作詞:谷村新司 作曲:谷村新司 演唱:谷村新司
目(め)を閉(と)じて 何(なに)も見(み)えず 哀(かな)しくて目(め)を開(あ)ければ
荒野(こうや)に向(む)かう道(みち)より 他(ほか)に見(み)えるものはなし
嗚(ああ) 砕(くだ)け散(ち)る宿命(さだめ)の星(ほし)たちよ
せめて密(ひそ)やかに この身(み)を照(てら)せよ
我(われ)は行(い)く 蒼白(あおじろ)き頬(ほほ)のままで
我(われ)は行(い)く さらば昴(すばる)よ
*
呼吸(いき)をすれば胸(むね)の中(なか) こがらしは吠(な)き続(つづ)ける
されど我(わ)が胸(むね)は熱(あつ)く 夢(ゆめ)を追(お)い続(つづ)けるなり
嗚(ああ) さんざめく 名(な)も無(な)き星(ほし)たちよ
せめて鮮(あざ)やかに その身(み)を終(お)われよ
我(われ)も行(い)く 心(こころ)の命(めい)ずるままに
我(われ)も行(い)く さらば昴(すばる)よ
嗚(ああ) いつの日(ひ)か誰(だれ)かがこの道(みち)を
嗚(ああ) いつの日(ひ)か誰(だれ)かがこの道(みち)を
我(われ)は行(い)く 蒼白(あおじろ)き頬(ほほ)のままで
我(われ)は行(い)く さらば昴(すばる)よ
我(われ)は行(い)く さらば昴(すばる)よ
【大紀元日本5月9日】万博開幕から7日目、来場者は13・6万人、数日来連続しての下降からやや上昇傾向に。しかし、入場者数の落ち込みで万博事務局は4日目から公式サイトでの入場者数自動カウントを停止し、事務局からの口頭発表の形に切り替えたため、ネットユーザーは、入場者数に水増しの可能性があると指摘した。
「成り金の顕示欲」と万博を厳しく批判する一方で、ネット上では、万博開幕式で谷村新司さんが歌った「昴」がホットな話題となっている。「天使のような歌声、日本のお爺さんに大感動」、「万博開幕式で唯一見る価値があった演出」、「開幕式に投じたすべてのお金は、谷村さんの一曲にも値しない」と、ネットユーザーらの絶賛の書き込みが殺到した。
「日本のソフトパワーを見せる舞台だった」
「万博は、いろんなことにうんざりで、開幕式を見ようとも思わなかった。しかし、彼の歌声が耳に入った途端、私はテレビの前に座り、釘付けにされてしまった」
「心を込めて励ます歌詞、抑揚のある美しいメロディー、ロマンチックで優雅な照明、舞台の上と下できらめく星明かり、人の温かさとやさしさを感じさせてくれた。久しぶりに会った友だちのように、私たちに尽きない感動を与えてくれた」
万博開幕式以来、谷村さんと「昴」を賛美する言葉が中国のネット上で絶えない。中国のネットユーザーは「昴」を、「開幕式の最大、いや唯一の見所」と選んだ。
中国最大の検索エンジン「百度」(Baidu)の掲示板に「谷村バー」が設けられ、ネットユーザーらは谷村さんの代表曲の映像や歌詞を交換し、谷村さんを賛美する。「私たちがいくらお金を出しても成り金にしか見えないが、谷村新司さんと岡本真夜さんは我々に文化とは何かを教えてくれた」、「開幕式のほかの演目のつたなさを認識させられた一曲」など、想像を超えるコメントが溢れている。
ポータルサイトSohuの掲示板に、このような書き込みが多く見られる。「この歌を聞いた感動をみんなと分かち合うため、私は掲示板のIDを登録した。家事をやりながら繰り返し彼の歌を聴いていた。少女時代に戻ったような久しぶりの感動と感激。同じような舞台と音響設備なのに、どうして国内のスーパースターたちの歌は雑音にしか聞こえないのか。日本の67歳のお爺さんが私たちの分からない言葉で歌った古い一曲がどうして私の心の奥まで響いたのか。国内のスターたちはただ名誉と利益のために歌っているけど、彼は心をこめて歌っている。名利のための歌と心がこもった歌は天と地の違い」
人気サイト「猫眼」で、「昴」を絶賛するある文章には、三千近くの発言がフォロー、賛美の声とともに多くの日本のヒット曲の映像と人気歌手の紹介が貼られ、日本の流行曲のファンを集めた。
「この歌を聞いた糞青(フェンチン:反日の愛国青年)は、これから『日本人は島国根性』と二度と口にしないでください。だれが心が狭いか、一目瞭然だ」、「愛国とはヒステリーの叫びではない。刀と銃で強制させるものでもない。私は日本人が好きではないが、彼が日本に無上の栄光を与えていることに敬服する。上海が巨資を投じて作った開幕式は、日本がソフトパワーを見せる舞台となっている」
上海万博を通して中国のイメージを世界に親んでもらうために、北京当局は「親中」の谷村さんを万博の海外プロモーション大使として採用したが、「万博の開幕式はすっかり、谷村さんが中国大衆に日本文化と日本人の良さを伝える舞台となった」とネットユーザーらが皮肉る。
「理想主義の八十年代を思い出した」
「さんざめく 名もなき星達よ せめて鮮やかに その身を終われよ ……」。「昴」に中国人が親しみを持ったきっかけは、80年代にテレサテンが歌った同曲の中国語バージョン。谷村さんの歌で、富裕層が最も多い五十代前後の中国人が再び、理想主義に憧れるあの時代にタイムトリップした。
「雄壮。安らかな心でありながら励まされるムード。この歌で、久しぶりに80年代の理想主義を思い出した」
その時代、中国ではテレサテンの美しい歌が大流行し、胡耀邦、趙紫陽両氏の改革開放の政策が行われ、民主と自由の理念も伝えられた。人間性と思想の解放に憧れる時代を背景に、89年に大学生や中国各界の人々が民主自由を求める民主運動にまで発展した。しかしその時代の中国大衆の理想主義は、天安門虐殺事件で圧殺され、その後国中が拝金主義に陥った。
「もし、当時、胡・趙の方向で順調に進んでいれば、中国は現在のようにはならなかった。正直、現在我々の世代は権力や富を手に入れているが、あの時代の夢はまだ密かに見ている。闇夜の後にはきっと夜明けが来る。谷村さんの歌で再び80年代の理想主義を思い出した」と、あるネットユーザーが発言している。
「いつの日か誰かがこの道を 我は行く 蒼白きほほのままで 我は行く さらば昴よ」。谷村さんの「昴」は、中国人に、日本文化への感動をもたらしただけでなく、忘れかけていた自由への夢を再び思い出させたようだ。
東アジア共同体はローマ帝国よりもありえない虚構!!
平安時代の清少納言は、すばるは星々の中で最も美しいとたたえました。「すばる」とは、「たくさんのものをむすんで一つにまとめる」という意味の言葉から来ています。多くの星が集まっているからこんな名前になったのでしょうね。関西では「すばる」ですが、関東では星が6個見えることから「六連ら星」とも言うとか。普通の視力の人なら5,6個の星が見えます。今夜試してみてはいかがでしょう。 西洋ではプレアデスという名前で呼ばれています。古代ギリシャの物語ではアトラスとプレイオネの間に生まれた7人の姉妹だとされていて、肉眼で見える明るい星にそれぞれ名前がつけられています。
双眼鏡で見ると何十もの星が見えて息をのむほど美しい星です。すばるのように星が集まったものを散開星団とよんでいます。そしてすばるはプレアデス星団ともよびます。天体望遠鏡を使うとさぞ立派に見えると思いがちですが、倍率をあげると星々がまばらになってしまって興ざめです。すばるは星がよく見える山奥で双眼鏡で見るのが一番です。
昴は、多くのものを一つにまとめるという意味、その美しさや、日本の古い時代をも、象徴するような、歌詞や華美などという表現から対極的な谷村さんのとつとつとした歌いぶりなど、ほとんど経済のみが価値観の尺度となってしまった、中国人の心の琴線にも触れたのだと思います。
このブログには、以前EUのことについて書いたことがあります。それは、ヨーロッパの人々の中にはあの強大なローマ帝国に対する憧憬の念が強いということです。だから、ヨーロッパの人は結束してかつてのローマ帝国のような国を目指そうと考える人が多いです。そうして、その試みは昔から何度も繰り返されてきました。古くは、神聖ローマ帝国から、新しくは、ナポレオンの帝国、ヒトラーが夢見た第四帝国、そうして最近ではEUです。
EUはどうなるかまだ未知数ですが、こうした試みは、過去の歴史が示すようにほとんどが失敗し、ついえました。EUもおそらくは、長期ではうまくいかないと思います。なぜなら、経済一つとっても、ギリシャ、ドイツ、フランス、イギリス、ポルトガル、スウェーデンと思い浮かべただけでも、各国にそれぞれの特徴がありあまりにも違いあります。さらに、各国の伝統文化についても、あまりに違いがありすぎます。
最近のギリシャのデフォルト危機の問題があります。これは、おそらく、EU内で何とかするでしょうが、やはりEUそのものの脆弱性を如実に示したと思います。しかし、過去の歴史をみれば、私は長いうちには、EUは解体の方向に向かうと思います。これは、何も私だけが言っていることではなく、かの経営学の大家ドラッカー氏も生前これに近いこと語っていました。
さて、EUですら、いずれ解体するかもしれないとすれば、鳩山さんが唱えている「東アジア共同体」はどうなるでしょうか?私は、これは、最初からほとんど無理だと思います。特に、日本と中国を内包した「東アジア共同体」に関しては、ほとんど不可能どころか、最初から全く無理です。
なぜなら、中国と日本とは、全くといってもいいくらい文化的にも、経済的にも違いすぎるからです。清朝までの中国であれば、日本は、漢字を輸入したなどで、多少の共通点ありましちたが、それでも、多少です。共産主義になってからは、ほとんど共通点などなくなったというのか実体です。経済に関しても、たとえ中国が今年日本とGDPが同程度になって、少し追い越したとしても、中国の人口は日本の10倍以上ですから、個人あたりに換算すれば1/10未満ということになります。このブログでも以前述べたように、資生堂の調査によれば、昨年あたりで、年収100万を越えたひとが1000万人を超えたという程度です。中国の物価は日本よりはるかに安いですから、1/5としても、日本国内の感覚でいえば、年収500万を超えた人が、100万人(人口は1/10として)という程度のものです。
このブログでは、以前も、サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」について掲載しましたが、その中にもあるように、ハンチントンも、日本国は、西暦2~5世紀において中華文明から派生して成立した文明圏であり、日本一国のみで成立する孤立文明としています。そうして、その違いの際立ったところでは、日本には連綿と続く「皇統」があります。この、皇統があるということで、日本は、歴史上為政者は頻繁に変わりましたが、日本人の統合の要となった皇統があったので、日本国内が分裂したとしても、日本という統一性はいつの時代にも保たれてきました。
これに、比較すると、中国には皇帝はいたものの、皇帝はその時々の為政者のトップでもあり、日本の天皇とは全く性質を異にしています。日本が統一性を保ってきたのとは、対照的に、統一と離散を交互に繰り返してきました。さらに、現代中国にも、天皇のような存在がないどころか、中国共通の英雄すらいません。建国の父毛沢東を英雄にすれば良いではないかという人もいるかもしれませんが、それもできません。なぜなら、毛沢東は悪名高い大虐殺を大量に行ったからです。ですから、今でも漢民族ですら、普通の家庭なら、親戚や知人など誰彼か、毛沢東の虐殺の犠牲にっなってまいす。鄧小平氏は、鄭和を英雄にしようとかんがえていたようですが、これも、漢民族でもない、異教徒ですから無理があって、英雄にはなっていません。
それと、極め付きは、EUの場合は、現在のヨーロッパに匹敵するような版図を実際に全盛期のローマ帝国が治めていたことがあります。そうして、各地の宗教・文化を認める形で統治したり、各地に文明都市を築き、各地の他民族にも、その文明都市で生活することを認めたりするなど、賢い方法でこれらの版図をまとめ、戦争がなくなり、パックス・ロマーナ(ローマの平和)といわれる、繁栄期を迎えたこともあります。そのため、今でも、スペインでも、フランスでも、ドイツでも、イギリスでもローマ時代の遺跡がみられます。それに、ローマ帝国は、キリスト教を採用したため、いまでこそ、いろいろ宗派にわかれていますが、一部の少数民族を除き、もともと全部がキリスト教です。
ローマ帝国の版図。現在のヨーロッパのみか、北アフリカもふくまれている。
しかし、中国が版図を最大限に広げたときにも、ご存知のように日本はその版図に含まれたことは一度ありません。その逆もありません。豊臣秀吉が明征伐をたくらんだこともありますが、無論それは成就しませんでした。両国は一度も、統一されたことはありません。これは、先の大戦時でも、日本は、点と線を占領しただけで、中国の大部分はその点と線から外れていました。宗教に関しては、儒教という共通点はあったものの、中共となってからは、宗教はアヘンとして退けられたため、すでに、中共建国より、60年以上もたったため、これも全く無理です。
ヨーロッパのように過去にローマによって、統一された経験もない日本と中国、さらに文化的にも全く違うし、一方は、日本人の統合の要となる天皇を頂点にいただき、もう一方は共通の英雄すらいない国、これでは、EUのような「東アジア共同体」など無理というものでしょう。それに、もともと、中国は他民族国家で、無理に統合しているような国で、中国自体が「共同体」のようなものです。共産党一党独裁とはいいながら、派閥が沢山あり、かろうじて拮抗して保っているような国です。選挙も建国いらい、地方も中央もありません。これが、さらに、文化も経済・政治も社会も全く異なる、他国と統合するなどということはほとんど不可能というものです。
さて、昴の話から、こんなに長々と書くことになってしまいましたが、万博開幕式以来、谷村さんと「昴」を賛美する言葉が中国のネット上で絶えないことや、中国のネットユーザーは「昴」を、「開幕式の最大、いや唯一の見所」と選んだことなどから、彼らの多くは、昴に日本の素晴らしさを垣間見ているのだと思います。特に、谷村さんに、現実の日本はどうかということは別に、日本人の結束ぶりや、自由や、経済力や、文化的な香りなどを強く感じているのだと思います。
結局江沢民の反日教育も共産党政府が思っているほどには、あまり効き目がなかったのかもしれません。とにかく、人間は、ないものねだりをするというのが習性です。叶わぬ夢と知りながらも、夢を抱くというのが普通です。彼らが、ないものねだりをしたり、夢を抱いたりしているうちは、統合などほとんど不可能だと思います。彼らが、谷村さんの歌を普通に聴けるようなるまでは、中国と日本とは、いろいろな意味で水と油で混じり合うことはないでしょう。
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