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2018年11月27日火曜日

「いずも」空母化やF35B導入、防衛大綱に明記へ=関係者―【私の論評】日本は「いずも」空母化で、中国の尖閣奪取の野望をくじき、南シナ海での航海の自由を守る(゚д゚)!

「いずも」空母化やF35B導入、防衛大綱に明記へ=関係者

空母化が予定されている「いずも」 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

政府は12月中にまとめる新たな「防衛計画の大綱」に、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦の事実上の空母化や搭載する最新鋭のステルス戦闘機「F35B」の導入を明記する方向だ。政府関係者が明らかにした。

 与党内では、航空自衛隊が保有するF15戦闘機の後継として次世代ステルス戦闘機F35のA・B型を計100機、計1兆円程度購入する案も浮上。財政支出膨張に歯止めをかけたい財務省などとの綱引きが激しくなりそうだ。

 岩屋毅防衛相は27日の閣議後会見で、いずも型護衛艦について「せっかくある装備なので、できるだけ多用途に使っていくことが望ましい」と表明。F35Bの導入についても「短い滑走路で離陸できる性能を持った航空機だ。航空機体系全体をどうするかの一つとして検討している」と述べた。

 自民党が5月に示した防衛大綱に向けた提言では、いずも型護衛艦を空母化改修する「多用途運用母艦」とF35Bの導入が盛り込まれ、大綱および同時に策定される、今後5年間に自衛隊がそろえる装備品や費用を示す中期防衛力整備計画(中期防)での焦点となっている。

F35B

 従来の政府見解では、遠方に攻撃型の戦力を投入できる空母の保有は日本が掲げる専守防衛との整合性を問われる可能性があるとされていたが、今回の防衛大綱の作成時に論点を整理する。

<次世代ステルス機100機・1兆円購入案、与党内で浮上>

 自衛隊は現在200機保有するF15の半分を改修する予定だが、改修に適さない残り100機の取り扱いも焦点となっている。

 与党議員の中では、中国、ロシアの航空戦力が拡充される中で「F35のA型であれば60機程度でF15・100機相当の防空能力がある」として、A型を60機、垂直着陸が可能で空母搭載に対応したB型を40機の計100機の購入が望ましいと主張する声がある。

 政府が100機購入を決定した場合、来年1月から始まる日米通商交渉での有力な交渉カードになる可能性があるとの声が政府・与党内にはある。

 トランプ大統領は今年9月の日米首脳会談直後に「私が『巨額の貿易赤字は嫌だ』と安倍首相に言うと、日本がすごい量の防衛装備品を買ってくれることになった」と表明。日本の防衛装備品購入に期待している。

 トランプ政権は年間7兆円の対日貿易赤字削減を繰り返し主張しており、日本に対して「(赤字削減には)自動車輸出削減や自動車の米国生産拡大、米国からの輸入拡大の全てが必要」(ハガティ駐日米大使)と明言している。

【私の論評】日本は「いずも」空母化で、中国の尖閣奪取の野望をくじき、南シナ海での航海の自由を守る(゚д゚)!

なぜ、日本は「いずも」を空母化して、軽空母を作ろうとするのでしょうか。これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【アジアを先導する日本】台湾海峡を中国から守る“主役”は日本 日台、中国共産党の野望を打ち砕くソフトパワーに―【私の論評】「いずも」の空母化は、中共の野望を粉微塵に打ち砕く(゚д゚)!
中国初の国産空母。昨年4月26日水曜日に中国・大連で行われた進水式にて
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では日本がなぜ軽空母を持とうとする理由を以下の三点に絞って説明しました。
1中国空母を陳腐化 
2中国艦隊戦力の更新強要 
3中国潜水艦戦力の更新遅滞
さらにこの記事では、結論として以下のように掲載しました。
日本が軽空母を数隻持ち、交代で台湾海峡を航行するようになれば、どういうことになるでしょうか。中国共産党の野望を打ち砕くソフトパワーとともに有効なハードパワーにもなります。 
さらに、米国の空母も台湾海峡を不定期なが、航行させ、さらに日本の軽空母とともに、5隻程度の空母とともに、台湾海峡で大規模な軍事演習など行えば、中国は極度のプレッシャーにされされることになり、対抗上空母開発とともに海軍力の再構築に追い込まれることになります。 
だからこそ、中国は「いずも」の空母化を極度に恐れているのです。「いずも」の空母化と、さらなる親密な日台関係が、中国共産党の野望を打ち砕く巨大パワーとなるのです。
さて、今回は「いずも」空母化で、日本は何ができるようになるのかをまた別の角度から掲載しようと思います。

安倍晋三首相は、「今までの憲法の枠内で何ができるか」という発想を持っていますが、「トータルの日本の防衛力はどうあるべきか」という戦略も考えているようです。いずもの空母化は、筋の通った話だと思います。というのも、自衛隊は、陸海空の統合運用を目指しています。これを統合戦闘能力と言います。

この統合戦闘能力において、いずもの空母化は、どういう意義があるかといえば、まず「尖閣諸島を守るため」という意義があります。

現在、沖縄の那覇基地にあるF15戦闘機が、尖閣諸島上空の防空に当たっています。しかし、尖閣諸島上空到達までに30分かかります。燃料の搭載量には限界があり、1時間強ほどしか防空任務に就けません。往復1時間かかるとなると、実際の戦闘時間は極めて短いわけです。戦闘時には燃料を最大限に使うので、5~10分しかもちません。

そこで、戦闘機を載せた「いずも」が、尖閣付近にまで近づくというわけです。そこから、発艦すれば、戦闘機の防空任務にさける時間が大幅に増すことになります。

陸上自衛隊の水陸機動団が今年3月27日に、佐賀県で発足したばかりですが、これはアメリカの海兵隊を見習ったものです。水陸機動団は、尖閣が奪われたら、艦船やオスプレイで上陸部隊を運び、逆上陸して奪い返します。

水陸機動団

しかし、上空の安全が確保されてないと、オスプレイはすぐに撃ち落されるので、海と空が一体となった作戦を実施できなければ、尖閣は守れません。統合戦闘能力を向上させる一環として、「いずも」の空母化が持ち上がったわけです。

また長崎県佐世保には、海兵隊が運用している「ワスプ級強襲揚陸艦」という軽空母が配備されました。これは、いずもと似ていて、F35Bが搭載でき、海兵隊の作戦を上空から支援する目的があります。日本は、これを真似ているわけです。

いずもに搭載できるF35Bは、ステルス戦闘機であり、攻撃機です。F35Bには、導入が検討されている空対地・対艦ミサイル「JSM」を搭載できます。

日本はすでに類似したミサイルを持っていますが、射程は120~130キロの範囲です。F35Bに、それよりも遠くから発射できるJSMを搭載することで、攻撃の「長射程化」を図り、尖閣をガッチリと守るつもりです。あくまでも、日本周辺に侵出してくる艦艇やミサイル発射台などを叩くことが目的です。

将来的には、尖閣防衛のためだけでなく、北朝鮮や中国などの脅威を取り除くために、F35Bを投入することもありえます。

さらには、南シナ海での航海の自由を守ることも、想定できるとは思います。つまり、シーレーンの防衛です。しかし、いずも自体に自分を守る防御能力はないので、イージス艦のような盾になる艦艇とセットでないと、南シナ海に行かせることはできません。

ただ、いずもは改修しても、戦闘機を最大14機しか運用できません。アメリカのワスプは20機くらい載りますので、それと比べると能力は落ちます。相手の戦力によりますが、いずも1隻では足りません。いずれは、2~4隻体制になるでしょう。

私は政府はもともと、いずもを空母化しようと考えていたのでしょう。少しずつ進めて、いつの間にか空母をつくるという、なにやら中国のサラミ戦術のようなやり方です。いきなり空母を建造するというより、小出しにして少しずつ実施すれば、マスコミなどから叩かれないという考えなのでしょう。政府は、空母の必要性について、正面から国民に説明すべきです。

米国は、11隻の原子力空母を保有していますが、日本もいずれは、原子力空母を持つべきです。ただし、原子力空母の建造には、日本は一切手をつけていないので、かなり時間がかかるでしょう。

おそらく、米国から買った方が早いです。持つべきだとは思いますが、10年~20年かかることでしょう。原子力空母は、燃料を入れなくて良いのですが、5~10年ごとにオーバーホールして核燃料の交換をしないといけませんので、経費も相当かかります。金と時間の面で融通が利きづらいです。

それに、原子力空母は一度燃料を入れると、その後は廃艦になるまで、燃料を入れなくもすむという利点はありますが、乗員は乗りっぱなしというわけにはいかず、交代する必要があるのと、水・食料補給、装備品の補給などで、原子力空母といえども、定期的にいずれかの港に寄港しなければなりません。

それを考えると、日本は原子力以外の既存のエネルギーを用いた省エネ型の空母をつくり、原子力空母の寄港頻度と同じくらいの頻度ですむような空母をつくることができるかもしれません。なにしろ、日本は省エネ技術では世界トップクラスなのですから。

しかし、まずは「いずもクラス」の軽空母を持つことで、当面の中国を含む周辺国への存在感はかなり高まります。

特に、中国に対するインパクトは相当のものになるでしょう。まずは、当面尖閣奪取の野望をくじくことになるでしょう。そうして、南シナ海での航海の自由を守ることにも寄与することになるでしょう。

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2018年1月7日日曜日

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【アジアを先導する日本】台湾海峡を中国から守る“主役”は日本 日台、中国共産党の野望を打ち砕くソフトパワーに

 米フーバー研究所フェロー、エミリー・チェン氏(在米台湾人)が2016年2月、米外交専門誌『ナショナル・インタレスト』で発表した論文「台湾海峡の次の主役は日本か?」は、タイトルから十分刺激的だった。

 台湾海峡は、台湾と中国・福建省を隔てる海峡で、1950年代から90年代まで、何度も台湾海峡危機と呼ばれる軍事的緊張が高まった。96年の台湾総統選挙では、台湾独立志向が強い李登輝氏が「民主」というスローガンを掲げて出馬したことに、中国共産党は強く反発した。

 中国人民解放軍は軍事演習として、ミサイルを台湾海峡に立て続けに撃ち込み、台湾を恫喝(どうかつ)した。これに対し、当時のビル・クリントン米大統領は空母2隻を中心とする艦隊を台湾海峡に派遣し、中国共産党に圧力をかけ、事態の沈静化を図った。中国による軍事的威嚇は台湾人をかえって団結させ、総統選挙では李氏が圧勝した。

 そんな、朝鮮半島の38度線と並ぶ「アジアの火薬庫」といえる台湾海峡の命運は日本が握っていると、チェン氏は論文に記した。

 彼女は、日本の軍事力で中国の台湾侵攻を阻止できる-と単純に考えたのではない。論文では軍事には触れず、この10年の日台間の民間交流の爆発的拡大と、濃密な親密度、相互理解について、日本文化の台湾への侵透から解き明かしている。そんな日台関係が、中国共産党の野望を打ち砕くソフトパワーになると、さまざまなデータを用いて論じているのだ。
チェン氏がそんな構想を描けた背景に、安倍晋三首相が第二次政権発足直後の2012年暮れに発表した「アジアの民主的安全保障ダイヤモンド(セキュリティーダイヤモンド)構想」があったのである。

 現実的な問題として、現在、日台間の軍事交流を進められる環境はない。だが、台湾は確実に、中国共産党の独裁政権を嫌う、成熟した海洋民主国家として、新しい一歩を踏み出している。この論文は、民進党の蔡英文総統が16年1月の台湾総統選挙で、国民党候補を打ち破るという予兆の中で書かれたものだった。

 昨年7月、中国の空母「遼寧」が台湾海峡を通過し、戦闘機や爆撃機も不穏な動きを見せた。中国共産党にしてみれば、クリントン米政権に空母を派遣された恨みを20年後に晴らすとともに、独立志向の蔡政権への脅しと嫌がらせの一環である。

 そんななか、海上自衛隊のヘリ搭載型護衛艦「いずも」は昨年6月、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国11人の士官を乗せて、南シナ海で不審船対処や救難訓練など国際法に準拠した研修を実施した。それは、中国が国際法を無視して、南シナ海の岩礁を埋め立て要塞化している海域の近くだった。

 ■西村幸祐(にしむら・こうゆう) ジャーナリスト。1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部中退。在学中、「三田文学」の編集を担当し、80年代後半から、作家、ジャーナリストとして活動。2002年日韓サッカーW杯取材後、拉致問題や歴史問題などにも、取材・執筆分野を広げる。アジア自由民主連帯協議会副会長。著書に『21世紀の「脱亜論」 中国・韓国との訣別』(祥伝社新書)、『報道しない自由』(イースト・プレス)など。

【私の論評】「いずも」の空母化は、中共の野望を粉微塵に打ち砕く(゚д゚)!

ブログ冒頭の西村氏の記事で、最後に「いずも」のことが出ているのは、当然といえば当然です。エミリー・チェン氏が触れていなかった、軍事力によっても日本が「台湾海峡の次の主役」になり得る可能性が高まってきたことです。

それは、この「いずも」の軽空母化です。これは、中国が極度に恐れていることです。米国の空母に加えて、日本の空母が台湾海峡を頻繁に行き来するようになることを恐れているのです。

なぜそこまで、中国は「いずも」空母化を恐れるのでしょうか。

日本ではF-35Bの導入検討が報道されました。共同通信によれば防衛省には「来年後半に見直す「防衛計画の大綱」に盛り込むことも想定」した検討が進められているといいます。

これはF-35Bを搭載した軽空母を作るということです。空自導入中のF-35Aの一部を軽空母用のB型に改めるのです。それを現在ヘリコプターを運用している海自軽空母「いずも」、「かが」で運用しようとする検討です。

なぜこのような構想が持ち上がったのでしょうか。簡単にいえば中国への対抗策です。日本は中国海軍力の成長に脅威を感じています。中でも日本が持たない空母を中国が保有しました。これは日本にとって大きな脅威です。それに対抗するためには日本も空母を持つしかない。それがF-35Bの「いずも」型搭載検討なのです。

さらにいえば、F-35B軽空母は対中海軍力の劣勢を一挙に改善できる力を持っています。

なぜなら日本が軽空母を持てば以下のようなことが実現できるからです。
1中国空母を陳腐化
2中国艦隊戦力の更新強要
3中国潜水艦戦力の更新遅滞
を引き起こせるからだ。


1 中国空母の陳腐化

日本がF-35B搭載の軽空母を作ると中国の正規空母は建造中を含めて全て旧式化することになります。なぜなら、中国の空母は艦載機の性能で圧倒的劣勢に陥るからです。中国空母が搭載しているJ-15戦闘機は第4世代戦闘機である。第5世代のステルス戦闘機F-35には手も足もでないです。レーダ探知できないF-35Bに対し中国のJ-15は一方的劣勢の立場に転落するからです。

中国初の国産空母。昨年4月26日水曜日に中国・大連で行われた進水式にて
実運用の差はさらに広がることになります。現用の中国空母はカタパルトを持ちません。このためJ-15戦闘機は発進時に重量制限が掛けられています。性能上は最大離陸重量33トンだが実際には28トンでの発艦も厳しいのです。しかも滑走路を長く取る必要があるためめ発艦の間隔も相当に間延びします。

日本軽空母にはそのようなことはありません。F-35Bはカタパルト無しでも満載重量で発艦できます。しかも着艦帯との取り合いもないため連続発進が可能となります。その結果、中国空母は日本軽空母に勝てない二線級装備となります。

そうしてこれは平時にも有効です。日本の軽空母に比較して、中国空母は旧式扱いされることになります。日本軽空母と並べられた場合「中国空母は日本空母に敵わない」ということが誰の目にも明らかになります。

2中国艦隊戦力の更新強要

日本軽空母登場により中国艦隊は日本に対して質的劣位に陥ることになります。中国は、対米劣勢に加え対日劣勢にも陥ることになります。実際上は、このブログで述べているように、アジア最大の海軍力を持つのは日本なのですが、それでも、中国の時代遅れの空母や、他の艦艇も数は多いので、なかなかそれを認識できないということがありますが、日本が軽空母を持った場合、誰の目から見ても明らかに中国は劣勢になります。その結果、中国は自国艦隊戦力を今以上に近代化しなければならなくなります。



これは駆逐艦以下にも及ぶことになります。空母にカタパルトを付け、ステルス艦載機を開発するだけではありません。空母を護衛する055、052C/D、054Aといった駆逐艦・フリゲートもF-35によるステルス攻撃に対抗しなければならないのです。

特にF-35向けに開発されたの対艦/対地/巡航ミサイルであるJSM対艦ミサイルの登場は、中国の護衛艦に厳しいことになります。ステルス性能が高いため正面からではレーダに映らないです。ミサイル側はレーダを使わない画像誘導のため逆探知も効きません。その上、従来ミサイル同様に高度2.5m程度の超低空を飛んでくるのです。

軍艦のレーダで波の乱反射の中を飛んでくる対艦ミサイルの探知は難しいです。その上、高ステルス性のJSMではミサイル反応が乱反射ノイズよりも小さくなるのです。

仮に探知できても迎撃できません。中国迎撃ミサイルは基本的に陸上転用型です。米国製とは異なり海面乱反射対処や超低空目標対処能力は高くはないです。一部の光学誘導あるいは電波・光学複合誘導タイプを除けばロックオンできないのです。

結果、中華イージス以下のシステムは、全く役立たずとなり更新を迫られることになります。空母、艦載機、駆逐艦の更新の結果どういうことになるでしょうか。

中国海軍の数的増勢は難しくなります。90年代建造の旧式艦更新もままならなくなることからすれば、今後は艦隊規模は縮小することになります。

3中国潜水艦戦力の更新遅滞

日本軽空母導入は中国に空母、艦載機、駆逐艦の更新を迫ることになり、それにより中国海軍の成長を抑制し、縮小方向に進めることになります。

そうしてこれは、中国潜水艦の更新増強を邪魔することにもつながります。

元々、中国空母は海軍力競争では脅威ではありますが、実際の戦闘ではさほどの脅威ではありません。日米は日本本土周辺なら容易に沈められます。所詮は艦載機30機未満の空母に過ぎません。搭載している早期警戒機もヘリコプターのZ-18AEWであり低性能です。

中国海軍初の原子力攻撃潜水艦。原子炉や戦闘システムが未熟であり、
静粛性や放射能漏れなどの問題があったが、数度の改修により改善されている
本当に面倒な敵は中国潜水艦です。性能向上は大幅に進んでおり、今のところはかなり簡単に探知できるのですが、近いうちには探知不能、もしくはかなり難しくとなるかもしれません。

実戦ではその対処に苦労することになります。どこに潜っているのかわからないということにもなりかねません。その中国潜水艦に対処するため日米海軍力は、多くの海域に軍備を分散して配備をせざるを得ないことになる可能性もあります。

このような背景から、日本の軽空母は、潜水艦への資源配分を妨害できる点もメリットです。空母建艦競争等は日米にとって都合の良い話なのです。中国は空母機動部隊1つを作るために最新の通常潜水艦10隻と原潜2隻を諦めることになります。これは日米にとって良い取引です。

防衛省がF-35Bを導入したいと考える理由はこのようなものだ。日本は導入と軽空母運用により中国との軍事力積み上げゲームを有利にできるのである。

導入コストは?

さほどではありません。F-35Bそのもののコストは大したものではありません。もともと計画されている空自F-35Aの一部をF-35Bに改める形ででできます。もちろん1機あたりの取得コストが20億円程度上昇することになります。エンジン等一部部品の集積を行う必要も生まれます。とはいいながら、全く新規の巨大事業ではありません。

空母もすでに準備されています。「いずも」「かが」はそのまま使えます。最初から各部寸法はF-35Bに合わせて作ってあります。格納庫も無理に詰め込めば14機は入ります。短距離離陸のためのスキージャンプはいりません。微速・無風でもF-35Bは軽量状態で100m未満で発進可能です。20ノット(約40km)、向かい風10mもあれば満載状態でも100mで発進できます。

あるいは中古コンテナ船を改修してもよいです。90年代末に建造された4000TEUクラスはただ同然で入手できます。経済性低下と排ガス規制でスクラップ処理がはじまっているからです。とはいいながら、全長300m、25ノット(約50km)出せる優良船です。飛行甲板を貼るだけでF-35B母艦として運用できます。


結論

日本が軽空母を数隻持ち、交代で台湾海峡を航行するようになれば、どういうことになるでしょうか。中国共産党の野望を打ち砕くソフトパワーとともに有効なハードパワーにもなります。

さらに、米国の空母も台湾海峡を不定期なが、航行させ、さらに日本の軽空母とともに、5隻程度の空母とともに、台湾海峡で大規模な軍事演習など行えば、中国は極度のプレッシャーにされされることになり、対抗上空母開発とともに海軍力の再構築に追い込まれることになります。

だからこそ、中国は「いずも」の空母化を極度に恐れているのです。「いずも」の空母化と、さらなる親密な日台関係が、中国共産党の野望を打ち砕く巨大パワーとなるのです。

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