2015年8月2日日曜日

中国人“爆買いリターン”で狙われる「日本のセール」 各地に転売業者も ―【関連記事】貿易赤字を「悪」、中国人爆買いが日本経済を支えるなどと報道するマスコミには将来はない(゚д゚)!

中国人“爆買いリターン”で狙われる「日本のセール」 各地に転売業者も 

飽くなき購買欲。セールの主役は中国人になりつつある
上海市場の乱高下なんてなんのその。中国人観光客による常識外れの買い物「爆買い」が再び猛威を振るい始めた。円安、消費税免税に加え、日本での小売業界でのセールの季節が重なるためだ。早くも売り場の一部から商品がごっそりなくなった百貨店もあるという。純粋な個人利用での買い物もあるが、彼らのしたたかな商魂も透けてみえる。 (ジャーナリスト・奥窪優木)

全国の百貨店で開催されている夏のセールに出かけた方で、今年、ある異変に気付いた人はいないだろうか。セール開催中にもかかわらず、売り場ではセール品が不足していたのだ。

東京・新宿にある某百貨店の男性アパレル販売員はこう明かす。

「うちは毎年約2週間の予定でセールを開催するんですが、今年は2週目に入る前にセール品がほとんどなくなってしまいました。この現象はうちだけでなく、同じフロアに入る他の複数のブランドも同じことが起きていたようです」

その原因はずばり、隣国からの爆買い客だ。

「セール序盤から、去年の倍くらいの中国人が連日押し寄せていました。割引率の高いものから次々に手を取り、試着はほとんどせずにどんどん購入していくのが彼らの買い物の特徴。うちの価格帯は、セール除外の新作ジャケットでも5万円前後ですが、1人で数十万円分購入していく中国人も珍しくありませんでした。支払いはもちろん銀聯カードで一括支払いです」(同販売員)

上海市在住の知人の話によると、中国の旅行会社は最近『セール時期の日本で買い物しよう』といううたい文句のツアーを盛んに売り出しているという。急速に進んだ円安人民元高に外国人旅行者に対する消費税免税、そしてセールの割引分という相乗効果により、中国人にとっては「買えば買うほど得」といっても過言ではないという。

千葉県内のアウトレットモールに勤務する女性販売員によると、日本各地のセール会場には中国からの転売業者も紛れ込んでいるようだ。

「最近、セールのたびに同じ商品の全サイズとか、全色を購入されていく中国系のお客さんがよくいるんです。特に有名スポーツブランドの商品が、彼らのターゲットとなることが多い。買い方からして転売目的の業者でしょうね。そのせいで、一般のお客さんが買えなくなるのは不本意なのですが、だからといって断ることもできませんから…」

半期に一度の風物詩ともいえるセールだが、そのあり方は再考を迫られているのかもしれない。

【私の論評】貿易赤字を「悪」、中国人爆買いが日本経済を支えるなどと報道するマスコミには将来はない(゚д゚)!
中国人爆買に関しては、上の記事だけでは、情報として不十分です。これを補うため、以下の動画をご覧下さい(゚д゚)!



この動画をご覧いただければ、中国人が日本で爆買いしたからといって、日本や日本の企業がそう儲かるわけでもないことがよくお分かりになったと思います。免税店で外国人にだけ免税して販売するということも、これは逆差別であるといえます。

このようなカラクリ確かに、日本の報道機関はほとんど報道しません。爆買いによって、日本経済が発展するかのような馬鹿な報道を繰り返しています。何やら、日本のマスコミは未だに中国幻想に酔っているようです。

この現象に関しては、まともでない経済アナリスト等の方々は、あたかも日本経済の救世主のような扱いです、しかし、どちらかというとまともな経済学者の方々はあまり関心がないようですが、確かに経済的には微々たるものに過ぎないかもしれません。

中国人の多くは転売目的や役人への賄賂目的で爆買いをしていますが、それがどの程度かといえば、日本のGDPのうちどの程度を占めるかといえば、おそらく1%にも程遠いものだと思います。これに関しては、統計資料などないですから、なんともいえませんが、そもそも統計資料がないということ自体が無視しうるほどに小さいことの証であると思わます。

そもそも、今でも結構多くの人が勘違いしている日本の貿易立国などという幻想があります。これは、日本は資源が無い国なので、資源を輸入して、加工して輸出して儲けて国が成り立っているというものです。

こういう人たちは、日本おいてGDPに占める、輸出の割合を過大に評価しているようです。GDPのかなりの部分が輸出によるものであると勘違いしていて、輸出がダメになると日本は経済は落ち込むと考える人も多くいるようで、そういう人たちは、貿易赤字と聴くとすぐに、「大変だ」などと思ってしまいます。

しかし、現実には、日本においては輸出がGDPに占める割合は15%程度に過ぎません。20年くらい前までは、これかわずか8%程度でした。この割合、ドイツや中国だと、40%大でした。

GDPに占める輸出の割合が、15%ですから、それが中国向けということになるとどの程度かといえば、2%くらいなものです。輸出全体でこの程度ですから、爆買いがどの程度かといえば、ほんのほずかであり、おそらく、これらがあってもなくても、誤差未満というところだと思います。

しかし、日本の報道機関など、中国人の爆買いが日本の経済を上向かせる原動力にでもなるかのような報道ぶりでした。私からいわせると、あのような報道ぶりは馬鹿丸出しにみえました。

百歩譲って、小さな変化が大きな将来の大きな変化に繋がることがあります。これについては、このブログでも紹介したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

又吉直樹さんが芥川賞を受賞 「火花」で―【私の論評】又吉さんのように「小さな変化に気づく人」になることがあらゆる分野での成功への近道だ(゚д゚)!

又吉直樹さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に小さな変化について関連する部分のみコピペします。
ドラッカーは、「未来を予測することなど誰にもできない。できるとすれば、すでに起こった未来(まだ、少数であるが、将来主流派になるような事象)をつかむか、未来を自分でつくる(長期計画で変化をおこす計画をたてて、そのとおり実施すること)である」としています。 
さて、ドラッカーのこの至言を実行するためには、時流をつかめなければ不可能だと思います。時流とは、直近の世相や、人々の変化と捉えるべきです。時流は過去と分断して、突然起こるものではありません。過去を知らなければ、時流を知ることはできません。時流を知ることができなれば、すでに起こった未来をみいだすことも、未来をつくりだすこともできません。
さて、中国人の爆買いは、日本経済にとっては、今のところ誤差の範囲内と言っても良いくらいの小さなものですが、ではこの「小さな変化」は、「すでに起こった未来」になり得るのかどうかを考えてみると、とてもじゃないですが、なり得ないです。

そもそも、これから中国の経済は停滞します。それは、このブログでも何度も掲載してきました。それに、中国では輸入が激減しています。それについても、このブログで掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。

中国:1月の貿易黒字は過去最高-内需の弱さ浮き彫りに―【私の論評】安倍政権批判のためには何でもする日本の敵マスコミ諸氏! 中国は貿易黒字で大躍進ではないのですか! 嘘つき日本マスコミの実体が良く理解できる記事(゚д゚)!
中国経済が、過去最大の貿易黒字であるにもかかわらず大変なことになっているとは驚き!

この記事は、今年1月のものです。この記事も詳細は元記事をご覧いただくものとして、中国の輸入がこの時点でどのようになっていたか、その部分のみ以下にピックアップして、以下にコピペします。
税関総署が8日発表した1月の輸入は前年同月比19.9%減少し、約5年ぶりの大幅減。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリストの予想は3.2%減だった。輸出は3.3%減少(予想中央値5.9%増加)し、貿易黒字は600億ドルに達した。
中国では、輸入ががた減りだったため、輸出も減ってはいるのですが、減り方が相対的に少ないため、貿易黒字は過去最高になっていました。

この記事、日本のマスコミは日本が貿易赤字になると、なにやら鬼の首をとったように大喜びで報道する傾向があるので、その誤りを指摘するためにも当時掲載したものです。

貿易黒字とか、貿易赤字など、日本国の経済や、損得を決めるものではありません。赤字だから悪い、黒字だから良いということもありません。実際、このときの中国の状況は、輸入が激減したので、貿易黒字が過去最大になったということで、これは中国の経済が停滞して消費が鈍っているためであり、中国経済は窮地に陥っているということです。

この傾向は、基本的に今もかわりありません。いますぐではないにしても、数年後には、中国人が日本で爆買いして、中国にもって帰っても、転売先がなくなることが十分予測できます。

だから、現状は、日本経済全体から見ると、誤差の範囲内の中国人爆買いですが、それが将来大きな変化になって、日本経済を良くするなどということはほとんど考えられません。

そもそも、爆買いツアーによって、日本経済が好転するなどのことがあれば、中国内の輸入企業がそれを黙ってみているわけもありません。中国の輸入企業が、輸入枠をもっと増やすようにすると思います。

しかし、さすがに、輸入企業の場合は、事業としてそれを実施しているため、爆買いツアー客のように無計画な購買をするわけにもいきません。爆買いツアー客なら、電気炊飯器を、いくつも買って、それが転売できなかったにしても、自分の家で使えば良いし、余ったものも、家に在庫しておけば、現在使っているものが壊れて修理しても使えなくなった場合に使うことができます。

こんなことから、中国の人の「爆買い」は、どう考えてみてもドラッカーのいうような、「すでに起こった未来」にはなり得ないことが良く理解できます。

貿易赤字を「悪」、中国人爆買いが日本経済を支えるなどと報道するマスコミは、いかに「小さな変化」を分析することに疎いのか良く理解できます。

マスコミがこのように「小さな変化」を正しく分析できないということは、すなわち、このままでは将来はないということです。要するに、将来は潰れるということです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】



「アジアインフラ投資銀行」の凄惨な末路
宮崎 正弘
PHP研究所
売り上げランキング: 9,404

日本の自立 戦後70年、「日米安保体制」に未来はあるのか?
西村 幸祐 ケント・ギルバート
イースト・プレス (2015-08-07)
売り上げランキング: 7,039

0 件のコメント:

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...