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2018年8月24日金曜日

【米中貿易摩擦】手詰まり中国 時間稼ぎ トップ会談で「休戦」狙う―【私の論評】中国のミンスキー・モーメントが世界のナショナリズム回帰への先鞭をつける(゚д゚)!

【米中貿易摩擦】手詰まり中国 時間稼ぎ トップ会談で「休戦」狙う 


 米中両国は23日、160億ドル(約1兆8千億円)相当の追加関税第2弾を発動した。中国の習近平政権は「米中貿易戦争を望まないが、恐れてはいない」(外務省)と強気の姿勢を示すが、米国の2千億ドル規模となる第3弾の制裁にまともには太刀打ちできないのが実情だ。トランプ米大統領との首脳会談に持ち込み、北朝鮮問題などを取引材料に“休戦”を狙う。

 マルパス米財務次官、中国の王受文商務次官らが米首都ワシントンで開催中の貿易協議では、通商に加えて為替問題も議論されているもようだ。米側は、中国当局が貿易摩擦の悪影響を補うため、通貨・人民元を対ドルで安く誘導しているとみているが、中国側は「為替操作はしていない」との立場だ。対米輸出品の関税が引き上げられる中、元高ドル安になれば輸出品の価格競争力はますます損なわれてしまう。

 中国紙の環球時報は23日、「米中とも対話の意思があることを内外に示す必要に迫られている」として協議継続への期待を示した。背景には貿易摩擦による景気減速への懸念がある。中国株は下落傾向が続き、経済が悪化すれば社会不安を招きかねない。

米国の対米貿易戦争で追い詰められる習近平

 中国は当初、160億ドル相当の報復関税の対象に原油を含んでいたが、最終的に外した。原油価格上昇による中国経済へのダメージを懸念した可能性も指摘されている。

 今月中旬に終わったとみられる中国共産党の重要会議「北戴河(ほくたいたいが)会議」は米中問題が主要テーマになり、緊張した雰囲気だったと伝えられている。

 習国家主席への個人崇拝を批判する動きもある中、「党内対立の激化は米国を利するだけだ」として、習指導部は事態収拾を図ったもようだ。

 11月6日の米中間選挙後に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)や20カ国・地域(G20)首脳会議の場で米中首脳会談を開催し、北朝鮮問題での協力強化などをちらつかせながら、休戦への道筋をつける戦略とみられる。

【私の論評】中国のミンスキー・モーメントが世界のナショナリズム回帰への先鞭をつける(゚д゚)!

中国国内金融学者の賀江兵氏

中国国内金融学者の賀江兵氏はこのほど、アメリカにある中国語メディア「新唐人テレビ」の取材で、米中貿易戦を今後2カ月以内に解決しなければ、中国経済が「崩壊モード」に突入するとあらためて警告しました。

賀氏はかつて、中国メディア「華夏時報」金融部の主任を務めていました。現在相次ぐ破綻する個人間で投資を仲介する融通事業、「P2P(ピア・ツー・ピア)金融」サイトのリスクについて、4年前にすでに警告していました。中国で近年、その発言が注目されています。

米中貿易戦の激化で中国株式市場が低迷し、対ドルでの人民元相場が急落しました。賀江兵氏は、2カ月後に控える米国の中間選挙後、中国経済が崩壊モードに進むとみています。

「与野両党のどちらが勝っても、トランプ政権が引き続き対中貿易制裁を進めていく」としています。

民主党が勝つ場合、党内の親中派がトランプ政権の対中政策にブレーキをかけるよう、中国は働きかけるとみられます。しかし、対中問題において、与野党は歩調を合わせています。同氏は「民主党も中国に対して警戒感を強めている。米国では、今や親中派議員には票が集まらない」と指摘しています。

「選挙後、貿易戦による票への影響などの懸念材料がなくなる。トランプ氏は中国にこれまで以上の圧力をかけていくだろう」と中国がこの2カ月の間に貿易摩擦を解決する必要があると述べました。

今年6月、賀江兵氏は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)を通じて、中国経済のミンスキー・モーメントを警告する評論を発表しました。同氏は「ミンスキーモーメントがやってきた。(株安・元安という)市場の激しい反応から見れば、中国経済のバブル崩壊はすでに始まった」と警鐘を鳴らしました。

ミンスキー・モーメント(ミンスキーの瞬間)とは、信用循環または景気循環において、投資家が投機によって生じた債務スパイラルによりキャッシュフロー問題を抱えるポイントのことです。

経済成長は一般に債務の増加を伴います。企業部門は設備投資、家計は住宅投資など固定資本形成を行い、その多くは債務(クレジット)で賄われるからです(金融レバレッジ)。債務との見合いで有効な資産が増え、所得の増加や資産からの収益で債務が返済可能である限り問題はありません。

しかし、経済成長に伴う社会の楽観的な雰囲気は時に行き過ぎ、過剰な固定資本形成と資産価格の高騰が起こります。これが資産バブルです。たとえバブルであっても、旺盛な固定資本形成が行われている限り、それ自体が需要を生み出すので、国内総生産(GDP)で計測された経済成長率は高まります。

もっとも、明らかに過剰な固定資本形成は、最終的には生産設備の稼働率の大幅な低下、あるいは投資のインカム(配当や賃料などの)リターンの低下を招き、資産価格が下落に転じる局面が到来します。

時価評価した資産価値が低下する一方、債務はキャッシュで返済しない限り減少しないので、企業や家計の時価ベース自己資本(純資産)の減少が始まることになります。つまり評価損失の発生です。

その損失増加を食い止めるために資産の売却が始まれば、同様の状態にある他の債務者も売り急ぐので、売りが売りを呼んで資産価格の急落となり、債務超過となった企業や家計は債務の返済が不能となります。その結果、銀行をはじめ信用供与者の不良債権が急増し、信用収縮、債務者の破綻、失業者の増加というバブル崩壊過程に特有の現象が続くことになります。

住宅ローン形態での家計債務の膨張を中心とした2000年代の米国のバブルでは、07年前後がミンスキーモーメントだった。これが、日本ではリーマンショックにつながっていきました。企業部門の不動産関連投資と債務膨張を主とした日本のバブルでは、1990年代初頭がミンスキーモーメントだったと言えるでしょう。

賀氏は、2カ月以内に貿易戦の打開策がなく、米政府がより強力な制裁措置を行えば、中国経済のバブルが崩壊モードに突入するとの見解を示しました。

米政府は7月と今月23日に、合計500億ドル相当の中国輸入品に対して追加関税を課しました。

「この影響で、バブルがほとんど見られない中国株式市場まで下落した。貿易戦が続くと、深刻な住宅バブル、債務問題、人民元の過剰供給による金融バブルが次々と崩壊する」

賀氏は、中間選挙後、米政府による対中貿易制裁の強化で、中国国内のインフレ圧力が一段と強まると懸念しています。同氏は、インフレ圧力が「中国経済が崩壊モードに進む」要因の1つだとしました。

世界最大の食糧輸入国である中国では、大豆価格が急騰すれば、家畜の飼料価格や大豆関連製品の値上がりを招く。他の輸入農産品、燃料についても同じです。
インフレの対策は、中央銀行による利上げ実施などです。賀氏によると、景気鈍化が進む中国で利上げを実施すると、すでに高い法人税に頭を抱える企業は次々と経営破綻に追い込まれ、実体経済は現状より一層冷え込むことになります。一方で、「当局は、企業を救済する資金力がないうえ、膨大な地方政府の債務を抱えている」といいます。

賀氏は取材中、自身について「中国経済崩壊論を主張する者ではなかった」とし、過去2年間中国経済の実態を考察して「悲観的になった」と述べました。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁

ミンスキー・モーメントの脅威を主張するのは、無論賀江兵氏だけではありません。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は19日、過度の楽観主義が資産価格の突然の大幅下落を引き起こしかねないと警告しました。

周総裁は「ミンスキー・モーメント」として知られる概念を使って脅威を指摘しました。

周総裁は第19回共産党大会に合わせて行われたイベントで質問に答え、「景気循環を増幅する要素が経済にあまりに多く存在すれば、景気変動のぶれが大きくなる」と発言。

「物事が円滑に進んでいるときに過度に楽観的であれば緊張が高まり、それが急激な調整につながる可能性がある。ミンスキー・モーメントと呼ばれる状況で、われわれは特にこれを防がなければならない」と述べました。

同総裁は価格が急落する可能性のある資産クラスを具体的に挙げることはありませんでした。企業と家計の債務リスクを広く警告した上で、一部企業の資本効率の低さと不適切な直接ファイナンスなどを背景に企業の借り入れは「非常に高水準」だと指摘。

家計の債務については非常に大きいとは言えないが急増しているとの認識を示し、「家計部門のレバレッジ縮小を進めるわけではないが、レバレッジの質を注視する必要がある」と述べました。

中国経済がミンスキー・モーメントを迎えることは、実は貿易戦争の前にもいわれていたことです。これはいず起こったのでしょうが、貿易戦争がそのきっかけをつくるかもしれないことは確かなようです。

習近平氏は当初、米中貿易戦争を楽観していた節が窺えるます。これを反映して、5~7月にかけ非金融貸出(社債+影の銀行貸出)を急速に絞った結果、企業の資金繰りに大きな影響を及ぼしています。デフォルトの多発がそれを物語っています。

中国銀行保険監督管理委員会(注:日本の金融庁)の当局者は23日、「中国の銀行セクターが新たに大規模な不良資産へのエクスポージャーにさらされていると警告した。また、銀行セクターは現在のところ、より大きな規模で融資の拡大を実施することに困難を抱えているとの認識を示した」(『ロイター』8月23日付)。

金融当局者が、「新たに大規模な不良資産へのエクスポージャー(リスク)にさらされている」と発言するのは、相当な危機レベルに達している証拠です。通常なら、このような重大な事実は隠すものです。だが、もはや隠しきれなくなった、とも読めます。

これを反映して、中国政府は各地方政府に調査団を派遣して地方経済の実態調査に乗り出している。「中国国務院(内閣に相当)は、主要政策の実施状況を調べるために国内各地に31の調査団を派遣した。調査団は各省で10~12日間にわたり、面談や事前連絡なしでの企業訪問などを通じた調査を行う予定」(『ロイター』8月22日付)という緊迫した雰囲気を伝えています。

中国経済はいずれ、かなり深刻な「ミンスキー・モーメント」を迎えるのは確かなようです。

こうしたこともあるので、習近平としては、トランプ大統領とのトップ会談で「休戦」っているのでしょうが、トランプ大統領はその手にはのらないでしょう。

なぜなら、トランプ大統領の貿易戦争の狙いはまさに、中国経済に甚大な被害を与えることが目的であり、このような事態がおこることは織り込み済みというか、これを起こすことがトランプの狙いだかです。

トランプ大統領

過去の、中国はまだ借り入れが増えている段階でした。しかし、ミンスキー・モーメント以降は、不良債権を処理せざるを得なくなり、実体経済が悪化し、企業が倒産、大量の解雇者が出て、失業者が急増、個人破産も急増し、自殺・暴動が起き、そうなると中国は軍事力でこれを抑えつけるしかなくなるでしょう。

軍事力で押さえつけなければならないとなると、必然的に軍隊が力を持つことになり、7つの大軍区は分裂してしまう可能性もあります。

2017年4月27日に行った外交演説でドナルド・トランプ大統領は、以下のように述べています。
我々は最早グローバリズムという誤ったイデオロギーによって国家を破壊し、米国の国民をその犠牲者としてはならない。国民国家こそ幸福と調和の真の基礎を成すものである。私は国際的組織というものを信用していない。
これはナショナリズムという言葉こそ使わなかったものの、まさしくアンチ・グローバリズムであり、国家の再建を意味するものです。また、米・英・中・露は、タックスヘイブンを潰そうとしていることも、猛威を振る舞った金融グローバリズムを崩壊させるものとなるでしょう。

これからは、世界の国々は自由貿易をしつつも、ナショナリズムの時代になっていくことでしょう。勿論、急に何もかもが変わっていくわけではないはずですが、徐々に変わっていくことになるでしょう。

私は、中国のポスト・ミンスキー・モーメントがその先鞭をつけるものではないかと思います。

トランプの戦いは、まさに悪い面でのグローバリズムの申し子でもある中国を潰しナショナリズムに復帰した世界を再構築することなのです。

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2014年12月18日木曜日

「年収2000万円未満お断り」のローストビーフ シェフが「日本一高い」理由を激白!―【私の論評】アベノミクスが信任された今、この企画、これが成功するかしないかは、別にして新たな時代の先鞭をつけるものになるかもしれない(゚д゚)!

「年収2000万円未満お断り」のローストビーフ シェフが「日本一高い」理由を激白!



「年収2000万円超の違いがわかる皆様へ」。熊本市のレストランがこんなキャッチフレーズで、「日本一高い」という「最高級ローストビーフ」の販売をネット上で始めた。

つまり「違いがわからない」お客様はお断りだということだ。一体どんな店なのだろうか。


「凡人には理解し難い超高級ローストビーフ」

販売サイトは、2014年12月10日にオープンした。カリフォルニア料理専門店「KAWAZOE」が運営しており、オーナーシェフの写真も出ている。

「貧乏人お断り」「No.1の自信あり」。サイトは、とにかくPRが派手だ。注意事項として、前もって次のような断り書きが書かれている。

「当サイトでは、凡人には理解し難い超高級ローストビーフを提供しているため、年収が2000万円以上あるような経済的・精神的に裕福な方を対象としています。それに満たない貧乏人の方や、当サイトの趣旨にご理解いただけない方は閲覧・ご利用をご遠慮くださいますようお願い致します」

ローストビーフには、熊本県・阿蘇産の赤牛を使っており、化学調味料や添加物を一切使わず、注文から24時間かけてじっくり作るという。値段の方は、サーロインローストビーフが、500グラムで3万3480円、1キロなら5万6160円、2キロなら9万9360円、と超高額だ。

貧乏人お断りの理由については、「化学調味料や添加物等で、舌の感覚が麻痺している」、「値段だけでしか物の価値をはかれず、作り手の情熱を軽視する」、「見当違いなクレームを言ってきそう」という3点を挙げた。そのうえで、「私は日本一命懸けで料理に向き合っています。その覚悟と情熱をご理解いただける方とのみ、お付き合いしていきたいと考えています」と言っている。

こうした派手なPR方法は、ネット上で話題になり、その意図について様々な憶測が出ている。

熊本・赤牛のPR狙ったものの、まだ売れず

「店にも客を選ぶ権利はあるわな」「これはうまい作戦だ」と、理解を示す声はある。しかし、「炎上商法かよ」「なんか商材売ってるサイトみたい」「企業イメージが悪くなるだけと思うんだけど」などと、疑問や批判の方が多い。

では、いったいどんな意図で、このようなPRをしたのだろうか。

この店のオーナーシェフをしている川添賀一さん(44)は、取材に対し、次のように告白した。

「熊本の赤牛は、生産が少ないので、宣伝して地元に貢献しようと思いました。そこで、値段はいくらにしようかと考え、『そうだ、神戸牛や松阪牛より高くしよう!』と思い付きました。とてもおいしい赤牛で、ローストビーフにぴったりと絶対的な自信があったからです。そして、その値段を付けましたが、まったく売れませんでした。おいしくなかったからではなく、値段が高かったからでしょう。では、これを食べられる人たちはどのくらいの年収かと考えて、2000万円なら余裕で食べられると考えて、宣伝する名目でサイトを作りました」

そうした狙いのため、2000万円以上でないとダメなわけではないという。そのよさが分かるなら、どんな所得階層の人にも食べてもらって構わないそうだ。店では、1000円のランチなどを出し、だれでも歓迎しており、ローストビーフは時間がかかって店では出せないため、ネットだけで売っているとしている。

サイトの宣伝効果については、12月12日昼過ぎまでにネット通販業者から試食用に1回注文があっただけで、まったく売れていないと明かした。電話やメールは、2日間で20件ほどあったが、「マイナス12個くれ」といったイタズラばかりだといい、「日本人の道徳観はこれだけ落ちたかと、不愉快でした」と漏らしていた。

【私の論評】アベノミクスが信任された今、この企画、これが成功するかしないかは、別にして新たな時代の先鞭をつけるものになるかもしれない(゚д゚)!

このサイト『Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理』と銘打っていながら、ここ数年ほとんどレストランの話題など提供していませんでした。サイトの開設当時は、レストランの運営など担当していましたから、その話題も提供していましたが、最近でもっぱら時事問題ばかり掲載してきました。

本日は、久しぶりにレストランの話題を提供させていただこうと思います。そのなこともあり、上の記事を掲載させていただきました。

さて、実際に、上記の記事にある、サイトを訪問してみました。実際訪問してみたところ、この上の記事に掲載されていた写真は、以下のように変わっていました。

http://roastbeef-kawazoe.com/


「年収2000万超の違いのわかる皆へ」、「貧乏人お断り」という文言が消えていました。やはり、ここまで掲載すると露骨だし、さらに批判があったり、からかいもあったため、消したのだと思います。

そもそも、この販売の仕方には、二つ程疑問があります。

まず、第一に、やはりこのようなキャッチをつけるのは、誤りであったと思います。お店でも、通販でも、無論ターゲットは想定はしますが、だからといって、自分たちが提供したいターゲットをあからさまに、明示して、それ以外はお断りなどとするのは、販売する側の奢りであり、とんでもないことだと思います。

無論、ターゲットを設定して、そのターゲットに向けて、そのターゲットに対してベネフィットを想定ししてそれに対して、解決案(ソリューション)を提供するのは当然のことではありますが、こうした想定は、あたることもありますが、外れることもあります。外れたときには、修正しながら販売するというのが普通です。


そうして、経営学の大家のドラッカー氏は、予期せぬ顧客を見逃さないことや、購入しない顧客の動向にも目を配るべきと提唱しています。

私も、そうすべきものと思います。確かに、これだけ高い食料品であれば、顧客は高所得層に限られるかもしれません。しかし、そうではない顧客も存在するかもしれません。

たとえば、普段はこのような高価なものを口にしない人でも、肉食好きで本当に美味しいローストビーフを食べたいと思っている人が、病気を患って余命1年などと、宣告されたとしたら、まだ元気で味覚がおかしくならないうちに、食べてみようと思うかもしれません。

あるいは、食育などに興味のある人たちの集まりがあったとして、その人達が本当に美味しいローストビーフを自分や自分たちの子供に食育の一環として、このようなものを食べさせてみたいと考えるかもしれません。そうして、大勢の人々が集まって、一切れずつでも試食の機会をつくろうとするかもしれません。大勢で注文すれば、個々人の負担は少なくてもすみます。

上記は、思いつきで掲載してみたのですが、他にも予期せぬ顧客が存在するかもしれません。こうした顧客を発見した場合、そうした顧客層を開拓するなどということも十分考えられます。

それと、ドラッカーの提唱するように、購入しない顧客層についても十分目を配るべきです。ドラッカー氏は、デパートの衰退の原因の一つとして、デパートで購入しない顧客の動向を見なかったことをあげています。

デパートの多くは、デパートで購入する顧客にばかり注目して、それ以外の顧客をみることをしなかったため、多くの顧客が、ショッピングセンターや、モールで購入するようになった理由を知ることなく、ますます減少する顧客の情報ばかり集め、その人々に対する研究をして品揃えなどするようになったため衰退するに至ったと警告していました。

消費税見送りと、アベノミクスで日本のデフレからの脱却も近い?


このような高給ローストビーフも、購入する顧客以外の情報にを気を配るべきと思います。現状では、安倍総理が主張しておられたように、「アベノミクスの信任」を得るための選挙でもあり、ご存知のように与党は、衆議院選挙で大勝したため、これから景気が良くなる可能性は十分にあります。

これから、このような高いローストビーフを購入する顧客以外も、飲食にももっとお金をかけるようになる可能性が高いです。そうなると、いままではこのようなものを購入しなかった高所得層も抵抗なく購入するようになるかもしれません。

その意味では、今の時期にこのような商品を売り出すことは、少しタイミングが早かったかもしれませんが、かといって時代の趨勢から全く離れているということもなく、先鞭をつけるという意味で決して悪くないタイミングだったと思います。

しかし、このレストランのシェフは、そこまでは考えていなかったと思います。そこまで、考えを巡らせていれば、もっと良い販売方法を企画できたと思います。

ローストビーフ・サンドは欧米では保存食料の使い回し
それと、もう一つ疑問に感じたことがあります。それは、通信販売での提供ということです。このブログでも、ブログを創設したばかりの頃は、レストランの話題も掲載しており、ローストビーフのことも話題にあげていました。そのため、私自身もローストビーフという食べ物については、多少は知識があります。

その多少の知識の範囲でも、ローストビーフはどのタイミングでいただくと最も美味しいかはわかります。そのタイミングとは、やはり焼きあがった直後、オーブンから取り出し、数十分程度も冷まして、ほんのりあたたかみが残っているものを切り分けた直後が最も美味しいです。

欧米などでは、家庭で、ローストビーフをつくると焼きあがって、冷ました直後のものをその夜に食べられる分だけ切って、より分けて、残りは冷蔵庫などに格納して、保存食料として使います。この保存食料としての、ローストビーフを出来たてのものと区別して、コールド・ローストビーフという場合もあります。

大体一週間程度で、使いきります。食べ方としては、いろいろあります。それこそ、薄く切って、フライパンでさっと火を通して、それこそビーフステーキのようにして食べるとか、あるいは、サンドイッチにするとか、いろいろ使い回しをします。ローストビーフ・サンドは、あくまでこのコールド・ローストビーフを用いるものであり、これをつくるためにロースト・ビーフを料理するということはありません。

コールド・ローストビーフと、ローストビーフでは、味に雲泥の差があります。やはり、出来たてのものが本当に美味しいです。日本の家庭では、ローストビーフを焼くという習慣はほとんどありません。結婚式の披露宴などの祝い事にも、コールド・ローストビーフが出されることもありますが、まずは出来たてのローストビーフが出されることはほとんどありません。スーパーなどで、販売されるのもコールド・ローストビーフです。

少し前置きが長くなってしまいましたが、通信販売で販売するとすれば、無論コールド・ローストビーフになると思います。しかし、これでは、本来のローストビーフの美味しさを提供することはできません。ここがもう一つの疑問なのです。

せっかく、最高の品質の材料を用い、時間もたっぷり使い、最高のロースト・ビーフを作っているにもかかわず、それを通販で販売するということに非常に疑問を感じるのです。先に、コールド・ローストビーフは、出来たてと比較すると格段に味が落ちるということを掲載しました。

このサイトを運営しているレストランのシェフもそのことは知っていると思います。おそらく、ある程度のグレードの肉を使ってローストビーフの焼きたてを提供すれば、さほど高い肉ではなくても、かなり高級な肉を使ったコールド・ローストビーフよりはるかに美味しいと思います。

このシェフは、コールド・ローストビーフでもかなり美味しいものを提供しているのでしょうか。それにしても、そのあたりはサイトを見ても、何も説明されていません。このあたりが非常に疑問です。

このロースト・ビーフが売れない理由はこのあたりにも原因があるのではないでしょうか。

おそらく、日本人はあまり出来たてのローストビーフを食べたことのある人は意外と少ないかもしれません。ただし、出来たての近い味を提供するレストランもあります。それは、保温装置のついたワゴンにローストビーフの固まりを入れて、焼きたて直後の状態を保存し、顧客のテーブルの近くまで行って、その場で顧客に切り分けて提供する方式です。

言葉で説明すると長くなってしまうので、下に写真を掲載します。下の写真は、保温装置のついたワゴンの上で、ローストビーフを切り分けている写真です。このワゴン、蓋をすることができます。中に保温装置がついており、オーブンで焼きあがったばかりのものをこのワゴンの中に格納し、お客様のテーブルの近くまで持って行き、その場で切り分けてお客様に提供します。


その場で切り分けるため、本当に焼きたてのものをすぐ食べるのと近い味を提供できます。ローストビーフは長時間ロースト(蒸し焼)してあるため、脂分がかなり落ちていますので、かなり食べやすく、細身の女性でも2キロくらいなら、楽に召し上がることができます。


私自身は、ローストビーフは、焼きたてを冷まして、食べごろになったのが最高に美味しいと思います。どんなに良い材料をかけて、手間暇かけて調理したとしても、コールド・ローストビーフでは、味の良さが半減してしまいます。

だから、通信販売には疑問符がつくのです。いくら美味しいものでも、コールド・ローストビーフの通信販売では、自宅で焼いたものよりは、格段に劣ると思うのです。

これからの季節、ローストビーフを調理したり、召し上がったりする機会も多いと思います。ある程度グレードの高い肉を用意し、自宅で焼けば、この通信販売のような高価のものと同等かそれ以上の味のものを召し上がることができると思います。

以下に、このブログに過去に掲載したローストビーフの作り方の記事のURLを掲載します。
簡単なローストビーフの作り方

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で簡単にできるローストビーフのレシピを掲載しました。これからの季節、自宅でローストビーフを焼けば、経費も低く押さえられますし、何よりも良いご馳走になると思います。1~2回くらい、安い肉で実戦してみれば、要領がわかり、誰にでも簡単にできます。是非挑戦して見て下さい。

少し話が脱線しましたが、本日紹介した、超高価なローストビーフの通信販売、少し前まではデフレで景気が落ち込んでいたので、とても考えられないような企画でしたが、今回の選挙をでは与党が大勝利10%増税もスキップされ、おそらく8%:増税による経済対策もなされると思います。

そうなると、本格的に景気が良くなることもが十分予想できます。そうなれば、今回紹介したような、超高価なローストビーフの販売企画なども珍しいものではなくなるかもしれません。

そのようになる前から、もっと飲食にお金をかけるようになる人が大勢出てくるようになると思います。そうなれば、ここまで高価なローストビーフでなくとも、上で紹介したようなワゴンサービスをさらに拡張したようなサービスも成り立つようになるかもしれません。

欧米では、かなり大きなスチームオーブンがあり、一度に数十羽の鶏や、数十個もの牛肉をローストし、ローストした後は、スチームオーブンで、温蔵できるような巨大オーブンがあり、来店したお客様に、いつも出来たてのものを提供できるようにしているレストランなども存在します。

ものの値段など、原材料や、人件費を安く抑えることができれば、いくらでも安くできます。本日このブログで、紹介した高価なローストビーフも、現在の枠組みの中で考えているから高価でないと提供できないですが、その前提を、これと同じような品質の肉牛を大量に飼育できて、原材料として安価に提供できるようにしたり、調理も大量に一度にできるようにして、自動化すれば、かなり低価格にすることも可能になると思います。

10年もかけて、これに取り組めば、同品質のしかも出来たてのものをお客様に従来の半分とか、1/10で提供できるかもしれません.

そうなると、2000万以上の年収の人でなく、もっと多くの人々に保存食品のコールド・ローストビーフではなく、出来たてのローストビーフを提供できるようになるかもしれません。

最近では、熟成肉などいまさらのように人気ですが、欧米では高級レストランでは熟成肉を出すのがあたり前でした。そうして、コールドではないローストビーフ、無論熟成肉のローストビーフなど、味わった人は、日本では意外と少ないです。

日本でも美味しいローストビーフを手軽にいただける時代は来るか?

そのようなものを提供できるようになれば、全く新しい需要を呼び起こすことができるかもしれません。そうして、新たな市場を創りだすことができるかもしれません。

しかし、このようなことを実現するための、大きな条件があります。それは、少なくともデフレではない状況です。デフレであれば、人々は飲食に新しさを求めるのでなく、美味しさの中にも、節約を求めます。

そのような時代には、今回この記事の冒頭で紹介したような、超高価なローストビーフが売れて、事業になるということはなかなか考えられません。しかし、デフレから脱却できれば、このような超高価なものも売れるようになるでしょうし、上で私が述べたようなこともできるようになる可能性も高くなります。

そうして、今回の安倍総理の大勝利によって、アベノミクスは国民の信任を得ました、安倍総理が8%増税による経済の悪化に対して手を打ち、必要ならばさらに金融緩和を行うことなどによって、日本はデフレから脱却するどころか、成長軌道に乗る可能性も十分あります。

そうなれば、上で述べたような新たなチャレンジもまた可能になることでしょう。そんなときには、上の超高価なロースト・ビーフの企画なども、目立つものではなくなることになるでしょう。その意味では、この企画、これが成功するかしないかは、別にして新たな時代の先鞭をつけるものになるかもしれません。

それにしても、このような試みがなかなかてきなかったのが、デフレの時代です。デフレから脱却できれば、飲食の分野でも、このような新たな試みがどんどんなされるようになり、皆さんの選択肢も増え、財布の紐も緩むというものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月15日金曜日

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小泉氏「反原発」発言の背後にある「組織」



「反原発」に転じた? 小泉純一郎元首相だが、先日、日本記者クラブで「将来は原発をゼロにする」などと力強く講演し、各種メディアで大きく報道された。しかし、マスコミは皆分かっているが、背後の組織のことを伝えていない。その背後とは何か。さらには「ダメ元でノーベル平和賞を狙っているのでは」との声も出ており、ミステリアスな部分も多い。

・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・

小泉氏の政界引退後の活動を一般には知られていなかったものの、実は背後関係はなかなか「派手」なものであることはマスコミ関係者の間では周知であった。

「国際公共政策研究センター」という民間シンクタンクで顧問に就任しているのが小泉氏。これはどういったシンクタンクなのか。

 同センターは、理事長に政治・経済評論家の田中直毅氏、会長には元トヨタ会長で元経団連会長の奥田碩氏が、また理事にも御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長ら、そうそうたる面々がそろっている。

 小泉氏はセンターでの肩書きこそ顧問であるが、「政界を引退した小泉氏を支えるために立ち上げられた団体で、財界が資金を集めたようです。特に発起人は奥田さんで、何の意向もないのか、とは言い切れません」とマスコミ関係者が言う。

 活動は同センターが後ろ盾にあり、8月のオンカロ視察の際には、不思議なことに東芝、日立など原発プラントメーカーも帯同だったそうで、財界とは蜜月を保ちながらも、意図が不明で謎も多い。

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【私の論評】最低30年くらいは原発は止められないことはわかっている!次世代エネルギーの先鞭をつけることは意義深いこと!しかし小泉氏はこれに先鞭をつけられない!それは、次世代の消費者が決めること(゚д゚)!

原発を廃炉にしたからといって、すぐ安全になるわけではない

上の記事から、小泉元首相は、「国際公共政策研究センター」という組織がバックにあり、この組織は次世代エネルギーを開発するシンクタンクであり、小泉氏は、このシンクタンクによって、世界の次世代エネルギーに先鞭をつけたいというのが真相のようです。

原発を、即刻廃炉にしたとしても、現在使用されている現在の原発の燃料、使用済み核燃料ともに、これからも長年わたって、存在しつづけ危険であることには全く変りがありません。廃炉イコール安全ではいないのです。なのに、急に原発廃炉などを言い出したのは、本当はそんなことは不可能であると最初からわかってはいるものの、首相時代にも披瀝された小泉氏のパフォーマンスであり、今のところあまりかえりみられていない、次世代エネルギーの周知のための下準備であると考えられます。

そうしてこの背景として、一時脚光を浴びた風力、太陽光発電などのドイツ型自然エネルギーは、アメリカなどもそれを踏襲する動きがあったのですが、実際に様々な国で稼働してみたものの、実際にはエネルギー効率も良くなく、今後いかに何かこれに関わる技術が開発されたにしても、サブ的エネルギーとしては使えるものの、それ以上にはなり得ないということがはっきりと認識されつつ有るのだと思います。

次世代エネルギーに関しては、世界各国でありとあらゆるものが開発されたり、実用化されつつあります。しかし、今のところどれが本命になるかは全くわかりません。

こうした小泉氏の動きに対して、穿った見方をする人もいます。その典型例は、以下の動画を御覧ください。



上の動画では、小泉氏はアメポチで、一目瞭然であり、要するに日本がこれからもアメリカの石油メジャーのために、日本の原発を廃炉して、毎年4兆円もの石油代金をアメリカに収めるための、活動であるとしています。

私は、無論石油メジャーはそのような考えはあるとは思いますが、それは成功するとはとても思えません。それほど、日本の政治家や官僚が馬鹿だとは思えません。

考えてみれば、アメリカだって、トウモロコシを材料にして、バイオエタノールをつくっていますし、そのスタンドが様々なところに設置されるようになっています。今では、負の遺産となっています。ただ、法律が生き残っているので、ほんどの人が使用しないにもかかわらず、配給体制は維持されているという異常な状況になっています。

バイオエタノール配給スタンド


小泉氏は、いずれ次世代エネルギーの時代は間違いなく来るものとして、これに日本が先鞭をつけるべきであり、そのために、余生を捧げようと考えているのだと思います。

しかし、バイオエタノールの教訓をみてもわかるように、あるいは、過去の化石燃料である石炭から、石油への転換が行なわれた歴史をみてみれば、小泉氏はエネルギー転換に先鞭を付けらる人にはなり得ません。

小泉氏と、その背後の組織が次世代エネルギーへの先鞭をつけらるということを信じるに足る、エビデンスはありません。もし、頭の良い人間が、設計してエネルギー転換を計画的に実現できるというのなら、共産主義も成功しているはずです。しかし、共産主義による設計主義は、全くの間違いであったことが今日明らかになっています。

とにかく、小泉氏は、一大ムーブメントを起こそうとしているようですが、それは現状では無理です。それは、過去の歴史が厳然としてそれが不可能であることを実証しています。

エネルギーだけではなく、世界で大成功を収めている産業はすべて、共産主義のように、頭の良い人や、組織が計画して実現したものは一つもなく、様々な民間企業が、互いに他社を出し抜こうといろいろ研究していて、最初がどの企業のものが成功するのかどうか全くわからず、しばらくやっているうちに、結局どれが一番かということが消費者が継続的に購入することが明らかになり、そうなった時にはじめて、その産業が成り立つことがわかり、その産業が勃興することになります。

そうして、過去の化石燃料の中でも、最初は石炭エネルギーなどが使われていて、石油エネルギーへ転換したときの事を考えていただきたいと思います。特に、移動の手段としての、車の普及にともない、石油エネルギーが一番の座を占めていきました。しかし、それでも他の化石燃料などもまだ、用いられていましたが、車の普及により、石油が手に入りやすくなると、それが暖房などにも一般に用いられ、さらに消費量が増え、今や何からなにまで石油ということになりました。

これは、私たちも、その一部を実際に見てきた変化です。石炭などが、石油に転換するにも、最初から現在までの道のりをたどれば、軽く30年以上はたっています。

これから、次世代エネルギーに転換していくには、過去の歴史のように、原発、石油、その他がいろいろ使われ、いずれどれかが、長い時間をかけて、消費者に選ばれ続けるようになり、転換していくものと思います。30年以上もかかるということであれば、とても小泉氏などが今の時点で先鞭をつけるなど、夢物語であり、とても無理です。この動き、いずれ時がたてば、多くの人に忘れ去られると思います。

最新のiPadAir ノキアはiPad、iPhoneの原型をすでにアップルが発売する
数年前に開発していたという。民間企業ですら、このような間違いがある。
ましてや、政府やシンクタンクのような組織がいくら頑張っても次世代産業
やエネルギーを開発することはできない。



石油メジャーなども、いくら小泉氏をもちあげたとしても、日本に4兆円も毎年石油代金をさらに支払わせるなど、なかなかできるものではありません。やはり、消費者が選ぶエネルギーが一番です。しばらくは、現在原発に反対している人でも、今すぐ廃炉にしても、安全性は確保されないことなどを理解すれば、原発も使用するということになると思います。

それに、30年もすれば、危険な核融合ではなく、核分裂による比較的安全な核エネルギーを使用できる条件が整うかもしれません。これ以外も、かなり多くのエネルギー源が見つかっている可能性も大です。

今から50年前の、世界の大都市で最大の問題は、馬糞の処理でした。そのようなものは、今日では、全く問題ではありません。30年後以降の世界を今と同じように考えれば、そこに誤謬が生まれます。

小泉氏はもとより、私たちもそのような誤謬にとらわれるべきではありません。小泉氏がこれからできることといえば、次世代エネルギーの開発に先鞭をつけることではなく、現在使用中や、使用済みの核燃料の安全で合理的な処分方法の開発です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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