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2019年2月23日土曜日

ノーベル推薦問題でも鮮明…国益もたらした安倍首相と「仕事」できずに苦境の中韓―【私の論評】「べきだ論」に拘泥すれば、まともに仕事ができなくなるどころか人生でも失敗(゚д゚)!

ノーベル推薦問題でも鮮明…国益もたらした安倍首相と「仕事」できずに苦境の中韓

安倍首相

安倍晋三首相がトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦したと報じられた。これについては批判もあるが、外交の手段としてどう評価できるか。

推薦をめぐり、国会で質問があったが、安倍首相は否定も肯定もせず真偽を明らかにしていない。ちなみに、誰からの推薦があったかについて、ノーベル賞委員会は推薦者を50年明かさないので、50年間は分からないだろう。

トランプ氏への推薦は他国の疑問を招きかねないとの批判もある。立憲民主党会派の小川淳也氏は「ノーベル賞はありえない。日本として恥ずかしい」と非難した。

ただし、外交の観点からは、好き嫌いの感情より国益優先だ。国家間の関係は個人感情よりビジネスライクのほうがよく、そのようなリアルな外交からすると問題はない。各国の外交関係者には、日本はうまくやっていると見えるだろう。

実際にトランプ氏から「推薦」について話が出たというのは、米大統領に効果があったわけで、日本の国益という観点で、外交上の意味があったということになる。

いずれにしても、このノーベル賞推薦報道についてのコメントをみると、外交に関する理解度がよく分かる。

この推薦に批判的な人の中には、トランプ氏とのゴルフについても「遊んでいる」と批判する人もいるようだ。

こうした「理想主義的なお花畑論」は、「リアルな外交論」との対立軸に帰着する。お花畑論の人は「べきだ論」ばかりで、推薦もゴルフも不要であり、ひたすら理想論ばかりを言っていればいいとなる。

しかし、外交は生身の人間が行うことであるので、リアルな外交論からいえば、使えるものは何でもいい。一般のビジネス社会では、昼間の会議だけではなく、夜や休日の接待も「仕事」の一環となることも多い。トータルな「仕事」でビジネスすることを考えれば、リアルな外交論の方に軍配があがる。

実際、安倍首相は日本に国益をもたらしている。分かりやすい例が経済関係だ。トランプ氏の大統領選直後の面会、ゴルフ、そして真偽不明だがノーベル賞の推薦を行ったとされ、結果として日本は高関税を免れている。日本のアキレス腱(けん)は自動車関税だが、これまでのところ猶予されている。

トランプ氏は新しい天皇に面会するために5月中に来日する。6月末にも20カ国・地域(G20)首脳会議で来日する。このように短期間で米大統領が複数回来日することは異例だが、その頃までは、米国が自動車関税で日本を揺さぶることはないだろう。これは安倍首相が「仕事」をしてきたからだ。

一方、中国の習近平国家主席は、安倍首相のような「仕事」をしていない。そのため、トランプ氏は中国製品に高関税を課し、そのせいで中国経済は大きく減速している。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領も「仕事」をできず、中国とともに経済で苦境である。

これまでのところ、中韓と比べて日本はうまくやっているというのが外交関係者の見方だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】「べきだ論」に拘泥すれば、まともに仕事ができなくなるどころか人生でも失敗(゚д゚)!

日本では、企業によっては「虚礼廃止」ということで、社内や取引先などへのお中元、お歳暮の付け届け、年賀状まで廃止しているところもあります。これは、癒着や不正などを未然に防ぐという意味もあります。

また、取引先から接待など受ける場合は予め必ず上司に伺いをたてないとだめなどという会社もあります。

しかし、あまりこれが行き過ぎると、本当に社内や社外でお世話になった人に対してまで、真心によるお礼ができないということにもなりかねません。私自身は、何事もほどほどというのが良いと思います。

しかし、安倍総理がトランプ大統領に対してノーベル賞を推奨するなどという行為は、特に何も規制があるわけではないので、日米関係を考えると、私は上手なやり方だと思います。

ブログ冒頭の記事にもあるように、「理想主義的なお花畑論」的思考によれば「べきだ論」ばかりで、推薦もゴルフも不要であり、ひたすら理想論ばかりを言っていればいいということになります。

しかし、生身の人間同士が行う外交ですから、そこにはある程度の潤滑油も必要です。今回の安倍総理のノーベル賞の推奨は、その潤滑油の一つといえるでしょう。今回のことは、このくらいに鷹揚に考えられないのかと、ついつい思ってしまいます。


特に「べきだ論」は始末に終えません。「べきだ論」に浸る人たちには、「良き意図」と「意思決定」の区別がついていないようです。

経営学の大家ドラッカー氏は「意思決定」について以下のようなことを主張しています。
いかなる組織構造でも意思決定が行われる。その際、正しい問題を、正しいレベルで意決定を行い、実際の仕事に移し、成果に結びつけなければならない。
組織構造がこのプロセスの阻害要因となってはならず、意思決定を強化するものでなければならない。
では、意思決定にとっての阻害要因とはどのようなものでしょうか。
ひとつは、常に上位マネジメントが意思決定を行わざるをえなくなっていること。

二つ目は、構造が複雑で、明快さに欠け、致命的に重要な問題の発生がわからなくなること。

さらに、まちがった問題や成果に関わりのない縄張り意識に対して組織の関心を向けさせること。
ドラッカーは、組織構造の在り方は、意思決定を組織や個人の仕事に移すことに大きな影響を与える、としています。

最後に、
意思決定は、それが仕事としてあるいは行動として実行に移され、成果をもたらさないかぎり、良き意図にすぎない。
 「理想主義的なお花畑論」の人たちの意思決定は、もっぱらこの「良き意図」の範疇を出ていないのです。

ドラッカー氏

「お花畑論」の人々のこの「良き意図」は「べきだ論」にまで高まり、身動きがとれないほどに彼らをがんじがらめに縛っています。

ノーベル平和賞の本質を知っていれば、そうして現実の世界情勢を知っていれば、トランプ大統領をノーベル平和賞に推奨する行為は別に特に奇異なことではないことがすぐに理解できるでしょう。それについては、以下の動画を参照して下さい。



ノーベル賞の正体を知れば、安倍総理のように、「トランプ大統領をノーベル賞候補に推奨」するという、比較的重要ではない意思決定すらできないどころか、それを「良き意図」に照らし合わせ、否定的な批判しかできなくなってしまうのです。

ここでいう「良き意図」とは、無論「マスコミなどで見る限り、トランプは異常でありまともではないから、大統領にはするべきではない」という考えです。

「良き意図」にばかり執着する人々は、ドラッカーの語る「意思決定は、それが仕事としてあるいは行動として実行に移され、成果をもたらさないかぎり、良き意図にすぎない」という言葉の意味を全く理解していないようです。

要するに、まともな仕事をしていないのです。習近平も、文在寅も仕事をしていないのです。習近平は「とにかく中国共産党は絶対正しく何が何でもまもるべき」との、そうして文在寅は「とにかく北を支援すべき、反日すべき」との「べきだ論」にこりかたまっており、まともな仕事ができない状況に陥っているのだと思います。

「べきだ論」に拘泥しまともに仕事ができない、文在寅と習近平

そこにいくと安倍総理は「べきだ論」にこだわらず、欧米では左派の政策であるといわれている、金融緩和を実行して大規模な雇用の創出に成功しています。

日本にも「べきだ論」に凝り固まって、まともな意思決定ができず、結局仕事ができない人が大勢いるようです。そもそも「べきだ論」にこだわると、思考が停止します。

「〜べき」をはじめとする言い回しは何かを断言・決定・固定化するだけの「力」を持っているため、その言葉を使うことで自分自身を縛る枷となってしまいます。

「これはそうするべき」と断定してしまえば、それを簡単に撤回することは難しいです。人間は、意見や価値観の変化はあって然るべきですが、あまりに頻繁に二転三転していては、信用を失います。かと言って、なんてもかんでも「〜べき」で固定してしまえば、それ以外の主張を明らかにすることも憚られ、どんどん息苦しくなっていく一方です。
これは、上のように極端な事例で説明すれば、理解できるのでしょうが、意外と多くの人が「べきだ論」にこだわり、実際には何も仕事らしい仕事をしていないということは良くあることではないかと思います。特に中間マネジメント以上にそのような傾向がみられると思います。実際私は、そのような事例を過去にいくつもみたことがあります。

それにあまりに拘泥しすぎると仕事ができなくなるどころか、人生にも失敗してしまうようです。
貴乃花元親方

これに関しては"誰が不幸になろうと我をとおす「貴乃花病」"という趣旨の記事を高須クリニックの院長の興味深い記事があります。この"我をとおす「貴乃花病」"というのが、「べきだ論」で凝り固まる人の陥る病なのだと思います。
「べきだ論」に拘泥し続けると、仕事だけではなく、人生においても失敗してしまうということなのでしょう。

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2017年11月5日日曜日

AIでできる銀行の融資業務、仕事は奪われるが人口減の日本にはチャンス―【私の論評】今後5年以内に政界、銀行、マスコミ再編成の嵐が吹き荒れる(゚д゚)!

AIでできる銀行の融資業務、仕事は奪われるが人口減の日本にはチャンス



説明を追加


 筆者は銀行の人員減というニュースを聞いても驚かない。というか、よくこれまでやってこられたと驚く。

 実は、筆者は旧大蔵省キャリア官僚としては珍しい経歴を持っている。金融検査官だ。検査官になるのは旧大蔵省キャリアの同期でも1人か2人しかいない。たまたま1990年代前半は銀行の不良債権問題が大変な時期だったので、あまり前例のなかった金融検査官を拝命し、同時に不良債権処理プログラムを企画立案した。

 そのためには実際に銀行の金融検査をしなければいけない。そこで、金融検査の現場をみっちり経験し、1日で100件以上の資産査定を行った。

 資産査定とは、銀行の支店の貸出をチェックするもので、ここで金融検査官に不良債権と指定されるかどうかは、銀行にとって死活問題になる。

 支店長や銀行幹部も必死になって不良債権を否定するが、筆者は財務諸表の数字と確率論で対抗した。

 多くの資産査定をやっているうちに、貸出先企業のバランスシートのどこに着目すれば、貸付金の健全度が示されるか、分かるようになった。要するに貸出先企業の財務状況の分析について、数量的に把握できたのだ。

 筆者のこの論法は新鮮だったようで、多くの銀行の人は面食らっていた。いくら情で訴えられても、データで不良債権、しかも、あと2年以内にどの程度のロスが出るかも予測できた。

 このときの経験から、融資業務をかなりの程度自動化、今の言葉でいえばAIにやらせることは可能だと思った。

 企業融資業務は、銀行の中では高度な業務だ。それすらAIでできるとなると、住宅ローンなどの定型融資も当然可能だ。預金や金融商品の販売はもっと容易にAIで代替できる。そうなると、人の塊であった銀行の支店には、ほとんど人が不要になると思ったのだ。

 銀行の本部でも、資産運用などは、下手に人間がやるよりは、ある条件になったら自動的に売買して、損益が一定以上になったらやめるというシステムの方がましだろう。

 筆者は、中央銀行の金融政策ですらAIで可能と思っているほどの論者である。

 よく銀行は、資産運用だけではなく、相続の相談にも乗るというが、税法なら、今や無料で正確なソフトもある。要するに、ほとんどの銀行業務は人がやる必要のないものだということもできる。

 銀行以外でも、単純・定型的な業務はどんどんAIに代わるだろう。ただし、日本は人口減少なのだからこれをチャンスとすべきだ。AIにはできない、人らしい仕事を少ない人でやっていけばいいと楽観的に考えよう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】今後5年以内に銀行、政界、マスコミ再編成の嵐が吹き荒れる(゚д゚)!

私は、「日本は人口減少なのだからこれをチャンスとすべきであり、AIにはできない、人らしい仕事を少ない人でやっていけば良い」という高橋洋一氏の意見には大賛成です。

ただし、AIに実施させる仕事も、少数ながらそれを実施できる人は温存して、実行できるようにすべきであるとは思っています。なぜなら、仕事の改善自体は人しかできないからです。全くAIに任せきりということは、考えられないからです。

それにマネジメントの主体は無論人間です。また、真のイノベーションとは、組織の内部ではなく、組織の外の社会(人間によって構成され)を変えるものだからです。

いくらAIにより、銀行の業務などを実行するようになったからとはいえ、そのことにより組織の外の社会が変わる、具体的には、たとえば、融資を受けるべき企業が融資を受けられるようになり、実際にそれらの企業が融資したことにより、成長し繁栄するようにならなければなりません。

だから、AIが融資業務を実施するにしても、やはり人が関わらなければまともな融資はできないでしょう。ただし、AIが融資の業務に関わることにより、より客観的で、正確な判断ができるということでは良いことであるのは間違いありません。

AIと人との共存は可能か?
ところで、2001年大蔵省がなくなるまでは、日本の銀行は金利から店舗数、預金高に至るまで大蔵省にコントロールされ、箸の上げ下ろし一つ自由にできませんでした。しかし、その代わりに互いに競争する必要もありませんでした。

その結果、新しいビジネスを創り出す必要に迫られなかった日本の銀行は、「土地専門の質屋」と呼ばれるような土地を担保に金を貸すだけのビジネスしかできなくなってしまいました。

不良債権の問題を解決する決断もできなかった日本の金融機関は、外国の金融機関のような差別化のための経営戦略もなく、優秀な人材を育てることもシステムに投資することもせず、結果的に、競争の激しいアメリカの金融業の労働生産性を大きく下回ることになりました。

こうした背景から、1999年に第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行が事業統合で合意したのが引き金となり、2000年代初頭にかけて大手都市銀行どうしのグループ化、共同金融持株会社の設立が相次ぐこととなりました。

しかしその後日本経済は深刻なデフレに見舞われ、銀行はその対応に精一杯であり、日本の銀行に内在する諸問題はあまり解決されてきませんでした。

しかし、「三重銀行」と「第三銀行」の経営統合などにみられるように、最近銀行の再統合がまた、進む気配があります。最大の変化は、銀行の収益環境が厳しくなっていることです。銀行ビジネスの基本は、「預金を集めて、お金を必要としている企業や個人に貸し出す」ことです。


銀行は預金者に都合のよい、元本保証の預金商品を提供すると同時に、借り手の要望に応じて、預金商品よりも長い期間の資金も提供しています。

銀行の主な収益源は、預金金利と貸出金利の差(利ざや)です。通常の金利体系は、「期間が長いほど金利が高い」ので、銀行は、短期間の低い金利で預金を調達する一方で、期間の長い高い金利で貸出し、「長短金利差」によって利ざやを確保し、安定的な収益をあげてきました。

ところが長年続いた金融引締めの状況が銀行にとって当たり前になってしまった結果、現在の金融緩和で、長期の全ての期間で、金利が相対的にきわめて低くなり、金融引締めが続いた時代よりも利ざやの確保が困難になっているのです。

といより、従来からある銀行の遅れた体制が温存されている部分があり、現在のままでは体制を維持できなくなっているのです。おそらく、今後5年以内に銀行の再統合が進み、銀行の数は現在の1/5くらいになるものと考えられます。

銀行の歴史は「経営統合の歴史」といわれます。明治以降の銀行の歴史をみると、銀行どうしの経営統合は決して珍しい動きではありません。現在営業している銀行も、多くの銀行どうしが経営統合を繰り返しています。今後展開が予想される地方銀行の再編も、いわば「歴史の必然」ともいえるでしょう。

このような状況の中で、銀行の統合が進むだけではなく、AIに様々な業務を実行させるということが急速に進められていくものと考えられます。これが現在良く言われてる、AIも含めたIT技術を使った新たな金融サービス「FinTech(フィンテック)」というものです。


おそらく、今後5年以内に、現状の1/5に統合された銀行が、少ない人で、AIを用いて効率的な業務を実行していく体制が築かれることになります。

今後、銀行業界のリストラが加速します。銀行業界でも早期退職などの嵐が吹き荒れることになるでしょう。そうして、その後は人口減の時代が来ても、現状のような銀行サービスが十分維持できるどころか、それ以上のことができる体制に変わることでしょう。まさに、これから銀行業界は大変革期を迎えるのです。

大変革期を迎えるのは、銀行業界だけではありません。このブログでは、政界、マスコミ再編成がおこることも示唆しました。

今後5年以内に本格的な、政界再編成、銀行再編成、マスコミ再編成の嵐が吹き荒れることになります。銀行に限らず、弱い組織、異常な組織、非効率な組織はいずれ淘汰されるしかないのです。

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2014年10月17日金曜日

「知らないでは済まされない」と小渕氏 自らの責任に言及 観劇会収支の不記載判明で 「私自身驚いている。調査したい」とも―【私の論評】自分の仕事への恐れをなくしてしまえば、それは「思い上がり」の何ものでもなくなってしまう(゚д゚)!

「知らないでは済まされない」と小渕氏 自らの責任に言及 観劇会収支の不記載判明で 「私自身驚いている。調査したい」とも

小渕優子経済産業相
 小渕優子経済産業相は17日の衆院経産委員会で、自らが関係する政治団体の不透明な収支について「知らなかったでは済まされない」と述べ、自らの責任に言及した。ただ、平成24年に支持者向けに開催した観劇会に関する収支が政治団体の収支報告書に記載されていないことが新たに判明。小渕氏は「しっかり調べたい」と苦しい答弁を繰り返した。

小渕氏関係の政治団体「小渕優子後援会」と「自民党群馬県ふるさと振興支部」の収支報告書によると、22、23年に支持者向けに東京・明治座で開催した観劇会で、収入よりも支出が2年間で計約2642万円上回った。民主党の近藤洋介氏はさらに24年の観劇会に関する記載がないことも含め、公職選挙法や政治資金規正法(虚偽記載、不記載)に違反する疑いが「濃厚だ」と追及した。

これに対し、小渕氏は19年以降毎年開催している観劇会で「1万~1万2千円」の会費を徴収したと明言。「実費をいただいたと承知しているが、差額がどこに消えたかは私も分からない」と説明した。さらに「大変多額で、私自身驚いている。使途不明金についてしっかり説明できるように調査したい」と述べ、使途不明金の存在を認めた。

小渕氏はまた、自身が代表を務める政治資金管理団体が、事務所の維持に充てる「事務所費」でベビー服を購入したと認めた。小渕氏は「贈答品で公私混同はしていないが、記載を含めしっかり調査したい」と述べた。維新の党の今井雅人氏の質問に答えた。
【私の論評】自分の仕事への恐れをなくしてしまえば、それは「思い上がり」以外の何ものでもなくなってしまう(゚д゚)!
このブログで、過去に小渕優子経産相の記事を掲載したのは、一回のみで、今年の9月22日のことでした。父親である、小渕恵三氏については何度か取り上げたことがあります。その
その記事のURLを以下に掲載します。
経産相「原発なしは難しい判断だ」―【私の論評】あたり前のど真ん中!ある程度安全であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが最も良い選択(゚д゚)!
詳細は、この記事を読んでいただくものとして、このブログの結論は、タイトルどおり、「ある程度安全であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが最も良い選択」というものでした。
小渕経産大臣の「原発なしは難しい判断だ」という考えに概ね賛成というものでした。
今回の記事の冒頭に用いた、小渕経産大臣の写真は、この記事でも用いたものです。
そうして、この写真良くご覧になって下さい。手元に花束があることに注目して下さい。実は、この写真を掲載するのには少し迷いがありました。花束というと、サラリーマンなどでは定年で会社をやめるときなどに、一番最後の出社のときにいただいたりします。
とにかく、今の日本では、何かおめでたいときや、職を辞するときにいただくものという慣習があります。
この写真を掲載するときには、数枚の中からピックアップしました。その時選んだのが、この写真です。理由は簡単です。縦長の写真を掲載したいと思ったのです。数枚の中で、この写真のみが縦長だったので、ためらわず、この写真を掲載しました。
ただし、掲載直後には、花束が手元にあるということで、何となく不吉な感じがしました。やはり、花束は、職を辞するときにいただくものという考えが頭をよぎりました。しかし、その時、よもやそのようなことはなかろうと、掲載することにしました。
しかし、今回のこの事件が起こってしまいました。やはり不吉の前兆だったのかもしれません。
しかし、このブログに掲載したのが、小渕経産大臣だけだったら、まだこの記事にはしなかったもしれません。
実は、この記事の中に掲載したもう一人の人物が辞任しているのです。
それは、誰かといえば、北海道電力の元社長、長川合克彦氏も先月、社長を辞めているのです。下の写真は、当該記事にも掲載しました。辞めた理由は、体調不良とのことでした。
北海道電力元社長川合克彦氏
9月にブログ記事に掲載した直後だったので、このことは鮮明に覚えています。もし、そうでなかったら、顔も名前も一致しなかったと思います。そもそも、このようなことは覚えてもいなかったでしょう。
このブログ記事には、南沢奈央(みなみさわ なお)さんのことも掲載しました。特に、話の筋としてはかんけいなく、南沢さんが、北海道の牧場で子牛にミルクを飲ませている写真を掲載しました。もしかしてと思い、「南沢奈央」でググってみましたが、特段何もないようです。ほっとしました。ちなみに、南沢奈央さんは、NHK大河ドラマ軍師官兵衛」(2014年1月 - 、NHK)等に"おたつ 役"で出演している女優です。下に、南沢奈央さんの写真を掲載しておきます。

それにしても、同じブログに掲載した人物の3人のうち、直後に一人は辞任、一人はひよっとすると辞任に追い込まれるかもしれない状態で、南沢さんだけが特段何もないという状況です。

偶然とはいえ、このようなこともあるのだと思いました。どんな人にも、いつ何が起こるのかは、全くわからないものだと思いました。

そんなことは、私も重々承知のつもりではありましたが、今回のこの事例をみて、つくづく人間は先はわからないものだと思いました。

私たちは仕事であれ、人生であれ、常に不測の事態というものを考えおく必要があります。これに、備えていくため、遣り残していること、心配なことが山のようにあるのが普通だと思います。
一つずつでも、不安を潰していかなければなりません。今のままで、良いということなどありません。現状の仕事の仕方や、今の生き方を正しいものとして、継続するだけでは良いはずがありません。
いつでも、もっと良いやり方はないかと考えるべきです。特に仕事であれば、新しい作業を付け加えたり、必要のない作業を削除したり、順番を変えたり、いくつかの仕事を一つにまとめたり、逆に一つの作業をいくつかに分けてみたりなどして、もっと効率をあげることができないかを検討していくべきです。あるは、そもそも、その仕事自体が、必要のないものなら、すぐにもやめるべきです。現状の自分の仕事そのもののやり方に恐れをもって臨むべきです。
私たちがこのような恐れをなくしてしまえば、それは「思い上がり」の何ものでもなくなってしまいます。思い上がりの典型は、悪いことや失敗の報告をしないことや、途中確認をしないことです。まさに、小渕優子さんは、このことを怠っていたのだと思います。
仕事を効率的、効果的に進めるには、これは最低限実施しなければならない、仕事のイロハともいえるべき基本的事柄です。これを怠り、本当は自分のレベルではできないことなのに、出来ると勘違いして、失敗すれば、それは自業自得の何ものでもありません。
上司に報告ずみであれば、失敗したとしても自業自得ではありません。それは、上司の責任でもありますし、上司は部下を教育するために、敢えて失敗させて学ばせているということもあります。

天皇陛下から認証を受ける小渕経済産業相 クリックすると拡大します
しかし、今回の小渕さんの件では、無論のこと自身では良くは調べてはいなかったでしょうし、安部総理にも報告はしていなかったでしょう。
せっかくの安部総理の肝いりの女性閣僚ですから、継続してもらいたいという気持ちはあるのですが、今回はかなり厳しいと思います。
しかし、小渕優子さんは、まだ政治家としては若いですから、いずれに転んだとしても、今回のことを糧にして、成長していただきたいと思います。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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【首相辞任】代表選は4日、会期延長せず 小沢氏ら執行部も辞任―「できること、していること、したいこと」の区別がつかない民主党?

<福田首相>辞任を表明 後継は麻生氏軸に-政治家二世総理大臣続けて辞任、二世は無理か?

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2014年8月22日金曜日

「新談話ものすごく効果」「国会で朝日、白黒つけよ」21日の自民党政調会議抄録―【私の論評】おおよそ国会議員たるものは、仕事そのものを中心に物事を考えるべきにあらず!中心に据えるべきは成果である。成果のない仕事は、ないほうが良い(゚д゚)!

「新談話ものすごく効果」「国会で朝日、白黒つけよ」21日の自民党政調会議抄録

7月22日の自民党政調会議

21日に開かれた自民党政調会議の主な内容は次の通り。

高市早苗政調会長「未来志向の外交も非常に重要だが、私たちにとっては国家、国民、そして子孫の名誉を守りぬくことも大切なことだ」

内閣官房担当者「(当時の)朝日新聞の報道で対日批判が強まった。日本政府は強制連行は確認できないとの姿勢を貫いていた」

外務省担当者「(米カリフォルニア州グレンデール市などに設置されている慰安婦像について)大使館などを通じて、このような動きを阻止できるよう努めている」

片山さつき環境部会長「グレンデールの慰安婦だけでなく、日本海を『東海』に変えろというのは同じ(反日)運動だ。組織的に対応しないといけない。河野談話に対しては新談話を出すとものすごく効果がある」

城内実外交部会長「(日本と韓国以外の)第三国には粘り強く丁寧に説明し、誤解を解いていかなければならない」

佐田玄一郎元行政改革担当相「(河野談話は)どうしてこんな文書になったのか、どこが問題かを内閣官房は言わないとまずい。(韓国は)内政干渉に近いことを言ってきている。日本を大きく毀損(きそん)した朝日新聞には、閉会中審査でもいいので、国会で白黒はっきりつけるべきだ」

佐藤正久参院議員「(慰安婦を『性奴隷』とした国連欧州本部自由権規約委員会がある)ジュネーブできちんと正しい情報を発信すべきだ。外務省が真剣にやらないといけない」

大西英男衆院議員「朝日新聞が誤った報道をしたせいで、世界に『性奴隷』という情報が広がっている。朝日の当時の経営者や記者を国会で証人喚問すべきだ」

山田賢司衆院議員「自民党として河野談話を総括しないといけない。談話を見直さないのなら、新談話を出すべきだ」

柴山昌彦衆院内閣委員長「国際的に権威のある人権機関が正しいコメントを発表するようにしないといけない」

赤池誠章副幹事長「改めて新談話を出すのが大事だ。自民党が主導してきちんと強制連行がなかったことを主張しないといけない」

高市氏「新談話が必要との要望があれば、党として菅義偉官房長官に要請したい。閣議決定していない河野談話を、なぜ政府が継承するのかというそもそもの疑問もある」

有村治子参院議員「虚偽のことを垂れ流し、(旧日本軍の)尊厳を踏みにじる自由は朝日新聞にはない。(同紙が強制連行の証言報道を虚偽と認めたことで)河野談話は根底から揺らいでいる」

丸山和也参院議員「韓国とは火花を散らすのではなく、その動きを国際社会の中で封じ込めるのがいい」

簗和生衆院議員「朝日新聞の所業についてはしっかりと追及すべきだ」

【私の論評】おおよそ国会議員たるものは、仕事そのものを中心に物事を考えるべきにあらず!中心に据えるべきは成果である。成果のない仕事は、ないほうが良い(゚д゚)!

議事録にすべて掲載されている内容であることと、誰でも閲覧可能なので、上の記事全文引用させていただきました。

それにしても、皆さん勇ましい発言です。素晴らしいです。ただし、一言だけ言いたいことがあります。

朝日新聞が不十分ながら、訂正記事を掲載した現在上記のようなことを言うのは簡単なことです。誰でもできます。本来であれば、少なくとも半年前、1年前にこのような発言をすべきです。

もちろん、それより以前にもこのような発言をしてきた人もいますが、多くの議員はそうではありませんでした。

もちろん、上記のような発言するなとはいいません。しかし、現時点ではこのような発言は誰もができます。

こんなことは、凡庸な議員にまかせておき、本当に国を良くする気概があるなら、朝日新聞が例の訂正記事を掲載する前に上記のような発言をすべきです。

そうして、そのようなことは他にもたくさんあります。

最近では、来年の10%増税があります。これは、さも決まったことのようにマスコミなどは報道していますが、そんなことはありません。今年4月からの8%増税も、あたかも決まったことで覆すことができないかのようなマスコミの報道ではありましたが、倉山満氏は、昨年の9月時点で以下のような記事をブログに掲載しています。

消費税増税は法律で決まったことだ、もう変えられない?間に合わない? 大嘘です。 
 消費税増税法にはご存知の通り、附則18条がある。 

 いわゆる景気条項のこと。その時の景気を判断して増税を延期できるかどうかを判断できるという内容。 
 そして安倍総理はこの法律に基いて10月1日の日銀短観を見て判断するとしている。 
 何の問題もない。 
 しかし、ここで「法律で決まっている」「変えられない」「間に合わない」というのがどういう理屈なのか?  
 曰く、「施行期限が決まっている法律の延期には新規立法がいる。だから、もう間に合わない」と。 
 これが妙な説得力を持ったのだけど、おかしな話だ。 
「間に合わない」と言うなら、いつまでに増税延期を決断しなければならないのだ?「新規立法がいる」は確かだけど、「いつまでに」を言わずに「10月1日以前までに」と誘導されていないか。 
 ここに詐術がある。 
 増税をするか否かは、歳入の見込みを判断することになる。歳入の予想によって、予算の見積もりを決める。 
 ということは予算関連法案である。 
 なぜ予算関連法案を10月1日以前に通過させねばならないのだ?しかも新規立法といえど施行期限を変更するだけで、全面的に今から作成するわけではない。 

 極端な話、方針さえ決めれば、午前中に衆議院、午後に参議院を通過させればよい程度の話。 
 衆参両院で与党が多数を占めているのなら、何ら問題が無い。 
 自民党や公明党に「どうしても増税がしたい」という意見があれば、党内や与党の会合で論議を尽くしてからすれば良い。 
 文句があれば、総裁解任や連立解消をすれば良いのだから。 
 ただし、国政選挙で勝った総理にそんなことをする覚悟があるなら。 
 理想は、1月の通常国会で予算審議が始まる前に、増税延期法(施行期日変更のみ)を通過させていれば、何の問題もない。 
 仮に、1月までに通過していなくても、通常国会で予算関連法として予算と並行審議すれば問題が無い。 
 予算編成以前に総理が「消費税増税を延期する」と宣言していれば良いだけ。閣議決定で十分。 
 以上、「消費税増税は法律で決まったことだ、もう変えられない?間に合わない?」は大嘘です。 
 内閣・衆議院・参議院の法制局で確認してみれば?
おそらく、今年の4月から導入してしまった消費税に関してはもう変えることはできないかもしれません。

しかし、実質上骨抜きにすることはできます。実際今回の消費税増税の前の増税は、実質上ネットの増税ではありませんでした。

それについては、この記事でも以前掲載したことがありますので、その記事のURLを掲載します。
“ネット増税”で景気動向は悪化している―【私の論評】ネット増税ならびにデフレ下での増税は、我が国でも初めてのこと、これを考えれば、景気はかなり悪化することが予想されるが、なぜ今大騒ぎにならないのか(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の元記事を書いている高橋洋一氏は、要約すると以下のように述べています。

クリックすると拡大します 
消費税増税の効果は、金融政策の緩和効果を相殺し、さらに悪影響を与えている。というのは、97年増税時には、先行減税があり、レベニュー中立(増税と減税が同じ)で行われた。89年消費税創設時には、物品税が廃止され、ネットで減税であった。しかし、今回の増税はネット増税である。これの悪影響がないはずない。
要するに、97年の増税時には、先行減税があったため、実質上増税していないのと同じような状況にあったということです。

89年には、もうほとんどの人が忘れているでしょうが、物品税が廃止され、実質上は減税でした。

89年の増税時では、実質上の減税でもあったためか、その後経済はわずかながらも伸びていました。伸びが鈍化しただけでした。

97年には、実質上増税しないのと同じでしたが、日銀法が改悪されたこともあり、日銀が本格的金融引締めに転じたために、98年から本格的にデフレに転じました。

現状では、日銀が金融緩和に転じていますから、増税を骨抜きにする方法はいくらでもあるはずです。

公共工事の供給制約がある現在では、大規模に公共工事をするということはほとんど経済対策にはなりません。

であれば、大規模な所得税減税、給付政策などを行えば、8%増税など相殺どころか、実質減税ということもできます。

自民党議員は、なぜ自民党政調会議でこのような提言をしないのでしょうか。

一番良いのは、10%増税を今から阻止し、このような財政政策を実施することです。

このようなことをすれば、安倍政権に対する国民の支持はかなり高まります。「新談話」を出すことよりももっと効果があります。

「新談話」については、無論出したほうが良いでしょうし、そうすべきとは思います。しかし、これを声高に叫ぶことは、朝日が訂正記事を出し、謝罪をしない現在、本当に誰もが言いやすいことです。

言いやすいことだけ言って、上記のような経済対策に関しては、言いづらいから言わないというのでは、国会議員としての資格が疑われます。

もし、安倍政権が今の時点で、10%増税断念をうちだせば、それだけでも安倍政権への国民の期待は高まります。

これは、山崎元氏も、夕刊フジに掲載していました。以下に、それに関すツイートを掲載しておきます。
これは、山崎元氏が、リツイートしたツイートです。

山崎元氏が言うように、現時点で、安部総理が10%増税を見送りすることを発表し、それだけではなく、来年4月あたりから、新財政政策(所得税減税、給付金政策)を発表すれば、本年はアベノミックスの第二の矢どころか、正反対の消費税増税をやってしまったわけですが、来年は正真正銘の第二の矢を放つということで、嫌がおうでも国民や市場の期待は高まります。

まさに、2012年のアベノミクス第一の矢を放つ直前のような状況になります。

そうして、2015年四月から、所得税減税、給付金政策を行えば、またまた最初に株価が上昇し、続いて様々な経済指標がどんどん良くなり、これに対して意義を唱える者は誰もいなくなります。

そうして、デフレから脱却できたら、安倍政権は無敵になります。この段階になれば、新談話をだすこともかなり簡単にできるようになるでしょう。

繰り返していいます、議員諸君、特に若手議員諸君、もう方向性が定まった「慰安婦問題」など、声高に叫んでも何も新しい動きは生まれません。それは、年配の議員にまかせておいても、できることです。

そんなことよりも、消費税対策をやりなさい。これで新しい動きがつくれます。それは、安倍政権の評価を高めるだけではなく、それを最初に提言した議員の評価も高めます。

ただし、提言しているだけではだめです、もう増税うんぬんの話は、経済の話ではありません。政局の話です。政局ですよ(゚д゚)!

上記の私が述べたようなことは、とっくにほとんどすべてのまともな良心的な経済学者や経済通はわかっていることです。おそらく、財務省の官僚どももすべて理解していることでしょう。ただただ、省益のみを考えて、国民に塗炭の苦しみを味合わせることになる増税を推進しているだけのことです。

政治の世界にも通じるドラッカーの理論

今後実施すべきは、財務省の出方、他の政治家の出方、マスコミの出方を注意深く探りながら、多くの味方をつくり、徹底的に財務省キャンペーンを駆逐し、その過程では、必要とあらば謀略、諜略、人たらし、取り込み、威嚇、離反,寝返りさせるなどあらゆる手段を駆使して(ただし法律に触れないように)、結果として日本に新たな新秩序をつくっていくことです。それが、あなた方の本当の成果です。

「善への誘惑}にとらわれていてはいけません。いくら自分たちは正しいことを言っているといっても、正しいことをしていると確信していても、それだけでは世の中は何も変わりません。そんなことは、小学生にだってできることです。あなたの、具体的な行動こそが世の中を変えるのです。泥を被るつもりがない人には何もできません。

一生懸命に提言したり、発言しているばかりでは、なんにもなりません。

企業においても、ある程度以上に地位ついた人は、仕事そのものを中心に物事を考えるべきではありません。ひがな一日何も考えず、雑事で毎晩遅くまで残業をしているようでは、高い地位を目指すことなどできません。中心に据えるべきは成果です。成果のない仕事は、ないほうが良いです。無駄なコストにすぎません。

このことを多くの人が理解していません。政治の世界で、働くべきは官僚であり、成果を出すのは政治家の責任です。このことを理解せず、仕事にばかり集中する国会議員はただの馬鹿です。上記のようなことも考えず、ただただ主婦(それも愚かな主婦)感覚で増税反対を唱える議員も馬鹿です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年3月12日火曜日

21世紀のナレッジワーカーの常識。「BYOD」と「ワーカー・アプリ」―【私の論評】インフレ圧力が高まるこれからの日本では、ナレッジワーカーの生産性を高めなければならない!!そのためには、独自の条件があり、その条件を満たさなければ何を導入しても生産性は向上できない!!

21世紀のナレッジワーカーの常識。「BYOD」と「ワーカー・アプリ」:


「Knowledge Worker ナレッジワーカー」という言葉は、1959年にピーター・ドラッカーが提唱したものだ。情報に携わり、職場における知識の向上を担う社員を、彼はこう名付けた。現在、あらゆる業務のうち25〜50%は、その業務に従事する者に情報・知識を生み出し、利用し、共有することを求めるようになっている。

さらにクラウドテクノロジーの発展、近年のいわゆる“モバイル革命”によって、仕事のやり方は決定的に変わり、「仕事」を再定義するようわたしたちに迫っている。2012年には、スマートフォン、タブレット、PCのそれぞれの分野で、よりスマートなモバイルデヴァイスが発展したことで、ナレッジワーカーたちは、いつどこでも仕事を遂行することができるようになった。

今日のナレッジワーカーたちは、机に縛られずに仕事をするほうが、はるかに生産性が高いことに気づき始めている。クラウドと接続されたモバイルツールは、これまでの職場のあり方に新しい大きな変革をもたらし始めているのだ。そして、その変革によってわたしたちは、情報をよりよく共有でき、どんな疑問に対しても必要な答えを得ることが可能となり、生産性を最大化することができるようになる。

こうした驚くべき可能性を前に、多くの企業はまだ、これらのテクノロジーを効果的に使うことで、従業員たちによりよく仕事をしてもらう最適な方法を見出せずにいる。だがそんな状況を後目に、この2013年、わたしたちはクラウドベースのアプリやスマートモビリティの進化によって、目を見張るような新しいトレンドを目にすることになるだろう。今年、あなたの職場で起こりうる変革をいくつか予測してみよう。

モバイルと仕事、4つのトレンド

1. BYOD(Bring Your Own Device=自分のデヴァイスを持ってこい)の一般化によって情報インフラの充実

ナレッジワーカーは、必要とあらばいつでもどこでも業務を遂行するために、ますますモバイルデヴァイスに依存することになる。世代を問うことなく、あらゆる働き手が共通のモバイルテクノロジーを手にすることで、今年はそれらをサポートし、より効率よく仕事に適合させるためのインフラが整備されていくことだろう。

2. ノンルーティン・ワーカーが増加

リサーチ会社のガートナーの予測によれば、仕事のやり方は今後変わっていき、2014年には、企業における業務の40%は“ノンルーティン”なものになるという。10年において、この数字は25%だった。DCM(Dynamic Case Management)といった技術の採用によって、社員は、ビジネスルールやマイルストーンに従って自分自身で判断を下すことができるようになる。フォレスター・リサーチの調べによれば、より素早く市場に商品を投下するソリューションを提供するDCMの市場は、14年には180億ドルに達すると見られている。刻一刻と変化する市場動向に対応し、柔軟性と速度を社員に促すBYODを採用することによって、企業は今後、ノンルーティンの社員によって占められていくことになる。

3. エンタープライズ・モビリティの加速

エンタープライズ・モビリティ(企業業務のモバイル化)がもたらす恩恵のひとつはスピードである。それは今後ますます必要なものとなっていくことだろう。社員たちはすでにコンシューマー向けサーヴィスを業務に適応させることで、かつてないアジリティを実現しているが、企業はこうした傾向に早々に追いつく必要がある。いつでもどこでも働くことができる環境をつくることは、結果としてITコストを削減し、業務にフレキシビリティと効率化をもたらすだろう。

4. ワーカー・アプリの開発

エンタープライズ・モビリティとBYODが当たり前のものとなっていくにつれ、テック業界はより効率的な業務遂行を実現するためのアプリの開発に乗り出していくことになるだろう。さまざまなアプリがナレッジワーカーたちに向けて紹介されていくことになるだろうが、それらが充実していくことによって、スマホやタブレットを通じて、より複雑で込み入った業務すら、いつでもどこでも遂行することが可能になるはずだ。
【私の論評】インフレ圧力が高まるこれからの日本では、ナレッジワーカーの生産性を高めなければならない!!そのためには、独自の条件があり、その条件を満たさなければ何を導入しても生産性は向上できない!!

P.F ドラッカー

上の記事素晴らしいです。しかし、一つ物足りないところがありました。上の記事ではあくまでも道具のことばかり述べています。確かに道具が優れたものになれば、仕事のやり方など随分変わってくるものです。

私の仕事のやりかも、最近道具によって変わってきたとろがあります。たとえば、iPhoneで現場で写真を撮影し、さらに、メモをとるということです。特にメモに関してフリック入力でかなり速く入力できるようになりました。これは、従来では考えられなかったことです。やはり、パソコンのキーボードでの入力が一番はやいですが、それにしても、現場ではなかなかキーボードは使えません。かといって、従来の携帯電話ではあまりに入力に時間がかかりすぎです。そこでフリック入力です。これは、メモには最適です。そうして、メモという用途に使っている限りは素晴らしいです。そうして、メモや写真は、現場で撮影したり書いたものをiCloudですぐに、iPadやパソコンでも見られます。



出張などに出ていれば、iPhoneの写真や、メモをもとにして、iPadにキーボードをつけたもので、報告書を書いてしまいます。出張から戻れば、こんど同じものをパソコンで見て、それにさら、何らかの付加などするなりして、最終的にレポートにまとめるという具合です。これは、本当にスムーズにできます。あまり場所を選びません。会社の自分の机であろうが、旅先であろうが、自宅のテーブルであろうが、iPnone、iPad、ノートパソコンがあれば、そこがすぐに仕事場になります。こんな環境で、さらに優れたアプリがあれば、さらら仕事の環境は確かに良くなると重います。



しかし、道具がいくら素晴らしくても、生産性が高まるとは限りません。そもそも、生産性と効率とは別なものだからです。効率とは、所定の作業をなるべく短い時間で行うことです。しかし、生産性は所定の作業をなるべく短い時間で行ったからといって、必ずしも高まるとは限りません。無駄な作業をいくら短時間にやったからといって、成果に結びついていなければ、生産性はあがりません。

ドラッカーもこれについては、「必要のない設計図を時間をかけて精緻で素晴らしいものに仕上げる設計部門ほど虚しいものはない」という事例をあげています。いくら素晴らしい切れ味の包丁を持ったからといって、凄腕の料理人になれるとは限りません。

上の記事でも記載のあったドラッカー氏は、知識労働者の生産性を高める4つの条件をあげています。これが本質であって、道具はあくまで道具にすぎません。
知識労働者の生産性を上げる4つの条件

 「知識労働者の生産性と、知識労働者の自己実現をいかに測定するかはわからない。しかしわれわれは、この二つを向上させるための方法については、かなりのことを知っている」(『実践する経営者』) 
 ドラッカーは、4つの秘訣を教えています。 
 第1に、知識労働者自身に責任を持たせなければならない。「報酬にふさわしいどのような貢献を行なっているか」を問わなければならない。 
 第2に、知識労働者が自らの貢献を評価できるようにしなければならない。「会社を変えるどのような貢献を行なったか。会社を変えるどのような貢献を行なうべきか」。 
 第3に、知識労働者に本来の仕事をさせなければならない。さもなければ、どのような動機づけをされようと燃えようがない。今日のセールスマンは、書類づくりに時間をとられ、セールスができないでいる。 
 第4に、機会に対しては、それを成果に変えることのできる有能な人材を配置しなければならない。「成果を上げるのは誰か。彼らに今何を割り当てているか。成果が上がるところに配置しているか」が問題である。 
 「知識労働者の生産性を上げられなければ、インフレ圧力という経済的なストレスと、疎外という社会的な病いが生まれる。われわれは知識労働者の生産性も自己実現度も測定できない。だがどのようにすれば生産性を高め、自己実現させられるかは知っている」(『実践する経営者』)
この四つの条件が満たされないところで、いくらアプリなど充実したとしても、知識労働者の生産性を高めることはできません。それから、私たちは20年もの間デフレだったものですから上記のインフレ圧力の意味がわからなくなっていると思います。ですから、この四つの条件と、インフレ圧力こついて以下に説明します。


第1の条件の責任は特に重要です。知識労働者を責任にもとづき組織することが肝要です。そうして、個々の知識労働者が自分にはできて、他の人は出来ないか不得意の分野で、自分がやれば最高に貢献できるものは何かを考えさせ、実際に貢献できるようにしなければなりません。

第2に、知識労働者自らが貢献を評価できるようにする必要があります。それには、目標、目的などを明確にしておかなければなりません。

第3に、知識労働者に知識労働者に本来の仕事をさせなければなりません。上の例では、セールスマンの例が出されていましたが、たとえば、少し前の病院では、看護師が、患者の看護ではなく、書類作りに追われているということがありました。書類づくりなどに、素晴らしいアプリを用いても、生産性はあがりません。まあ、それでも、書類作成が短縮化されれば副次効果はあるかもしれませんが、メインではありません。

第4の条件では、機会には優秀な人材を割り当てることがいわれていましたが、まさにこの通りです。優秀な人材に過去の問題を解決することばかりやらせていては、成果にはつながりません。



さて、インフレ圧力とは何かといえば、インフレを引き起こす要因が、インフレに推移するように働きかけていること。その働きかけが大きいことを、インフレ圧力が強い、または高いといいます。具体的には、食料品やエネルギーの価格上昇、自動車の値上げ、ドル安などインフレの兆候を示すあらゆる事象がインフレ圧力になり得ます。また、それらの事象が長期化することもインフレ圧力となります。

インフレ圧力を抑制するためには、金利を引き上げることが有効であると考えられています。また、世界同時不況による景気の停滞により、インフレ圧力は一時的に弱まったといわれており、景気の停滞もインフレ圧力を抑制します。ご存知のように、日本はここ20年間デフレだったので、インフレ圧力はありませんでしたが、今後アベノミクスで物価があがりインフレ基調になっていきます。そうなると、インクフレ圧力が高まるわけです。


そうして上の文脈では、インフレ圧力があるときには、自分たちの会社が提供するサービスも値上げをしなければ相対的に経済的に負けてしまいます。しかし、顧客に値上げしても受け入れられるためには、それなりの付加価値をつけていく必要があります。この付加価値がつけられなければ、経済的に負けてしまうわけで、いつも付加価値をつけなければならないというストレスにさらされることになります。このストレスに打ち勝たなければ、経済的に敗北を喫してしまうのです。


このことだと何のことだかわからないと思いますので、もっとわかりやすい事例をあげます。たとえば50年前からあなたが、算盤を売っていたとします。最初は算盤も売れたと思います。しかし、その後どんどん量産されるようになれば、価格は低くなっていくばかりですし、それに向けて何らかの付加価値をつけなければ、売れなくなります。最初は、色、形、材質、デザインでも付加価値をつけて従来と同じ値段か、高い値段で売れるかもしれません。

しかし、その後電卓や、コンピュータまででてくれば、これも通用しなくなります。算盤を売るのをやめて、他のものを売るか電卓や、コンピュータまで手を広げなければ売上は確保できなくなります。特にインフレ圧力があるときには、このようなことを次から次へと実施していかなければなりません。そうでなければ、廃業せざるを得なくなります。

デフレのときには、低価格を極限まで追求するか、とにかく節約をするということで、確かに辛いのですが、体力勝負でなんとか乗り切れることも多かったわけですが、今後インフレになれば、このインフレ圧力が強くなり、知識労働者の真の生産性をあげなければならないわけです。

ですから、以上のような条件が満たされていなければ、いくら良いアプリなどで環境を整えても、成果はなかなかあげられないでしょう。

かといって、私は「BYOD」と「ワーカー・アプリ」を真っ向から否定するものではありません。たとえば、医学の世界では、カテーテルによる心臓手術とか、脳手術、いまだ実用化はされていないものの、iPS細胞の輝かしい将来像などは、ツールがなければ全く実現できないものです。


「BYOD」に関しては、クラウドが前提となった現在とこれからの社会では当然の成り行きだと思います。クラウドであればこそ、個々人が思い思いのツールを使ったとしても、統制はとれるし、個々人にとっては、自分のツールが最も使いやすいわけです。料理人の包丁のようなものです。とにかく、同期と共有は本当に簡単になりました。これは、クラウドを使ってみないと実感できないことです。素晴らしいことです。

「ワーカー・アプリ」については、コミュニケーションを促すという点で素晴らしいです。本当に必要なコミュニケーションを素早くとれるということでは、かなり効果があるものと思います。

結局上であげた、4つの条件が、前提としてあって、そこに、「BYOD」と「ワーカー・アプリ」を導入すれば、かなり効果があがるということてす。4つの条件を無視していれば、何を導入しようと何も変わりません。私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?


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【参考図書】
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2012年11月9日金曜日

『海賊のジレンマ』が教えてくれる「未来のアイデアを育てる」方法−【私の論評】単なる天才のひらめきで、イノベーションはできない体系的なRemixのみが社会を変える!!

『海賊のジレンマ』が教えてくれる「未来のアイデアを育てる」方法:


『海賊のジレンマ ──ユースカルチャーがいかにして新しい資本主義をつくったか』(マット・メイソン著、玉川千絵子・八田真行・鈴木沓子・鳴戸麻子訳、扶桑社)は、時代とカルチャーとの関係性を把握するうえでとても刺激的かつ重要な書籍です。著者が訴えているのは、「今日の<海賊(パイレート)>は、明日の<開拓者(パイオニア)>」であるということ。既成概念に捕われず、アイデアを凝らした自由な精神で神出鬼没に跳梁する人物たちを「海賊」と称し、彼らが社会にもたらす影響力の大きさを説いているのです。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】単なる天才のひらめきでイノベーションはできない体系的なRemixのみが社会を変える!!


上の記事で紹介している書籍、私はまだ読んでいません。読んでみようと思い、Amazonを探してみましたが、物理的書籍は、売っていましたが、Kindle本では販売されていないからです。なぜかというと、最近では、物理的な本よりも、電子書籍をなるべく購入するようにしているからです。これも、なぜかというと、最近も理由があって、物理的書籍の整理をして、いるものいないもの、読む可能性が高いもの、所有することを決めても、おそらくほとんど読まないものに分類して、いらないものは捨てたりしましたが、その苦労は半端ではなかったからです。

とにかく、物理的書籍には、嫌気がさしていて、よほど定評のある書籍で物理的書籍がしかない場合は、購入するのですが、その他は購入しないようにしているからです。ちなみに、最近では、Amazonでは、物理的書籍の販売画面で、電子書籍化リクエストができるようになったので、さっさくリクエストしました。電子書籍化されれば、是非読んでみたい書籍ではあります。しかし、これは本日の本題ではないので、さっそく本題に入らせていただきます。

上の書籍紹介においては、Remixの重要性と、Remixのやりかたの例があげられていました。このRemixについては、私も前々から興味があり、このブログにも以前掲載したことがあります。以下のそのURLを掲載しておきます。

なんかヘンだよ?「スマート家電」 いちいち「タッチ」面倒くさい−【私の論評】Everything is a Remix?!!

詳細は、このブログ記事をごらんいただくものとして、本題の話題Remixに関わる部分のみ以下ににコピペさせていただきます。
新しいものが、全くの無から生まれてくることはありません。バッハも、同時代の先輩格のビバルディやコレルリの曲を何曲も編曲して新しい楽曲を生み出しています。特に、バロック時代にはそのようなことは、日常茶飯事に行われていました。今のように著作権法などはありませんでした。このようなことを行っていくうちに、バッハも自分独自の素晴らしい楽曲を作成するに至りました。アインシュタインだってそうです。彼自身が、自分がやったことは、過去の人がやったことに1%を付け加えたに過ぎないと言っています。その1%が素晴らしいことだったのです。彼でさえ、99%は、リミックスだったのです。
特に、社会変革に関する企画に関してはそういうことがいえます。今まで社会でどの時代のものであれ、うまくいったことは、すべて手本にすべきです。近江商人など昔の商人のやったことだって、多いに役立ちます。だから、過去に行われたこと、現在多くの人が行っていることは、徹底的に調べて、まずは、著作権法、商標法などに違反しないかたちで、複写・変形・結合することによって、新しいものを生み出すべきです。
複写・変形は、すぐに著作権侵害をしてしまう恐れがあります。ただし、誰が最初にやったのかわからない形で、世の中に広まってものは、そのようなことはありません。複数のものを結合して新しいものをつくってしまえば、それは最早、複写・変形の域を超えています。だからこそ、結合が重要なのです。そうして、努力を重ねて、さらに運がよければ、アインシュタインのように、1%の全く新しいものを付け加えられるかもしれないです。そのとき私たちは天才と呼ばれるのかもしれません。しかし、天才と呼ばれることがなくても、商売や事業は十分やっていけます。だから、凡人は、まずは、リミックスすべきなのです。 


上で、「特に、社会変革に関する企画」と書いていますが、私の場合「社会変革」とは、広い意味でとらえています。その中には、当然、新たしい商製品を開発して、多くのお客様に使っていただくことも含めています。新た商製品などは、珍奇な発明などしても、それが、お客様に使っていただけなければ、何にもなりません。お客様に使っていただいて、はじめてイノベーションであり社会貢献・社会変革ということになります。そういう意味での社会変革ということです。

そうして、上の私のブログ記事は、Vimeoというアメリカの動画サイトに4会シリーズで掲載されていた"Everything is a Reimx"という動画を視聴して、それに触発を受けて掲載したものです。その動画のURLは、上のブログ記事の中に掲載されていますので、興味のある方は、是非ご覧になってください。ただし、こちらは英語のみです。


最近、この動画の作者が、あのTEDでも公演しました。そのときの、動画が以下のものです。こちらは、日本語字幕つきですので、わかりやすいです。そうして、Vimeoの動画の内容をぎっしり凝縮して、伝えています。こちらも是非ご覧になってください。


いずれにしても、あのボブ・ディランもかなりRemixしていたし、スティーブ・ジョブズ氏もそうだったということです。それどころか、上の動画では掲載されていませんが、あのアインシュタインですら、自ら自分業績のほとんどは、過去の人々の業績によるものであり、自分はそれに新たに1%を付け加えたにすぎないとしています。

これは、当然と思います。とにかく、何か新しいことを始めようとしてもまずは、古今東西の人が似たようなことをしていないかどうか調べるのは、当然のことと思います。それをしないで、ただ思いつきで、何も新しいことをして、やってみて、新しいものだと自己満足していても、それは大抵の場合違います。


おおよそ、人間の思いつくようなことは、ほとんどが過去に試みられていると考えて良いです。たとえば、コンピュータもそれこそ、前々世紀の19世紀に考え方としては、ありましたが、その当時は、半導体もトランジスターもなく、それを実現することができなかっただけです。20世紀にはいって、忽然と、コンピュータの考え方が現れて実現したわけではありません。

こんなことは、レオナルド・ダビンチのスケッチなどみると、グライダーや、ヘリコプターの原型のようなものがあることでもわかります。考えても、ダビンチの時代には、エンジンも軽い素材もなかったので、考えが考えに終わっただけです。そんなことはいくらでもあります。

Heaven feat. Glance - Sexy Girl(Vdj Rossonero Remix 2012)HD

それに、こんなことは、化学を学んだ人なら、おそらくご存知と思いますが、世界的な規模のケミカル・アブストラクトという巨大なデータベースがあります。何か新しい物質を化学合成して作ろうとした場合、まずはケミカル・アブストラクトを検索して、当該物質が作られているかどうか確認するのが当たり前です。それをしないで、自分の作ったことのない新しい物質を作ったとしても、それは、すでに他の人が作っているということのほうが多いです。そんなことをしても、新発見にはなりません。


だから、このようなことを無視して、古今東西のことを調べもしないで、何か新しいものを作ろうとしても、失敗することのほうが多いです。なぜなら、古今東西で誰かかがやってみて、失敗したことは、その後何かが変わらなければ、今でも失敗する確率が高いからです。しかし、新しい技術や、素材、それに社会の変化があった場合には、成功するかもしれません。そうして、こんなことは、何も企業の開発や、学問の世界だけのことだけではありません。政治の世界でも同じことです。今の政治は、古今東西のことを調べもせず、最初から失敗しそうなことを平気でやろうとしたりします。

これは、たとえば、イギリスでは、財政赤字の解消のため2010年に付加価値税(日本の消費税)の大幅増税しましたが、その後、イングランド銀行(イギリスの中央銀行)が、大幅な金融緩和をしても、景気が低迷して、現在でも低迷しており、未だ財政赤字解消の目処がたっていないという事例があるにもかかわらず、日本では、いわゆる自民公の三党合意で、消費税増税法案を成立させました。このようなことは、どのような業界にでもみられることです。


また、新しい技術や、素材、新しい社会の変化を見出したとき、古今東西で失敗した事例を調べて、失敗した時点ではなかったの現在ではこれらを活用することができ、そうして過去に失敗したことがが今の時点であれば、これらを活用して、かなり成功する確率が高まっているなどということもあります。そんなことを調べもせずに、何か新しいことをやろうとするのは、無謀というものです。こうした背景からも、Remixは絶対に必要です。特に商製品開発では、そのようなことがいえます。何もなしに、新しいものを開発しようというのは、あってはならないことです。Remixをするからこそ、新しい発見ができるのであり、本当に新しい1%を付け加えることができとしたら、個人であれば天才といわれ、企業であれば、革新的な会社と呼ばれるのです。

ドラッカー氏は、イノベーションについて以下にのように語っています。
イノベーションとは、天才のひらめきによって、生み出された目の覚めるような新しい発明ではなく、社会や経済の文脈の中で仕事に携わる人々が、体系的に取り組むべき仕事の一つであり、社会の変化を利用したり、社会変化を起こすもであり、社会を変えるものでなければならない。
さて、この記事の冒頭では、Amazonの話をくだくだしく述べました。それには、意図があります。Amazonは、事業を開始したばかりのころを覚えていらっしゃると思いますが、最初の商品は、何と電子書籍ではなく、物理的な書籍でした。この商売のことを最初聞いたときには、今時、インターネットで、情報そのものが届くし、電子書籍や電子新聞などではなく、このような商売が本当に成り立つのだろうかと、思ったものです。しかし、そのような私の杞憂などは、無論あたらず、Amazonの事業はどんどんと伸びていきました。


Amazon.comでは、昨年あたりですか、ようやっと電子書籍のほうが物理的書籍よりも、売り上げが上がったそうですが、今でも、かなり売れていることは確かです。そうして、なぜ、物理的書籍を商売に選んだのか、サイトで掲載されていましたので、そのURLを以下に掲載しておきます。

Amazonはなぜ本を売るのか〜その戦略にビジネスを学ぶ

このなかに、なぜ書籍を選んだのか、八つの理由が書いてあります。これを読めば納得がいきます。Amazonが事業を始めたばかりのときは、まだまだ、電子書籍に社会は対応していなかったのです。しかし、それから事業を開始して、書籍で市場に地位を築き、電子書籍リーダーkindleをはじめて世の中に出したのは、2007年です。そうして、その後アップルのiPadが世の中にでて、これもAmazonに有利に働いたと思います。これを機会に多くの人が電子書籍だけではなく、音楽を聴いたり、アプリを使うようになりました。そうして、その社会の変化対応して、Amazonは、電子書籍リーダーkindleだけではなく、タブレットと端末のKindle Fireを世に出したのです。そうして、とうとう日本でも、kindle本が売られるようになり、Kindleだけでなく、Kindle Fire(HD)の予約受付をするようになりました。


考えてみると、日本では、まだフロッピーディスクが使われていたような時代に、電子書籍リーダーが開発され、発売されていました。私は、このときは、電子書籍リーダーは購入しませんでしたが、フロッピーディスクに収められた電子書籍をいくつか購入して、パソコンで読んでみたことがあります。しかし、その当時のパソコンのディスプレイなど、まだ、600×400くらいだったと思います。あまり読みやすいものとはいえず、その後は、購入はしませんでした。そうして、これらは、ものの見事に失敗しました。そうして、現在電子書籍リーダーでは、後発であったはずのAmazonが日本の電子初期市場を席巻しようとしています。

この日本のメーカーと、Amazonの違いはどこからきているかといえば、やはり社会変化に適切に対応したかしないかの差だと思います。考えてみると、かつては、Amazonで書籍をかなり購入しました。とにかく、物理的書籍であっても、どこにいても買えるというのが魅力でした。それだけで十分でした。とにかく、どんな書籍でも、オンラインですぐ買えることは、とてつもない魅力でした。

そうして、次には、電子書籍で勝負して、見事に勝利をおさめています。こうしたAmazonの戦略は、単なる天才の閃きではないことは明らかです。きっと、AmazonのCEOのベゾス氏は、緻密で、体系的なRemixを重ねていたに違いありません。Kindle FireもiPadや他社のタブレットを研究して、Remixして、開発していることは間違いないです。日本のメーカーのように、フロッピーディスクの時代に電子書籍リーダーにこだわっていたら、Amazonの今日の姿はなかったと思います。

こうしたAmazonの事例をみても、イノベーションとは、単なるひらめきではなく、上記のようなRemixを仕事として、体系的に常日頃行うことによって生まれるということが理解できます。天才の単なるひらめきではイノベーションなどできないということです。ひらめきは、一時のものにすぎず、そんなものに頼って継続的なイノベーションなどできません。日々体系的に、仕事としてとりくむべきものです。皆さんはどう思われますか?




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