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2018年7月29日日曜日

【正論8月号】日本のマスコミが報じないトランプ・ロシア疑惑の真実 ~リベラルたちの“国家犯罪” オバマ・クリントン・ゲート―【私の論評】日本メディアのトランプ・安倍報道は最初から色眼鏡でみて疑え(゚д゚)!

【正論8月号】日本のマスコミが報じないトランプ・ロシア疑惑の真実 ~リベラルたちの“国家犯罪” オバマ・クリントン・ゲート


国際政治学者 藤井厳喜


トランプ大統領 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 ※この記事は、月刊「正論8月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

 今、アメリカでとんでもない事が起きている!

 しかし日本のマスコミはこれを一向に報道しようとしない。このアメリカ政治の歴史的大事件のあらすじを本稿では述べてみたいと思う。

 現在のアメリカでは、ウォーターゲート事件を上回る、米国憲政史上最大とも思われるスキャンダルが爆発している。ウォーターゲート事件で時のニクソン大統領は辞任に追い込まれた。しかし、この政治スキャンダルで追及されているのはトランプ大統領ではなく、オバマ前大統領やその政権の関係者、そしてヒラリー・クリントン前大統領候補(元国務長官)などのリベラル勢力なのである。

実体のなかったロシア・ゲート

 日本ではいまだに、所謂「ロシア・ゲート問題」でトランプ政権が揺さぶられていると思っている人が非常に多い。ところが今やロシア・ゲート問題などは全く存在しないことが誰の目にも明らかになっている。2016年の選挙中に所謂「ロシア・ゲート問題」が騒がれ出してから、丸2年経つ。トランプ政権発足後に、モラー特別検察官が任命されてから1年以上経つが、トランプ陣営がロシア側と共謀していた事実は何一つ見つかっていない。モラー特別検察官の捜査は完全な空振りであった。

 実は今年の2月16日に、モラー特別検察官はロシア人13人とロシア企業3社を詐欺・身分盗用・不正送金などの罪で起訴している。ところがこの折に開かれた記者会見で、モラー特別検察官の捜査を監督する立場にあるロッド・ローゼンスタイン(Rod Rosenstein)副司法長官が、「ロシアの違法工作はあったが、それに加担したアメリカ国民は一人もいなかった」と明言しているのである。勿論、このアメリカ国民にはトランプ本人や、トランプ陣営の要人も含まれている。つまり反トランプ色の強い司法省の責任者が、「長い時間をかけて捜査をしましたが、所謂トランプ陣営のロシア・ゲート事件は存在しませんでした」と明言したに等しいのだ。こういった単純明快な事実関係すら報道されていないのが日本のメディアの実情である。

モラー特別検察官

 それでいまだに筆者自身、時々、講演会などで「ロシア・ゲートでトランプ政権はもつのですか?」というような質問を受けることが多いのである。「ロシア・ゲートなど全く存在しません」と回答すると、質問者はあっけにとられている。そこで言葉を足して「安倍首相のモリカケ問題と一緒で、反対勢力は騒いでいますが、全く実体は存在しなかったのです」と言うと、どうやらみんな納得してくれるようである。

反トランプ・クーデターを仕掛けた「ディープ・ステイト」

 一連の流れを現在の時点から総括してみると、以下のようなことが分かってきている。

 先ず、恐らくオバマ大統領を含むオバマ政権の要人、そして司法省を中心とするリベラル派の官僚達は2016年の大統領選挙でトランプに脅威を感じていた。何としてもトランプ当選を阻み、ヒラリー・クリントン候補を当選させるのが、彼らの共通の使命感となった。ヒラリーを当選させる為には、2016年の6月には既に大問題になっていた所謂「e-mail問題」を隠蔽しなければならない。これはヒラリー・クリントンがオバマ政権第1期で国務長官を務めていた時に、国務省の機密扱いのメールまで個人サーバで扱っていたという明らかな法律違反問題である。実は法律の規定通りに判断すれば、機密情報を私用サーバで扱っていたというだけで重罪に値するのである。ところが、時のロレッタ・リンチ司法長官とコミーFBI長官は、明らかにヒラリーを政治的に支持する立場から、彼女を起訴せずに、事実上、“無罪放免”してしまったのである。これが第1のオバマ政権の大きな罪である。

機密情報を私用サーバで扱っていたヒラリー・クリントン氏

 そして第2の罪は、当選に向かってばく進していたトランプ候補の足を引っ張ったことである。その謀略として用いられたのがロシア・ゲートという仕掛けであり罠であった。あたかもトランプ陣営とロシア政府が関係があるかのような噂を流し、それによってトランプ候補にダメージを与え、当選を阻もうとしたのである。それをヒラリー・クリントン陣営や民主党が行なっただけではなく、司法省とFBIも行なったというところが最大の問題点である。つまり特定の候補の当選を阻む為に、本来、厳正に中立でなければならない連邦政府、特に司法省やFBIが、選挙に直接介入してしまったのである。現在では、違法なプロセスにより許可を得て、トランプ陣営を情報監視していた事実や、FBIが直接トランプ陣営にスパイを送り込んでいた事実まで明らかになっている。

 オバマ政権は、自らと同じ民主党のヒラリー・クリントン候補を当選させる為に、公的権力を利用して、大統領選挙戦そのものに直接、干渉していたのである。これは、オバマ大統領自身の指示によるもので、それにロレッタ・リンチ司法長官やコミーFBI長官が従ったものではないのか。であるとすれば、それは大統領の犯罪そのものであり、ウォーターゲート事件などをはるかに上回るアメリカ憲政史上最悪の政治スキャンダルの1つである。

 大統領が自分の仲間を選挙で当選させる為に、司法省やFBIという政府機関を使ったというのであれば、法の支配も民主政治もあったものではない。まるで発展途上国の独裁政治と少しも変わらないではないか。実際、この事件の実態が明らかになるにつれ、アメリカの愛国者たちは「アメリカもバナナ共和国になってしまった」と嘆いている。「バナナ共和国」とは、法の支配もデモクラシーも存在しないラテンアメリカの独裁国を皮肉ったアメリカの俗語である。アメリカももう、バナナ共和国を笑ってはいられないわけだ。

 ここで「ディープ・ステイト(Deep State:深層国家)」という言葉が登場してくる。これは、トランプ政権を支持している保守派の人達が好んで使う言葉である。ディープ・ステイトとは、謂わば、国家の中の国家とでもいうべき存在で、この場合は、連邦政府内におけるリベラル派官僚やリベラル政治家の暗黙の組織であり、常にリベラルな国家解体的な政策を推進し、保守的な政策の実行に抵抗している。連邦政府内では司法省や環境省や国務省内で彼らの影響力は著しく、またFBI、CIA、NSAなどの情報機関の中心部にも彼らは浸透している。ディープ・ステイトはトランプ候補の当選を阻むために、積極的に抵抗と妨害を続け、トランプ当選後は彼を弾劾や辞職に追い込むべく活動している。ディープ・ステイト派官僚が行なう情報リークと大手マスコミが一体となってアメリカ社会にアンチ・トランプ・ムードを蔓延させているのである。

 ディープ・ステイト派官僚のいう「リベラルな政策」とは、民主国家アメリカを解体させるような政策である。彼らは移民法の厳格な執行や、社会福祉詐欺の取締りを妨害し、環境条例の規制緩和に反対している。コミー前FBI長官やモラー特別検察官やローゼンスタイン副司法長官などはディープ・ステイトのこの目に見える氷山の一角に過ぎないのだ。


 ディープ・ステイトというような具体的な抵抗組織があるかどうかはともかくとして、事実上、連邦政府内のリベラル派官僚はトランプの当選を阻む為に、そして当選後はトランプを辞職に追い込むべく、様々な謀略を巡らしてきたのは否定の出来ない事実である。

リベラルメディアの堕落

 ウォーターゲート事件では、ニューヨークタイムズを始めとする大手リベラル派マスコミはこれを「権力の犯罪」として鋭く糾弾した。ニクソン大統領はこれに抵抗できず、大統領弾劾を待たずに辞職する道を選んだ。しかし現在、オバマ政権による選挙干渉と権力犯罪が明らかになったにも関わらず、リベラル派マスコミは一向に声を挙げようとしない。現在のアメリカでは、デモクラシーの基礎を成す法治主義、言い換えれば「法の支配」そのものが危機に瀕しているのである。時の政権が、自らのお仲間(クローニー)を当選させる為に、政府機関を使って策謀することが許されるならば、法の支配は最早、ないも同然である。そしてこのデモクラシーを危機に陥れる権力犯罪の責任が厳しく糾弾されなければならない。追求の矛先は当然、オバマ前大統領自身にも向かうことになるだろう。にも関わらず、リベラル派マスコミは、このデモクラシーの根幹を揺るがす権力犯罪に対して、沈黙を保つのみである。それだけではなく、有りもしないロシア・ゲート事件をいまだに騒ぎ立てている。保守派の権力犯罪は許せないが、リベラル派の権力犯罪なら許すとでもいうのだろうか。それではそもそも法の下の平等も、そして法治主義そのものも否定することになるのだ。アメリカのリベラル派メディアの堕落はここまで来ている。

「ヌーネス・メモ」が暴いた 恐るべき権力犯罪

 米下院情報委員会のデビン・ヌーネス委員長(Devin Nunes:共和党・カリフォルニア)は2018年1月18日に委員会として、FBIや司法省の不正行為を調査した結果を1つのメモにまとめた。これは、下院情報委員会のメンバーが司法省やFBIの内部機密文書を査読し、その調査結果をまとめたものである。

米下院情報委員会のデビン・ヌーネス委員長

 文書自体は機密扱いされているため、査読した下院情報委員会のメンバーも、その内容について公にすることが出来ずにいたが、ヌーネス委員長が調査内容に基づいてメモを作成したのである。このメモ自体も当初は、機密扱いであったが、これをトランプ大統領が2月2日に機密解除することによって一般に公開された。ヌーネス委員長は、デモクラシーと法の支配を守るために、FBIや司法省の違法行為を鋭く追及する立場である。

 ヌーネス・メモの本文は、たった3ページと3分の1ほどの簡潔なものであるが、その意味するところは重大である。以下、ヌーネス・メモの要点を紹介しよう。

 ●2016年の米大統領選挙の際にFBIがトランプ陣営を情報監視していた。

 ●直接の情報監視の対象となったのは、トランプ大統領候補の外交問題アドバイザーであったカーター・ペイジ(Carter Page)氏である。

 ●当然、FBIと司法省は、何故、カーター・ペイジ氏とトランプ陣営を情報監視しなければならないかの理由を外国情報監視裁判所(FISC)に申請しなければならない。その申請理由が説得力のあるものであれば、FISCは情報監視許可を出すことになる。

 ●ところが、FBIと司法省が提出した「証拠」は、実は「スティール・レポート」と呼ばれているものであった。この「スティール・レポート」はイギリスの対外諜報機関MI6の元ロシア課に所属していたクリストファー・スティール氏が執筆したものであった。ところがスティール氏をカネで雇い、トランプ候補を中傷するレポートを書かせていたのは、ヒラリー・クリントン陣営と米民主党全国委員会なのであった。(初期にクリストファー・スティール氏に反トランプのレポートを依頼したのは、共和党大統領予備選におけるトランプのライバル候補であったと言われている。)

クリストファー・スティール氏

 ●司法省とFBIは、誰が「スティール・レポート」を書かせたかという、その出所を隠蔽したまま「スティール・レポート」の内容を客観的な証拠と見せかけて、FISCの裁判官達を騙して、トランプ陣営の盗聴・情報監視許可を入手していたのであった。

 ●「スティール・レポート」の内容は、全くのガセネタであり、トランプ陣営とロシア側が共謀しているという全く根拠のない偽情報であった。

 「ヌーネス・メモ」を詳しく読んでいくと、次のような事実も分かる。

 ●司法省とFBIが、上記の外国情報監視裁判所に出した申請書を見ると、2016年9月23日にYahoo!ニュースが報じた情報が引用されている。これはトランプ陣営とロシア側の共謀を主張するものであった。著者はマイケル・イシコフで、カーター・ペイジ氏が2016年7月にモスクワを訪問したことを取り上げている。このニュースが謂わば、傍証であるということで、外国情報監視裁判所に提出されたのであるが、このYahoo!ニュースの情報源になっていたのがクリストファー・スティール氏自身なのであった。だからYahoo!ニュース自身は傍証にもならず、情報源は同じクリストファー・スティールだということが確認された。

 ●実はクリストファー・スティール自身が、2016年9月に他のメディアともコンタクトしていた事実が明らかになっている。スティールは、FBIの情報提供者として認知されていたが、そういった人物はマスコミとコンタクトし、情報を提供することは禁止されている。スティール自身は10月30日に、情報提供者不適格ということで排除された。

 ●スティールは情報提供者として排除される前も排除された後も、司法省次官補のブルース・オア(Bruce Ohr)とコンタクトを続けていた。スティールは2016年9月の時点でオア次官補に対して、トランプに対する極端な嫌悪感を伝え、「トランプの大統領当選を何としても阻まなければならない」と語っている。

 ●しかもこのオア氏の夫人は、フュージョンGPS社の職員であった。フュージョンGPS社はヒラリー・クリントン陣営とクリストファー・スティールを繋いだ仲介機関である。フュージョンGPS社がスティールを直接雇い「スティール・レポート」を書かせた。ヒラリー・クリントン陣営と米民主党全国委員会は、弁護士事務所を通じて、フュージョンGPS社に代価を支払い、その資金がスティールに渡されていた。

 単純化していうならば、ヒラリー・クリントン陣営とFBI幹部が、トランプ追い落としの為に共謀して、違法なトランプ陣営の情報監視を行なっていたのである。これを実証した動かぬ証拠が「ヌーネス・メモ」なのである。

 尚、これに反論する為に、下院情報委員会の民主党委員が、2018年2月24日にメモを公開した。執筆したのは、アダム・シフ下院議員である。これは10ページのメモであり、表面上はヌーネス・メモに反論するものである。しかし、2月25日のウォール・ストリート・ジャーナルによれば、このシフ・メモは詳細に読めば、ヌーネス・メモを裏付けるものでしかない。つまり「スティール・レポート」こそがFBIがトランプ陣営を情報監視する主要な証拠として提出されており、しかもそのスティール・レポートを誰が書かせたかは隠蔽されていたのである。シフ・メモはこの2つの事実を覆すものではない。

副司法長官自身が否定した ロシア・ゲートの存在

 所謂「ロシア・ゲート」でロシア人13人とロシア企業3社を起訴したのを受け、ローゼンスタイン副司法長官が2月16日に行った発表の中で、重要なのは次の様な事実である。

 ●複数のロシア人やロシア企業が2016年のアメリカ大統領選挙に影響を与えようとしたのは事実。

 ●しかし、これらロシア人の犯罪行為に、実情を知りながら加わったアメリカ国民は一人もいなかった。

 ●又、ロシアのこの違法工作によって、アメリカ大統領選挙の結果が変えられることもなかった。

 ●更に、プーチン大統領やロシア政府がこういった政治工作にかかわった証拠は何一つ発見されていない。

 中でも最も重要なのは、「実情を知りながらロシアの情報工作に参加したアメリカ人はいなかった」という点であろう。記者会見でも副長官はこの点を強調していた。この言葉をそのままに受け取れば、当然「ロシア側とトランプ陣営が共謀した選挙活動はなかった」という結論になる。というか、それ以外の結論を下すことは不可能である。

 モラー特別検察官の任務は「トランプ陣営がロシア政府と共謀して、大統領選挙の結果を歪めたのではないか」という疑惑の捜査だが、「そういった事実はなかった」ということが起訴を通じて明らかになったのである。「ロシア・ゲート」なるものが全く存在しないことを、モラー特別検察官とローゼンスタイン副長官が証明してみせたのだから、皮肉な結果である。ちなみにローゼンスタイン副長官は、コミーFBI長官などと共に、トランプの大統領選当選を妨害しようとした司法省高官の一人であり、モラー特別検察官と共謀していると批判されている。要するに、「ロシア・ゲート」は最早、完全に終わったのである。

 勿論、今後、別の事実が発見され、新たなる人物が起訴されるという天文学的な可能性は存在する。しかし、それ以上の可能性を議論することは神学論争になってしまうだろう。

反撃に出たトランプ陣営

 ロシア・ゲートが存在しないことは明らかになっても、モラー特別検察官などはトランプ大統領の個人弁護士マイケル・コーヘン氏に嫌がらせ的な捜査をして、トランプへの抵抗を続けている。しかし最早、勝負あったというべきだろう。

 トランプ陣営は反転攻勢に出ている。2018年5月21日、トランプ大統領は、自らの陣営が2016年の大統領選挙で、FBIによって、政治目的のために情報監視されていたかどうか調査するよう司法省に正式に命じた。焦点は、オバマ政権関係者がそのような要請をFBIに行なったかどうかである。状況を考えれば、オバマ大統領自身がトランプ陣営へのスパイ行為を命じた可能性が疑われる。もしセッションズ司法長官やローゼンスタイン副長官が大統領命令に従わなかったら、トランプは彼らを更迭する事が出来る。

 6月14日、司法省のマイケル・ホロウィッツ監察官はヒラリー・クリントンのメール問題で、報告書を提出した。報告書でコミーFBI長官やリンチ司法長官の判断ミスを指摘したが、違法行為はなかったと結論づけたのだが、早速、翌15日、トランプは「ホロウィッツ監察官の捜査は完全に偏っており、結論は間違っている」と批判した。監察官自身は司法省の役人であり、司法省やFBIを弁護する立場に終始している。

 それにしても、ウォーターゲート事件を上回るこれだけの大事件を一切、報道しない日本のマスコミとは一体何なのだろうか?

■ふじい・げんき 昭和27年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。米クレアモント大学大学院を経て、ハーバード大学大学院博士課程修了。著書に『日米対等』(祥伝社)

【私の論評】日本メディアのトランプ・安倍報道は最初から色眼鏡でみて疑え(゚д゚)!

オバマ・クリントンゲート事件に関して、これほどまとめて報道されたのはブログ冒頭の記事以外においては、日本おいては皆無だと思います。そのため、今回はこの記事を掲載させていただくことにしました。

ブログ冒頭の記事の内容に関しては、このブログでも過去に掲載したきたものも多いです。ただし、このブログでの紹介は、断片的なものを何度も掲載してきたため、上の記事のようにまとまったものではありませんでした。

それにしても、私自身はブログで何度かこの件について事実を調べつつ掲載してきたので、ロシア・ゲートなる疑惑は、虚構に過ぎないということはしっかりと把握していましたが、そうではない人も大勢いるということを改めて知り、驚いています。

ヒラリー・クリントン陣営とFBI幹部が、トランプ追い落としの為に共謀して、違法なトランプ陣営の情報監視を行なっていたのは、昨年の暮あたりには明らかになっていました。これを実証した動かぬ証拠が「ヌーネス・メモ」なのです。

最近は、ロシア・ゲートについてはほとんどテレビで報道しなくなったので、この件については日本のマスコミもロジア・ゲート疑惑は虚構に過ぎないことを理解してのことかとも思っていたのですが、そうではないようです。

私自身は、ニュースの入手先は、テレビや新聞ではなく、ネットによるものがほとんどあり、米国に関することは、保守系も含む米国のサイトも直接見ているので、やはり日本国内の一般の人とは感覚が少し違うということに改めて思い知らされました。

まさに、藤井厳喜氏が語るように、「安倍首相のモリカケ問題と一緒で、反対勢力は騒いでいますが、全く実体は存在しなかったのです」であり、そのことがほとんど日本国内では報道されていないのです。これについては、つい最近もこのブログに掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
米ロ会談が酷評でも支持率上昇のトランプ―【私の論評】日米マスコミの報道は鵜呑みにできない、特に総理と大統領関連の報道はそうだ(゚д゚)!
ベルギーの首都ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、
北大西洋理事会の会合の会場に到着したドナルド・トランプ米大統領(2018年7月11日)

 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分のみ以下に引用します。
そもそも、このブログでも過去に何度か述べているように、米国のマスコミはリベラル派が牛耳っています。新聞はすべてが、リベラル派です。テレビ局では唯一フォックスTVだけが、保守派で他はリベラルです。 
報道する時の視点はすべてリベラル派の視点からによるものです。米国のマスコミの報道だけを見ていると、それは米国の半分だけみていることになり、もう半分の保守派についてはスルーすることになります。 
それは、日本の安倍総理の報道も、産経新聞などを見ることなく、朝日新聞やテレビ報道を真に受けていれば、とんでもないことになると同じことです。 
日米双方とも、マスコミの大部分は偏向しているとみなすべきです。そもそも、両方ともトランプ大統領の登場を予測できませんでした。そんなマスコミを単純に信じ込むことはできません。
ニューズウィーク日本版は、今年の3月5日以下のような記事を掲載していました。
トランプ、習近平を「終身国家主席」と賞賛 「米国でもいつか試したい」
トランプ米大統領は3日、中国共産党が国家主席の任期撤廃案を明らかにしたことに関し、無期限で任期を務められることになるとして習近平国家主席を称賛した。CNNが報じた。 
撤廃されれば、習氏は2023年以降も続投できることになる。 
CNNによると、フロリダ州での非公式な資金集めイベントでトランプ大統領は「習氏はいまや終身大統領、終身大統領だ。そして、習氏は偉大だ」と発言。「そして、習氏にはそれが可能だった。素晴らしいことだ。われわれもいつか試してみなくてはならないだろう」と述べ、支援者から拍手を浴びたもようだ。 
トランプ大統領が米大統領の任期延長について発言したものか、冗談だったのかは不明。ホワイトハウスからのコメントは得られていない。 
民主党下院議員のロー・カンナ氏はツイッターで「これが冗談だったのかどうかにかかわらず、習氏のように終身大統領(国家主席)となることに言及するのは、米国の大統領が明らかにした心情として最も米国的らしくないものだ」と述べた。 
米国の大統領は、ルーズベルト大統領が1932年以降4回選出された以外は、慣例的に2期(1期は4年)が最長となっていた。1951年の憲法改正後、任期は最長2期と定められた。
このCNNの報道は日本版ニューズウィークばかりではなく多くのメディアが引用していました。

トランプ大統領は、習の「終身国家主席」は、「すばらしい!」といっています。ところがその一方で、対中強硬派を政権につけ、貿易戦争を大々的に開始しました。トランプ大統領の行動を見れば『主席任期撤廃』を期に反中に旋回しています。トランプ氏の本心はどちらなのでしょうか。

その本心に近づくには、10年前のトランプ氏の著書が役立つかもしれません。

トランプ大統領は、ビジネス本の分野でのベストセラー作家でした。10年前に出版されたロバート・キヨサキとの共著『あなたに金持ちになってほしい』を読むとトランプ氏がビジネスの世界で「自分を表現する」ことに特別の価値観を認めている人物であることがわかります。


私も耳にしたことがあるが、従業員なのに「まるで会社が自分のものであるかのような働きぶりだ」と評判の立つ人がいる。自分が会社のオーナーであるかのように、その成功を唯一の目的に一途に働く人たちだ。自分のビジネスを持ちたいと思ったら、一つの目的に向かって献身することが必要だ。例えば、ビジネスオーナーには労働時間に制限はない。何日も休まずに働くことさえある。それに、最終的な責任はすべてオーナーにかかってくる。 
私はそういう責任を負うのが好きだ。自信が湧いてくるからだ。疲れるどころか、エネルギーを与えてくれる。そういうプレッシャーを楽しめないという人もいるが、そういう人は従業員のままでいた方がいい。 
もちろん、自分のビジネスを持つことには、誰の目にも明らかなご褒美がついてくる。それは説明するまでもないだろう。一度自分のビジネスを持つと、他人のために働く生活に戻るのはむずかしくなる。どう考えてみても、この二つの世界は違う。 
だからこそ、自分の船の船長であり続けるために、あれほど一生懸命に働こうという気にもなるのだ。自分のビジネスを持てば、あなたは毎日自分に向かってこんなふうに言うことができる。「すべては私から始まる―今、ここで、今日!」これは実にすばらしい気分だ。 
自分のビジネスを持つのは木を育てるようなものだ。ビジネスも季節の変化や嵐を乗り越え、美しい夏の日や冬の猛吹雪を経験して生きる生命体だ。それは成長を続けるものであり、文字通り自分自身を表現するものでもある。私が、自分のやることの品質管理に細心の注意を払っている理由の一つがここにある。 
自分を表現するものが何かあったら、自分の知るかぎり、あるいは達成できるかぎりそれを最良のものにしておきたい。そうすれば、自分に対するハードルをどんどん高くすることができるし、決して退屈しなくてすむ。そのことは保証してもいい。
トランプ氏にとって勤勉はとても重要な価値なのです。ビジネスの目的は、金を稼ぐことではなく、「木を育てる」ようなものなのです。金はその結果としてついてくるのです。これは典型的なピューリタニズムの原理です。3度の結婚、派手な女性関係、贅沢な生活などは、トランプの上っ面で、本質はとても真面目で仕事を通じて社会に貢献したいという信念を持っている人物なのです。

さらにトランプ氏は、自由という価値を重視しています。
会社勤めをしていて退屈な仕事があったとしても、会社をやめる以外にできることはほとんどない。でも、自分のビジネスならば自分でコントロールすることができるし、それはより多くの自由があることを意味する。「自由」というのはなかなか興味深い言葉だ。 
なぜなら、自由にはふつう代価が伴うからだ。ビジネスオーナーのほとんどは従業員よりも何時間も多く働いているが、他人のために働く方がましだと言う起業家に私はお目にかかったことがない! ただの一度も……。 
「自分を表現する」という話は、特に芸術や文学に関して、みんなどこかで聞いたことがあるだろう。ビジネスでも自己表現が可能だ。私はビジネスも一つの芸術だと思っている。鍛錬、技術、忍耐力など、ビジネスと芸術には多くの共通点がある。表現の自由もその一つで、それこそが、ビジネスオーナーであることが特にすばらしい理由だ。 
自分がやりたいことについてビジョンが湧けば、私はそれに取り組み、実現させる。もちろん、土地の用途規制などその地域の規則には従わなければいけないが、アイディアやそれを実現するためのパワーは私の中にあって、誰にも邪魔されることはない。こういうのはすごく気分がいい! 
人がインスピレーションを受けるのには、何らかの理由がある。インスピレーションはやる気を起こす源だ。インスピレーションが湧き上がっても、それに注意を向けないでいると、人は欲求不満に陥る。インスピレーションを持っていて、それをもとに勤勉に、集中してやり続けることができる人には、自分のビジネスを持つことを考えてみるように勧める。 
ほかのことをやるより大きな見返りがあるし、「自分でまいた種を自分で刈り取る」という古いことわざはここにも当てはまり、きっと大きな収穫を得ることになるだろう。これは考えてみるだけの価値がある。
インスピレーションに基づいて、「自分に対するハードルをどんどん高く」しているうちに、トランプ氏は、アメリカ合衆国大統領になってしまったのです。

第三者的に冷静に観察すると、トランプ氏の主張は、国内的には米国人に勤勉さを取り戻すことを訴えています。そして、勤勉さに相当する報酬が得られるシステムを構築しようとしています。外交面では、米国にとって、直接的な利害関係のない問題には関与しないという非介入主義です。

しかし、直接的な利害関係のある問題には関与するということです。勤勉であり、自由を愛するトランプ氏は、中国の価値観とは真っ向から対立することになります。

そもそも、中国は民主化されておらず、政治と経済も分離されておらず、法治国家化すらされていません。典型的なピューリタニズムの原理に基づき行動する典型的な米国の保守層に属するトランプ氏はもともと、中国とは価値観を共有することはできません。

トランプ氏にとっては、ピューリタニズム的な勤勉が報われるような社会にしたいとこですが、それを邪魔するのが、中国なのです。中国による、知的財産権の侵害はもとより、中国にの現体制化における米国との貿易は、そもそも米国の勤労者にとって不利益をもたらすものであるというのが、トランプ大統領の考えです。

 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ヴェーバー著、
大塚 久雄訳、岩波文庫)の中の挿入画 ピューリタニズム的な勤勉の原点が掲載されている

そうして、トランプ氏の典型的なピューリタニズムの原理に基づく行動こそが本来米国の富を築いてきたのですが、この原理にもとづく行動は、現代の米国のリベラル派からすれば、過去に戻るというだけであって、せっかく長年かけてリベラルが気づいてきた社会に逆行するものでしかないわけです。

ただし、米国ではリベラル派がマスコミはもとより、政治や学問の世界、ありとあらゆるところで、主流派となったので、本来米国の人口の半分近くを占めるはずのビューリタニズム的な勤勉をバックボーンとする保守層の考えはごく最近まですっかりかき消されてきたといのが現実でした。

半分の人々の考えを無視するというのは、とても民主的なやり方ではありません。かといつて、保守が主流となってしまうというのも、民主的ではないです。保守とリベラルがどこまで、価値観を共有できるかが鍵です。

トランプ政権下では、米国が外交面で内政面でも本格的にチェンジ(変化)する可能性が大です。

以上のようなことを日本のマスコミは全く無視しています。日本のメディアによるトランプ大統領報道、安倍総理報道は最初から色眼鏡でみて疑うくらいが丁度良いです。

2018年1月5日金曜日

【アジアを先導する日本】中国の領土侵略の脅威説き世界の主役に躍り出た安倍政権 自国の外交論文を取り上げないメディアの異常―【私の論評】安全保障論議から自ら退場した日本のマスコミ(゚д゚)!


安全保障でも連携を強める(左から)安倍首相とトランプ米大統領、ターブル豪首相
新幹線車両「E5系」の前で握手する安倍晋三首相とインドのモディ首相
 第二次安倍政権が発足して、昨年12月26日で丸5年になった。一部メディアは、アベノミクスについて「実感がない」などと批判的に伝えるが、客観的データは以下の通りだ。

 日経平均株価は、2012年12月の政権発足時1万230円36銭だったが、5年後の同日は2万2892円69銭と、2倍以上も上昇した。

 名目GDP(国内総生産)も、12年10~12月期の493兆円から、17年7~9月期の549兆円に増加。有効求人倍率は0・83倍(12年12月)から、1・55倍(17年10月)に。消費者物価指数も、マイナス0・2%(12年12月)から、0・8%(17年10月)に増えた。

 景気回復に成功したのは間違いない。

 さらに私は、安倍政権の外交戦略にも注目していた。

 安倍晋三首相が政権発足翌日、チェコにある言論プラットホーム「プロジェクト・シンジケート」に、英語で「アジアの民主的安全保障ダイヤモンド(セキュリティーダイヤモンド)構想」という論文を発表したからだ。

 不思議なことに、この論文は発表直後、産経新聞と東京新聞が取り上げたぐらいだった。自国の外交安保方針に関わる首相の論文を、メディアが取り上げないのは異常だ。政権発足直後から、安倍首相は偏向報道とフェイク・ニュースに攻撃されていたのではないか。

注目の論文は、冷戦時代、オホーツク海が「ソ連の内海」と言われたのに対比させて、《南シナ海がいま「北京の湖」になっているかのように見える》と、中国による領土侵略の脅威を説いている。

 そのうえで、《日本と米国ハワイ、オーストラリア、インドによって、インド地域から南太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成する国々》は、成熟した海洋民主国家として、法によって支配される平和的エリアを形成すべきだ-と、世界に訴えているのだ。

 この5年間、安倍首相はこの通りの外交を着々と進めてきた。わが国の歴史上、こんな宰相が存在しただろうか?

 在米台湾人の若き女性研究者、エミリー・チェン氏(米フーバー研究所フェロー)が16年2月、米外交専門誌『ナショナル・インタレスト』に「台湾海峡の次の主役は日本か?」という論文を発表したとき、私が少しも驚くことはなかった理由がそこにある。

 ■西村幸祐(にしむら・こうゆう) ジャーナリスト。1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部中退。在学中、「三田文学」の編集を担当し、80年代後半から、作家、ジャーナリストとして活動。2002年日韓サッカーW杯取材後、拉致問題や歴史問題などにも、取材・執筆分野を広げる。アジア自由民主連帯協議会副会長。著書に『21世紀の「脱亜論」 中国・韓国との訣別』(祥伝社新書)、『報道しない自由』(イースト・プレス)など。

【私の論評】安全保障論議から自ら退場した日本のマスコミ(゚д゚)!

冒頭の記事に掲載されている「アジアの民主的安全保障ダイヤモンド(セキュリティーダイヤモンド)構想」については、このブログでもことあるごとに掲載してきました。そうして確かに、安倍総理は過去5年間この構想に基づき行動してきしまた。

しかし、上の記事にもあるように、この構想を報道したのは、産経新聞と東京新聞くらいで、他の新聞はもとより、テレビ局なども全く報道していません。

このような重要な構想を報道しない報道機関は全く異常です。そのことに関して掲載したこのブログの記事のリンク以下に掲載します。
安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」、対中抑止へ完成間近-【私の論評】鳩山の構想は報道しても、安部総理の構想は一切報道しない日本のマスコミの存在意義を問う(゚д゚)!
安倍晋三首相とインドのモディ首相
この記事は、2014年5月2日のものです。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この時もマスコミは安倍総理のこの構想を完璧に無視していました。この記事には、この構想の日本語訳も掲載しました。まだ読まれていない方は是非ご覧になって下さい。

安倍総理はこの構想通りに動き、今日に至っています。その結果上の記事にも掲載されていように米国、オーストラリア、インドにおよばずASEAN諸国とも良い関係を構築しています。

そうして、米国のトランプ大統領は外交経験も乏しいことから、外交面で安倍首相に頼るところが多くなってきています。

トランプ大統領は、大統領選挙選の頃から中国に対峙すると語っていましたが、中国は、米国が主導する国際秩序への最大の挑戦者であるという内容で、昨年12月18日「国家安全保障戦略」を発表しました。これによって、トランプ大統領は長期的には中国の膨張を抑える対決の道を選ぶという姿勢を明確にしました。

これには、当然のことながら安倍首相の構想が大きな影響を与えているものと考えられます。

さて、これで日米両首脳により、両国は中国の膨張を抑える対決の道を選ぶという姿勢を明確にしたことになります。

2016年国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は、中国が南シナ海に設定した独自の境界線「九段線」には国際法上の法的根拠がないと認定しました。同裁判所はこのほか、「南沙諸島には排他的経済水域(EEZ)を設けられる国連海洋法条約上の『島』はなく、中国はEEZを主張できない」「中国がスカボロー礁でフィリピン漁民を締め出したのは国際法違反」「ミスチーフ礁とセカンドトーマス礁はフィリピンのEEZ内にある」などと認定。中国の主張をほとんど退け、中国の国際的孤立を浮き彫りにしましました。

案の定、中国は逆上し(たふりをし)、「違法茶番劇」(中国メディア)、「紙くず(注――裁判所の判決)に外交努力が邪魔されるべきではない」(駐米大使)と批判して、領有権問題は当事者間の対話で解決されるべきだと、中国政府の従来の主張を繰り返しました。
中国は二国間対話を進めれば、孤立しないと思い込んでいるようです。

しかし、「これは中国の錯誤である」――。米国の世界的な戦略家であるエドワード・ルトワック氏は「中国4.0――暴発する中華帝国」(文春新書)の中で、中国の動きを予測するかのように書いています。

(ベトナムのような)小国は圧倒的なパワーを持つ中国と二国間交渉をするはずはなく、他国の支援、同盟によって対抗しようとします。ベトナムより大きい日本でも同様です。
中国が大きくなればなるほど、それに対抗しようとする同盟も大きくなるのだ。……中国が日本に対して圧力をかけようとすると、アメリカが助けに来るし、べトナム、フィリピン、それにインドネシアなども次々と日本の支持にまわり、この流れの帰結として、中国は最初の時点よりも弱い立場追い込まれる。これが(中国の錯誤の)核心である
安倍首相の活発な海外歴訪が示すように、昨今の動きはそうなってきています。その分、国際法を無視する中国の孤立化が進んでいます。オランダの仲裁裁判所の判決はその決定打というべきものなのですが、中国はそれに気付いていないのです。あるいは気付いていても対応を変えられないのです。

ルトワック氏の「チャイナ4.0」とは、かつて国民党軍の高官が酔っ払って書いた「九段戦」という馬鹿げた地図を放棄し、アメリカの警戒感を解消するために空母の建設を放棄することにあります。
(このチャイナ4.0は)今の中国にとって究極の最適な戦略だが、現在の中国にはおそらく実行不可能(だ)
1つは今の中国は内向きで海外の正確な情報が習近平にまで届かず、極めて不安定だからです。また、外国を理解できず、「自分たちこそ世界一、後の国は我々の家来だ」という昔ながら「冊封体制」のメンタリティが外国への理解を阻んでしまいます。2000年代半ば以降の経済大国化(の幻想、過信)が「冊封」メンタリティをいやまし高め、それが大きな弊害となっているのです。
今1つは習近平がチャイナ4.0を思いついたとしても、彼は人民解放軍に殺されるかもしれないし、人員解放軍がわざと対外危機を起こすかも知れない
世界の大国にのし上がりながら、北朝鮮とそれほど変わらない独裁国家の不安定性が増長されています。「今そこにある危機」です。

国内政治の間で苦悩する習近平
では、日本はどうすればいいのでしょうか。日本人は今、昨今の尖閣領域への中国軍の侵入の増加などから「中国政府が軍をコントロールできていないために、現場が暴走するのではないか」という懸念を持っています。ルトワック氏は「この懸念は実に真っ当なもの」として対中「封じ込め政策」を提案しています。

その提案は結論から言えば「尖閣領域のような小さな島の問題はアメリカに頼らず、自分でやれ」ということです。

米国は核抑止や大規模な本土侵略に対する抑止は日米条約によって提供します。しかし、島嶼奪還のような小規模なことにまで責任は持てないです。「日本が自分で担うべき責任の範囲なのです」。

ルトワック氏は戦略家として米国の軍事戦略にも深くかかわっています。だから、この姿勢は米政府もほぼ同様だ、と言って良いです。

島嶼防衛は日本独自の責務--。そのためには多元的な対中封じ込め戦略が不可欠である、とルトワック氏は提案します。
(海上保安庁、海上自衛隊、陸上自衛隊、航空自衛隊、外務省などが)独自の対応策を考えておくべきなのである。「多元的能力」を予め備えておくことによって、尖閣に関する「封じ込め政策」は、初めて実行可能なものとなる
その際、「慎重で忍耐強い対応」という日本の役所の大好きな「先延ばし戦略」は逆効果だ、とルトワック氏は警告します。
そもそも中国は、(過去)15年のうちに三度も政策を変更している。さらに作戦レベルや現場レベルで、ソ連でさえ決して許さなかったような軍事冒険主義が実質的に容認されている
昨今の東シナ海、南シナ海での中国海軍の危なっかしい行動にそれが現れています。
これに対抗するには、有事に自動的に発動される迅速な対応策が予め用意されていなければならない。中国が突然、尖閣に上陸したとき、それに素早く対応できず、そこから対応策を検討したり、アメリカに相談をもちかけたりするようでは、大きな失敗につながるだろう
自分でやらずに、すぐにアメリカに頼る日本の外務省の体質を熟知したような指摘です。そして外務省も尖閣侵入のような有事に備えて海外諸国と連携した対応策を容易しておかねばならない、と説いています。

例えば、中国との貿易が多いEU(欧州連合)に依頼して、中国からの貨物処理のスピードを遅らせるよう手配するのです。
こうすれば中国はグローバルな規模で実質的に「貿易取引禁止状態」に直面することになり……かなり深刻な状況に追い込まれるはずだ
大事なのは、こうした具体的な行動が自力で実現できるように、平時から準備しておくことです。

対米依存度の高い外務省や防衛省は「今そこにある危機」に対応し、それをやっているのでしょうか。そこが問題です。

そうして、先日もこのブログに掲載したように、米国はいざとなれば、中国に対して大規模な金融制裁ができます。大規模な金融制裁を実施された場合、中国は身動きがとれなくなります。だから、米国や日本に対して、どこまでも自分の要求をつきつけるということはできません。どこかで、折れるしかありません。

しかし、上のルトワック氏の主張にもあるように今の中国は内向きで海外の正確な情報が習近平にまで届かず、極めて不安定です。また、外国を理解できず、「自分たちこそ世界一、後の国は我々の家来だ」という昔ながら「冊封体制」のメンタリティが外国への理解を阻んでしまいます。2000年代半ば以降の経済大国化(の幻想、過信)が「冊封」メンタリティをいやまし高め、それが大きな弊害となっているのです。

結局、軍事力でも金融力でも米国にかなり劣っている中国は、米国に直接挑むことはできません。

昨日もこのブログで述べたように、習近平にとっては反日を叫んでいなければ、「毛沢東が建国前の日中戦争において、日本軍と共謀していた事実」が明るみに出ることになります。これだけは絶対に避けたいために言論弾圧をヒステリックなほど強化しているのです。グローバル化が進めば進むほど、「嘘をつき続けることが困難になる」からです。

このブログにも過去に何度か掲載してきたように、現在の中国で「反日」の姿勢が崩れれば、中共政府は人民に「統治の正当性」を疑われることになり、それこそ体制が崩壊してしまいかねないのです。

中国にとっては、米国との大国二国間による対等な関係を模索し、いずれ太平洋を米中で二分して、支配しようという目論見は、米国の「国家安全保障戦略」によりすでに完璧に外れてしまいました。

そうなると、国内で「統治の正当性」を維持しつつ、反日を標榜し、国内の政治力学が何よりも重要な中国では、習近平は米国との対峙が無理というのであれば、まずはその矛先を本格的日本に向けることになる可能性は高いです。それ以前にまずは台湾を奪取するという冒険に出るかもしれません。

ここまで、述べるといかに安倍首相の「安全保障のダイヤモンド」構想が重要なものであるか、おわかりいただけるものと思います。

本来日本のマスコミは、安倍総理の構想など、立場や、良い・悪い、賛成・反対などは別にして、日本の総理大臣の構想として、報道し論評すべきです。それをしないで報道しない自由を行使するということは、日本マスコミのほとんどは、安全保障論議からすでに表舞台から退場したものとみなされても仕方ないです。

日本のマスコミの安全保障論議など、見聞きしても、何の益もないどころか、かえって混乱するだけです。最近も、村本大輔のように大混乱している人がいるようです。まったく、日本の安全保障論議からすでに退場したマスコミに情報に頼っているようでは、混乱するのはも無理はないと思います。

それよりも、現代中国の真の歴史を学ぶ、安倍首相の構想を読み解く、米国の戦略を読み解くことなどによって、まともな安全保障の論議が醸成されていくことになると思います。日本の安全保証論議をするなら、マスコミなど頼るべきではないです。

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2015年12月6日日曜日

【普天間移設】沖縄平和運動センター議長を逮捕 米軍シュワブ基地に「侵入」容疑で―【私の論評】日本のマスコミは、山城逮捕を機に沖縄基地反対運動の実体をまともに報道せよ(゚д゚)!


基地の境界線を越えて警察車両に駆け寄り抗議し、拘束される
沖縄平和運動センターの山城博治議長=5日午前9時45分ごろ、
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

沖縄県警名護署は5日、米軍普天間飛行場の移設先、同県名護市辺野古沿岸部近くの米軍キャンプ・シュワブの敷地内に正当な理由なく侵入したとして、日米地位協定に伴う刑事特別法違反の疑いで、移設反対運動を統率する沖縄平和運動センター議長の山城博治容疑者(63)を逮捕した。



シュワブ近くで県警機動隊員に暴行したとして、公務執行妨害の疑いで、抗議活動をしていた住所職業不詳の北島義久容疑者(77)ら男2人も現行犯逮捕した。

山城容疑者は米軍に身柄を拘束された後、名護署に引き渡された。調べに対し容疑を否認しているという。

山城容疑者の逮捕容疑は同日午前9時40分ごろ、シュワブ入り口の境界線を越えて、基地内に立ち入った疑い。

残る2人の逮捕容疑は同日午前7時20分ごろ、シュワブ入り口前で、北島容疑者が警備活動中の機動隊員の左すねを蹴り、もう1人の男が別の機動隊員の上着を引っ張るなどして、公務の執行を妨げた疑い。いずれも黙秘している。

シュワブ入り口前では連日、反対派が抗議活動を展開しており、警察官が強制排除するなど衝突が続いている。3人が逮捕された後、反対派が名護署に集まり、抗議する一幕もあった。

山城容疑者は昨年7月、政府が辺野古沿岸部で海底ボーリング調査に着手するのを前に、シュワブ入り口前で座り込みを開始。反対派の先頭に立って抗議活動を展開した。ことし2月、シュワブ内に立ち入った疑いで逮捕され、翌日釈放された。4月から病気で療養していたが、10月から活動に戻った。

【私の論評】日本のマスコミは、山城逮捕を機に沖縄基地反対運動の実体をまともに報道せよ(゚д゚)!

沖縄平和運動センターの議長山城博治が逮捕されたということですが、これはどのような人物かといえば、あの沖縄のキャンプ・シュワブのゲート前で、米軍に身柄を拘束された男です。その顛末を示す動画を以下に掲載します。


平成27年2月22日朝、名護市辺野古のキャンプシュワブGate1にて、沖縄平和運­動のシンボル山城博治が米軍のセキュリティに身柄を拘束されました。

翌日の沖縄の新聞やTVは、与那国の自衛隊誘致の可否を問う住民投票の結果よりも、こ­の逮捕劇のことを大々的に掲載しました。

一様に不当逮捕とか、過剰警備であるとまくし立て、それに輪を掛けるかのように革新系­の代議士が反発しました。

山城は「私は黄色の線の内側には入っていない」と沖縄タイムスに対し強弁。片や琉球新報は「線の内側1mくらいに入った」と報道。しかしどちらも山城を擁護する論調は変わりませんでした。新報に至っては、社説で不当逮捕と表記しました。

不当かどうかは動画を見て頂いた皆さんが判断してください。そして報道するメデイァのコンプライアンスも感じ取って頂ければ幸いです。
反戦平和は免罪符とでも沖縄左翼は勘違いしているようですが、マスコミが報道の自由は法規を超え­ると思っているのなら、いつしか国民から見放されるときが来ると思います。

この山城が主催する「沖縄平和運動センター」という組織とはいかなるものなのでしょうか。以下にこの組織について掲載します。


沖縄平和運動センター

沖縄平和運動センターの入る 官公労共済会館
沖縄平和運動センター(おきなわへいわうんどうセンター)は、日本社会運動団体である。沖縄県内における略称は「平和センター」。 
沖縄平和運動センター設立 1993年2月1日 
所在地 日本 〒900-0021
沖縄県那覇市泉崎2丁目105番18
官公労共済会館4階
北緯26度12分35.5秒東経127度40分43秒 
主要人物 議長 山城博治 
会員数 26団体 
ウェブサイト http://www.peace-okinawa.net/テンプレートを表示
〈概要〉
1993年に、護憲反安保県民会議と沖縄県原水協を統合する形で設立された。 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)加盟団体であり、幹事および支援団体に、社会民主党自治労国公労沖縄県教職員組合高等学校教職員組合沖縄社会大衆党等が名前を連ねる[3]。 官公労共済会館に連絡先を置いており、闘争目標として護憲、反基地、反安保、反自衛隊および反核、原水禁、被爆者支援などを掲げるほか、部落解放同盟と連携した反差別国際運動なども展開している。 
活動
官公庁や教育機関を活動の拠点としているため、役場や学校などには必ずポスターが貼られている。また県内マスコミへの影響力も強く、この団体の主張や運動方針が「沖縄県民の総意」と称して報道されることも多い。 
通常は沖縄における反米、反基地、軍備増強反対、自衛隊糾弾、教科書問題などについて、ポスタービラ、声明文、要請文、琉球新報沖縄タイムスの記事などを通して「県民の怒り」を訴えるほか、デモや座り込み、航空機の航路妨害など米軍や自衛隊に対する抵抗運動を実施している。また、加盟組織の活動家育成と組織強化の一環として、平和ガイドの認定や養成講座の開催なども行っている。 
2008年11月、長年行動を共にしていた全駐留軍労働組合沖縄地区本部は、当センターに対して活動脱退を通知している。基地撤去など反基地運動に対して「米軍再編に対し不安の声がある」「基地がなくなれば仕事がなくなる」など抵抗があること、センターの活動方針が一般市民の理解を得るのが困難になってきたことなどを理由として説明している。 
2015年2月22日、キャンプ・シュワブ前で抗議中に、議長の山城博治らが米軍基地の敷地を示す黄色のラインを越えたとして米軍に一時拘束され、名護署へ引き渡された。釈放時に山城は「黄色のラインは越えていない。私は騒ぎを抑えようと、皆にとりあえず下がろうと言っただけ。明らかに不当だ」と主張していたが、後にこの事件の様子が映された映像が米軍から流出。山城博治が自ら先頭に立って黄色のラインを越えていることが判明した。
入っている建物といい、活動内容といい、こてこての左翼であることは間違いありません。先日このブログでは、沖縄基地反対運動の直接の資金源について掲載しました。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、直接の資金源は、地元の金秀グループという企業グループです。この企業グループから、「辺野古基金事務局」に金がいき、そこから、山城が運営する「沖縄平和運動センター」などのような団体に金がわたり、そこからデモ参加者などに日当が支払われています。

以下に基地反対デモの日当の資金源を示す図を再度掲載します。

クリックすると拡大します
この図の一番右下の図を見ると、これは、山城博治が米軍のセキュリティに身柄を拘束されたときのものだと思われます。

沖縄の辺野古への基地移転の反対運動は、このように左翼が金で動員されていることが明らかになっています。そうして、無論のことこのような運動は、大部分の沖縄県民の意向によるものではなく、多数の沖縄県外の左翼および、左翼から支援をうけた人たちを動員して行われているものです。

今回山城が逮捕されたことは、これを解明して、国民に知らせるための契機になるかもしれません。

当然、山城は刑事訴追され裁判になります。司法が裁判の過程で、沖縄左翼の実体もある程度解明しなければ、まともな裁判などできません。

この裁判の過程で明らかにされるであろう、沖縄左翼の実体、今度こそ日本のマスコミはまともに報道すべきです。そうでなければ、いずれ日本のマスコミは国民から見放されます。端的にいえば、まともにならなければ、国民から相手をされなくなり、存続できなくなります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年11月10日月曜日

APEC開幕 きょうにも日中首脳会談―【私の論評】自国の総理の大勝利を喧伝しないどころか、中国と連携するか、沈黙して中国を応援する日本のマスコミのど変態ぶりがまた発揮されたマスコミの安倍総理中国訪問報道(゚д゚)!


APEC首脳会議に出席するため、北京国際空港に到着した安倍首相。右は昭恵夫人

中国を訪れている安倍総理大臣は、10日に開幕するAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席し、地域の経済統合を推進していく考えを表明することにしています。
一方、安倍総理大臣は、早ければ10日にも中国の習近平国家主席との初めての首脳会談に臨むことにしており、日中両政府間で最終的な調整が進められているものとみられます。

一方、安倍総理大臣は、早ければ10日にも習近平国家主席との初めての首脳会談に臨むことにしており、日中両政府間で会談の進め方などを巡って最終的な調整が進められているものとみられます。正式な日中首脳会談が行われるのは、おととしの5月以来およそ2年半ぶりで、安倍総理大臣としては今回の会談をきっかけに、冷え込んでいる日中関係を改善に向かわせたい意向で、政治、外交、安全保障の分野の対話を、今後活発化させていくことなどを確認したい考えです。

このニュースの詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】自国の総理の大勝利を喧伝しないどころか、中国と連携するか、沈黙して中国を応援する日本のマスコミのど変態ぶりがまた発揮されたマスコミの安倍総理中国訪問報道(゚д゚)!

この安倍総理の中国訪問のニュースに関しては、NHKをはじめとする日本の報道機関による報道は、全くバランスにかけており、今回の訪問の背景を正しく伝えていないので、ここに私が掲載します。

まずは、今回の日中首脳会談においては、最初中国側が、会談するための条件を四つだしてきて、そのうち二つに関しては日本は全く受けつけず、もしこの条件を取り下げなければ、日中首脳会談が成立しないという異例の事態が生じたかもしれません。

これについて、NHKをはじめとする日本の報道機関は、いずれも報道しません。この条件を拒否して安倍総理が中国を訪問したのか、そうでないかによってかなり訪問の意味あいは異なってきます。

この条件を日本が拒否したことは、日本国内でも、報道されはしましたがあまり目立つような報道ではありませんでした。

これに関しては、石平氏による一連のツイートをご覧いただくと非常に理解しやすいため、以下にそれらを掲載します。
以上石平氏のツイートは、時系列順に古い方から新しい方へと並べました。これらの一連のツイートをご覧いただければ、いかに日本のマスコミが真実を伝えていないかが良く理解できます。

本来であれば、日本の新聞社の新聞の第一面には、「中国首脳会談実現のための二条件撤廃!!」などの見出しが踊っていなければならないはずです。

これが、日本以外の他国のメディアであれば、もし今回のようなことがあれば、このように大々的に報じたと思います。

それにしても、このようなことは今回だけではありません。このブログにも掲載したように、あの安倍総理の「安全保障のダイヤモンド」に関しても、日本のメデイアはほとんど報道しません。

これについては、このブログにも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」、対中抑止へ完成間近-【私の論評】鳩山の構想は報道しても、安部総理の構想は一切報道しない日本のマスコミの存在意義を問う(゚д゚)!
安倍晋三首相とインドのモディ首相

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこのブログの締めくくりの部分だけ掲載させていただきます。
しかし、安部総理のこの構想は、最初からほとんど報道されていませんし、今に至るも、報道されておらず、多くの国民が知りません。特に、朝日新聞や、NHKのニュースなどが、情報源の人々にとっては、知りようもありません。その姿勢は、この構想が構想ではなく、現実のものとなりつつある現在も変わりません。 
それつけても、鳩山氏とは異なり、安部総理は、構想を表明するだけではなく、それに向けて具体的な行動を重ね、そうして今日この構想は完成間近となっています。このこと自体も報道しないマスコミやはり、かなり異常であり、異質です。 
自国の宰相の構想、構想に向かっての行動、それが完成しつつある現在も未だ報じようともしないマスコミは、その存在意義が問われてしかるべきだと思います。このような姿勢だからこそ、朝日新聞や、NHKのように、虚偽・偽造体質が生まれてしまうのだと思います。 
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
日本のマスコミがこのようなことを報道しないのには、中国側から中国に不利な内容を報道すると、中国側から情報を流さないということを言われているという面もあると思います。

中国には、言論の自由は存在せず、反政府言論は厳しく取り締まられています。

外国メディアに対する抑圧も激しく、1964年(昭和39年)に「日中記者交換協定」が締結され、1968年(昭和43年)に「日中関係の政治三原則」が確認されました。「日中関係の政治三原則」とは、「1.中国を敵視しない、2.二つの中国の立場に立たない、3.日中国交正常化を妨げない」であり、日中記者が記者交換するにあたって守るべき原則とされました。

当時北京に常駐記者をおいていた朝日新聞読売新聞毎日新聞NHKなどはこの文書を承認しました。産経新聞はこの協定に反発し、傘下のフジテレビを含めて特派員をすべて引き上げました。
しかし、これは言い訳に過ぎません。中国通である宮崎正弘氏など、過激な中国批判本をいくつも書かれていますが、宮崎氏は今でも、中国に年に何回も訪問して、中国情報など仕入れてきています。今まで、逮捕もされず、拘束されてもいません。

それは、産経新聞の記者も同じことです。

それに良く考えてみば、そもそも言論統制されている中国において、中国政府筋などから、正しい情報が得られるかといえばそんなことはないわけで、それは、自ら足をつかって、取材するか、そうでなくても、日本国内にいても、様々な情報源の情報をつなぎあわせてかなりことが報道できるはずです。

実際、中国問題に関しては、素人の私でさえ日本国内で報道されたり、発信されたりする情報をもとに、様々なことがわかり、少なとくも中国報道に関しては、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、NHKなどよりは、正確に伝えていると思います。

このようなことは、他のサイトでもなされており、今や日本の大手メディアは正しい情報の入手先とはいえなくなっています。

なぜ、そのようなことになってしまうのかといえば、やはり日本のマスコミのほとんどは、反日的であり、日本が崩壊したり、疲弊することを社是として、日々運営しているからに他なりません。

このような反社会的なメディアは、もう近いうちに成り立たなくなります。社会が許す、理念にもとづいて報道するように変身するか、あるいは姿を消すしかないと思います。

もうこの兆候はすでに見られています。最近では、安倍総理は、こと増税に関することでは、日本のメディアには愛想ずかしをして、外国のメディアを使うようになっています。これに関しは、昨日もこのブログに掲載したばかりです。

その記事のURLを以下に掲載します。
増税先送りなら解散、年内にも総選挙…首相検討―【私の論評】安倍総理は国内では「解散」風を吹かせつつ海外メディアを活用して増税見送り機運を醸成し、長期政権を目指すことになるだろう(゚д゚)!
2012年11月6日 前回の衆院解散
これも、詳細はこの記事そのものをご覧いただくものとして、この記事より一部のみ以下にコピペさせていただきます。
しかし、考えてみると、マスコミが安倍総理の『安全保障のダイヤモンド』をほとんど報道しなかったおかげで、これは見事に早期に完成間近までもっていけたのだと思います。 
もし、これが日本のマスコミが大報道して、それを糾弾したり、安倍総理が国内で論議をしてコンセンサスを得てから、実行に移すなどのことをしていたとしたら、100年たっても何も進まなかったかもしれません。 
しかし、安倍総理自身がこれを直接外国首脳を対象に推進したため、今日大きな成果につながっています。 
増税に関しても、日本国内で自らが語っても、報道もされないどころか、印象操作をされて、昨年の新聞各社による「首相増税決断」などと報道されてしまいかねません。
であれば、「安全保障のダイヤモンド」で自らが直接外国の首脳に働きかけたように、日本のメディアなどはスルーして、外国のメディアに働きかけるというように方針を変えたのだと思います。 
増税は、安全保障の問題とはまた異なり、国内事情がほとんどですが、だからこそ「解散」風を吹かせて、増税見送りの意図を日本のメディアに拡散させ、外国メディアを活用して、自らの意図を間接的にではあれ、正確に日本国内にも知らしめるという戦略をとっているのだと思います。
それにしても、自国総理大臣からは愛想づかしをされて、中国様の情報統制を恐れて、まともな報道をしない日本の報道機関、もう先がないですね。

おそらく、日中首脳会談についても、まともな報道しないでしょう。おらく、死力をつくして、中国にとって良くなるような報道に、各社が知恵を絞ることでしょう。知恵が追いつかなければ、ほとんどまともに報道しないことでしょう。

これについては、もし日本のマスコミが正しい報道をしないというのなら、このブログに掲載する予定です。よろしくお願いします。

それにしても、今回の安倍総理の中国訪問、マスコミ各社は、自国の総理の大勝利を喧伝しないどころか、中国と連携するか、沈黙して中国を応援するいうど変態ぶりがまた暴露された形となりました。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(゚д゚)!

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2012年9月20日木曜日

中国人記者に「民主主義の国なのにおかしい」と指摘される日本のマスコミ―【私の論評】日本の大手マスメディアの中国報道は劣化している!!必ず裏取りをせよ!!

中国人記者に「民主主義の国なのにおかしい」と指摘される日本のマスコミ:


毎週金曜日の午後に行われている石原都知事の定例会見は、都政の発表・説明だけにとどまらず、石原都知事が延々と知見を語ったり愚痴ったり、時には記者を攻撃しはじめたりすることもあるなど、政治よりもむしろエンタメという意味でちょっとした見ものだったりする。そんな石原都知事の定例会見で、尖閣問題に触れた日の動画が、『YouTube』や『ニコニコ動画』で話題を呼んでいる。

会見で、「なぜ日本のマスコミは“尖閣問題は中国の内政干渉”と書かないのか」と不満を述べた石原都知事に対し、ある記者が質問を投げかけた。

「今回の尖閣問題もそうだが、日本のマスメディアの中国に関する報道は、上辺のこと、一部分しか報道しない。例えば蟻族(※1)とか上訴(※2)とか臓器狩り(※3)とかの問題は取り上げず、中国政府の都合のいいように報道する。それは1960年代に“日中記者交換協定”があって、日本のマスメディアはそれに縛られているんじゃないかと思うが、知事はどう思うか」

訛りのある発音と石原都知事の対応から、中国人とみられるこの女性記者の口から日中記者交換協定の名称が出たことに、ネット住民は驚いた。

『Wikipedia』によると、日中記者交換協定とは
1.日本政府は中国を敵視してはならないこと。
2.米国に追随して「二つの中国」をつくる陰謀を弄しないこと。
3.中日両国関係が正常化の方向に発展するのを妨げないこと。
を3原則とする、いわば中国共産党から“踏み絵”として日本のマスメディアに突きつけられた覚え書き。もともとメモレベルの取り決めであったことと、その内容があまりにも共産党政府に都合のいいものだったことから、これまではなかば都市伝説や根拠のないネットミームのように思われていたのだが、中国人記者の口から公の場で指摘があったために、「『2ちゃんねる』でよく見かけたコピペが本当だったとは……」と驚いているのだ。

中国人記者は、「法輪功は“邪教”、ウイグル族のデモは“暴動”と報道するというようなことが結構ある。日本はアジアで一番歴史が長い民主主義国家で経済大国でもあるのに、どうして独裁国家に対してこんな態度を取るのか、不思議です」と述べて質問を終えた。

自身いわく「独裁国家」出身の記者が勇気を出して母国の実情を伝えているのに、報道の自由があるはずの日本のマスメディアは中国政府の顔色をうかがった報道しかできないとは、なんともおかしく情けない話だ。

※1.蟻族:大学を卒業したのに職がなく、同じような境遇の者同士、寄り集まって安アパートなどで生活する若者たちのこと。

※2.上訪:農村地帯の住人が、地元役人の腐敗や生活苦を中央政府に直訴するために北京へやって来ること。共産党大会前には数千人が集まることも。

※3.臓器狩り:刑務所で(共産党政府にとっての)犯罪者から臓器を抜き取り、闇市場へ横流しすること。臓器目当ての人さらいや子どもの人身売買も横行している。中国には世界最大の臓器売買の闇マーケットがあると言われている。


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■著者データ
ガジェ通ウェブライター
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【私の論評】日本の大手マスメディアの中国報道は劣化している!!必ず裏取りをせよ!!


このブログでも、日本の大手マスメディアによる、中国報道の異様さは再三にわたって掲載してきました。たとえば、以下の動画のような内容もほとんど報道されません。(この動画かなりグロなので、食事の直前後には、見るのは、避けて下さい)





これは、やはり、上の記事による「日中記者交換協定」による圧力が未だにあるのだと思います。中国中央政府としては、上記の協定に反するようなことを日本のマスメディアが報道すれば、情報提供しないことを徹底しているのだと思います。

これを恐れて、日本メディアは、中国中央政府が都合が悪いと思もうようなことは、自主規制して流さないのだと思います。しかし、こういうことを長い間続けてきた結果、思考力もなくなり、中国中央政府の背後の意図など読み取れなくなっているのです。また、中国が決して一枚岩ではないことを意識してないのだと思います。

結果として、今のマスコミ大手の中国報道は、私達のようなブロガーの掲載する内容よりも、はるかに劣化してきたのだと思います。私達ブロガーは、無論、直接中国の高官や、報道官の話など直接聞ける機会などありません。



しかし、中国の情報など、今のような時代いくらでもあります。日本国内のネットはもとより、中国のネットもありますし、それも、日本語で書かれてあったり、英語のものも多数あります。また、アメリカや、他の国でも、中国報道は多いです。こういったものを調べていくと、かなりのことがわかります。そうしたほうが、少なくとも、思考力は停止しないですみます。

日本の大手マスコミなども、このような協定など完全無視して、独自の取材方針を貫くべきです。中国の正式なチャネルからのニュースソースが遮断されたとしても、頭を使えばいくらでもやりようがあります。



まずは、最近インターネットが発達してきたことから、中国内のニュースなど結構取得するのが簡単になっています。特に、中国では、金盾が情報統制をしますが、その統制もいつも完璧にできるものではありません。だから、削除するのが遅くなったりする場合もあります。そういう記事などストックしておき、時系列での変化を見極め、それらは、なぜ削除されなければならなかったのかを良く考えればおのずと真実に近づくことができます。

それに、中国内のなるべく政府に近い官僚などの複数人と親しくなって(親しくなる方法は書きませんが、こんなの当たり前の真ん中で、いくらでも方法はあります)おき、その人間の立場を理解しておき、複数からの情報を得て、真実に迫っていくという方法もあります。



こんなことを長く続けてきたせいでしょうか、日本の大手マスコミは、政治・経済その他多くの分野にわたってかなり劣化しています。今や、新聞や、テレビで報道されること、それも、重要な事柄に関しては、ほとんど鵜呑みできない状況になっています。

私達は、鵜呑みは慎みましょう。必ず裏を取るくせをつけるべきです。裏取りは、一昔前なら、難しいことで、一部の人しかできませんでしたが、今なら誰もがインターネットで簡単にできます。それに、インターネットの歴史も長くなってきましたので、私をはじめ、多くの人達が、様々な解説したり、キュレーションもあまたあります。この時代に裏取りをしない人は、時代から取り残されるだけです。



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