2024年7月4日木曜日

バイデン、撤退の可能性を漏らしたと報道 本人は「最後まで戦う」と側近に語る―【私の論評】2024年米大統領選:バイデン撤退論の影響とトランプ優位の実態分析

バイデン、撤退の可能性を漏らしたと報道 本人は「最後まで戦う」と側近に語る

まとめ
  • バイデン大統領の撤退可能性が報道されたが、本人とホワイトハウスは否定
  • テレビ討論会でのパフォーマンス低下を受け、民主党内外から懸念の声
  • バイデンの認知機能と健康状態に関する疑問が浮上
  • バイデン側は討論会の不調を喉の痛みと過酷な日程のせいと説明
  • 年齢による制約が指摘される中、11月の本選挙に向けて議論が継続する見込み

 2024年米国大統領選に向けて、ジョー・バイデン大統領の再選に関する懸念が高まっています。先週のドナルド・トランプ前大統領とのテレビ討論会でのパフォーマンス低下を受け、バイデン大統領の撤退可能性が報じられました。ニューヨーク・タイムズは、バイデンが側近に撤退の可能性を漏らしたと報道しましたが、ホワイトハウスはこれを否定し、バイデン自身も「最後まで戦う」と表明しています。

 民主党内でも再選を疑問視する声が上がり、一部の議員や元議長らがバイデンの認知機能や健康状態に関する懸念を表明しています。バイデン側近は、大統領が最もパフォーマンスを発揮できるのは午前10時から午後4時の間だと語っており、年齢による制約が指摘されています。

 一方で、バイデン自身は討論会でのパフォーマンス低下を喉の痛みと過酷な日程のせいだと説明し、ホワイトハウスは認知機能に関する懸念を否定しています。現時点では、バイデン大統領が民主党の候補者として指名されることが固まっていますが、11月の本選挙に向けて、年齢や健康状態に関する議論が続くことが予想されます。

 この記事は元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】2024年米大統領選:バイデン撤退論の影響とトランプ優位の実態分析

まとめ
  • バイデン撤退の場合、民主党は新候補擁立に苦慮し、トランプ陣営が優位に立つ可能性が高い。
  • バイデン続投の場合、政策実績のアピール、健康懸念の払拭、トランプ批判強化などの戦略に注力するだろう。
  • 民主党がバイデンにこだわった理由は、現職の強み、知名度、2020年の勝利実績、党内安定などが挙げられる。
  • 撤退論の浮上により、民主党は不利な状況に陥り、トランプ陣営が有利な展開を得た。
  • 世論調査結果は、トランプ氏がバイデン氏をリードしており、トランプ陣営の優位性を客観的に示している。
テレビ討論会に参加したトランプ氏とバイデン氏

バイデン大統領が撤退した場合、民主党は新たな候補者を擁立する必要に迫られます。有力候補としてカマラ・ハリス副大統領や州知事経験者が挙がりますが、短期間での知名度向上や党内の混乱が課題となります。

一方、トランプ前大統領は激戦州での優位性を維持しており、民主党の混乱を利用して有利な立場に立つことができます。全体として、バイデンの撤退は民主党にとって不利な展開となる可能性が高いと予想されます。

バイデン大統領が選挙戦を継続する場合、彼の陣営は以下の戦略に注力するでしょう。まず、経済成長や雇用創出などの政策実績を強調し、リーダーシップの成果をアピールします。バイデンは討論会でのパフォーマンスを改善し、健康状態に関する懸念を払拭する努力をします。トランプ前大統領への批判を強化し、対比を明確にするでしょう。党内の結束を固め、選挙資金の確保にも力を入れるでしょう。これらの戦略を通じて、バイデンは厳しい選挙戦に挑むことになります。

バイデン氏が撤退すれば、最有力候補にもなり得るカマラ・ハリス氏だが・・・・

特に、インフラ投資やクリーンエネルギー推進などの具体的な成果を強調し、国民の生活向上を訴えかけるでしょう。また、カマラ・ハリス副大統領や他の有力な民主党員との協力を強化し、統一したメッセージを発信することで、党内外からの支持を固めることを目指すでしょう。バイデンの過去の経験や困難を乗り越えた実績を強調し、リーダーシップの強さを示すことも重要な戦略となるでしょう。

バイデン大統領は高齢であるため、このような問題が起きることは十分予測できたはずです。それでも、民主党がバイデン大統領にこだわった理由は複合的です。現職の強みや既存の知名度、支持基盤を活かせることが大きな要因です。

また、2020年の選挙でトランプ氏に勝利した実績も重要視されました。新たな候補者を擁立することで生じる党内の混乱を避け、政策の継続性を保つ意図もあったでしょう。さらに、選挙までの時間的制約を考慮すると、新候補の擁立は困難だと判断されたと考えられます。これらの要因が重なり、リスクを認識しつつも、民主党はバイデン氏を候補者として維持する選択をしたのです。

バイデン大統領に対する撤退論の浮上は、民主党を不利な状況に追い込み、トランプ陣営に有利な展開をもたらしました。民主党内の分裂と混乱が露呈し、バイデン氏の適性への疑問が強まる中、トランプ陣営は一貫したメッセージを発信しやすい立場を得ました。


トランプ陣営の優位性は、最近の世論調査結果にも表れています。例えば、ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が実施した調査では、トランプ氏がバイデン氏を48%対43%でリードしています。特に、6つの激戦州では、トランプ氏が52%対42%と大きくリードしています。

さらに、RealClearPolitics(RCP)の平均調査では、トランプ氏がバイデン氏を2.6ポイントリードしており、これは2020年の選挙時よりも優位な状況です。RCPは、政治ニュースと世論調査を集約・分析する非党派のウェブサイトで、その調査平均は多くの政治アナリストや報道機関に参照されています。RCPの数字は、複数の信頼できる調査結果を平均化したものであり、より包括的な世論の傾向を示すものとして重視されています。

これらの数字は、撤退論が出たことでバイデン陣営が苦戦している一方、トランプ陣営が選挙戦を有利に進めていることを客観的に示しています。

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