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2016年8月2日火曜日

日銀の資金供給 8か月連続で過去最高を更新―【私の論評】金融緩和政策は限界でなく、まだまだ不十分なだけ(゚д゚)!

日銀の資金供給 8か月連続で過去最高を更新



日銀が市場に供給しているお金の量を示す「マネタリーベース」は、大規模な金融緩和を続けていることから先月末時点で403兆円余りとなり、8か月連続で過去最高を更新しました。

マネタリーベースは、世の中に出回る紙幣と硬貨、それに、民間の金融機関が日銀に預けている資金「当座預金」の残高を合わせたもので、日銀が市場に供給している資金の量を示します。

日銀の発表によりますと、先月末時点のマネタリーベースは403兆9463億円で、前の月と比べて91億円増え、8か月連続で過去最高を更新しました。これは、日銀が、目標としている2%の物価上昇率の実現に向けて、国債などを買い入れて市場に資金を供給する大規模な金融緩和を続けているためです。

ただ、大規模な緩和にもかかわらず物価上昇率は先月下旬に発表された最新の統計で4か月連続のマイナスとなっていて、目標の達成は遠い状況です。このため、日銀は、来月開く次の金融政策決定会合で今の金融緩和策の効果を総括的に検証することにしています。

【私の論評】金融緩和政策は限界でなく、まだまだ不十分なだけ(゚д゚)!

先月の29日から、31日まで、私は札幌から函館、仙台まで行っていましたので、その間の出来事などこのブログに掲載できませんでした。知事選関連はいろいろと掲載していましたが、日銀関連は掲載していませんでした。そのため、この間の重要な出来事であった、先月日銀の金融政策決定会合について掲載することにしました。

先月29日開催された日銀金融政策決定会合 中央奥は黒田日銀総裁
ブログ冒頭の記事では、マネタリーベースは8か月連続で過去最高を更新したことを伝えており、これだけだと、金融緩和は十分であるかの印象を受けます。しかし、そんなことはありません。実は、日銀の金融緩和政策は、まだまだ不十分です。

このような報道の仕方は、2012年のWBSという報道番組が報道したように、かなりのミスリーディングなものです。その報道番組についてはこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」―【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!
この記事は、2012年11月13日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、WBSの紛らわしい報道に関する部分のみ以下に抜粋します。
たとえば、昨日のWBSでは、以下のような画像が流されました。 
この画像驚くべきことに、日本のマネタリーベース(市場に出回っているお金)が世界一であるかの印象を植え付けるようなものです。これをみると、大方の人は、あたかも日銀がかなりの金融緩和をやっているように曲解すると思います。これは、実額を示しているものなのでしょうか、それとも・・・・・・。とにかく、実額にしても、対比にしてもあり得ないことです。WBSは、このような誤解を招くような報道をしたことを謝罪するべきです。
わかりやすくするには、どこかを基準として、そこからどのように伸び率が変わったかを複数の国で比較すべきで。たとえば、2000年を100とすると、以下のようになります。このような表示の仕方が一番わかりやすいです。こうしてみると、いかに、日銀が金融緩和をしていないか、一目瞭然です。こういう表示をすべきです。

それにしても、WBSの表示、なぜあのようになるのか、理解に苦しみます。そうして、WBSでは日本は、流動性の罠にはまっているので、財政出動をしても効き目はなく、規制緩和や金利の引き上げをしろと報道しています。需要がないので、現状では金利が下がっているのに、無理やり金利を引き上げれば、需要はますます冷え込むだけです。WBSは、リチャード・クー氏などがでているときは、本当に良い番組だったのですが、最近は日銀御用メディに成り下がってしまったようです。

ブログ冒頭の記事は、このWBSの報道のように酷くはないですが、それにしても誤解を招くような報道です。まるで、現在の日本が金融緩和は十分にすぎるほどに実施されているかのような印象を与えます。それは全く違います。本日は、それについて掲載します。

日銀は先月29日、金融政策決定会合を開き、追加金融緩和を賛成多数で決めました。緩和は1月のマイナス金利政策の導入決定以来、6カ月ぶり。株価指数連動型の上場投資信託(ETF)の買い入れを現在の年3.3兆円から6兆円に増額します。企業や金融機関の外貨調達の支援強化も決めました。金融機関が預ける日銀当座預金の一部に適用するマイナス金利は現行水準のマイナス0.1%に据え置きました。

日銀は政府が8月2日閣議決定する総合的な経済対策と「相乗効果を発揮する」と表明。政府と日銀が連携し、デフレ脱却へ向け、2%の物価上昇目標の実現を目指す強い決意を示しました。

ETF買い入れの増額は政策委員9人のうち、賛成7人、反対2人でした。通貨供給量を増やすため実施している現在の年間80兆円の国債購入は増額を見送りました。

今回の会合でまとめた日銀の最新予測である「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2%の物価上昇目標の実現時期について、従来通りに「2017年度中」としながらも「海外経済の不透明感から不確実性が大きい」との文言を加えました。

しかし、二年ほど(2015年終わり)でインフレ目標2%を達成するはずが、いまや2017年真ん中を見込むという一年半も後倒しになっている状況があります。




これは日本銀行の政策への信頼性・やる気を毀損していることは疑いありません。その原因は、消費税増税と国際環境の不確実性にあります。政府は消費増税の悪影響を回避するために、今回再延期に踏み切りました。当然にその認識を日銀が共有しているのなら、早期に追加緩和により積極的な対応を準備すべきでした。ところが、それをしていませんでした。

その認識の甘さが、今回のようなほとんど政策効果がないような、「追加緩和」に帰結しまった主な原因です。これは、やらないよりはましな、まさに政府の圧力への官僚的回答に過ぎません。

日銀は追加緩和の理由に関し、英国の欧州連合(EU)離脱問題や新興国経済の減速など海外経済の不透明感が高まり、金融市場は不安定な動きが続いていることから「企業や家計のコンフィデンス(心理)悪化につながるのを防止する」のが狙いだと説明しました。

展望リポートでは、16年度の消費者物価(除く生鮮食品)上昇率見通しを前年度比0.1%(従来0.5%)に下方修正。17年度は1.7%と従来見通しを維持しました。

今後の金融政策に関しては「必要な場合は追加的な金融緩和措置を講じる」と改めて強調。次回9月の決定会合で、現行の大規模緩和政策の効果などについて、総括的検証を行うことを明らかにしました。

しかし、この追加金融緩和策は、市場の期待を裏切る内容でした。黒田東彦(はるひこ)総裁は9月にも一段の緩和を示唆していますが、後がありません。専門家は、黒田総裁が対応を誤れば次期総裁人事に影響が出てくるほか、日銀内での「クーデター」の可能性についても言及しています。

日銀は上記のように、上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年3・3兆円から6兆円に増やした一方で、市場に供給するお金を年間80兆円のペースで増やす「量的緩和」は拡大せず、出し渋りの感は否めません。

上武大学教授 田中秀臣氏
日銀の金融政策をウオッチし続けてきた上武大教授の田中秀臣氏は、「批判の矢面に立たないようにETFを増額するが、量は増やさないというやり方は、昔の日銀の発想に戻ってしまったようだ」と批判しています。

黒田総裁は、2013年以降の金融緩和について「総括的な検証」をしたうえで、9月にもさらなる緩和を実施する可能性があるとしました。サプライズ狙いから、市場との対話路線に転じる構えですが、効果は不透明です。

しかし、この「総括な検証」の指示でも、いまのインフレ目標2%達成の遅れが、消費増税などの悪影響という国内要因ではなく、あくまで国外要因の責任にしています。これではいつまでたっても国内の経済低迷の原因について真摯な「総括的な検証」は行われないのではないでしょうか。

このまま黒田日銀が政府とのポリシーミックスに適応不全を続けるようであるならば、日銀法の改正やまたそれに伴う幹部の一掃が要される事態になるのではないでしょうか。 いまの日本では財務省出身や日本銀行プロパーにこだわる人材選択、または悪しきエリート主義への信奉こそ、政策の実現を遅らせるものはないと思います。黒田日銀にはその病理がいま集中して現れているように思えてなりません。

本田悦朗スイス大使
前出の田中氏は「日銀の組織防衛的なスタンスが続けば、安倍政権自体も追い込まれかねない。次の決定会合に政府側の委員として位の高い人物を送り込むほか、日銀法改正をちらつかせるなど政治的なプレッシャーをかけることがありうる。18年の次期総裁人事では、積極的な緩和論者である本田悦朗スイス大使を起用する可能性も高まったのではないか」と指摘します。

田中氏は、黒田総裁や日銀事務方のスタンスが変わらない場合、理論上は、決定会合で「クーデター」を起こせるという大胆な仮説を立てています。

「リフレ政策に理解のある委員は(9人中)5人いる。1回限りであれば、総裁らが反対しても大胆な量的緩和を可決することは可能だ」

黒田総裁にとっては、9月が信頼を取り戻すラストチャンスなのかもしれません。

田中氏は、本日以下のようなツイートをしています。
本当に、マスコミも識者でも、日銀の政策決定に関する批判について勘違いしている人が大勢います。特に田中氏のツイートの中の"1)政策手段や手段が尽きたから批判する"不思議な人が大勢いて困ります。そういう人の中には「アベノミクスは限界」などという、頓珍漢、奇妙奇天烈な批判をする人がいるので困ります。私は、こういう人々の仲間ではありません。

"8月3日 訂正:上のツイートで、ヘッドダイン寄生は「ヘッドライン寄生」の間違いでした。田中氏自身も間違えていたのでそのまま掲載しました。田中氏も本日ご自身で訂正されています"

あくまで、田中氏もそうですが、私も"2)政策手段や手段はあるのにやらないことを批判"しているのです。

そうして、その根拠は以前にもこのブログに掲載しました。それを以下に再掲します。その記事のリンクを以下に掲載します。
日銀 大規模な金融緩和策 維持を決定―【私の論評】日銀は批判を恐れずなるべくはやく追加金融緩和を実行せよ(゚д゚)!
この記事は、今年の6月のものです。やはり、6月の金融政策決定会合が開催され、この時も追加金融緩和が見送られました。今回の追加見送りも、結局このときの見送りと同じような理由によるものと考えられます。以下に一部引用します。
結論からいうと、日銀は追加金融緩和を行うべきでした。以前このブログにも掲載したように、いくら金融緩和しても下げられない失業率を「構造的失業率」といい、実際の失業率が構造的失業率まで下がらないと、物価や実質賃金は本格的に上昇せず、インフレ目標の達成もおぼつかないことになります。
構造的失業率などについて以下に簡単に解説しておきます。 
総務省では、失業を発生原因によって、「需要不足失業」、「構造的失業」、「摩擦的失業」の3つに分類しています。 
  • 需要不足失業―景気後退期に労働需要(雇用の受け皿)が減少することにより生じる失業 
  • 構造的失業―企業が求める人材と求職者の持っている特性(職業能力や年齢)などが異なることにより生じる失業 
  • 摩擦的失業―企業と求職者の互いの情報が不完全であるため、両者が相手を探すのに時間がかかることによる失業(一時的に発生する失業)
日銀は、構造失業率が3%台前半で、直近の完全失業率(4月時点で3・2%)から下がらないので、これ以上金融緩和の必要がないという考えが主流のようです。 
過去の失業率をみてみると、以下のような状況です。
過去20年近くは、デフレなどの影響があったので、あまり参考にならないと思ういます。それより前の過去の失業率をみると、最低では2%程度のときもありました。過去の日本では、3%を超えると失業率が高くなったとみられていました。
このことを考えると、日本の構造失業率は3%を切る2.7%程度ではないかと考えられます。 
であるとすれば、現在の完全失業率3.2%ですから、まだ失業率は下げられると考えます。だとすれば、さらに金融緩和をすべきでした。

しかし、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は、すでに実際の失業率が構造失業率に近い水準まで下がっているのに、なぜ賃金が上昇しないのか、疑問を持っていたようです。にもかかわらず、今回は追加金融緩和を見送ってしまいました。
構造的失業率が2.7%程度あろうことは、高橋洋一氏も述べていますし、他のまともな経済学者もそう考えている人が多いです。無論、マスコミや日本の主流の経済学者や民間エコノミストたちはそう考えていないようですが、彼らは8%増税の影響は軽微などとしていたくらいですから、全く信用できません。

本来は、この時期に追加金融緩和を実施すべきでした。大規模な追加金融緩和を行えば失業率は2.7%程度にまで下がり、そこからほとんど下がらなくなり、賃金が本格的に上昇することになります。そうなると、物価上昇が始まることになります。

「アベノミクス」の特に金融緩和政策は、限界に来たのではなく、8%増税などを実行してしまっため、まだやり足りないのです。もし、8%増税をしていなければ、物価上昇2%はもうすでに達成できていたかもしれません。とにかく、失業率が2.7%まで下がらないようでは、十分とはいえないのです。

この認識ができない、黒田総裁にはやめていただく以外に道はないのかもしれません。あるいは、日銀法を改正して、日本国の金融政策の目標は政府が定めて、その目標を実現するための手段を日銀が専門家的立場から自由に選ぶことができるという具合に改めるしかないかもしれません。

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2015年2月9日月曜日

中国:1月の貿易黒字は過去最高-内需の弱さ浮き彫りに―【私の論評】安倍政権批判のためには何でもする日本の敵マスコミ諸氏! 中国は貿易黒字で大躍進ではないのですか! 嘘つき日本マスコミの実体が良く理解できる記事(゚д゚)!



税関総署が8日発表した1月の輸入は前年同月比19.9%減少し、約5年ぶりの大幅減。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリストの予想は3.2%減だった。輸出は3.3%減少(予想中央値5.9%増加)し、貿易黒字は600億ドルに達した。

原油や鉄鉱石など商品への国内需要が減少する中で、不動産価格下落と製造業の活動縮小は中国政府が景気刺激策を強化する必要がある可能性を示している。また、輸出と輸入が減少し、貿易黒字が過去最高となったことは、政府の為替レート管理を複雑にする。

ブルームバーグのエコノミスト、トム・オーリック氏はリポートで輸出減少に関して、「競争力の低下と外需の弱さへの懸念を浮き彫りにするものだ」と指摘。同氏は輸出入ともに驚くべき数字で「刺激策へのさらなる動きを強めるものだ」と述べた。同氏は1-3月に政策金利が1度引き下げられると予想する。

同氏はまた、予想外の弱いデータは注意して解釈する必要があり、中国の春節(旧正月)の季節要因や昨年のベースが高いこと、さらに価格低下で弱さが誇張されている恐れがあると語った。

中国の輸出は対EUが4.4%、香港が10.9%、日本が20.4%それぞれ減少。ロシアへの輸出は42.1%減と大きく落ち込んだ。

原題:China’s Record Trade Surplus Highlights Weak Domestic Demand(抜粋)

この記事は要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】安倍政権批判のためには何でもする日本の敵マスコミ諸氏! 中国は貿易黒字で大躍進ではないのですか! 嘘つき日本マスコミの実体が良く理解できる記事(゚д゚)!


中国経済が、過去最大の貿易黒字であるにもかかわらず大変なことになっているとは驚き!

上の記事によれば、中国は輸出・輸入ともに減っているのですが、とにかくとてつもなく、国内需要が減っているため、輸入が激減しているため、結果としては大幅な貿易黒字超過になっているということです。

それにしても、とんでもないことになっていますね。でも、日本のマスコミ諸氏の方々は、この現象をどうやってご説明遊ばすのでしょうか。彼らの多くは、貿易黒字=良いこと、貿易赤字=悪いこと、と認識されているようで、特に日本のことを報道するにおいてはそのように報道しています。

そうではないということは、無論私もわかっていますが、それにしても、これは全くの間違いである事例はないものか、それも架空の話ではなく、現実の本当の例はないかと思っていましたが、まさに上の記事はその典型例になると思い、掲載させていたたきました。

確かに、現在の中国のように、国内需要が冷え込み、輸入が激減して、輸出も減少気味というような厳しい状況では、大幅な貿易黒字であっても、それ自体は何も良いことはなく、むしろかなり悪いということです。

それについては、高橋洋一氏もその間違いを指摘しています。それに関する記事をこのブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
中国の輸入は激減して、それが過去最高の貿易黒字になっているという
アベノミクスで改善スピード5割増し!マスコミは「貿易収支赤字」で騒ぐより「失業率低下」に注目せよ―【私の論評】学問や議論の基礎ができていない人間が平気で経済評論家を名乗れてしまう風潮をおちょくろう!正統リフレ派のいうことに耳を傾けよう(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事において、高橋洋一氏は貿易赤字について以下のように語っています。
しかし、やや中期的な話になって、経済統計を使うなど抽象度が少し高まると、マスコミ報道は急につまらなくなる。

多少の貿易赤字は健全ですらある

その典型が、貿易収支赤字で日本経済は危ないという類いの報道だ。もともと、マスコミは学問の不勉強な人が多く、経済統計などはあまりみていない。実際、経済統計の原典など読んでおらず、誰か(官僚が多い)の請け売りで、データを教えてもらって記事を書く人が多い。マスコミの記事ではほとんど図がないことからわかるが、原典データを図表にできる人はほとんどいない。まして、その統計を分析できるはずない。

2014年02月17日付け本コラムでも、そうした俗論を批判した。

消費税増税の経済への悪影響から目をそらすために、貿易収支赤字(経常収支赤字)が大変だというわけだ。この種のトリックは、「重商主義の誤り」という一言で終わる議論だ。これは、経済学をまじめに勉強した人なら誰でも知っていることだが、マスコミや一般経営者でもその水準に達していない人がいかに多いかが、いまだにこの種の妄説がまかり通っていることからもよくわかる。

2014年02月17日付けコラムの図ですぐにわかるように、世界全体を見ても経常収支赤字国は多いが、それらの国で成長率が低かったり、金利が高かったりということはない。経常収支赤字や黒字は、経済成長や金利にほとんど無関係なのだ。それでも、こうした海外の事情を全く知らないマスコミは、金融緩和で円安になっても貿易は増えていない、貿易赤字は○○ヶ月連続で大変だという。
とにかく、マスコミの報道では、貿易収支は無論のこと、経常収支黒字=日本経済にプラス、経常収支赤字=日本経済にマイナスというような、短絡的な報道が目立ちます。

貿易収支が赤字だろうが、経常収支が赤字だろうが、それだけをもって、日本経済にマイナスであるとか、日本経済にプラスであるなどということは、全くいえません。

8%増税の前の、日本は貿易赤字でしたが、それは国内景気がよくなって、国内需要が増して、輸入が増え、マイナスになっていたということであり、貿易赤字だからといって、それが何も日本の経済が悪いということを示しているわけではありません。

経常収支赤字の場合、そもそも国の「収益」とは無関係です。経常収支赤字になると金利が高騰するという人もいますが、データで見れば、経常収支と金利も無関係です。

とはいっても、経常収支赤字が「永遠」に続くと問題になることでしょう。経常収支赤字は、国際収支会計上の定義といっても同じなのですが、国の対外資産を減少させるからです。

しかし、日本の対外純資産は300兆円なので、仮に5兆円の経常収支赤字でも純債務国になるまで60年もかかります。10兆円の経常収支赤字でも30年もかかります。こうした長期になると予測する事自体が馬鹿馬鹿しいです。

経常収支赤字と財政赤字は一緒に話題になることもあります。これには理由があります。会計上の定義でもあるのですが、IS(投資・貯蓄)バランス論があります。民間部門の貯蓄超過が政府の財政赤字と経常収支黒字の合計に事後的に等しくなるというものです。

もっとも、ISバランス論は会計上の事後恒等式であり、その間の因果関係をいうものではありません。このため、経常収支赤字であるからといっても、それが財政赤字をもたらすものではありません。まして、国際収支のリファイナンスに問題がなければ、金利の話にはなりません。

経常収支赤字が問題という人は、金利の上昇を問題にする人が多いようですが、どうもその人たちは、財政赤字で金利が上昇すると言いたい人のようです。このあたりは、ISバランス論や過去のデータからはまったく非論理的なのですが、これがこういう人たちの心情なのでしょう。

貿易統計や、国際収支のみでものを語る愚かな人々?

とにかく、高橋洋一氏の語っているように、経済に関しても、中期的な話になって、経済統計を使うなど抽象度が少し高まると、マスコミ報道は急につまらなくなります。つまらないどころか、デタラメを並べだします。

たとえば、アベノミクスで格差が拡大しているなどという話を何の検証もせずに、報道したりします。しかし、労働市場の需給状況をよりストレートに反映する、アルバイトなど非正規労働者の賃金をみてみると、過去2年で着実に上昇しています。

限界的な賃金上昇も低所得世帯の所得を底上げしており、100万人規模の雇用創出とともに、経済格差を縮小させています。こういうことを無視して、マスコミのエテ公どもは、安倍政権批判のためには、作り話でもなんでもします。

それも自分たちの都合の良いように、安倍政権糾弾に結びつけるようにうまく工夫します。私達はも、これについて十分気をつけて、マスコミの言説には惑わされないようにすべきです。

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経常収支赤字と財政赤字を弄ぶ「エア御用人」たちの笑える論理―【私の論評】財務省はブレイキング・バッドのウォルターのように破滅に向かって走る!これに媚びるエア御用人どももいずれ破滅する(゚д゚)!

稼ぐ力衰え、遠い貿易立国復活の道 昨年の経常黒字が過去最少―【私の論評】未だにこんな馬鹿な経済記事を掲載していて良いのか、このマスコミの劣化はどうする!最低限ウソや紛らわしいを報道したらクビというのはどうだい?

ピケティ氏、消費増税に「ノー」 都内の討論会で発言―【私の論評】ピケティ氏の理論を利用して増税推進を正当化してみたり、イスラーム国人質事件で政府批判をする輩は、私達の生活を実質的に脅かす者共であると自覚せよ(゚д゚)!

【関連図書】

マスコミのエテ公どもは、この本でも読んで勉強すれば良いと思います。下の書籍では、付録として国際収支のことも説明しています。この書籍を読むと、現時点での日本経済に関して疑問点はなくなるし、国際収支の勉強までできてしまいます。でも、マスコミのエテ公どもは読まないでしょうね。なにせ、彼らの本当の目的は、正しい報道をすることではなく、安倍政権批判ですから・・・・・


以下の書籍は、実名で反リフレ派のまやかし理論をバッタバッタとなぎ倒しています。

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2014年12月21日日曜日

中韓に「親しみ感じない」過去最高 米好印象続く 印は伯仲 内閣府世論調査―【私の論評】われわれ日本人として韓国はどうでも良いが、中国の軍事的脅威論、中米二国間体制論には、気をつけるべき(゚д゚)!




 内閣府が20日に公表した外交に関する世論調査によると、中国に「親しみを感じない」との回答が83・1%、韓国に対しては66・4%となり、昭和53年の調査開始以来、いずれも最高となった。特に対韓国では前年比8・4ポイント急増しており、慰安婦問題や産経新聞前ソウル支局長の訴追などをめぐり反日的な言動を繰り返す朴(パク)槿恵(クネ)政権や韓国社会への不信感が如実に表れたようだ。

 韓国に「親しみを感じる」と答えた人は31・5%で、前年に比べ9・2ポイントも下落した。平成24年8月に当時の李明博大統領が竹島(島根県隠岐の島町)に不法上陸した上、天皇陛下へ謝罪を要求して以降、韓国への好感度は急落。朴政権下でも、この傾向に拍車がかかっている。

 一方、中国への「親しみを感じない」は微増だが、24年調査以降3年連続で8割を超えた。「親しみを感じる」と回答した人は14・8%(同3・3ポイント減)にとどまり、過去最低を更新。日中関係について「良好だと思わない」とした人は84・5%に上った。

 調査は11月の日中首脳会談前に実施されたが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船による領海侵犯や歴史認識をめぐる対日批判など、一方的な主張を押し通そうとする中国への警戒感が影響したようだ。

 一方、安倍政権が安全保障や経済で関係強化を進める米国には「親しみを感じる」との回答が82・6%となり、23年以来4年連続で8割を超えた。同年3月の東日本大震災で、献身的に被災者を支援した米軍の活動が良い印象を残しているようだ。

 ウクライナ情勢をめぐり、日米欧が経済制裁を発動しているロシアへは「親しみを感じない」人が76・4%と前年に比べ1・6ポイント微増。インドに対しては47・1%が「親しみを感じる」と答え、「親しみを感じない」(45・4%)を上回った。北朝鮮への関心事項を複数回答で尋ねたところ、「日本人拉致問題」が最多の88・3%だった。

 調査は10月16~26日に全国の成人男女3千人を対象に個別面接方式で行った。有効回収率は60%だった。

【私の論評】中国幻想に浸り続けるマスコミ・識者と中韓に親しみを感じない多数の日本国民との感覚の乖離が、アジアから冷戦体制の残りカスを取り除きアジアを変えるきっかけとなる(゚д゚)!

上のアンケート結果、多くの人々が納得のいくところだと思います。今回の衆議院議員選挙では、安倍総理は「増税見送り」を公約として掲げ、大勝しました。これに関して、様々な意見が語られていますが、選挙前にアンケートを採った結果では「増税反対」とする人の数が圧倒的に多く、7割を超えていました。だから、この選挙結果は当然といえば、当然です。

しかし、マスコミをはじめ、識者の多くが、「予定通りに10%増税すべき」としていました。このマスコミと識者と国民との間には、埋めがたい溝があることがはっきりしました。そうして、マスコミや識者にとっては、今回の安倍総理の決断による解散総選挙は、青天の霹靂だったかもしれません。

これは、中韓に対する態度でも同じというか、さらに顕著です。国民の8割方が、中韓に対して「親しみを感じない」としているにもかかわらず、マスコミや多くの識者の中にはどこまでも「親中・韓、媚中・韓」的な報道をするマスコミが多数派であり、識者の中にもそういう人が大勢存在します。

最近では、さすがにあからさまにそのような報道や、発言はしなくなりましたが、何やら、新華社通信などを翻訳したような記事の内容を報道するメディアや、識者が多数存在します。

このままで、いくと、いずれマスコミや識者らは、今回の安倍総理の決断による、「解散・総選挙」のような青天の霹靂のような事態に直面することになると思います。

そのようなことが積み重なり、いずれ大多数の国民からの信任を失い、消えていくことになるかもしれません。というより、これだけ国民の考え、すなわち、民意からかけ離れていれば、そうなるのが自然の成り行きというものです。

未だ中国幻想に取り憑かれているマスコミ・識者は多い

さて、こうした状況にある日本ですが、中韓に関して、私達は以下の三点について留意しなければならないと思います。

まず、1点は、中韓自体が態度を改めて、反日などはとりやめ、まともに日本とつき合う姿勢を観せない限り、中韓に対してノータッチで臨むということです。

安倍総理自身はそのような態度で臨んでいます。APECで習近平との首脳会談は成立しましたが、あの様子を見てもこれから、日中間の関係が発展するとはとても思えません。安倍総理は、これからも日中関係を発展させるとか、深めるという考えはないと思います。

しかし、日本という国の実体を考えれば、中国とは積極的に関係を強化する必要性など全くありません。そもそも、対中国の輸出入など、日本のGDPのほんの数%に過ぎません。

輸入に関しては、レアアースなども代替物質が見つかり、他国からの輸入もできるようになっていますから、中国から輸入できなくても、全く困ることはありません。他の、中国からの輸入品も、他国のもので代替できるものばかりであり、中国からの輸入が全く途絶えても、日本は何も困りません。

輸出に関しても、そもそも日本における輸出は、GDPに占める割合は、15%内外であり、その中でも中国向けということになると、ほんの数%に過ぎません。日本は圧倒的に内需の大きい国であり、対中国輸出がゼロになったとしても、ほとんど影響を受けません。それに、中国輸出がゼロになったとしても、他国への輸出を増やせば良いだけであり、日本の輸出産業はほとんど影響を受けないでしょう。

これに対して、中国のGDPの十数%にも相当する部分が、日中の合弁企業などでつくられているので、日本が中国から引き上げれば困るのは中国のほうです。合弁企業など、大手企業が多いので、そのまま中国にとどまり続けるか、撤退するかは、企業の自己責任で実行すべきものと思います。

中国とは、国交を断絶したとしても、日本側は全く困ることなどありません。中国でもこの有り様ですから、韓国など本当に日本にとってとるに足らない存在です。

そもそも、韓国の場合人口も数千万と日本の約半分で、日本よりはるかに少ないですし、GDPもとるに足りないです。かろうじて、日本の東京都とほぼ同程度のGDPに過ぎません。音楽市場も、日本の1/10以下の規模に過ぎなく、なぜK-POPのスターたちが、日本に足繁く来ていたのかわかるというものです。

これでは、輸出するといっても、そもそも市場があまりに小さすぎて、話にも何にもならないわけです。輸入も特に韓国でなければならないということもありません。

こうしたことから導かれる結論は、中韓が内政干渉まがいのことを言ってきたり、歴史を捏造して、反日活動をしても、全く相手にしないというのが最上の策だということです。

そうはいっても、歴史の捏造などに関しては、きちんと反論すべきはして、後は全く関与セずノータッチで全く関与しないという姿勢が最も良い対処の仕方です。付き合うとすれば、冠婚葬祭程度にして、それ以上のことはしないようにすべきです。

反論に関しても、どこまでやるかという話もありますが、国際的には、二国間で論争がおき、水掛け論になった場合、最初に言い出したほうが負けという厳然たるルールがありますから、中韓が歴史の捏造を行った場合、日本としては、それに対する反証をあげ、水掛け論に持っていけばそれで良いです。余計な深入りはしないことです。これを長期間にわたり押し通すことです。

第二に、中国発信による、中国の軍事的脅威論など信じるべきではありません。以前もこのブログで掲載したように、中国はまだまだ日本と戦争するような力は全くありません。

ただし、日本としては、中国側がつけあがって、尖閣問題をよりいっそう過激にしたり、上陸などの素振りを見せたら、これを排除できるように国内法の整備をしたり、10年後、20年後の脅威に備えて今から準備はしておき、備えるということはしておくべきでしょう。

中国幻想は捨て去るべき


さらに、第三点目として、いわゆる米中二大国体制などの幻想も捨て去るべきです。米国においては、一般国民は、中国に親しみを感じているようですが、これは日本など中国の周辺諸国とは異なり、アメリカから中国は地理的に遠いということもあり、直接領土の侵犯などの被害を被る機会がないためであると思います。

米中2国体制とは、世界を米ソによる冷戦体制、ただし、中国がソ連に肩代わりして、戻るということを意味しており、全く非現実的です。そんなことは成り立ちませんが、そのような中国の妄想に対しては、日本独自の対処方法があります。

それに関しては、このブログでも以前述べたことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
米国議会で日増しに強くなる対中強硬論―【私の論評】世界は複雑だ!米中一体化、G2など中国の妄想にすぎない!しかし、日本にとってはこの妄想につけこむ絶好のタイミングかもしれない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、アメリカ議会は対中強硬論が主流になっていることを掲載しました。そうして、米中2国体制の妄想を抱く中国は、かつてのソ連のように崩壊することや、そうして日本は、中国と国境を接する国々のランドパワーを増すようにうごくべきことを提唱しました。

こうして、日本は中国の近隣諸国のランドパワーを増すような政策をとりながらも、中国自体に対してノータッチの外交を継続すれば、反日活動をしても何もならないことになるので、中韓の反日活動も下火になり、それどころか、反日によって今までは、中国人民や韓国国民の怒りのマグマを政府に向けられるのを日本にそらすことができたのに、それも効き目がなくなって、中韓の現体制は崩壊します。

崩壊して、中国あたりはいくつかの国に分裂することになるでしょうから、その中でまともな国が樹立されれば、そういう国とだけ、国交を回復すれば良いです。そうでなければ、ノータッチを継続すれば良いのです。



韓国に至っては、現体制が崩れれば、北朝鮮か、中国の完璧な属国となるかもしれません。そうなれば、永遠にお付き合いのできない地域になるかもしれません。

マスコミやいわゆる識者といわれる人々は気づいていませんが、安倍総理はもうすでにこの方向で動いています。そうして、上のアンケートに見られる通り、中韓に対して多くの国民は、親しみを感じていないわけですから、国民はこの方針を歓迎すると思います。親しみを感じない国と、無理につき合う必要など全くありません。

私は、安倍総理は、この方針を貫き通し、さらに強化して、日本の国益を毀損しないようにし、そうしてアジアの平和と安定に寄与するように努力を継続していただきたいと思います。

そうして、いずれその時期がくれば、安倍総理は、「増税見送り解散・総選挙」のように、マスコミや識者が、感知できない新たな隠し球によって、完璧に出しぬき驚愕させることになると思います。

私は、未だ中国幻想に浸り続けるマスコミ・識者と中韓に親しみを感じない多数の日本国民との感覚の乖離が、アジアから冷戦体制の残りカスを取り除きアジアを変えるきっかけになるとと確信しています。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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