が「なぜ臨時国会を開かなかったのだ!憲法を無視するな」と要求しています。しかもご丁寧に「自民党案では二十日以内と謳っているではないか」とまで付け加えていました。


それでは、岡田さんの要求に従い、五十三条改正を訴えればいかがでしょうか。これには、岡田さんは反対のしようもないわけです。

なぜ最初に、七条四号と五十三条を変えるべきなのか。その理由の一つが、変えても誰も困らないし誰も影響を受けないということです。九条にしろ他の条にしても、野党と対立的な条文を変えると、改正どころか改悪になる可能性が大きいです。そもそも、国会の三分の二と国民の過半数の支持を得るのは難しいです。

いきなり対立的な条文を変えようとして、玉砕して二度と変えられないより、明らかな誤植と、野党第一党の代表である岡田氏が与党に不備の改正を要求している条文から入るべきではないかと思います。

とくに、五十三条では、またまた岡田氏が強力な助っ人になることは間違いありません。本当に、岡田さんは安倍政権の力強い助っ人ですから、参院選にたとえ惨敗しても、是非とも代表を続けていただきたいものです。たとえ、代表を辞めたにしても、民進党の幹部であり続け、引き続き安倍政権の強力な助っ人であり続けて欲しいです。

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