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2019年12月3日火曜日

政府が約160億円で「馬毛島」買収合意を発表―【私の論評】馬毛島の整備によって、日米のアジアでの存在感がさらに高まる(゚д゚)!

政府が約160億円で「馬毛島」買収合意を発表

馬毛島

 菅官房長官は12月2日、米空母艦載機の着陸訓練(FCLP)の移転候補地だった鹿児島県西之表市の馬毛島(まげしま)の地権者との間で買収合意に至ったことを会見で明らかにした。11月29日、地権者と買収価格約160億円で一定の合意に達したという。

東京商工リサーチ(TSR)は11月22日にWeb、本誌では25日号に、政府と地権者との馬毛島買収が大詰めを迎えたことをいち早く報じたが、政府が買収合意を正式に発表した。



菅官房長官は12月2日の会見で、「米空母艦載機着陸訓練、施設の確保は安全保障上の重要な課題であり、早期に恒久的な施設を整備できるよう引き続き取り組む」とコメントした。

地元の理解については、「米空母艦載機の着陸訓練施設などの確保にあたり、地元の理解と協力が極めて大事」と語り、丁寧に説明していく意向を示した。


馬毛島で滑走路工事を見る、タストン・エアポート(株)の立石会長

 馬毛島は開発会社のタストン・エアポート(株)(TSR企業コード:942045602、世田谷区)が所有し、政府との間で売却交渉が続けられていた。今年1月に仮契約を結んだが、タストン・エアポートの社長交代など社内の意見がまとまらず、5月に交渉が打ち切られていた。その後、タストン・エアポートやグループの立石建設(株)(TSR企業コード:290199727、世田谷区)の資金繰りが悪化し、早期売却に向け10月下旬から売却交渉が加速していた。

【私の論評】馬毛島の整備によって、日米のアジアでの存在感がさらに高まる(゚д゚)!

馬毛島は、鹿児島市から南へ115キロ、種子島から西へ12キロのところにあります。以前は、うっそうとした森林に覆われ、動物による豊かな世界が広がっていました。

ところが、1980年代以降、この島に対しては自衛隊が関心を抱いています。自衛隊は過去に、大出力のレーダー設備や石油製品の貯蔵施設、放射性廃棄物の保管施設を同島に配置することを提案。これらの計画が実現されることはありませんでしたが、島に向けられた関心は保たれてきました。

馬毛島は2007年までに、開発会社「タストン・エアポート」(旧・馬毛島開発)が完全に所有するようになりました。この時までのかなり以前に、地元の島民は既に島を去っていました。

同社は2006~2012年、島にあった森林170ヘクタールを伐採し(2002年の時点で、島には441ヘクタールの森林がありました)、2本の巨大な滑走路を建設しました。これらの滑走路は島を南から北へ、また西から東へ、岸から岸まで横断しています。森林は、島の南部ではほとんど完全に伐採され、北部では幅の広い林道が敷設されています。

2009年には、沖縄の普天間基地を馬毛島に移転させることが想定されました。ところが、米側は何らかの理由で満足せず、この提案を拒否しました。

今度は、島を米日共同訓練のための訓練場に変貌させるとの決定が承認されました。まず第1に念頭に置かれているのは、パラシュート降下あるいは航空機の強行着陸によって地上に部隊を展開させる空挺作戦の訓練です。沖縄におけるこのような訓練の実施は、抗議に直面するようになっているため、この目的のためには無人島の方がはるかに良いです。

馬毛島には現在、既に準備が終わった着陸場が複数あります。比較的最近の複数の衛星写真から判断すると、島にある2本の滑走路は完成しておらず、さらにコンクリートも打たれていないようです。

また、航空部隊の基地のインフラも建設が終わってません。今のところは、この島で航空部隊の基地を設営することは不可能です。しかし、このような未舗装滑走路でも、ヘリコプターや、ティルトローター機であるオスプレイの着陸用には利用可能です。

横須賀を母校とする米軍 ワスプ級強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」

鹿児島や沖縄、さらに米海軍基地が設置されている佐世保に近い位置に馬毛島があることで、海上部隊や海兵隊の参加を伴う訓練を実施していくことが可能になっています。

同島に訓練場があれば、空爆や空挺部隊の降下、海兵隊の上陸、地上に展開した部隊への航空・海上部隊による支援、島の奥深くへの攻勢の展開、兵站任務の訓練という、地上に部隊を展開させる大規模な作戦の全要素を訓練することができます。馬毛島周辺の水域では、空母が参加する大規模な海上軍事訓練を実施することも可能です。

さらには、馬毛島が数年後に航空部隊の大規模な基地になる可能性もあります。2本の滑走路は完成する可能性があり、そうなると馬毛島は、地域全体で最大規模の航空部隊基地の1つに変貌することになります。

そのような基地は、あらゆるタイプの飛行機を受け入れることができるでしょうし、数百機の飛行機が同時に拠点を置くことができ、さらに東シナ海上空における日米両国のプレゼンスを急激に強化することになります。もし、この飛行場にF35の全ての派生型が拠点を置くことになれば、それらの戦闘行動半径は上海に達することになります。

今のところ、航空部隊基地の完成に関する決定は、見たところではまだ下されていないようです。しかし、建設を完了させる根本的な可能性は残っています。建設が完成すれば、日米の緊急のときの航空機の分散配置場の一つにもなりえます。以下に、馬毛島の今後の考えうる用途をチャートにまとめたものを掲載します。





さらに、馬毛島の取得は、海上自衛隊の護衛艦「いずも」の空母化とも無縁ではないでしょう。2018年12月に閣議決定した新「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」などによって、「いずも」型の空母化と搭載機として垂直離着陸ができるF35B戦闘機を42機導入することが決まりました。

F35Bが配備される基地は未定ですが、空母化した「いずも」は南西防衛に活用することから、宮崎県の新田原(にゅうたばる)基地が有力視されています。

南西諸島に向かう空母「いずも」は海上自衛隊横須賀基地から出港し、訓練海域のある四国沖で新田原基地から飛来したF35Bを搭載。さらに南下して、馬毛島を利用した離発着訓練や対地攻撃訓練が実施されることになるでしょう。


様々な可能性を秘めている馬毛島が整備されれば、日米のアジアにおけるプレゼンスが一層高まるのは確実です。

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2014年11月25日火曜日

米国防長官が辞任 シリア政策で大統領と対立―【私の論評】レームダック化したオバマの振る舞いは危険ではあるが、アメリカ議会が超党派で動き出しているし、日本にとってはアジアでの存在感を高め「戦後体制から脱却」を推進する良いきっかけになると心得よ(゚д゚)!

米国防長官が辞任 シリア政策で大統領と対立

オバマ大統領とヘーゲル国防長官
【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は24日、ヘーゲル米国防長官の辞任を発表した。イラク情勢やシリア政策を巡るオバマ氏側との意見の対立が背景にある。オバマ政権で国防長官の辞任は3人目となる異例の事態だ。政権に打撃を及ぼすのは必至で、日米の同盟関係や北朝鮮情勢への対応など米国内外の外交・安全保障政策への影響も避けられない。

4日の米中間選挙で大敗した後の閣僚辞任は初めて。ヘーゲル氏は後任決まるまで職務を続ける。人事には米上院の承認が必要で政策の停滞を招く恐れもある。

ヘーゲル氏は共和党出身で昨年2月、2期目の目玉閣僚として迎えられた。ブッシュ政権下の共和に所属しながらイラク戦争に反対したヘーゲル氏をテコに超党派の政策を進める狙いだった。

オバマ氏は昨年、ヘーゲル氏が進言したシリアへの軍事介入を土壇場で見送る一方で、今年に入りライス大統領補佐官(国家安全保障担当)らの求めに応じてシリア領の過激派「イスラム国」への空爆を決断した。こうした経緯にヘーゲル氏は不満を強め、ホワイトハウスとの不協和音が伝えられていた。

エボラ出血熱への対応や「イスラム国」との戦いなど課題が山積するなか、司令塔となる重要閣僚の辞任は世界の安保体制にも波紋を広げる。

この記事は、要約です。詳細はこちらから!

【私の論評】レームダック化したオバマの振る舞いは危険ではあるが、アメリカ議会が超党派で動き出しているし、日本にとってはアジアでの存在感を高め「戦後体制から脱却」を推進する良いきっかけになると心得よ(゚д゚)!

シリア、ウクライナ、対中国等、オバマ大統領の外交には、かなりの疑問符がつきます。オバマの煮え切らない態度が、問題をかえって大きくしてしまっています。このようなことが、今回のヘーゲル国防長官の辞任劇に結びついているのは間違いないと思います。

日本では、マスコミなどがほとんど報道しないものの、尖閣の問題をこじらせたのは、オバマの責任でもあります。もし、オバマが早い段階で、「尖閣諸島は、日本固有の領土であり、日中間に領土問題はない」とはっきり声明を発表していれば、こじらすことはありませんでした。

さらに、中国がこのような声明を出しても、尖閣付近での領海・領空侵犯をやめなければ、尖閣付近で、日米両国による協同大軍事演習を実行するなどの実力行使にでるべきでした。無論、キーンソードなどの軍事演習は実行していますが、尖閣付近で実行するということに大きな意味と意義があります。それは、未だに実行していません。

このようなオバマの及び腰が、日中関係を複雑化させています。中国としては、このブログにも以前から何回か掲載してるように、尖閣問題や反日デモは憤怒のマグマが煮えたぎっている中国の人民の目を中国共産党政府から、日本にそらすため、意図して、意識して実行されたものです。

しかし、反日デモに関しては、それを許容していると、反日デモが政府追求デモに変わってしまうため、最近は官製主導のデモはやらなくなっただけです。

そうして、中国側には、その他の意図もあります。それは、日本にちょっかいを出してみて、アメリカがどう出るかを見ているというところもあります。早い時点で、アメリカが本気で怒りだしたら、尖閣問題はあそこまで、長期化しませんでした。

これについては、以前のこのブログでも掲載しました。そのブログのURLを以下に掲載します。
オバマ大統領が尖閣は安保条約の対象と明言、中国にも配慮―【私の論評】お花畑オバマは、尖閣衝突を誘発するだけ!!ブッシュなら中国に配慮するリバランスなど表明しなかっただろう(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の締めくくりの部分のみを以下に掲載させていただきます。
オバマ、最近外交はまるで駄目です。シリアでも、ウクラナイでも大失敗です。今回の尖閣問題に関しての発言は、時期を逸したということと、中国に配慮したリバランスしたということで全く意味のないものになったどころか、中国尖閣挑発の格好の裏付けを与えたようなものです。 
これは、オバマのシリア問題での大失敗、ウクラナイ問題での大失敗によっても十分証明されたと思います。 
このままだと、尖閣も第二のシリア、第二のウクラナイになってしまうおそれも十分あります。日本としては、中国が尖閣で挑発するなら、毅然たる態度で臨むべきでしょう。尖閣には、一兵たりとも上陸させない。上陸すれば、全員殲滅。寸土の土地も譲らないという態度でのぞむべきです。 
しかし、これほど米国大統領の来日が一般国民に軽視されることは過去69年間の戦後の日米関係の歴史でなかったことです。 
オバマ以前の大統領であれば、もっと歓迎されていました。 
たとえば、あのブッシュでさえ、もっと歓迎されていたと思います。
アメリカは超大国的な動きができなくなった?
オバマとブッシュの差異は、はっきりしています。たとえば、中国問題一つとっても、ブッシュまでは少なくとも年に一回くらいは大統領自らが、中国は、民主化されていないこと、政治と経済が分離されていないこと、法治国家化もされていないことなどに対して、苦言を呈していました。 
オバマも発言はするのですが、シリア、ウクラナイなどの例を見てもわかるように、すっかりタイミングを逸してから発言するなどの不手際が目立ちすぎです。最近の、プーチンのウクライナ対策などをみていると、オバマは超大国の大統領としての動きがとれていません。 
ロシアは、今や経済的にも軍事的にもとるに足りない国になりましたが、それでもロシアのプーチンは、超大国なみの動きをしていて、小国ロシアの国益のために努力しています。 
米国は、今や世界で唯一の超大国なのですが、オバマはとても超大国の大統領とは思えないような行動ばかりしています。 
このオバマの外交オンチ、いかんともしがたいです。 
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
オバマの外交オンチは、ごく最近のAPECでも露わにされました。それについては、以下の動画をご覧いただくと良くご理解いただけるものと思います。


この動画では、独立総合研究所の青山繁晴氏は、中国の習近平国家主席が言っている「新型の大国関係」とは、ハワイまでアメリカから奪い取る意味だと指摘しました。青山繁治氏は、それに同意しているオバマ大統領の外交姿勢をぶれぶれで困ったものだと批判しています。

ただし、上の動画で、日米関係がどうの言っているバカがいますが、この発言は明らかな間違いです。この発言は無視してください。

それにしても、オバマはハワイより西を中国にやるつもりなのでしょうか。とんでもないです。

そうして、上の動画では、習近平と安倍総理の会談がわずか、25分に過ぎなかったのですが、オバマとの会談ではかなり長時間を費やしかなりの厚遇をしたことも伝えています。

これは、何をあらわしているかといえば、中国の故事そのままです。

その故事とは、一言で言ってしまえば、「無能な敵将は厚遇し有能な敵将は冷遇する」というものです。

これは、著名な兵法書『六韜』が出典です。

第十五 文伐篇武力を使わず征伐(文伐)する方法を文王が呂尚(太公望)に尋ねる場面です。以下にそれを引用します。

呂尚図
文王が呂尚にたずねた。 
文王「武力を使わないで目的を達するには、どうすればよいか」 
呂尚「それには次の12の方法が考えられます。 
第一は、相手の欲するままに要求を聞き入れてやれば、やがて驕りの心が生じ、必ずや墓穴を掘るようなことをしでかします。 
第二は、敵国の寵臣を手なずけて、君主と権力を二分させるのです。 
第三は、側近の者に賄賂を贈って、しっかりとかれらの心をとらえるのです。 
第四は、相手国の君主に珠玉を贈り美人を献じ、女に溺れて政治を忘れるように仕向けたうえ、下手に出て、相手の言いなりになって調子を合わせるのです。 
第五は、相手国の忠臣を厚遇し、君主への贈物は減らして、相手の結束に楔を打ち込むのです。 
第六は、相手国の内臣を懐柔し、外臣を離間するのです。 
第七は、相手国の野心を封じこめるために、厚く賄賂を贈って寵臣を買収し、利益で釣って職責を怠るように仕向けるのです。 
第八は、相手国の君主に重宝を贈って、わが方を信頼するようにさせ、わが方に協力させるように仕向けるのです 
第九は、相手国の君主を褒め上げていい気持ちにさせ、手も足も出ないふりをして安心させ、政治を怠るように仕向けます。 
第十は、謙虚な態度で相手国の君主に仕えて心をつかみ、頼りになる味方だと思わせるのです。 
第十一は、相手国の有能な臣下に、内密に高い地位を約束し、重宝を贈って手なずけ、わが方に肩入れする人間を増やすのです。 
第十二は、相手国の乱臣を手なずけて君主の心を惑わし、美女や歌舞団を送って関心をそちらに向けさせるのです。 
以上の12の策をすべて試みてから武力を行使するのです。つまり、天の時、地の利を考え、これなら勝てると見極めてから、はじめて軍事行動を起すのです」
さて、オバマはこの策の九、十によって、半分籠絡され、習近平の言うことに生返事をしてしまったということです。安倍総理は、この手には全くのらなかったし、習近平の大負けであったということです。

習近平が大負けであったことを、象徴的に示す、ツイートを以下に掲載しておきます。
やはり、これから、日本をそうして、世界をリードしていこうという気概のある安倍総理と、もう中間選挙でも敗れて、レームダック化しているオバマとの違いは明らかです。

しかし、このようなオバマの体たらくですが、アメリカ議会は、こうしたオバマのレームダック化に業を煮やして超党派で、動きはじめています。

それに関しては、このブログでも掲載したばかりですので、その記事を以下に掲載します。
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海岸防衛から大洋海軍を目指す中国海軍

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部を引用します。
米連邦議会の超党派の諮問機関である「米中経済安全保障調査委員会」は20日、中国の軍事力増強に強く警鐘を鳴らす年次報告書を発表した。 
報告書は、米国に「新型大国関係」の構築を呼びかける中国が、現実には東シナ海上空に防空識別圏を設定し、南シナ海で軍事用滑走路を建設するなど、着々と覇権を拡大している事実を直視。「習近平国家主席には、高いレベルの緊張を引き起こす意思があることは明らかだ」と非難した。 
さらに、中国の行動パターンは「対中関係を和らげるために東アジアの同盟国を見捨てるのか、あるいは中国の侵略から同盟国を守って中国との潜在的な対立に直面するのか」を米国に迫ることが特徴だとし、強い警戒感を示している。
報告書は、こうした中国の脅威に対処するため、米国の地域におけるリバランス(再均衡)戦略を維持し、その進(しん)捗(ちょく)状況を検証することや、日本の集団的自衛権行使を後押しすることなどを提言している。 
オバマに関しては、もうレームダック化しており、特に外交においては、能力がどうのこうのという次元ではなく、もうやる気そのものがないようです。しかし、このようなオバマの投げやりな態度をそのまま、許容するわけにもいかず、アメリカ議会が超党派で動き出しているわけです。

そうして、このブログ記事では、このようにアメリカ議会は、日本の集団的自衛権行使を後押しすることなどを提言しています。そうして、ここで、多くの日本人が知っておかなければならないのは、このブログにも掲載したように、もう数年前から、「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派になっているということです。

オバマのレームダック化は、ある一面では、脅威でもありますし、実際にオバマの優柔不断で、日本も被害を受け、尖閣問題が複雑化しています。

しかし、これはまた別の側面から見れば、日本にとってのチャンスになるかもしれません。アメリカは従来のように超大国でありつづけることは難しいかもしれません。しかしそれでも、ここ当面は世界唯一の超大国でありつづけるでしょう。

反面中国は、超大国とはなり得ず、直近では経済も落ち込み、もう富裕層からも見離されています。おそらく、現体制が長続きすることはありません。

そうなると、安倍総理が進めようとしている、「戦後体制からの脱却」が進めやすい環境が整いつつあるともいえます。

オバマの時代はもうすぐ、終わります、その次の大統領は、アジア、特に中国に対してどのような対応をするのか、いまのところ見えていませんが、オバマのようなやる気のない外交ということはあり得ないと思います。

年次記者ホワイトハウス晩餐会、レームダックを露呈したオバマ

オバマのやる気のなさは、中国を配慮したリバランスなどという矛盾を生み出し、中国近隣の諸国に混乱をもたらしました。しかし、こうした混乱があったらこそ、中国の海洋進出などの意図がはっきりして、それに対する脅威や、警戒感を生み出しました。

アメリカ議会もそれをはっきり理解して、今日では日本はアジアの平和に貢献して欲しいと考えるようになりました。日本国内でも、オバマのレームダック化ぶりは、安全保障を見直す、良いきっかけになると考えられます。

安倍総理は、このブログでも何回か掲載している「安全保障のダイヤモンド」をさらに推進して、アジアにおける日本の存在感をさらに高め、ゆくゆくは「戦後体制から脱却」を目指していただきたいものです。オバマのおかげで、そのような条件が、整いつつあるように思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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