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2010年11月16日火曜日

BOOK REVIEW 『これからの思考の教科書』- ビジネススキルとしての思考法を順を追って学べる良書―【私の論評】常に革新的であるために、一つの思考方法に凝り固まるな!!アインシュタインと菅総理大臣から真摯に学ぼう!!


これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~

【私の論評】常に革新的であるために、一つの思考方法に凝り固まるな!!アインシュタインと菅総理大臣から真摯に学ぼう!!
アインシュタインと菅総理
思考法については、前から考えていたことがありますので、本日は上の書評の記事を題材としながら、それについて掲載していこうと思います。ちなみに、私は、上の書籍は読んだことはありません。上の書籍と矛盾するようなことを書いてしまったら、御免なさい。そうして、この書籍は購入して、読んでみようと思います。

皆さん、アイディアが出ないとか、イノベーションができないなどと悩まれることがあるのではないかと思います。そんなときは、思い切って思考方法を変えてみましょう。思考法を変えるといっても、すぐにはできないという方もいらっしゃるかもしれません。確かにそうです。しかし、それに関するツールにに関しては、大昔からいろいろ考えられていて、様々な手法が確立されています。

わざわざ、思考方法そのものを考えなくても、先人がいろいろ考えてくれています。それを活用すれば良いのです。それに、つい最近考案された新しいものもあります。一番良くないことは、一つの思考方法に凝り固まることです!!特に、昔はこうだった、前はこうだったは、今の移り変わりの速い時代には禁句です!!しかし、このような思考方法をするにしても、それなりの前提条件があることを、アインシュタインと、菅総理大臣を例にあげて解説します。

ところで、上の記事の、三種類の思考方法について、簡単にまとめておきます。

ロジカル・シンキング(理論的思考)
物事を広く深く考え、分析し、相手にわかりやすく伝えるために、問題を構造化する思考法のこと。これは、ビジネスの基本です。最低限、この思考法ができない人は、ビジネス・マンとはいえません。特に、新人では、こうした思考法ができない人が多いです。 しかし、こうした思考方法ばかりして、そこから、一歩もはみ出さない人は、発展性がないですし、人間的魅力も感じられませんね。
しかし、まずは、こうした思考法を身につけるべきです。また、ロジカル・シンキングは、より上位の思考法である、水平思考や、統合思考の基礎なるものです。これができない人に、より上の思考をすることはできません。
ラテラル・シンキング(水平的思考)
ある問題に対し、今まで行われてきた理論や枠にとらわれずに、全く異なった角度から新しいアイデアを生もうとする思考法のこと。英国のデボノが1967年ころ唱えた。ロジカル・シンキングだけでは、出てくるアイディアは、確実にできるものではあるものの、どうしても月並みなものになってしまいがちです。 
そんなときに、全く見方を変えて、新たなアィデアを出すのがこの考え方です。会社であれば、部長までのクラスの人は、この考え方ができなければ、今の時代は務まりません。
インテグレーティブ・シンキング(統合的思考)
相克するアイデアや問題事項の対立点を解消することにより、より高次の第三の解答を見つけ出す思考法のこと。さて、理論的思考や、水平思考によって、いろいろなアイディアが浮かんできます。ただし、アイディアがたくさんあるだけでは、実行に移すことはできません。 
それどころか、混乱するだけです。ここで、数多くのアイデアを取捨選択、統合するとともに、実施すべき順番を考える必要があります。また、数多くのアイデアを束ねるだけではなく、一言で言い表したりして、誰にも理解できるようにして、さらに高次元にする必要があります。それが、統合思考です。経営者クラスはここまでできなければなりません。
普段の仕事を継続的に改善していくだけであれば、理論的思考だけで、十分です。しかし、新たな手法を編み出したり、イノベーションを実施するのには、こうした思考法だけでは不十分です。水平的思考が必要になります。

次に、大イノベーションである、ビジネスモデルの変更とか、革新となった場合には、水平的思考だけでは混乱するばかりです。ここで、はじめて統合的思考が必要になります。

さて、このような思考法ですが、実際にどのようなものがあるのか、以下に掲載します。


クリックすると拡大画像でご覧になれます

世の中に流布している、ありとあらゆる、思考法をあげてみました。そうして、それらを、上の思考法のパターンで分類したものです。中には、かなり強引に分類してしまったものもありますが、だいたい大筋ではこのようなものだと思います。細かな内容は、クリックして拡大していただいてご覧になっていただくものとして、上の各クラウドがどの思考法に関するものなのか、説明します。

まず、水色のクラドは、論理的思考法のクラウドで、ピンクは、水平的思考のクラウドです。黄緑色は、統合的思考方法です。そうして、色がついていないくクラウドは、これらの思考タイプにあてはめようにも、当てはまらないものです。

ご覧になっていると、おわかりになると思いますが、まずは、水平的思考方法が一番多いですね。これは、無論世の中で最も必要とされているからでしょう。とにかく、色々な、アイディアを出すには、水平的思考方法が一番ですから。それに、論理的思考は、論理的にさえ考えれば、ツールなどあまり必要ありません。

統合的思考に関しては、世間でいろいろ流布している思考方法のうち最も少なく、このマインドマップではわすがに一つです。私は、最近流行りのピクト図解を唯一の統合的思考としましたが、これには異論のある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ピクト図解はビジネスモデルを思考するのにもってこいの思考です。

統合的思考方法は、最早、ツールに依存するものではなく、会社であれば、その会社の経営者の個性であり、もっといってしまえば、それは技法などという枠を超えたアートなのかもしれません。アートに便利なツールなどありません。どんなに、高価な絵筆や、キャンバスなどを購入したからといって、一流の画家になることはできません。

ビジネスモデルは、いくつも事柄を一つにまとめ上げて統合しなければなりません。ただし、使う目的によって、経営者目線、プロジェクト・マネジャー目線、現場目線で使い分けするものでもあります。ピクト図解は、経営者目線の思考法にも役立つツールです。そのため、敢えて統合的思考のツールの範疇の中に含めました。

上の記事の中の"詰め込み式と思われがちな「知識」と「自由な発想」という2つは真反対にあるように思えるが、発想のためには知識が必要とは興味深い"下りについて若干触れておきます。

ここで、気をつけなければならないのは、知識という言葉です。21世紀に入って以来、知識社会に入ったといわれます。それとともに、知識という言葉の意味も変わりました。一昔前は、知識というと、百科事典や、本の中に書かれている内容、それに今なら、インターネットで検索した結果や、その他の画像や、動画のようなものと思われていました。それこそが知識で、それらを沢山、読んだり、見たりしてきた人間のことを知識人、知識のある人間とみなしています。

だから、昔有名大卒の新卒が現場などに入ってくると、いまだと全く考えられないですが、「知識ばかりあって企画はできるが、仕事ができない」などと揶揄されていました。

現代では、昔言われていた、本に書いてある内容など、知識とはいいません。今では情報という言い方をします。知識は何かといえば、そうした情報を取捨選択、統合して、実際に仕事に適用する能力をいます。

ただし、知識を得るためには、かなり膨大な情報を予め頭の中にインプットしておく必要があります。いまなら、情報化が進んでいますから、情報は昔と比較すれば、かなり容易に、しかも迅速に入るようになっています。しかし、とはいっても、ある程度の情報、特に基本的な情報がある程度頭の中にインプットされていなければ、調べるだけでも、膨大になってしまい、そこから知識を生み出すことはできなくなくなります。

このような真の意味での、知識のない人は、いまでは、仕事ができません。そうして、知識を得るためにこそ、膨大な情報を必要とします。

このことを端的に示しているのが、アインシュタインです。アインシュタインといえば、あの相対性理論で有名です。特にその中でも、「E=MC2」という式は、統合的思考の産物です。わずか、この一行の式の持つ意味はまるで、広大な宇宙のようです。

こうした、アインシュタイン自身が自分の業績について語った言葉が印象的です。「私の理論は、すでに先人がそのほとんどすべてを開拓したものです。私が付け加えたのは最後のほんの1%程度くらいにすぎません」。これは、かなり、謙遜した言葉と受け取られるかもしれません。しかし、真実です。

アインシュタインは、先人が開拓した物理の理論を情報として、徹底的に、頭の中にインプットしたのだと思います。そうして、そこから、様々な知識を生み出し、その過程で、無論、論理的思考と、水平的思考を駆使し、最後の最後で、統合的思考方法を適用して、壮大な理論を「E=MC2」という、単純な公式としてまとめあげたのです。わずか、!%といいながら、その1%は、偉大であり、人類の金字塔となったのです。

もう、何を言いたいかはおわかりでしょう。要するに、情報も知識も、頭の中にある程度蓄積していない人は、どんな思考方法を駆使しても、まともな思考はできないということです。その典型例がありますね。そうです、最近「空き缶」などと揶揄される菅総理です。

彼は、歴史、経済、社会、政治、安全保障等に関する基本的な情報や、知識に欠けています。しかし、本来、会社でいえば、経営者とか、政治家などは、仕事を遂行する上で、膨大な情報や知識などは必要としません。

なぜなら、これらの人々は、本来は、統合的思考が必要なのであって、情報集めや、知識の開発などは、部下にやられば良いことだからです。平たくいえば、自分もアイディアを出しますが、それで不足であれば、部下に論理的思考や、水平的思考をさせて、いろいろアイディアを出させて、それを選ぶだけではなく、自らの統合的思考によって、一段高い次元に高めることが、仕事の本質だからです。

しかし、そうはいってもある程度の情報や、知識など頭になければ、統合的思考など最初から無理です。たとえば、会社の経営者なら、おそらく、ドラッカーの著書などに書かれてあるようなことは、その著書を読む、読まないは別として、情報として、ある程度頭に入っていて、それだけでは駄目で、その情報を仕事に適用できる術としての知識を蓄えていることが必須だと思います。

菅総理が、まともに政治ができないのは、こうした情報や知識が決定的に欠けていることが理由で、本来国政に最も重要な、統合的思考ができないからです。おそらく、野党であれば、理論的思考方法と、水平的思考方法だけでも何とかなったのだと思います。特に水平的思考で、様々な新奇で、革新的に見えるアイディアをたくさんだすだけですんだのだと思います。しかし、国政を実際に司ることになれば、やはり、統合的思考方法が必要不可欠です。

テレビのバラエティー番組に出ている政治家などみて、簡単に政治家の仕事ができるなどと思ったら大間違いです。中には、こういう番組を見て、政治家など簡単にできると思い込む人もいるようですが、そういう人は、統合的思考方法とはどのようなものか、皆目見当もつかない愚かな人と言って良いと思います。

そうして、菅さんをはじめとする、民主党の特に閣僚の面々も、似たようなもので、自民党のやることをみていて、論理的思考と、水平思考だけで、政治主導でも何でも簡単にできるし、自民党はバカだと思っていたに違いありません。しかし、実際には国政には統合的思考が必要不可欠です。無論、自民党がこうした統合的思考に長けていたとはいいません。どちらかといえば、稚拙だったと思います。しかし、民主党の面々は、統合的思考ができないどころか、そういう思考様式があることさえ理解できていないようです。愚かです。


私たちは、上の二人から何を学ぶべきでしょうか?やはり、アインシュタイン考え方をお手本とすべきでしょう。しかし、菅さんからも学べることがあります。それは、無論、反面教師としてです。菅さんは、総理大臣になるべきでもなかったし、するべきでもなかったと思います。というより、もはや、菅さん自身もかわいそうです。それに、このような総理大臣のいる日本国民も・・・・・・・。トホホ(笑)。

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