毎週金曜日の午後に行われている石原都知事の定例会見は、都政の発表・説明だけにとどまらず、石原都知事が延々と知見を語ったり愚痴ったり、時には記者を攻撃しはじめたりすることもあるなど、政治よりもむしろエンタメという意味でちょっとした見ものだったりする。そんな石原都知事の定例会見で、尖閣問題に触れた日の動画が、『YouTube』や『ニコニコ動画』で話題を呼んでいる。
会見で、「なぜ日本のマスコミは“尖閣問題は中国の内政干渉”と書かないのか」と不満を述べた石原都知事に対し、ある記者が質問を投げかけた。
「今回の尖閣問題もそうだが、日本のマスメディアの中国に関する報道は、上辺のこと、一部分しか報道しない。例えば蟻族(※1)とか上訴(※2)とか臓器狩り(※3)とかの問題は取り上げず、中国政府の都合のいいように報道する。それは1960年代に“日中記者交換協定”があって、日本のマスメディアはそれに縛られているんじゃないかと思うが、知事はどう思うか」
訛りのある発音と石原都知事の対応から、中国人とみられるこの女性記者の口から日中記者交換協定の名称が出たことに、ネット住民は驚いた。
『Wikipedia』によると、日中記者交換協定とは
1.日本政府は中国を敵視してはならないこと。を3原則とする、いわば中国共産党から“踏み絵”として日本のマスメディアに突きつけられた覚え書き。もともとメモレベルの取り決めであったことと、その内容があまりにも共産党政府に都合のいいものだったことから、これまではなかば都市伝説や根拠のないネットミームのように思われていたのだが、中国人記者の口から公の場で指摘があったために、「『2ちゃんねる』でよく見かけたコピペが本当だったとは……」と驚いているのだ。
2.米国に追随して「二つの中国」をつくる陰謀を弄しないこと。
3.中日両国関係が正常化の方向に発展するのを妨げないこと。
中国人記者は、「法輪功は“邪教”、ウイグル族のデモは“暴動”と報道するというようなことが結構ある。日本はアジアで一番歴史が長い民主主義国家で経済大国でもあるのに、どうして独裁国家に対してこんな態度を取るのか、不思議です」と述べて質問を終えた。
自身いわく「独裁国家」出身の記者が勇気を出して母国の実情を伝えているのに、報道の自由があるはずの日本のマスメディアは中国政府の顔色をうかがった報道しかできないとは、なんともおかしく情けない話だ。
※1.蟻族:大学を卒業したのに職がなく、同じような境遇の者同士、寄り集まって安アパートなどで生活する若者たちのこと。
※2.上訪:農村地帯の住人が、地元役人の腐敗や生活苦を中央政府に直訴するために北京へやって来ること。共産党大会前には数千人が集まることも。
※3.臓器狩り:刑務所で(共産党政府にとっての)犯罪者から臓器を抜き取り、闇市場へ横流しすること。臓器目当ての人さらいや子どもの人身売買も横行している。中国には世界最大の臓器売買の闇マーケットがあると言われている。
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■著者データ
ガジェ通ウェブライター
ウェブサイト: http://anews.jp/
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【私の論評】日本の大手マスメディアの中国報道は劣化している!!必ず裏取りをせよ!!
このブログでも、日本の大手マスメディアによる、中国報道の異様さは再三にわたって掲載してきました。たとえば、以下の動画のような内容もほとんど報道されません。(この動画かなりグロなので、食事の直前後には、見るのは、避けて下さい)
これは、やはり、上の記事による「日中記者交換協定」による圧力が未だにあるのだと思います。中国中央政府としては、上記の協定に反するようなことを日本のマスメディアが報道すれば、情報提供しないことを徹底しているのだと思います。
これを恐れて、日本メディアは、中国中央政府が都合が悪いと思もうようなことは、自主規制して流さないのだと思います。しかし、こういうことを長い間続けてきた結果、思考力もなくなり、中国中央政府の背後の意図など読み取れなくなっているのです。また、中国が決して一枚岩ではないことを意識してないのだと思います。
結果として、今のマスコミ大手の中国報道は、私達のようなブロガーの掲載する内容よりも、はるかに劣化してきたのだと思います。私達ブロガーは、無論、直接中国の高官や、報道官の話など直接聞ける機会などありません。
しかし、中国の情報など、今のような時代いくらでもあります。日本国内のネットはもとより、中国のネットもありますし、それも、日本語で書かれてあったり、英語のものも多数あります。また、アメリカや、他の国でも、中国報道は多いです。こういったものを調べていくと、かなりのことがわかります。そうしたほうが、少なくとも、思考力は停止しないですみます。
日本の大手マスコミなども、このような協定など完全無視して、独自の取材方針を貫くべきです。中国の正式なチャネルからのニュースソースが遮断されたとしても、頭を使えばいくらでもやりようがあります。
まずは、最近インターネットが発達してきたことから、中国内のニュースなど結構取得するのが簡単になっています。特に、中国では、金盾が情報統制をしますが、その統制もいつも完璧にできるものではありません。だから、削除するのが遅くなったりする場合もあります。そういう記事などストックしておき、時系列での変化を見極め、それらは、なぜ削除されなければならなかったのかを良く考えればおのずと真実に近づくことができます。
それに、中国内のなるべく政府に近い官僚などの複数人と親しくなって(親しくなる方法は書きませんが、こんなの当たり前の真ん中で、いくらでも方法はあります)おき、その人間の立場を理解しておき、複数からの情報を得て、真実に迫っていくという方法もあります。
こんなことを長く続けてきたせいでしょうか、日本の大手マスコミは、政治・経済その他多くの分野にわたってかなり劣化しています。今や、新聞や、テレビで報道されること、それも、重要な事柄に関しては、ほとんど鵜呑みできない状況になっています。
私達は、鵜呑みは慎みましょう。必ず裏を取るくせをつけるべきです。裏取りは、一昔前なら、難しいことで、一部の人しかできませんでしたが、今なら誰もがインターネットで簡単にできます。それに、インターネットの歴史も長くなってきましたので、私をはじめ、多くの人達が、様々な解説したり、キュレーションもあまたあります。この時代に裏取りをしない人は、時代から取り残されるだけです。
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