群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で19日夜に起きた火災で、重傷だった男女2人が死亡したと21日、渋川署が発表した。
2人は東京都墨田区の紹介で入居し、延焼した別館にいた。火災の死者は男性5人、女性4人の計9人となった。
一方、たまゆらを運営するNPO法人彩経会(高桑五郎理事長)が県に提出した「運営内容確認表」は、居室25、定員25人としながら、図面では居室が15となるなどずさんな内容だったことが分かった。
彩経会が3日に県からの要請で提出した確認表によると、施設の概要では「居室数25、定員25人」となっている。ところが、建物の規模・構造では 「居室は1人室×15室」となり、建物の平面図も15室だった。また、施設は別館を含めて3棟あったが、「建物の規模」には、平屋建て215平方メートル とあるだけだった。
入居者については1月1日現在で24人となっていた。火災の発生時に施設にいた入居者は16人だった。
たまゆらは1996年4月の開設。渋川広域消防本部によると、施設は当初60平方メートルだったが、約450平方メートルに増えている。増築を繰り返していたとみられる。
近所に住む女性(38)は、「約10年前にホームを建設して以来、頻繁に施設を広げていった。最後にできた建物(別館)は掘っ立て小屋のようで、雑な造りだった」と話す。
渋川署の発表では、新たに死亡した2人は、相沢英男さん(88)と山田ヒデさん(72)。残る7人の身元確認を進め、21日も現場検証し、出火原因を調べている。
墨田区によると、相沢さんは区内のアパートで独り暮らしだったが、認知症になり、2007年2月に生活保護を申請、たまゆらに入居した。山田さん は08年7月に生活保護を申請。認知症などで要介護とされ、08年9月に入居した。群馬出身で、区の担当者に「ふるさとに戻れてよかった」と話していたと いう。
NPOがもっと大きな活動をできるようにすべき!!
このような、事件がおきて非常に残念なことだと思います。このNPOの場合は、悪質というより、活動自体が良く管理されておらず、杜撰でさえあったことが事件につながったのだと思います。
この施設にも、東京墨田区に居住していた人が入居していたようですが、最近このような事例が多いようです。墨田区でも、独居老人の住処が問題となっており、もうほとんど入居できる施設がないため、他県の施設を紹介することも多くなっているそうです。このような状況になると、墨田区のような立場の地方自治体ではなかなかチェックもできないようです。
しかし、中にはもっと悪質なNPOも存在していて、最初から生活保護費が目当ての悪質な業者もいるようです。そんな施設では、業者のほうが生活保護費をとりあげて、受給者をまるで劣悪なところに押し込め、まるで牢獄のようにしていているところもあったそうです。
とんでもないことです。NPOはもともと、社会問題を扱うセクターなのに、今のままではまるで、犯罪や、搾取の温床のようなものになってしまう可能性が大です。この「たまゆら」のNPO法人の代表や、悪質な業者を特殊な事例であると考えたり、攻め立てるだけでは何も解決しないと思います。まずは、行政などの監視システムをもっと強固にすべきです。
私が思うに、やはり、もっとNPOが大きな活動ができるように、まずは、税制を改革して、企業、個人がNPOに寄付すると、大幅に税金などが免除されるような優遇措置をつくるべきだと思います。また、NPO自身も税金などが免除されるだけではなく、様々な恩恵があるようにすべきと考えます。さらには、寄付だけではなく、NPOで無償で働いた人々に対しても減税や、その他の恩恵があるような、日本独自のシステムもつくるべきではないかと思います。
そうすることにより、もっと多くの人がNPOの分野に入ったり、新規で立ち上げたりできるよう支援していくべきだと思います。この火事にあった、施設も、もし資金が十分にあり、また、ボランティアで働いていただける人たちがたくさんいれば、こんなことにはならなかったのではないかと思います。それに、同じ社会問題に取り組んだとしたら、NPOは政府や地方自治体の1/10のコストで、10倍の速度で問題を解消していくと思います。
老人の問題、いずれは自分たちの問題にもなります。それに、たとえば、年老いた親がいた場合に、その介護をしなければならないので、仕事をやめざるを得ないなどということもあります。そんな場合、まともな施設があれば、安心して預かってもらうこともできます。それに、自分が年老いたことを考えてみてください。だれだって、まともなところに入りたいし、できれば、わが子や孫とと一緒に暮らしたいと思っているはずです。それがかなわなくても、少なくとも、しょっちゅう会える環境にありたいと願っているはずです。
ここでは、老人問題などを扱いましたが、ほかにもいろいろ問題があると思います。託児所の問題とか、子育てとか、教育、医療とか、雇用の問題、うつ病、無差別殺人などの重犯罪など手付かずの社会問題は山ほどあります。
欧米とは違い、日本には残念ながら社会問題解決のセクターとしては政府しかありません。欧米ではそのために、十分に機能しているNPOがあるのに、日本では、上記のような弱小NPOがほとんどです。これでは、非常に不安です。残念ながら、政府がこうした問題に取り組むと、全国一律で実施することになり、本当にサービスが必要な人には、何も提供されることがなく、必要もない人に手厚いサービスが施されるということになってしまい、非効率なことになってしまいます。だから、もし、政府がこうした問題に関心持って、支出を多くしたとしても、それだけでは社会問題の多くは解決しません。その多くが無駄遣いになってしまうことは、今では皆さんがご存知のことだと思います。
その点、欧米型の良く考えて構築されたNPOの場合は、効率がよく、小回りがきき、地域の住民のニーズにこたえています。このへんは、日本がこれから学ばなければいけない重要なところだと思います。こういった問題に真正面から取り組むことができる、有力NPO、これからの日本では絶対に必要になってきます。さらには、上記のようなNPOの活動を監視するNPOも必要になってきます。
また、こうした社会問題が解決されるか、あるいは将来解決がつくという期待感がなければ、いくら金融的な手段を講じたり、財政出動をしたとしても、なかなか景気は回復しないと思います。このブログでも、従来から述べているように、日本の経済力はかなりのものであり、ちょっとやそっとでは本来は不景気になるはずがないです。しかし、マイナス5%成長などといわれるのは、内需拡大がなかなかなされないことが原因だと思います。
内需拡大がされない背景としては、日本ではなかなか社会問題が解決される見込みがないと、多くの国民が思っているからだと思います。すべてがすぐに解決される見込みがないにしても、いずれは解決される、解決するように努力しているセクターがあるというだけでも、安心感が増して、内需が拡大していくと思います。日本の政治家や、官僚も、もっと社会問題をそうして、その社会問題を実際に解消していくプログラムや、システムなどに関心を持ってもらいたいものだと思います。
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