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2013年8月31日土曜日

話題沸騰! あの『デフレの正体』の著者・藻谷浩介「里山資本主義」で日本は復活する―【私の論評】藻谷ファンタジー炸裂!増税推進派を含むアベノミクス反対派の思想的背景は結局空想的社会主義によるファンタジーか?そんなことでは、何も解決できない(゚д゚)!

話題沸騰! あの『デフレの正体』の著者・藻谷浩介「里山資本主義」で日本は復活する



藻谷浩

日本の足元でいま、人々を幸せにする全く新しい「経済の仕組み」が動き始めた。アベノミクスでも手に負えない問題を、一気に解決できる可能性もある。そんな「里山資本主義」って、一体なんだ!?

「お金さえ持っていれば、水と食料に困らない。そんな"常識"が通用しないことを痛感したのが、東日本大震災でした。

スーパーやコンビニに行っても、いつもそこにあるはずのものがない。交通網が麻痺しているから、誰も水や食料を届けてくれない。お金持ちも貧乏人も等しく、自分がいかに無力かを知り、生存の恐怖に震えました。

われわれが信用しきっていたお金を媒介とする経済システム、お金さえあれば何でも買えるというシステムは、いとも簡単に機能しなくなる。そのことを痛いほどに味わったのが東日本大震災だったのです。

お金が最も大事だというマネー資本主義の限界を知りながら、一方で、その限界にどう対処していけばいいのかわからず不安になっている。それが現在の日本の姿と言っていいでしょう。

私はマネー資本主義を全面的に否定するわけではありません。しかし、お金さえ持っていれば幸せになれるという考え方に支配されている限り、多くの日本人が不安から解放されることもありません。では、どうすれば日本人はこの不安と訣別することができるのか。その一つの答えとして、『里山資本主義』を提唱したいのです」

こう語るのは、地域エコノミストの藻谷浩介氏だ。氏がNHK広島取材班とともに上梓した『里山資本主義—日本経済は「安心の原理」で動く』(角川oneテーマ21)が、今年7月の発売から話題沸騰となり、ベストセラーになっている。

里山資本主義というのは聞き慣れない言葉であるが、ざっくり言えば、お金がなくても安心・安全に生活ができる仕組みを作っておくという考え方のことである。そんなことは可能なのか、と思う方は多いだろう。

「勘違いしてほしくはないのですが、江戸時代以前の農村のような自給自足の暮らしに戻れ、という主義主張ではありません。もちろん、お金を一切使ってはいけないという極論を言いたいのでもありません。

お金が乏しくなっても、水、食料、エネルギーが手に入り続ける仕組みを用意していくという実践であり、お金だけを頼りにするよりずっと安心で安全な未来を作り上げていく生き方にほかなりません。

この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】藻谷ファンタジー炸裂!増税推進派を含むアベノミクス反対派の思想的背景は結局空想的社会主義によるファンタジーか?そんなことでは、何も解決できない(゚д゚)!

里山いいですね。私も里山が大好きです。里山(さとやま)とは、集落、人里に隣接した結果、人間の影響を受けた生態系が存在する山をいいます。

人間が隣接した結果、結局人間が里山の面倒をみるようになり、特に間伐の伐採などを定期的にするようになりました。そうなると、森に光があたり、木が育ち、小動物も住むようになり、様々な実りが生まれます。たとえば、あの松茸もきちんと手入れがされた里山でしか育ちません。

日本の里山は、今は面倒を見る人が少なくなり、手入れが行き届かなくなり、そのため、松茸もとれなくなったのです。今でも、きちんと手入れをしているところでは、松茸がかなりとれます。松茸などは一つの例で、手入れの行き届いた里山は、素晴らしい資源の宝庫です。大学時代の先輩の実家は広島県の田舎の里山でした。いつも、秋になるとマツタケをどっさり送っていただいていたので、私も毎年ご相伴にあずかりました。とにかく、マツタケを火であぶって、少し醤油をつけるとか、塩をつけるかでパクパク食べます。でもこのようなシンプルな食べ方が一番おいしいです。

里山の風景。東京都稲城市坂浜
山の芋とか、木の実、山菜、きのこ、小動物の肉などが手に入ります。しかも、手入れさえしていれば、とればとっただけなくなくなるというのではなく、資源が循環して人に恵みを提供し続けてくれます。本当に素晴らしいことです。
日本の最近の里山によく見られる杉檜林
だから、藻谷氏の言うこともわからぬではありません。しかし、だからといって、今の日本は里山経済にすぐに移行出来る状態にはありません。なぜかといえば、それはあまりにはっきりしすぎています。

日本は、デフレという経済の病に犯されているからです。デフレというと、日本では、あまりにも長い間デフレが続いたので、それが当たり前になってしまい、なにやら不景気と同じくらいに考えてい人が増えました。

しかし、これは、全くの間違いです。デフレ=不景気ではありません。不景気は、正常であり。デフレは、異常です。日本の実体経済がまともであれば、好景気が何年か続けば、その後には、不景気な時期が何年か続き、その後にはまた好景気がやってきます。好景気、不景気が交互にあらわれることを景気循環といいます。これは、日本を除く経済がまともな国では、当たり前におこる社会現象です。

かつては、日本もそうでした。しかし、15年前から、不景気であるにもかかわらず、政府の増税、日銀の金融引締めということを実施したため、デフレという異常状態にが続くこととなりました。

そうして、このデフレは、藻谷がかつてその著書で語ったように、「人口減」が原因ではありません。デフレ、インフレは純然たる貨幣現象であり、人口の増減などとは全く関係ありません。それは、世界広しといえども、これだけデフレが長期間続いたのは、日本だけであり、日本より、人口が増えている国、日本より人口が減っている国などたくさんありますが、これだけデフレが続いている国は地球上では日本だけであることから、人口とは全ったく関係ないことが理解できます。

里山では最近様々なイベントが催されている

里山女子
この藻谷氏が里山経済学などを言い出したわけです。そうして、私自身は、里山自体は好きですが、それにしても、藻谷氏の里山経済学については、すぐに賛成とはいえません。それどころか、今の段階では大反対です。

なぜなら、今の日本は、デフレという病に侵されているわけです。その病を放置して、里山経済学などに移行したとしても何も解決されません。そもそも、デフレは、里山経済学を実施しないから、発生したのではなく、貨幣の流通量がモノの生産量に比較して少ないから発生しているのです。

まずは、デフレを退治してからでないと、里山経済学など実施しようにもできません。まず退治して、まともになってから、検討すべきものです。現在多くの里山が疲弊しているのは事実です。多くの人々のライフスタイルが昔とは異なり、里山を昔のように手入れをする人が減ったからです。しかし、里山経済学にも限界があります。里山に日本の全ての人が住むようになれば、里山は荒廃します。里山の生態系にも限界があり、そこで生活できる動物や人間の数も限られるからです。

それと同じように、里山経済学にも限界があります。日本の国土すべてを里山経済学が適用できるようにするためには、おそらく、数十年はかかるものと思います。これには、全国民のコンセンサスが必要です。

それに、今すぐにデフレを解消しないうちに、里山経済学を実践したからといって、実体経済がまともになるとは思えません。これって、ある意味では、役人の打ち出す成長戦略と同じようなものです。金融緩和、財政政策、成長戦略というアベノミクスで一番最初に効果がでるのは、金融緩和です。その次が、財政政策です。最も効果が薄いのは、成長戦略です。そもそも、役人の書いたシナリオの成長戦略が成功するとは思えませんし、それに、成長戦略などやりはじめてから、成果が出るにのは、10年以上はかかります。

そんなことをするよりは、金融緩和、財政出動でまずは、経済を良くすることが最優先課題です。成長戦略などその後、民間が主体でやれば良いことです。役人の書いたシナリオで、成長戦略が達成できるなら、そもそも、共産主義もうまくいったはずです。でも、事実はみなさんご存知のように、共産主義はすべからく失敗しました。

このようなことから、藻谷氏の語っていることは、目先が変わっているだけで、成長戦略の亜種と考えるべきです。

こんな成長戦略ですぐに日本が再生するとは思えません。まずは、金融緩和、財政出動で、デフレ脱却が最優先課題です。それに、デフレの最中の増税なんてとんでもないです。

それにしても、日本では、どうしてこのような地に足のついていない、主張などがもてはやされるのでしょうか?本当に理解に苦しみます。「いいかげんにしろ、おとと出でてきやがれ!」と言ってやりたいです。

やはり、このような人たちは、このブログでも以前紹介した、空想的社会主義を理想とする愚かな人々ということなのでしょうか?

これについては、以前このブログにも掲載したことがあるので、以下にそのURLを掲載します。
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詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、鳩山氏は「友愛・リベラル・ウィルス」に完璧に侵されていると掲載しました。そうして、このウィルスは、300年前からあります。それは、空想的社会主義です。これは、大金持ちによる慈善と友愛によるユートピアをつくるというもので、マルクスよりも早い、300年くらい前からある社会主義思想の原型です。鳩山氏の「日本は、日本人だけのものではない。日本の国益よりも、地球益」という言動にも触れていて、確かにそう言われてみれば、空想的社会主義の域をでていません。

藻谷浩の里山経済学の主張も、これとほとんど根は、同じです。やはり、空想的社会主義と似たようなものです。そもそも、デフレの原因を「人口減」としたところで、彼の論理は破綻しています。それに、目の前のデフレを無視して、里山経済学なるものを持ち出すのも、完全に間違いです。

彼らのいうことをそのまま実行したら、経済・社会が破綻します。もう、私たちは、空想的社会主義の完全な失敗を民主党政権によって、嫌というほど見せつけられたはずです。空想と、現実は違います。空想で、社会がまともになったことはありません。できることと、やっていることと、しなければいけないこと、やりたいとは、厳密に区別をつけなければなりません。やりたいことだけを考える人々を夢想家といいます。実務をこなす、現実派の人々とは異なります。現実派の人々が夢見ることと、夢想家の夢見ることとは全く違います。

里山経営に関しては、専門家の方々が今努力して、新たな方法を考えています。まずは、そういう人たちにたより、様々な可能性を探索してもらうということで十分だと思います。

そんなことを考える前にまずは、デフレから脱却すべきです。そうすることによって、はじめて、日本の将来が見えてきます。デフレ脱却なしに、日本に将来はありません。こんなことは、はっきりしています。私は、そう思います。みなさんは、どう思いますか?

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