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2012年5月14日月曜日

Facebook連動ハンガーで、最も「いいね!」されている人気のお洋服を買う―【私の論評】ファッションのような感性がものを言う商品では無理があるか?

Facebook連動ハンガーで、最も「いいね!」されている人気のお洋服を買う(動画あり):


いいね! が多い、つまり人気があるということだ。 ブラジルのアパレルメーカーC&Aは、これまた斬新な方法でSNSとリアルを連動させてきました。お洋服屋さんの店内で、お洋服がかかっているハンガー。このハンガーがFacebookと連動しており、「いいね!」の数を表示しています。「いいね!」の数って購買意欲に繋がると思いますか?  

例えばネットショッピング中に評価の高い商品を買うのはもちろんあります。しかし、実際に店舗に行って手に取って見る時に、「いいね!」が多いからこっちのワンンピースにしようって思うものなんですかね? 2つで迷ったら「いいね!」の多い方でとか思うものなんですかね? なんだか天の邪鬼な気持ちが湧いてきましたよ。 あなたなら、「いいね!」がより多い服の方を買いますか?     [Springwise via The Verge] そうこ(ANDREW LISZEWSKI 米版)


【私の論評】ファッションのような感性がものを言う商品では無理があるか?

さて、この仕組み動画もありましたので、以下にコピペさせていただきます。また、本日は、あの有名な、ビクトリアズ・シークレッツのファッションショーなどの写真を掲載しつつ、上のファッションサイトに関する論考を展開していきます。




『あなたなら、「いいね!」がより多い服の方を買いますか?』という上の質問に関して、最初に私の結論を掲載しておきます。私なら買いません。「いいね!」がより多いということは、より、多くの人に好まれているということであり、それでは、ファッションの意味がなくなるからです。




さて、そもそも、ファッションという言葉の意味があいまいですので、ここで、語源をはっきりさせておきます。以下に語源由来辞典から、ファッションの語源を掲載しておきます。
ファッションは、「仕方」「流儀」「流行」を意味する英語の「fashion」からの外来語です。英語の「fashion」は、「作ること」「なすこと」を意味するラテン語「factio」に由来し、古期フランス語の「faceon」を経由して「fashion」となりました。 
英語の意味からすれば、「流行のファッション」や「定番ファッション」といった言い回しは、「流行の流行」「定番の流行」になるので、おかしいが、日本ではファッションが「お洒落なもの」といったニュアンスで受け止められ、多くは「服装」を指す言葉として用いられるため誤りとはされていません。
まずは、「仕方」「流儀」という語源から考えてみると、要するに「自分流」ということですから、「いいね!」がたくさんついている商品であれば、そもそも、自分流ではないので、買いたくないです。これを買うということは、人の「仕方」「流儀」に合わせるという意味です。それでは、ファションではないです、どんな服装であろうと、制服のようであり、没個性的です。



「流行」ということであれば、多少「いいね!」がついている程度ならいいですが、かなりの数がつけられているということであれば、それは、最早流行ではないということです。

日本語の流行は、英語でいう"Mode、Trend、Fad、Fashion"などの意味を持ちます。流行(りゅうこう、はやり)は、ある社会のある時点で、特定の思考、表現形式、製品などがその社会に浸透・普及していく過程にある状態を表します。



流行の展開過程は、それの発生・成長から衰退・消滅までを、いくつかの段階から捉え、分類することができます。
潜在期:ある様式が生み出され、それがごく限られた人々に試行される時期 
発生期:試行過程を経て、新しい様式の存在が人々に知られ、同調者が現れる時期 
成長期:新しい様式に同調する人々の数が増加し一斉に、普及率が拡大していく時期 
成熟期:普及が最大の水準に達し、その伸びが鈍化していく時期 
衰退期:後発的に採用する人もいるがそれ以上に採用をやめる人の数が増える時期 
消滅期:採用する者が少なくなり、その様式が消滅していく時期
「いいね!」がかなり、押されている衣服であれば、ファッションでいえば、上記の衰退期か、消滅期にある商品であるということです。これでは、価値がないです。


それに、一番気に食わないのは、一つ一つのアイテムで販売して「いいね!」をつける仕組みになっているということです。ファッションというものは、普通、いろいろなコーディネートで成り立つものですが、このコーデを見せるというのなら、わかりますが、一つひとつのアイテムでは、あまり参考になりません。

それから、最近ファッションといえば、「世にも奇妙な物語」で、『試着室』という、奇妙な物語を放映していましたので、以下に掲載しておきます。



上の動画の説明は、見ていただければすぐわかることなので、ここでは、詳しくは解説しませんが、結局のところ、ファッションは自分らしさの演出だと思います。上の動画でも、結局女の子が、何度トライしても失敗するのに、自分らしさで勝負したところ、うまくいくというようなストーリーになっていました。

とこで、上でいろいろ書いていますが、私自身は、あまりファッションにうるさくは、ありません。ただし、特に女性ファッションに関して、どのようなファッションが今好まれていて、それは、なぜなのかということを考えることは好きです。そうして、このブログにも、そうしたことをいくどか掲載してきたこともあります。

先日は、「ポリボア」という最近話題のサイトがあり、それを紹介しました。このサイト、さまざまなアイテムから、自分の好きなものを選び、コーデしそれらで、コラージュを作成するというものです。これは、口で言っても理解しにくいと思いますので、その一つを下に掲載します。



このようなコラージュをユーザーがいくつもあるアイテムから自由に選び、一定の枠の中に自由に設置して、コラージュを形成します。アイテムが、かなりあるので、本当に組み合わせは、無限にあるといっても良いくらいです。そうして、このおのおののコラージュに、他のユーザーがコメントを寄せたり、さらに、「いいね!」ができる仕組みになっています。私は、当該ブログで、この「ポリボア」の良さを以下のように掲載しました。
それにしても、「ポリボア」は、コラージュという手法で、しかもそれをユーザーに自由に作成させつつも、全く自由ということではなく、ある程度の規則性を持たせて、その範囲の中で自由な発想を開花させ、それだけではなく、それをシェアできるというSNSの機能を持たせて成功しています。いままで、ファッショサイトでは、コラージュはあくまで、サイト側が提供するものでしたが、サイト側がすべて提供するというのでは、確かにプロが作成するということで、あまりに外れはないものの、数的にも、センス的にも限度、限界があります。しかし、ポリボアでは、このコラージュをユーザー自身に作成してもらうということで、ありとあらゆる、感性による、数多くのコラージュが掲載できるということです。何と素晴らしい!!
やはり、ファッションは、感性商品ですから、上のようなやり方は、通用しないと思います。最初はもの珍しさから、売れる時期もあるかもしれませんが、時がたてば、廃れると思います。



上のようなことをするなら、たとえば、この「ポリボア」など参考にして、たとえば、「ボリボア」のようなコーデのなからから、人気のコラージュを実物を使って、店内に掲載するとか、あるいは、マネキンにそのコーデをさせて陳列するとか、そのような工夫が欲しかったです。であれば、リアルと、サイトの相乗効果を最大限に引き出すことが可能になったと思います。皆さんは、どう思われますか?特に女性の意見をうかがいたいです。




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2012年5月9日水曜日

大人のための“着せ替え人形”サイト「ポリボア」がファッションを民主化する! - ビジネスモデルの破壊者たち―【私の論評】ある程度規則性を持たせた、コラージュをユーザーに作成させ、シェアさせることでイノベーションに成功か!?

大人のための“着せ替え人形”サイト「ポリボア」がファッションを民主化する! - ビジネスモデルの破壊者たち:

大人の着せ替え人形をネット上で実現したようなサイト「ポリボア」をご存じだろうか。このサイトでは、自分の好みでファッションをコーディネートし、多様なスタイルを実験できる。他愛ない仕組みに見えるが、このサイトの潜在的可能性はかなり高そうだ。 

さて、実際にどのようにコーデできるのか、いかに「ポリボア」から以下に私が気に入ったものをコピペしてみます。






ポリボアは、インターネット上のさまざまなファッション・ショッピングサイトから、スカートやブラウス、靴、バッグといった個々のアイテムを選んで、それを組み合わせてシェアするサイトである。優しく軽やかなサーモンピンクのジャケットに、白いシャツと赤茶色のショートパンツを組み合わせ、同系色の茶色のバッグや靴を合わせる。これで今年の春らしい装いができる。あるいは、黄色とグリーンと黒の色を適度なポーションで合わせれば、夏を待つシャープなスタイルになる。

【私の論評】ある程度規則性を持たせた、コラージュをユーザーに作成させ、シェアさせることでイノベーションに成功か!?

いわゆる、着せかえではないことがお分かりになると思います。着せ替えというより、自らイメージを組み立てて、それを枠内にはめ込んでいくというようなものです。とにかく、自分のイメージで、こうしたコーデをクリエイトすることもできるし、他の人のものにfacebookのように、「いいね!」もできるし。コメントすることもできます。この仕組み口で、説明するのは、難しいので、是非実物をご覧になってください。なかなか、創造力を刺激されるサイトです。これは、いいわ!!そうそう、何というか、ファッション写真のコラージュを自由に作成できると表現したほうが良いです。

GAP2
Styld.byの画面
とにかくアイテムが豊富にあるので、本当にいろいろな組み合わせが無限にできます。これって、女性なら本当にはまってしまいそうな気がします。これは、以前紹介した、GAPの新しいオンラインメディア「Styld.by」を完全に超えています。こちらは、自分でコーデするのではなく、あくまで、コーデされたものなどを、見やすいとかね、SNS機能でシェアしやすいというところまでで、自らコーデできる機能は備えていませんでした。それに、こちらは、コーデを人が実際に着用している写真が掲載されているだけで、コラージュではありません。

ファッションサイトというと、実はGoogleが随分前から挑戦していましたが、結局は失敗しています。Boutique.comというサイトを買収して挑戦していたのですが、現在アクセスすると、すでに、販売などは行っておらず、ファッションサイトへのポータルサイトのようになっています。






以前Googleのファッションサイトに関して掲載したときに、以下のように論評ました。
グーグルは、検索エンジンの分野においても、人間の感性が絡むファッションの分野に関しては、なかなか難しい分野であり、他の検索に関してはほぼ完成の域に達しているのですが、こうした分野は、最後のフロンティア(最前線)なのだと思います。 
だからこそ、この分野でも、サイトを立ち上げて研究しているのだと思います。Googleは、単にファッションサイトを立ち上げて、そこで収益をあげるなどという単純なことは考えてはいないと思います。この分野で得られた知見をもとにして、さらに検索エンジンを改良して、ファッションも扱えるようにするとか、さらに新たなサービスを提供するなどして、さらに、多くの人々を自分たちのプラットフォームに参加できるように努力しているのだと思います。
しかしながら、結局はうまくいかず、おそらく、トラフィックを増すことも期待できず、結局は、閉鎖ということになったのだと思います。

それにしても、「ポリボア」は、コラージュという手法で、しかもそれをユーザーに自由に作成させつつも、全く自由ということではなく、ある程度の規則性を持たせて、その範囲の中で自由な発想を開花させ、それだけではなく、それをシェアできるというSNSの機能を持たせて成功しています。いままで、ファッショサイトでは、コラージュはあくまで、サイト側が提供するものでしたが、サイト側がすべて提供するというのでは、確かにプロが作成するということで、あまりに外れはないものの、数的にも、センス的にも限度、限界があります。しかし、ポリボアでは、このコラージュをユーザー自身に作成してもらうということで、ありとあらゆる、感性による、数多くのコラージュが掲載できるということです。何と素晴らしい!!

ところで、コラージュとは、知っているようで、その歴史や、定義などあいまいなところもありますので、以下に実際にコラージュとともに、その意味あいなど掲載しておきます。


コラージュ(仏: 英: collage)とは現代絵画の技法の1つで、フランス語の「糊付け」を意味する言葉です。

facebookに掲載されていたコラージュ写真
通常の描画法によってではなく、ありとあらゆる性質とロジックのばらばらの素材(新聞の切り抜き、壁紙、書類、雑多な物体など)を組み合わせることで、例えば壁画のような造形作品を構成する芸術的な創作技法です。作品としての統一性は漸進的な並置を通して形成されます。コラージュは絵画と彫刻の境界を消滅させることを可能にしました。

セクシーアニメのコラージュ
絵画におけるコラージュはキュビスム時代にパブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラックらが始めたパピエ・コレに端を発するといわれています。主観的構成の意図を持たない「意想外の組み合わせ」としてのコラージュは1919年にマックス・エルンストが発案しました。主に新聞、布切れなどや針金、ビーズなどの絵具以外の物を色々と組み合わせて画面に貼り付けることにより特殊効果を生み出すことが出来ます。後に様々な方向で工夫されて発展し、現在に至っています。


Wow Random Icons Collage Graphic
それにしても、このコラージュという手法、他のサイトでもいろいろ応用できそうです。たとえば、家具なども良いですね。

Hollister Sexy Par Collage Wallpaper
インテリアデザインなどにも応用できそうです。とにかく、人間の感性が必要なデザインの分野のサイトで、これから大活躍しそうな予感です。皆さんも、いろいろ考えてみては?きっと、いろいろと工夫すれば、既存のサイトにはないかなり面白いものができるのではないかと思います!!



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2012年2月23日木曜日

GAPの新しいオンラインメディア「Styld.by」はファッション誌の未来となるか?−【私の論評】Googleの失敗から学べ!!O2Oとの結びつきがなければ、埋もれるだけ?



GAP1

タブレットが普及し、紙のメディアはなくなるだろう。とりわけ雑誌は完全にデジタルに置き換わるだろう。そんなことが言われ始めてからだいぶ経ちましたが、「これこそが未来の雑誌の形だ!」という決定的な方向性が示されていないのもまた事実です。

今回、アメリカの大手衣料ブランドGAPが新しくオープンしたオンラインメディア「Styld.by」には、未来のファッション誌の要素がいくつか組み込まれています。そこで今回は「Styld.by」が未来型ファッション誌である3つの理由をお伝えします。


GAP2


その1:周到に準備されたソーシャルメディア連携


この「style.by」は、掲載されるファッションにShare+というボタンがついていて、そこにカーソルを合わせるとその写真を自分がログインしているソーシャルメディアに投稿できる仕組みになっています。ブックマークレットが雑誌に組み込まれている、と言った感じでしょうか。とにかくユーザーが簡単にシェアできるようになっています。

ユーザーに「綺麗な写真を共有したい!」という欲求があることは、Pinterestの成功を見ても明らかです。しかしそれ以前に、いかにシェアの敷居を下げるか? ということもサイト制作者、運営者側にとっては重要です。美しい写真を見る→シェアしたいと思う→シェアするというユーザーの一連の流れをスムーズに引き出すちょっとした仕掛けが、『styld.by』には組み込まれています。


その2:ファッションブロガーとの自由なコラボレーション


このサイトのモデル達は、「FABSUGAR」や「LOOKBOOK.nu」のようなファッションサイトで人気のファッションブロガーが務めています。ブロガーというユーザーが身近に感じられる人を起用することで親近感も生まれやすくなります。

更に、モデルが着用するファッションは全てがGAPという訳ではなく、キーポイントにGAP製品を使っているということです。ユーザーからすれば、全てを同じブランドで毎回揃えるという事はあまりないですからね。ユーザー視点に立った工夫だと思います。


その3:周到に準備されたEC連携


勿論、GAP製品を買ってもらう工夫も忘れていません。掲載された写真の隅には、しっかりとモデル着用の商品情報が載っています。また、その部分をクリックすればGAPのECページにジャンプするように出来ています。EC連携は企業側から見た場合、ウェブマガジンの肝になる部分でしょう。特にファッション誌では主張しすぎず、隠れすぎずの間をとることが鍵となってきますが、「styld.by」は上手く表現していると思います。


以上3点でした。今後、ますます雑誌のデジタル化は進むでしょう。その中でいかにデジタルに最適化していくか? これは出版社に大規模な改革が求められているのと同時に、GAPのような一般の企業にとってユーザーと直接触れ合う機会を増やすチャンスの到来だとも言えそうです。

【私の論評】Googleの失敗から学べ!!O2Oとの結びつきがなければ、埋もれるだけ?


このブログでは以前Googleがファッションサイトを傘下に収めたことを掲載したことがあります。これについては、当該ブログをご覧いただくものとして、その当時書いた内容の要点を以下に掲載しておきます。

インターネット検索大手の米グーグルは17日、ファッション推奨サイト「Boutiques.com(ブティックス・ドット・コム)」を開設した。専門家のテイスト、視覚認識、それに機械学習技術を利用して、ユーザーに商品を勧めるサイトだ。ユーザーが衣料品やアクセサリーのショッピングの際、最初に立ち寄るサイトになることを目指す。
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・
グーグルは、検索エンジンの分野においても、人間の感性が絡むファッションの分野に関しては、なかなか難しい分野であり、他の検索に関してはほぼ完成の域に達しているのですが、こうした分野は、最後のフロンティア(最前線)なのだと思います。
だからこそ、この分野でも、サイトを立ち上げて研究しているのだと思います。Googleは、単にファッションサイトを立ち上げて、そこで収益をあげるなどという単純なことは考えてはいないと思います。この分野で得られた知見をもとにして、さらに検索エンジンを改良して、ファッションも扱えるようにするとか、さらに新たなサービスを提供するなどして、さらに、多くの人々を自分たちのプラットフォームに参加できるように努力しているのだと思います。

さて、この"Boutiques.com"いろいろと、先進的な機能も含んでいましたが、結局今は、閉鎖されています。アクセスしてみると、他のサイトにリダイレクトされます。これは、Boutiques.comが結局は、うまくはいかなかったということだと思います。無論、上の記事でも述べたように、Googleは、単にファッショサイトを立ち上げて、そこで収益をあげることなど考えらてはいなかったのでしょうが、それにしても、このサイトを通じてGoogleの検索エンジンのトラフィックをあげ、Googleの収益モデルである、広告による収益など、目論見通りにあげるようなことはできなかったのだと思います。その見込みがあれば、たとえ試験的であっても、今でも運営していたと思います。それだけ、ファッション・サイトはかなり難しいことなのだと思います。


他にもGoogleが閉鎖したサイトがあります。これについても、以前掲載したことがありますが、それはGoogle Mapによる不動産検索です。これに関しては、鳴り物入りで開始され、誰もが成功するに違いないと踏んでいました。しかし、実際には、2010年に開始して、2011年にはサービスを停止してしまいました。私もまさかこんなにはやくサービスを停止するとは思ってもみませんでした。

Google側としては、試験的に運用してみたところが、このようなサービスを提供したとしても、自分たちのビジネスモデルには寄与するところがほとんどないと判断したのだと思います。要するに、これをGoogle Mapで大々的に実施してみたところで、Googleの検索エンジンへのアクセスのトラフィックが増大し、さらに、広告収入にまでは結びつくことはないと判断したと考えられます。これに関して、当時私は、私なりにGoogleが失敗した理由を分析しました。詳細は、そのブログをご覧いただくものとして、要点だけ以下に掲載しておきます。

なかなか、うまいたとえが見つからないのですが、グーグルの失敗は、本来は、あまり提供すべきではない情報を提供したということではないかと思います。本来、グーグルの果たす役割は、あまくで、ディレクトリーなど情報検索のための入り口なのですが、入り口以上の情報を提供して失敗したということです。たとえば、糖尿病の人が治療のための方法を探そうとしたときに、病院、医師、健康法の入り口を提供するべきものを、グーグル自身が、糖尿病そのもののいろいろな型や、その型にそった健康法や薬の内容まで、提供してしまったようなものです。

上では、不動産とユーザーとの関係を医師と、患者の関係にたとえましたが、まさに不動産に関してはそのようなところがあると思います。医師といっても、今では、様々なタイプがいます。外科、内科、小児科の専門もありますし、内科だって、消化器専門とか、循環器が専門などとわかれています。不動産業も、無論そうです。全国一律で情報を提供するなどは不可能で、地域の不動産業はあくまで、地域の専門家です。さらに、不動産業といっても、その中でも専門性もあります。

このように専門性を問われる分野では、いままで、Googleが提供してきた全国一律的な検索エンジンでは限界があります。

グーグルが情報を提供するにしても、こうした情報であれば、まずは、ユーザーの病歴などをあらかじ、知って、その人に相応しい治療法も知った上で情報を提供すべきでしょうが、そこまでは、できません。だから、医師から聴いたりできる情報からすれば、はるかに劣るものしか提供できないわけです。それでは、意味がありません。

不動産についても、医師のように高度で専門的な知識までは必要はないですが、やはり、実際に、ユーザーの声をきき、そこから、取捨選択して、いろいろアドバイスが必要です。検索サービスでは、ここまでは提供できないので、結局Googleも失敗したのだと思います。それだけではなく、個々の物件が全部表示されてしまうので、最初からゲンナリという感じです。無論、検索機能があるのでそれを用いれば良いということになるのでしょうが、それでも、なかなかうまくはいかないです。

ファッションサイトがうまくいかなかった理由もこれと似たようなところもあると思います。ファッションについても、似たようなところがあり、やはり、実際にユーザーの声をきき、そこから、取捨選択して、特定の個人に対していろいろアドバイスが必要です。検索サービスではここまでは提供できないので、結局Googleのファッションサイトも失敗したのだと思います。さらに、個々人の趣味趣向など完全に無視して、個々のアイテムがかなり多く表示されてしまうので、最初からゲンナリというところもあるのかもしれません。無論、検索機能があるのでそれを用いれば良いということになるのでしょうが、それでもなかなかうまくはいかないです。

上記の記事によれば、GAPのサイトは、ソーシャルメディアの連携と、ファッションブロガーとの自由なコラボレーションと、周到に準備されたEC連携があり、ファッションサイトの欠点を補っているようにはみえます。


しかし、はっきりいわせていただければ、この程度だと、Googleのファッションサイトも似たようなことはやっていたし、いくら上記の三点で差別化したつもりでも、すぐに模倣されてしまうと思います。この差別化に関しては、以前のブログにも掲載したことがあります。Appleは、他のeコマースと自らが実施するそれとを差別化するために、iPadを開発しました。それどころか、Appleは、かなりの部分をiPadや、iPhoneでしか利用できないようにして、顧客の囲い込みをしています。

こうした、iPadの本質を理解したAmazonは、Kindle Fireを開発しています。Amazonは、これだけではなく、差別化をするために、物理的な実店舗を本拠地のシアトルに構え、Apple Storeのような役割を担わさせようとしています。これらの実店舗は、さらに差別化を発揮することはいうまでもありません。一番わかりやすいのは、AppleがiPadなどの新製品を発売したときの、 Apple Storeでのお祭り騒ぎです。これらは、バーチャルの世界だけのGoogleにはなかなかできないことです。

そんなことから、上記のGAPのサイトは、差別化という点からみると、徹底的に欠けている部分があって、おそらく、このままだと、Googleのファッションサイトのように、失敗する確率がかなり高いです。しかし、見方を変えれば、この徹底的欠けている部分を補えば、GAPが最大限に強みを発揮できる可能性が高いです。


その徹底的に欠けている部分とは、チェーン組織である、GAPが多数持っている店舗そのものです。上記の記事では、残念ながらGAPのリアルの店舗とのコラボレーションなど掲載されていません。私は、以前このブログでこれからは、物理的店舗を多数所有するチェーン組織が、eコマースを実施し、これらをバラバラに運営するのではなく、O2Oによって、うまく統合したところが、頭角を表すであろうことを掲載しました。O2Oそのものなどの詳細は、当該ブログのURLを以下の【関連記事】に掲載しておきますので、そちらをご覧になってください。



私の言いたいことは、まさに、このことです。GAPはせっかく、物理的な店舗を多数持っているわけですから、これを利用しない手はありません。ファッションサイトと、実店舗をうまくコラボレーションすれば、これほど力強く差別優位性を発揮できるような手法はありません。Googleなどは、やりたくてもできないことです。Appleは、Apple Storeを持っていますが、GAPよりは、店の規模も小さく、さらに、数の上でも少ないです。Amazonは、まだ、実店舗の実験を始めたにすぎない段階で、実質的に存在しないのと同じです。

GAPは、アメリカ全土に店を持っているわけですから、これを最大限に活用し、たとえば、スマホで注文んしたら、近くの店に在庫があるかどうか確認でき、在庫があれば、購入して店で受け取れるとか、在庫がなくても、自宅に宅配便で届くとか、それに、何を買おうか迷った場合は、GAPに行けば相談できるとか、さらには、GAPでみたコーディネートが気にいったが、サイズや、色の異なるものを買いたいときには、スマホからすぐに注文できるようにするとか・・・・・。さらに、スマホで見て、近くのGAPでそれを購入すれば、特典がつくとか・・・・・・。とにかく、eコマースと、物理的店舗を何らかの手法で、統合すれば、これほど強い差別化手段は他にありません。


このようなことを顧客の間で何回か繰り返せば、特定の顧客の好みなどの情報が集まり、店でも、フアッションサイトでも、本当に個々人の好みやセンスにあわせて、服、靴、バッグ、その他小物まで含めて様々なお勧めができるほか、ファッション以外の様々な商品も販売できる可能性が高まるわけです。GAPの店にないものはeコマースを介して販売することもできるわけです。(下はGAP銀座店内の写真)


このようにすれば、ファッションサイトもGAPにとっても、顧客にとっても、かなり役立つものになると思います。しかし、上記のような三つの差別化内容だけでは、結局他のeコマースとは差別化できず、顧客にとってみれば、自宅のパソコンのブラウザから垣間見る、いくつもあるアッションサイトの一つという位置づけになり、Googleが失敗したように、うまくはいかないと思います。

しかし、私がこのような指摘をしなくても、GAP側は、もうそのことは十分知っていて、上記のファッションサイトは、そのための下準備にすぎないのかもしれません。いずれ、O2Oも活用するため、それを目指してまずは、ファッションサイトを立ち上げたのかもしれません。いずれにしても、このサイト、今後どのように変貌して行くのか、これからも追跡して、何か動きがあれは、このブログに掲載していきます。


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