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2020年1月27日月曜日

習近平「新型肺炎対策」の責任逃れと権謀術数―【私の論評】SARSに続き、今回も似たようなことを繰り返したWHOと中国は、世界から糾弾されて当然(゚д゚)!


中国で新型ウイルス肺炎拡大 各国で警戒

<新型肺炎の被害拡大を防ぐため、共産党政権は対策本部を急きょ設立した。だが、そのメンバー人事は予想外のものだった>

1月25日、中国共産党政治局常務委員会は新型肺炎に関する対策会議を開いた。昨年12月8日に新型肺炎が武漢で発見されて拡散して以来、共産党最高指導部がようやく開いた最初の対策会議なので、その中身が当然注目された。

まず今後の対策について、新華社通信が配信した対策会議の正式発表は冒頭からこう述べる。

「1月25日、中共中央政治局常務委員会は会議を開き、新型肺炎への対策に関する報告を聴取。疫情(疫病情況)の(拡大)防止・コントロール、特に患者の治療についての再研究・再手配・再動員を行なった」

つまり会議は、今後における新型肺炎の拡散防止と治療について、どういう措置をとるのかを研究し、実行のための手配や動員を行なった。ここで注目すべきなのは、「再研究・再手配・再動員」における「再」という言葉の連発である。

その意味するところは、共産党政治局常務委員会が事実上、今までの研究と手配と動員は不十分であることを認めた点にある。今までのやり方は不十分だったからこそ、「再研究・再手配・再動員」が必要となったのであろう。つまり政治局常務委員会は、今までの不手際を間接に認めた上で、対策の見直しや態勢の立て直しを図ろうとしている。

そこで態勢立て直しのためにとった重要な措置の1つが、党中央の「疫情対策指導小組」の設置である。

新型肺炎を防ぐ「指導小組」の疑問点

どういう組織なのかを理解するため、まず「小組」という言葉の意味を簡単に説明しておこう。中国共産党の中央指導部には多くの「小組」が設置されている。日本で言えば「統括本部」あるいは「対策本部」のようなものである。例えば「中央財経指導小組」は党と政府による経済運営・財政運営の統括本部であり、「中央外事工作指導小組」は即ち外交政策とその運営を統括する中国外交の最高司令塔である。

上述の「疫情対策指導小組」は、すなわち党中央新設の「新型肺炎対策本部」であり、党と政府と軍の全力を動員して疫病拡散の阻止や治療を行うという危機対策の司令塔なのである。

今になっての「対策本部」の設置はどう考えても遅すぎた感があるが、設置したこと自体は評価できよう。しかし、発表された「疫情対策指導小組」の中身やその布陣を見ていると、この「指導小組」は果たして、危機対策の司令塔の役割を果たせるのか、かなり疑問だ。

まず一つ不思議なことに、25日に新華社通信に配信された上述の共産党政治局常務委員会の正式発表は、「疫情対策指導小組」の設置を伝えたものの、誰かがこの「小組」の「組長」となっているかに一切言及してない。

何かの対策本部の設置を決めれば、同時にその長となる人事を発表するのは普通だ。事態が緊急である場合はなおさらである。しかし政治局常務委員会はどうやら、「疫情対策指導小組」の設置を決めておきながら、そのトップとなる人選を直ちに決められなかったようである。

「組長人事」はどうして迅速に決められなかったのか。考えられる理由の一つは、習近平国家主席自身を含めて中央指導部の誰もその役割を引き受けたくなかった、ということだ。

本来なら、習自身が「組長」の最適な人選である。国家の一大事への対処に当たって、共産党総書記・国家主席・軍事委員会主席として党国家の最高指導者・軍の最高司令官である彼こそ危機対策の司令塔の司令になるべきであろう。

実際、習は今まで前述の「中央財経指導小組」組長、「中央外事工作指導小組」組長のほかに十数の「組長」を兼任している。組長になることがこれほど好きな彼が今回の「疫情対策指導小組」の組長にならないのは、むしろ異例で筋が通らない。そして最高指導者の彼が進んで組長になろうとすれば、それを止める人も反対する人もいないはずである。しかし最高指導者の習は国家が存亡の危機に直面しているこの肝心な時に、先頭に立つことも全責任を負うことも拒否した模様である。

対策本部トップを引き受けた人物

最高指導者がこの有様では、共産党政権の新型肺炎対策はどこまで機能するか疑問だが、翌日の26日になると、疫情対策指導小組の組長人事がやっと判明した。李克強首相がそれを引き受けたのである。その日、李が組長として「疫情対策指導小組」の第1回目の会議を開いたと伝えられている。

新型肺炎対策本部のトップを押し付けつけられた?李首相(右)と押し付けた?習主席

この人事は普段なら「これでも良い」と思われようが、現在の重大なる緊急事態への対処に当たって決して強力な人事とは言えない。中国の場合、首相とはいっても、党総書記・国家主席・軍事委員会主席という三位一体の最高権力者よりはずっと弱い存在である。ましてや、「習近平一強」「習近平個人独裁」が確立されている現在、李が存在感の薄く権力も小さい、弱い首相であることは周知のとおりである。

この李が組長になっても、危機対策の司令塔としての役割を果たして果たせるかどうかは覚束ない。習ではなく李が組長となった時点で、疫情対策指導小組が強力な指導力を発揮することはもはや期待できなくなった、と言ってもいい。

これだけではない。さらに驚いたのは、李以外の疫情対策指導小組の布陣である。

まず、李の補佐役として指導小組の副組長となっているのは、政治局常務委員の王滬寧である。筆者はこの人事を人民日報で知ったとき、まさに狐に包まれたような異様な感じを受けた。

王は今、党内きっての理論家としてイデオロギーや宣伝を担当している。しかし、学者出身の彼は、地方や中央で政治の実務を担当した経験は一度もない。はっきり言って、理論家の王に今の危機で何らかの問題処理能力を果たすことは全く期待できない。副組長として実務面で李をサポートするはまずあり得ないが、その一方で政治局常務委員として、そして党内のイデオロギーの担当として、李の仕事に余計な口出しをしてくるのは必至だろう。王が副組長となったことで、ただでさえ無力な李はなおさら手足を縛られてしまう。

王を副組長に任命するこの人事を主導したのは当然李ではなく、王に近い習その人であると思われる。つまり習は、李に組長の大役を頼んでおきながら、安心して李に任せるのではなく、王を使って李首相を牽制したいのであろう。

副組長人事だけでなく、指導小組のメンバーの人選にも習の思惑が反映されている。

保健衛生の専門家がいない

新華社通信の発表で判明した指導小組の主要メンバーのうち、党中央弁公室主任の丁薛祥、党中央宣伝部長の黄坤明、北京市党委員会書記の蔡奇の3人がいずれも習の腹心の中の腹心であることは中国政界の常識である。上述の王滬寧を入れると、主要メンバーの半数が習近平派によって固められていることが分かる。

さらに奇妙なことに、主要メンバーには公安部長の趙克志や国務院秘書長の肖捷が入っているが、彼らと同じ大臣(閣僚)クラスの国家衛生健康委員会主任の馬暁偉や、衛生部長の陳竺の名前が見当たらない。

こうしてみると、危機の緊急対策本部としての疫情対策指導小組の人選は、実務重視・実行能力重視の視点から選ばれたわけでは決してなく、むしろ李への牽制という習の政治的思惑からの人事であることが一目瞭然である。

つまり習は国家の緊急事態に際し、自ら先頭に立って危機に当たる勇気もなければ責任感もなく、その責任を首相の李に押し付けてしまった。一方で、李に全権を委ねて李が思う存分仕事できる環境を作ってあげるのでもなく、逆に側近人事を行って李の仕事を牽制し、その手足を縛ろうとしている。

習のリーダーシップはもはや最悪と言うしかなく、この無責任さといい加減さで当面の危機を乗り越えられるわけはない。貧乏くじの役割を引き受けた李も要所要所で習の牽制を受け、きちんとしたリーダーシップを発揮できない。

このような指導体制で、今回の新型肺炎の事態収拾と危機克服は期待できそうもない。状況はまさに絶望的である。

【私の論評】SARSに続き、今回も似たようなことを繰り返したWHOと中国は、世界から糾弾されて当然(゚д゚)!

新型肺炎に関して、WHO(世界保健機構)が非常事態宣言を出さなかった事が激しく糾弾されることになるでしょう。習近平は事態を把握できていなかった可能性もあります。

WHOが大スポンサーの中国共産党を忖度した事が裏目に出たばかりか、台湾の締め出しも非難されることになるでしょう。日本としては世界の先頭に立って台湾のWHO加盟を訴えるべきです。

WHOが大スポンサーの中国共産党を忖度した事については、以下の記事が詳しいです。
「空白の8時間」は何を意味するのか?――習近平の保身が招くパンデミック
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より、結論部分のみ引用します。
 たとえ「緊急事態宣言」を受けたとしても、パンデミックを起こさないことの方が遥かに重要だと思うが、それを選択できないところに中国の欺瞞的な構造がある。地方政府の危なさと共に、こういった所に「ポキッと折れるかもしれない」中国の脆弱性が潜んでいるのである。 
 このような国の国家主席と「責任を共にすると誓い」、国賓として来日させようとしているのが日本の安倍内閣だ。天皇陛下と握手する場面を全世界にばらまかせることによって、習近平政権のやり方に正当性を与えようとしている。 
 このような状況にあってもなお、習近平を国賓として招聘するなどということが、どれほど恐ろしい未来を日本にそして全世界にもたらすか、安倍内閣は真相を見る目を持つべきだ。 
 野党も何をしているのか。習近平の国賓来日が、どれほど危険な将来をもたらすか、そのことにも目を向けた大局的な国会議論を望む。
日本では、新型のコロナウイルスによる肺炎について、安倍総理大臣は衆議院予算委員会で28日の閣議で、国内で感染が確認された場合、法律に基づいて強制的な入院などの措置を取ることができる「指定感染症」にする方針を明らかにしました。

     新型のコロナウイルスによる肺炎について、衆議院予算委員会で
    「指定感染症」にする方針を明らかにした安倍総理

この中で、安倍総理大臣は「政府としては、感染拡大が進んでいることを踏まえ、これまでに関係閣僚会議を開催し、水際対策のいっそうの徹底、検査体制の整備、国民に対する迅速かつ的確な情報提供、日本人渡航者や滞在者の安全確保などについて関係省庁で連携して、万全の対応をとるよう指示を行った」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「感染者に対する入院措置や、公費による適切な医療等を可能とするため、今般の新型コロナウイルスに関する感染症を感染症法上の『指定感染症』などにあすの閣議で指定する方針だ」と述べ、今回の肺炎について、28日の閣議で、国内で感染が確認された場合、法律に基づいて強制的な入院などの措置を取ることができる「指定感染症」にする方針を明らかにしました。

また、安倍総理大臣は中国政府との調整を加速させ、民間のチャーター機などあらゆる手段を通じて現地に滞在する日本人の希望者全員を速やかに帰国させる方針を重ねて明らかにしました。

新型コロナウイルスによる肺炎が「指定感染症」に含まれると、国内で感染が確認された場合、感染症法に基づいて強制的な措置をとることができます。

具体的には、都道府県知事が患者に対して感染症の対策が整った医療機関への入院を勧告し、従わない場合は強制的に入院させられるほか、患者が一定期間、仕事を休むよう指示できるようになります。入院などでかかる医療費は公費で負担されます。

指定の期間は原則1年間で、さらに最大で1年延長することができます。

指定感染症にはこれまでに平成15年に重症急性呼吸器症侯群「SARS」、平成25年にH7N9型の鳥インフルエンザなどが指定され、今回の肺炎が指定されれば平成26年の中東呼吸器症候群「MERS」以来、5例目となります。

指定までにかかる期間について厚生労働省は「過去には、2週間ほどかかった例もあったが、今回はそれよりも早く指定できるようにしたい」としています。

厚生労働省によりますと新型コロナウイルスによる肺炎については、指定感染症だけでなく検疫感染症にも指定される見通しです。

検疫感染症に指定されると、空港や港などの検疫所で感染が疑われる人が見つかった場合、法律に基づいて検査や診察を指示できるようになります。

具体的には、空港や港などで入国者に症状が出ていないかを質問し、感染が疑われる症状があった場合は検査や診察を受けるよう指示できます。

さらに、入国時に感染の疑いがある人については、一定期間、健康状態について報告を求めることができます。

これらに従わない場合は罰則を課すことができます。

日本としては、WHOが非常事態宣言を考慮したのか、新型肺炎に関して対応が鈍かったようですが、ようやく動きはじめました。

            スイス・ジュネーブのWHO本部で開かれた新型コロナウイルスによる肺炎感染に
            関する記者会見で発言するテドロス事務局長(2020年1月22日)

WHOをが非常事態宣言を出さなかったことに考慮したとしても、万が一国内で、新型肺炎が蔓延するようなことにでもなれば、多くの人命が失われたり、経済活動もままなくなるのは明らかなので、このような措置に踏み切ったのでしょう。

2020年に入ってからの27日間で世界は中東戦争の危機、オーストラリアの山火事による大量絶命の危機、新型肺炎によりグローバルパンデミックの危機に直面しているのに、習近平は自らの保身に走ることで、本当に新型肺炎に対処しようとしてるのか、はなはだ疑問です。現在のWHOも自らの使命を果たすつもりがあるのか、疑問です。

世界中の他の国々も続々と、日本政府のような措置をすでにとったか、とりつつあります。WHOの緊急事態宣言がない中で、世界中の国々がこうした措置をとっているのですから、WHOと中国の動きはなんともお粗末というか、現実を直視せず、中国人民に対してだけではなく、他の国々に対する裏切り行為でもあります。

現在は、我が国をはじめ、世界の国々は当面はパンデミックを封じ込めることに集中すべきですが、これが収束した場合には、WHOや中国を徹底的に糾弾すべきです。糾弾するだけではなく、制裁すべきです。

SARS続き、今回も似たようなことを繰り返したWHOと中国は糾弾されて当然です。それでも改めなければ、対中冷戦に本気で取り組んでいる米国のように、他国も中国に対して厳しい制裁を課すべきです。そうして、WHOにも厳しい措置をとるべきです。

中国とWHOがまともにならなければ、世界にはいつまでもパンデミックの危機を拭い去ることはできません。頭が19世紀か、もしかすると18世紀であるかのような両者をこのまま捨置くわけには絶対にいきません。両者とも、本当にかなり痛い目に合わせないと、いつまでも同じことを繰り返すことになるだけです。

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2016年5月14日土曜日

STAP現象の確認に成功、独有力大学が…責任逃れした理研と早稲田大学の責任、問われる―【私の論評】日本的な抗えない「空気」に流されるな(゚д゚)!

STAP現象の確認に成功、独有力大学が…責任逃れした理研と早稲田大学の責任、問われる


Ruprecht-Karls-Universitaet Heidelberg  ハイデルベルク大学 写真はブログ管理人挿入以下同じ
今年3月10日、ドイツの名門大学、ハイデルベルク大学の研究グループがSTAP関連の論文を発表した。論文タイトルは『Modified STAP conditions facilitate bivalent fate decision between pluripotency and apoptosis in Jurkat T-lymphocytes(邦訳:修正STAP条件によって、JurkatT細胞の運命が多能性と細胞死の間で二極分化する)』である。

海外の一流大学が、いわゆる「STAP現象」の再現実験を行ったということで話題となっている。以下に同論文の概要を紹介する。

<(1)序論:STAP論文は撤回されたが、低pHの刺激による万能性獲得の可能性は、がん、または、がん幹細胞の分野においては魅力的な課題である。

(2)実験:そこで、理化学研究所と米ハーバード大学から発表されたプロトコルを改変して、セルライン化されたT細胞に刺激を与える実験を行った。

(3)結果:当グループが見つけたpH3.3の条件では、酸処理後、多能性マーカーの一種であるAP染色陽性細胞の割合が増加した。AP陽性の多能性細胞は酸処理ストレス下を生き延びて優位に増加。

(4)考察:小保方晴子氏【編注:一連のSTAP細胞論文問題をめぐり2014年12月に理研を退職】が英科学誌「ネイチャー」で発表したプロトコルでは成功しなかった。それは、使用している緩衝液の緩衝能が適していないことが理由として考えられたので、それも変更した。

一番の発見は、このような瀕死のストレス条件では、Acute T-cell leukemia(ヒト急性T細胞白血病)の細胞株である JurkatT細胞が、万能性を獲得するか、もしくは死ぬかの間で揺らいでいることである。何がそれを左右するのかを探るのが今後の課題だ>

わかりやすく解説すると、以下のようになる。

<小保方氏が発見したSTAP現象を、がん細胞の一種であるJurkatT細胞を用いて再現実験を試みた。同細胞に対しては、小保方氏がネイチャーで発表した細胞に酸性ストレスをかける方法ではうまくいかなかったため、独自に修正した酸性ストレスをかける方法を試してみたところ、細胞が多能性(体のどんな細胞になれる能力)を示す反応を確認した。それと同時に細胞が死んでしまう現象も確認されたので、何が細胞の運命を分けているのかを探っていきたい>

小保方氏

    がん細胞の分野で研究の価値大 

    今回の論文で多能性を確認したAP染色陽性細胞は、小保方氏らのSTAP論文でも発現が確認されている多能性マーカーのひとつである。細胞が酸性ストレスによって多能性を示すという反応は、まさに小保方氏が発見したSTAP現象そのものだ。

世界的に活躍する国際ジャーナリストで、自身もニューヨーク医科大学で基礎医学を学び医療問題に関するリポートも多い大野和基氏は、同論文を次のように評価している。

「STAP現象の論文は撤回されたが、少なくともがん細胞の分野ではまだまだ研究の価値がある、ということだ。細胞の多能性に対する酸性 pH の効果は、がん生物学(がん幹細胞も含む)の分野では、注目されるトピックであり、STAP細胞が、がん細胞ではできた可能性があることを、このハイデルベルク大学の論文は示している。

また、この研究者らの実験では、小保方氏が確認した多能性を示すOCT4の発現を変えることができなかったようだが、異なる結果として、De Los Angelesほかが、STAPプロトコルのような、強いストレスでOCT4の発現が増加した例を紹介している。

ともあれ、『ネイチャー』のSTAP論文撤回後、海外の大学、しかもハイデルベルク大学においてSTAP現象を確認する実験が行われたことは注目すべきことである」

がん細胞の一種であるJurkatT細胞に対して、小保方氏が行った方法ではうまくいかなかった理由について、ある生物学の専門家は次のように分かりやすく説明してくれた。

「細胞の種類によってストレス反応に違いがあることも一因と考えられます。小保方氏はがん細胞以外の細胞を使っていたため、ストレスをかけるpHの違いが出ても不思議ではありません。

また、培養系の実験では、緩衝材の違いはもちろん、試薬のロット(製造日)差によっても結果が違ってくるというのは周知の事実ですし、シャーレのメーカーによっても結果に違いが出ることがあるほどです。それほど微妙な調整が必要な世界であり、プロトコル(手順)通りにやっても同じ結果が得られないことは普通です。

ハイデルベルク大学の研究グループは試行錯誤の結果、独自にSTAP現象を確認する方法を見いだされたのではないでしょうか」

日本国内では、マスコミによる異常な偏向報道によって、完全に葬り去られたように印象づけられたSTAP現象だが、そのような先入観もない海外の大学によって再現実験が試みられた事実は大きい。

    日本の専門家たちの間違い

一部の専門家は、小保方氏がSTAP細胞のレシピ(詳細な作製手順)を公表するサイト「STAP HOPE PAGE」を開設した際にも、「STAPを今さら研究する研究者は世界にどこにもいない」と批判していたが、それが完全な間違いであったことが証明された。

ネイチャーのSTAP論文が撤回された理由は、小保方氏が発見した「STAP現象」の否定ではなかったことは前回記事で述べた通りである。

小保方氏の人権を蹂躙するかのようなマスコミがつくり上げた世論に同調し、常識を逸脱した禁じ手まで使って論文をなきものとして責任逃れをした理研や早稲田大学と比べ、真摯に生物学的現象を追究するハイデルベルク大学のニュートラルな姿勢は、科学に向き合う本来のあり方を教えてくれる。

ハイデルベルク大学が発表した今回の論文によって、STAP現象に対する世界的な関心が再び高まっていくかもしれない。

(文=大宅健一郎/ジャーナリスト

【私の論評】日本的な抗えない「空気」に流されるな(゚д゚)!

上の大宅健一郎氏の記事にある、ネイチャーのSTAP論文が撤回された理由が、小保方氏が発見した「STAP現象」そのももの否定でなかったことを示す記事のリンクと一部引用を以下に掲載しておきます。
【STAP論文】若山教授、共同執筆者に無断で撤回が発覚…小保方氏捏造説へ誘導【前編】
 今年3月28日、兵庫県警は神戸の理研の研究室からES細胞が盗まれたとする窃盗容疑に関して、容疑者不詳のまま捜査書類を神戸地検に送付して捜査を終了した。これは、小保方氏のES細胞窃盗容疑はなくなったことを意味する。同じ容疑での告発はできないため、小保方氏が同じ容疑をかけられることは完全になくなったが、これを報道したマスコミはほとんどなかった。
 当時、小保方氏は、細胞に刺激を与えて万能性を示す状態となる「STAP現象」を担当しており、これは米ハーバード大学のバカンティ研究所でも成功させていた。小保方氏が記者会見で「200回以上成功した」というのは、このSTAP現象のことを指している。 
STAP細胞」実験の過程
一方、若山氏は小保方氏が作成したSTAP細胞から、ES細胞のように増殖力を持つSTAP幹細胞をつくり、キメラマウスを作成するのが担当だった。

STAP論文における小保方氏の写真の取り違えが判明し、マスコミの加熱する報道が起こり始めると、突如として若山氏は「論文撤回」を主張するようになる。しかも、理研の故・笹井芳樹教授やバカンティ教授など論文執筆者たちの承諾を得ないまま2014年3月10日、NHKの取材に対して勝手に論文撤回発言を行った。論文撤回するかどうかは、共同執筆者全員の賛同を得て初めて成り立つものであり、1人の執筆者が独断で行えるものではない。明らかなルール違反だった。 
 この無責任な発言によってマスコミの報道が一気に沸騰し、修正で済むはずだったSTAP論文は「捏造」というキーワードと共に悪意ある偏見の目で見られるようになり、「重箱の隅をつつく」指摘が止まらなくなる。そして、STAP細胞そのものがなかったことになっていく。 
 このNHK報道を契機として、若山氏は一方的に情報をリークできる立場を確保していく。特にNHKと毎日新聞への度重なる意図的なリークによって、自身に有利な世論を形成できる立場を得ていた。論文執筆者たちは、若山氏との話し合いの前に同氏の言い分を報道で知るという異常な事態となる。 
 この「空気」を追い風に、マスコミを通じて情報発信できる立場を得ていた若山氏は、さらに追い打ちをかけるような情報を発信する。
【STAP論文】若山教授、小保方氏を捏造犯に仕立て上げ…論文撤回理由を無断で書き換え【後編】
若山氏 
 若山氏は論文撤回において、共同執筆者の承諾なしに単独行動を繰り返すことになる。(論文)著者間で行われていたやりとりは、常に公開前にマスコミへとリークされていく。アメリカの著者のもとにNHKから取材が来たとき、著者間でしか知り得ない情報をすでにNHKが入手していたという。 
 さらに、STAP論文が掲載された英科学誌「ネイチャー」に対する論文撤回の連絡も若山氏が独断で行うようになり、若山氏が責任著者でない論文(バカンティ教授が責任著者)に関しても、独自で撤回のやりとりを行っていたという。 
 さらに若山氏は常軌を逸した行動に出る。 
 14年6月、論文執筆者たちが事態を収拾するため、著者全員が論文撤回に同意した。その時同意した内容が若山氏によって巧妙に書き換えられたのだ。
同意書には「STAP幹細胞は若山研に決して維持されていなかったマウスの系統であった」と書かれていたが、もともとの同意書には「STAP幹細胞は若山研に維持されていたマウスのES細胞の系統と一致する」と書かれていた。若山氏は「誰かが勝手に書き換えた」と新聞で一方的に発表していた。
 小保方氏が真相を確かめるために「ネイチャー」編集部に問い合わせると、若山氏が誰の相談もなく撤回理由を修正するメールを勝手に出していることが判明する。そして「ネイチャー」編集部は若山氏が送ったメールを転送してきて、それが物証となり若山氏の単独行動が明らかとなる。

これにより、STAP論文の撤回理由は、若山氏が作成したSTAP幹細胞に疑義があるということになった。しかも、事実とは異なる可能性、誰かがマウスをすり替えた可能性を示唆しつつ。つまり、STAP論文の撤回理由は「STAP現象」の否定ではなかった。
 小保方氏が希望(HOPE)を託した「STAP HOPE PAGE」には4月5日現在、107カ国からアクセスがあるそうだ。アメリカハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、ロックフェラー大学、イギリスのケンブリッジ大学など、世界中の著名な大学や公的生物学系研究機関、大手製薬会社からもアクセスが続いているという。サイトの広報活動を一切していないにもかかわらず、サイトの影響力は世界中に拡大している。 
 一方的な偏向報道で雲散霧消したと思われたSTAP細胞の存在は、ふたたび小保方氏のサイトにより息を吹き返してきたようだ。小保方氏が望んだように、いつしかどこかの国の科学者が、STAP細胞を再現する日が訪れるのだろうか。
さて、この記事の後に、ブログ冒頭の記事のように、 ハイデルベルク大学の研究グループがSTAP関連の論文を発表したのです。そうして、海外の一流大学が、いわゆる「STAP現象」の再現実験を行ったということで話題となったのです。

なお、STAP現象については、他の研究チームもその存在を確かめています。それについても、このブログで以前紹介したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
小保方さんの発見は真実!ネイチャーにマウスの体細胞が初期化して多能性を持つ「STAP現象」がアメリカの研究者により発表される―【私の論評】日本のマスコミや識者もSTAP細胞騒動を二度と繰り返すな(゚д゚)!
小保方さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、小保方晴子さんの発見した「外部ストレスにより体細胞が初期化して多能性を持つ」「STAP現象」が存在した事を報告する論文が、科学雑誌「ネイチャー」の姉妹紙でオンライン専用媒体「Nature.com SCIENTIFIC REPORTS」に2015年11月27日付けで掲載されたことを掲載しました。

以上の例の他にも、従来からSTAP現象の研究は多く行われていました。それにさらに小保方さんのSTAP騒動の後にも、上記2つの研究があったということで、少なくとも小保方晴子さんの研究が正しくなかったとはいえない状況になったものと思います。

狭義の意味では、STAP細胞は存在していました。STAP幹細胞は樹立できなかったのですが小保方さんが実験で観察したようにSTAP細胞は存在していた可能性も否定できなくなりました。それが裏付けるのが以上の2つの研究です。

小保方さんも米国の研究者グループも、ストレスを与えられた細胞が初期化する姿を観察しており、細胞が逆分化していくことを報告している点、非可逆性であるとされている細胞の定説を覆していることになるのかもしれません。これは、まさに千島学説的な研究成果と重なるものです。単に多能性細胞としての実践価値のあるなしにかかわらず、この重要な観察事実を無視することこそ非科学的なことではないでしょうか。

いずれにしても、小保方さんの「STAP細胞はあります」という主張を完璧に否定することはできない状況にはなったものと思います。



人間は不完全ですから、誰でも間違いや失敗をすることはあります。しかし、その後でそれを単に個人の倫理観に委ねていては、何も解決しません。単に「あいつが悪い」で終わってしまいます。

そうして、それを起こしてしまった、システムや背景など何も改善されません。マスコミはまるで、倫理判定装置のような見方で報道するのではなく、こうした観点から、報道すべきですし、理研の幹部や、文部省は、このような観点から調査をするのはもとより、その結果から、理研のシステムを変更するとか、危機管理システムを創設するか、内容を変更するなどの具体的な行動をして、このような事件を再発しないように、あるいは似たような事態が生じた場合には、早めにリスク管理行動を起こして、傷口が今回のように大きく広がることを阻止すべきです。

結局この問題、まともな意思決定ができていないため、過度に小保方さんに責任をかぶせることで、無理やり事態の収拾をはかってしまったようで非常に後味が悪いです。

そうして、なぜこのような状況になったのかといえば、いわゆる日本的な抗えない「空気」があったのだと思います。

空気とは、その場の雰囲気・流れのことです。これを敏感に察することを「空気を読む」といい、読めない人は「空気が読めない」と言われます。ちょっと俗語ぽっく「空気嫁(読め)」や「KY」などとも言われたりします。

しかし、場の空気をあまりにも重要視し過ぎると群集心理(集団心理)のスイッチが入り、多数派の側が合理的な是非を判断しないまま特定の時流に飲み込まれてしまい、暴動やパニック、その他社会にとって好ましくない事件を引き起こしてしまうという問題もあります。

インターネットの掲示板などが荒れるといった現象も群集心理が生み出す典型的な現象の一つです。そういう意味では、あえて「場の空気を読まないで警鐘を鳴らせる人」という存在も一定数必要です。しかし場の空気を「読まない」と「読めない」とでは大違いなので要注意ではあります。

「空気」の研究

この「空気」については、山本七平氏が『空気の研究』という書籍にまとめています。この書籍によりば、昭和期以前の人びとには「その場の空気に左右される」ことを「恥」と考える一面があありました。しかし、現代の日本では“空気”はある種の“絶対権威”のように驚くべき力をふるっています。この書籍では、あらゆる論理や主張を超えて、人びとを拘束するこの怪物の正体を解明し、日本人に独得の伝統的発想、心的秩序、体制を探った名著です。

この書籍では、日本人が 抗えない”空気” が醸成される理由を究明しています。空気の事例として、太平洋戦争に突入する時、誰もがアメリカには勝てないと思っていながら、その場の空気に拘束され、よくわからないまま戦争を始めてしまった例が代表格です。

山本氏は、空気が発生する必要条件として、「対象の臨在感的な把握」を挙げています。これはすべての民族が行う感情移入を前提としていますが、日本人は感情移入を絶対化して、それを感情移入とは考えないで、逆に対象に支配されてしまう状態になると言います。
”臨在感”は、やや分かりにくい表現ですが、”まさにその場にいる” 感じで、ものごとを捉えることです。

例えば、人骨に対する反応が示されています。日本人とユダヤ人の遺跡発掘プロジェクトで人骨がどんどん出てきたときに、ユダヤ人は人骨を物質として捉え平然としているのに、日本人研究者は人骨という対象を絶対化・物神化して、病気になってしまうのです。

さらに、遺影に対する反応では、裁判などで被害者の遺影を見ると、それを絶対化してしまい、被害者の立場に同調してしまうといいます。

絶対化する対象は、人骨という物質や、遺影などのイメージ(像)に留まらず、スローガンなどの言葉も含まれます。一昔前は、「先進国に追いつき、追い越せ」という言葉を絶対化して、そのような空気に支配されてしまったのです。

サラリーマンの飲み会で”脱サラしよう”と盛り上がる空気も事例として挙げられています。ただ、そのような時、誰かが「先立つ金がないよなあ」と水を差し、醸成された空気が崩壊する場面が描かれています。

ここで言う「水」とは水を差すという行為で空気を壊すのですが、それとは逆に、壊れやすい空気の絶対化・継続化を促すものと山本さんは捉えています。水とは、日本人の日常(通常性)を支える情況論理としています。

これには、若干の説明が必要でしょう。山本さんは、「固定倫理(論理)」、「情況倫理(論理)」と、情況倫理から派生する「辻褄が合わない論理」を比較しています。

簡単に言えば、固定論理とは、善悪などを固定・絶対的に考えることです。情況論理とは、固定論理的に考えず、その場その場の情況に応じて善悪などを考えること。辻褄が合わない論理とは、情況論理を採用する日本人が陥りやすい非論理的な考えを指します。


まさしく、本来小保方さんの論文など、固定論理で考えれば、本来さほど大きな問題でもなかったものです。

生物学は、結果が重視される世界です。結果が正しいならば、論文の執筆上のミスによって、その結果を否定することはできません。

たとえば、14年4月25日、STAP論文に疑義がかかった後、理研の野依良治理事長(当時)が理研内部の研究員に対し「論文を自己点検するように」と指示を出しました。その後、修正された論文はかなりの数に上ったのですが、論文が撤回となることもなく、この事実が報道されることもありませんでした。

さらに、STAP問題に対する調査委員会の委員のほとんどに論文の疑義がかかったのですが、その委員らはホームページなどで説明を行い修正することで終わっています。当時、小保方氏がホームページなどで情報発信することを禁じられていたことを考えると、非常に不公平な対応です。

また、小保方氏の早稲田大学時代の博士号が剥奪された際にも、早大の内部調査で博士論文89本に不正が見つかり、そのほとんどが修正だけで済み、小保方氏のような博士号剥奪処分はありませんでした。

14年4月、iPS細胞の発見でノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授の論文の画像にも疑義がありました。山中教授は論文の内容自体は正しいものの、自分以外の共同研究者の実験データが残っていなかったとして「心より反省し、おわび申し上げます」と謝罪して、この件は終了しました。

小保方氏の場合も今後STAP現象が続々と確認されれば、その成果を誰も否定することはできなくなるはずです。

山中伸弥教授

山本氏は、先に挙げた情況論理の基盤としての日本的な親子関係のような人同士の関係、組織内での人間関係のあり方を指摘しています。

これは、簡単に言えば辻褄が合わない主従関係であり、儒教を基本としながらも、それに日本的なアレンジをきかした人間関係の基盤で、「クローズド組織」に典型的に見られるものです。

疑似親子関係の中で、偉い方から「ある力」が加えられると空気ができると、当然、子分とか、その場にいる人間は、「対象を臨在感的に把握」する感情移入をする人たちで、水を差すことはあっても、その都度の情況に応じた論理で、場に追随してしまうのです。

これに関しては、増税論議があります。8%増税のときには、財務省はもとより、東京大学を頂点とする日本の主流派経済学者のほとんどが、8%増税は当然としていました。これに対して、少数ながら増税に反対する人々も存在していて、私も増税には反対でした。

なぜ反対かといえば、この世界にはマクロ経済学という学問が存在しており、この学問からすれば、どう考えてみても、デフレから完璧に抜けきっていない時に、緊縮財政の一手法である増税をするのは間違いであり、本来は積極財政である、減税などをすべきだからです。

しかし、現実にはマクロ経済学の基本は全く無視され、財務省、経済学者、マスコミまでがこぞって8%増税をしても日本経済への影響は軽微としたため、擬似親子関係によりほとんどの政治家が増税賛成の「空気」に迎合したため、安倍自民党政権もこの空気に抗うことはできず、実施されてしまいました。その結果は、皆さんご存知の通り大失敗でした。

しかし、この『空気』のせいか、増税賛成派の人々は現在においてもなお、自分の過ちを認めるような発言はしません。

それは、STAP騒動に関しても同じです。理研や文部科学省、マスコミまでが、擬似親子関係により、問題の本質を小保方さんの倫理問題にすり替えてしまいました。

このようにして、「日本的な抗えない空気」は醸成されるのです。

結局のところ、理研も文部科学省の誰も、今回の件に関して、リスク管理の面から批判されることもなく、リスク管理に対する脆い理研の体質はそのまま温存されることになりました。そうして、日本では未だに『STAP細胞はまがい物』との通念がまかり通っています。

対米戦争開戦が正しいとする説、デフレから脱却してない中での消費税増税が正しいという説、STAP細胞はまがいものであるという説、そうして上では掲載しなかったものの、安保法案は「戦争法案」であるという説などは、すべてこうした『空気』がもたらしたものです。

「腰抜け東条、勝てる戦争なぜやらぬ!」と煽った対米開戦直前の朝日新聞の紙面 
人間関係を円滑にするために、空気を読むことは大切なのです。しかし、それに流されてしまってはいけません。それはそれ、自分は自分で別物として受け取らないといけないのです。

そういう意味では、その場の空気を読むことに加え、その空気の流れを読めなければならないということです。

もしも、好ましくない方向に流れていたら、時にはあえて空気を読まないようにしないといけないのです。

しかし、未だに日本では、こうした『空気』に左右され、間違いが正されないということが往々にしてあります。ではこうした空気に流されないようにするためには、どうすれば良いのでしょうか。

それには、自分の頭で考え、自分の言葉で語り、自分の足で立つことです。それには、まず物事を正しく知ることです。自分の手で生きていくことによって、『空気』から脱却することができるのです。そうして、空気に流されることなく、時には自分の価値観や、ライフスタイルを追求するために人に嫌われることも厭わないようにするのです。そのことによって、人から操作されない自分を確立して、自分自身が自分の主人公になるのです。それこそが、『空気』に流されない唯一の道です。

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