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2018年9月1日土曜日

防護服姿の子供立像「サン・チャイルド」撤去へ 福島市民アンケート7割が反対 市長「設置は困難」―【私の論評】反原発・自然エネルギー推進の主張は自由!だがそのため何でも利用する姿勢は許されなくなった(゚д゚)!

防護服姿の子供立像「サン・チャイルド」撤去へ 福島市民アンケート7割が反対 市長「設置は困難」

福島駅近くの教育施設「こむこむ」に展示されたサン・チャイルド=福島市で

 福島市が設置した防護服姿の子供立像「サン・チャイルド」に「原発事故の風評被害を助長する」などの批判が相次いだ問題で、同市の木幡浩市長は28日、会見し、像を撤去すると発表した。

 市長は、これまで「像を見て福島が危ないと受け取る人はいない」などと反論してきたが、市民向けアンケート結果は7割近くが反対・否定的で、「賛否分かれる作品を設置し続けることは困難」と語った。

 像は現代美術家ヤノベケンジさんが東日本大震災を機に制作。高さ6・2メートルで胸の空間放射線量計を模したカウンターには「000」と表示、原子力災害のない世界や希望を表した。

 だがJR福島駅近くの市の教育施設に設置されると、「福島が防護服の必要な街であるかのような誤解を与える」「線量がゼロにならないと安全ではないということか」などと批判が相次いだ。

 アンケートは18日から27日まで行われ、110人から集計。内訳は設置に「反対もしくは移設を」が75人で、存続派22人を大きく上回った。賛否不明の「その他」が11人。このほか、市のホームページなどに届いたメールなども、7割が否定的だった。

 これに対し同市長は「愛称募集には小学生199人が応募しており、賛否は拮抗(きっこう)している」としたが、「不快な思いをされた方々には、心からお詫び申し上げます」と語り、近く像を解体し、美術館など別の展示場所が見つかるまで市で保管する。展示費用は、解体も含め約260万円となる見込み。

 また、市長は展示を決める中で議会にはかるなど市民に向けた合意形成を欠いた点を改めて謝罪し、市長給与の減額措置を講じる意向を表明した。

【私の論評】反原発・自然エネルギー推進の主張は自由!だがそのため何でも利用する姿勢は許されなくなった(゚д゚)!

8月3日、JR福島駅前にモニュメントが設置されました。現代美術家として知られるヤノベケンジ氏が2011年に、東日本大震災をきっかけに制作した、「サン・チャイルド」と呼ばれる全高6.2mにもなる巨大な子供の像です。

その容貌は、ブログ冒頭の写真のように、黄色い放射能防護服を着た子供がヘルメットを脱いで左手に抱え、顔に傷を負い、絆創膏を貼りながらも、空を見上げて立っているというものです。胸には「000」と表示されたガイガー・カウンター(放射線測定器)が表現されています。
この像のメッセージは明らかです。「放射能をゼロにして初めて子供が健康になる」という主張です。右手にもっているのは、太陽光発電がエネルギー問題を解決するという意味です。ガイガー・カウンターがゼロになることはありえないですが、作者は「原子力災害や核がゼロになった世界を象徴的に」示したと弁解しています。

「放射能ゼロ」も表現の自由の範囲内であり、彫刻家を非科学的だと糾弾してもしょうがないです。この像は2012年に福島空港に設置されたましたが、そのときは批判は出ませんでした。

しかし、今回は、この像が設置されると、様々な批判と議論が起こりました。
国内のメディアの他、英国BBCが 「福島市がJR福島駅付近に設置した防護服姿の少年像に、住民らが怒りの反応を示している。2011年に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、同市が未だに放射能に汚染されたままだとの印象を与えるとの声もある」と報じ、同国のガーディアンやデイリー・メール、シンガポールのストレイツ・タイムズや香港のSCMP、中国新華社通信などの海外メディアまでもが報道する事態となっています(https://www.bbc.com/japanese/45192561)。
その後、福島市長はブログ冒頭の記事の通り、撤去することを決めています。また、「サン・チャイルド」の作者である、ヤノ氏も以下のような声明を出しています。
ヤノベ氏が発表したコメント全文。公式サイトよりキャプチャ。

ヤノベ氏は撤去について、
「大変残念ではありますが、こむこむ館前に置き続けることで、苦しむ市民の方々がおられるならば撤去し、展示を取りやめた方がよいという結論に至りました。また、これ以上、市内外の人々を巻き込み、対立が生まれることは避けたいと思いました」
と胸中を語りました。「サン・チャイルド」は震災後、福島に通う中で着想したと明かし、「人類共通の大きな課題の解決に向けて、すべての人々を勇気付けたいと思いました」と説明しました。今回の批判については、
「展示する場所、時期、方法などによって受け止められ方は変わりますので細心の注意を払うべきでした」
と振り返えりました。今後、市民と対話する機会を設けたいと希望しています。

「サン・チャイルド」は東日本大震災をきっかけに、2011年からヤノベ氏が複数制作している。このうちの1体が2016年、同作品の10分の1スケール像と共に、「ふくしま自然エネルギー基金」に寄贈されたものです。

ふくしま自然エネルギー基金 代表理事 佐藤弥右衛門
以下に「ふくしま自然エネルギー基金」の代表理事、佐藤弥右衛門氏の略歴を掲載しておきます。
1951年、福島県喜多方市で200年以上続く造り酒屋・大和川酒造店の長男として生まれる。東京農業大学短期醸造科卒業後、大和川酒造店入社。2013年8月、会津電力を設立し社長に就任。現在、全国ご当地エネルギー協会・代表理事も務める。
佐藤氏は自然エネルギーの推進派であるようです。サイトをみてみると、2016年の設立記念シンポジュウムにおいては、反原発派で元総理の小泉純一郎氏が講演をしており、元官僚の古賀茂明氏らの講演も予定されています。
市の担当者によると、同基金から福島市に「寄贈したい」という声があったのは今年に入ってからだといいます。市へは、像の所有者である「ふくしま自然エネルギー基金」ではなく「ふくしま未来研究会」から寄贈されました。別団体からの寄贈になった理由は「詳しい経緯は不明」だと言います。

「ふくしま未来研究会」理事の佐藤勝三氏は、元佐藤工業会長です。佐藤工業は、 福島駅前再開発や除染・再エネ関連公共工事の地元土建最大手、談合での逮捕や指名停止もありりました。元福島県知事・佐藤善一郎の親族でもあります。

この「ふくしま未来研究会」は、地域活性化関連事業のほかに、再生エネルギー関連事業も実施しています。

設置場所がこむこむ前になったのは福島市の判断です。市西部にある「四季の里」や「十六沼公園」なども候補に挙がったのですが、「子どもたちに復興のシンボルとして見てもらいたい」という市の意向で決まりました。

像の設置に伴い、福島市は除幕式や組み立て費など合計133万円を負担しました。撤去には同程度かかる見通しです。撤去後は、分解した後、市が保管する予定になっています。その上で木幡市長は、今回の問題の責任を取り、自らの給与を減額する意向を示しました。


上部の骨組みがむき出しになった福島第原発の建屋

ご存じのように、2011年3月11日の東日本大震災に伴って、東電福島第一原発事故が発生しました。

事故当初には正確な被害状況が判らなかったこともあり、大きな混乱が生じました。たとえば福島市でも、空間の放射線量が一時20μSv/h を上回りましたが、「通常の○×倍の放射線量!」「放射能がくる」 といった、不安と恐怖を煽るヒステリックな言説が大量に飛び交った一方で、その数値が具体的にどういう意味を持ち、どの程度のリスクになるのか、それを冷静に伝えようとする声はかき消されてしまいました。

そのような状況を招いた要因の一つとして、原発や「放射能」そのものが、事故前から極めて政治的、かつ社会的なインパクトが強い存在であったことが挙げられます。

一部の人にとって原発は「核兵器と同じ放射性物質を燃料とする、原爆や戦争を想起させるもの」であるとともに「『権力』から押し付けられるものの象徴」でした。

福島はまたたく間に、激しい政治的対立やイデオロギー闘争の主戦場となりました。その中で、福島が「権力者の犠牲となった悲劇の地『フクシマ』」であり続けることや、「不幸なフクシマの真実」を喧伝することを、好都合とする人々さえ現れました。

結論を言えば、この事故で放射線被曝そのものを原因とした健康被害は起こりませんでした。福島に暮らす人々が実際に被曝した量は、内部・外部ともに世界の平均的な値と比べても高くなく、世界中で核実験が行われていた1960年代の日本人の平均的な被曝量よりもずっと小さいということが、国内外や官民問わず、さまざまな実測調査からすでに明らかになっています。

中には、福島の高校生らによる地道な実測調査もありました。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを掲載します。
被ばく量「国内外で差はない」 福島高生、英学術誌に論文―【私の論評】発言するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行え(゚д゚)!
 

この記事は、2015年11月28日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。

本県(ブログ管理人注:福島県)など国内とフランス、ポーランド、ベラルーシ各国の高校生の外部被ばく線量を比較研究してきた福島高スーパーサイエンス部は、被ばく線量について「ほとんど差はない」と結論づけ、論文にまとめた。論文は27日、英国の学術専門誌「ジャーナル・オブ・レディオロジカル・プロテクション」(写真下:表紙)に掲載される。


この福島高校の生徒らによる放射能の測定関するニュースは、2015年の4月にNHKで報道されていました。その内容はNHKのサイトに掲載されていましたが、現在では削除されています。この記事にはその内容を掲載しました。その内容を以下に引用させていただきます。
福島の高校生たちが、原発事故があった福島県内と県外の各地、それに海外で暮らす人の被ばく線量を測定し、比較する調査を行いました。
それぞれの場所で日常生活での被ばく線量に大きな差はみられなかったということで、高校生たちは「科学的なデータを多くの人に知ってもらいたい」としています。
調査を行ったのは、県立福島高校スーパーサイエンス部の生徒5人で、海外の学生から「福島で暮らして大丈夫なのか」と尋ねられたことをきっかけに始めました。 
生徒たちは去年6月から11月にかけて、原発事故の避難区域を除く、いわき市や郡山市など県内の6つの地点と、神奈川県や兵庫県、岐阜県など県外の6つの地点、それにフランスやポーランド、ベラルーシの海外の3つの国で、そこに暮らす高校生などにそれぞれ線量計を2週間、携帯してもらって、被ばく線量を測定しました。 
得られたデータをもとに年間の被ばく線量を推計したところ、その値が、真ん中となる「中央値」の人は、福島県内が、0.63から0.97ミリシーベルト、県外は0.55から0.87ミリシーベルト、それに海外では0.51から1.1ミリシーベルトでした。
放射線は、原発事故で拡散された放射性物質によるものだけでなく宇宙や地表から放出されているものもあり、こうした自然由来の放射線は地質の差など地域によって異なっています。 
生徒たちは「いまの福島で暮らしていて、国内のほかの地域や海外に比べて、とりわけ被ばく線量が高いわけではないことが確認できた」としています。 
生徒たちは、先月下旬、フランスで開かれた高校生の国際会議で調査の結果を公表したほか、今後海外の生徒を福島に招いて、現状をみてもらうツアーも計画しているということです。 
調査を行った3年生の小野寺悠さん(17)は、「科学的なデータを多くの人に知ってもらうとともに、自分でも福島の放射線量をどう受け止めたらいいか考え続けていきたい」と話していました。 
そうして、この記事での私の結論は以下のようなものです。
いずれにせよ、何か発言したり行動するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行えと、声を大にして言いたいです。 
そうして、こうした若者にさらに大きな機会を与える社会にしていきたいものです。 
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
この私の信念は、今でも変わりません。これからも一生変わり続けることはないでしょう。

このブログの記事は、かなりインパクトがあったとみえて、多く人に読まれたようです。そうして、おそらく反原発派の方からと思しきコメントが寄せられました。下にそのままその内容を掲載します。
内部被ばくを理解していないあなたのような情報弱者が原子力推進派にとってはものすごく美味しいわけです。
このコメントに対して私は以下のような返答をしました。
内部被ばくの危険を煽る人もいますが、これを信用するなら私達は世界標準の放射線治療を受けることは不可能になります。
このコメントは、もっと詳細で長いものなのですが、簡単にいうと、癌の治療などで、放射性物質を飲み込み癌細胞に取り込ませ、癌を退治するのですが、もし内部被ばくが危険なものなら、そもそもこうした治療は最初から成り立たないことになります。

そもそも、治験時に相当危険な治療とされて、治療法として許可されないでしょう。ところが、実際にはこのような治療方法が用いられているわけですから、原発反対派の方々がよく言うほどの危険性はないことがわかります。そんなに危険であれば、この治療で内部被曝による死亡者がかなりでていることになります

詳細をご覧になりたい方は、このブログ記事の一番下のほうにある、コメント欄をご覧になってください。

原発事故から4年もたって、しかも私のような第三者が、掲載したブログにまでこのような人を小馬鹿にするようなコメントを平気でする反原発派の方がいるということですから、福島に向けられた誤解や、プロパガンダなどは凄まじいものがあったのは想像に難くありません。

この高校生たちの観察結果からも、 その他の報告書においても、福島の放射線被爆量は国内の他地域や海外に比較してとりわけ高いということはないのです。

一方で、避難に伴う生活環境の変化による健康状態の悪化や、震災関連死は増えました。避難を巡る考え方の違いを発端とした離婚が起こったケースもあります。もちろん、中には避難によって安心感や安定が得られた方もいらっしゃるでしょうが、少なくともデータの上では、無理に避難することは、もとの生活圏に留まるよりも総じてリスクが高かったといえるのです。

ただし、これはあくまでも結果論です。震災発生当時、多くの人が明日をも知れない大きな不安に包まれていました。それから必死で学び、悩み、沢山の決断を繰り返す中で、県民は多かれ少なかれ傷付いてきました。

重く苦しい2011年当時の空気感から7年以上の時間と苦難を越え、福島では平穏な日常を取り戻す住民が増えてきましたが、そこに至るまでの道のりや、震災の記憶が大きな痛みとして心に刻まれている人も少なくありません。

そんなある日、大勢の人たちが平穏な日常を暮らす福島駅前に突然現れたのが、2011年からやってきた「サン・チャイルド」でした。

2011年の作品ですから、その頃の感覚が強く表現されているのは当然のことです。作者であるヤノベ氏に悪意があったとは、少なくとも私は全く捉えていません。

しかし、人々が日常的な通勤や通学、ショッピングに訪れる福島駅前の、しかも子ども達のための施設の入り口に、突如として現れた6.2mの巨大な「2011年からの使者」に向けられたのは、歓迎の声ばかりではありませんでした。

像が着ている防護服が、「防護服が必要なほど、福島は汚染されていた」「市民は過去、大量の被曝をした(=将来、健康に影響が出るに違いない)」という誤ったイメージを喚起しかねない点も指摘されています。

福島市では、実際には防護服が必要となったことは一度もありませんでした。現在では、廃炉作業が進む福島第一原子力発電所の作業員ですら、防護服を着て作業するエリアは極めて限定的です。

つまり「サン・チャイルド」で表現されている、「2011年に想像された未来」よりも、「現実に訪れた未来」の放射線被害はずっと小さかったのです。

むしろ、実際に住民たちに苦難をもたらしたのは、自らのイデオロギーやビジネスのために「放射線被曝での健康被害に苦しむフクシマ」を望む人々による、偏見・差別、言いがかりや嫌がらせなどの二次被害だったとも言えます。

日常空間に防護服を着て乗り込んできたのは、一部の政治家や、住民への嫌がらせとデマ拡散を繰り返してきた人々ばかりだったことも、指摘しておきましょう。

「警戒地域」を防護服姿で視察する当時の政権与党民主党の岡田幹事長

国民新党の亀井静香代表は2011年5月10日午後、党本部で自民党の大島理森副総裁と会談していますが、大島氏によると、亀井氏は民主党の岡田克也幹事長が先に福島第1原発から半径20キロ圏内の警戒区域を視察したことに触れ、「自分だけ防護服を着て、相手が防護服なしで会う姿にあぜんとした。心の通い合う政治をやらなければ駄目だ」と批判しています。枝野氏なども含めて民主党の政治家は、当時このような視察をしていました。当時、作業服姿で現地を訪問していた、天皇陛下とは対照的でした。 

このような経験があったために、今回の「サン・チャイルド」に対しても、設置に至る経緯の不透明さと説明不足もあいまって「なぜいま、どのような目的で持ち込まれたのか」「ツイッターなどSNS上の発言も含めて、県内外でどういう人たちが、どのような反応をしたり関わったりしているのか」など、その背後関係や経緯に対して、多くの住民から不安と警戒のまなざしが向けられてしまったのも無理はありません。

放射能は悪ではありません。自然放射線をゼロにすることはできないですし、する必要もありません。福島第一原発事故でも、放射能による死者は出ていません。今これを否定する人はいないですが、事故の当時、民主党政権は「年間1ミリシーベルト」という非科学的な安全基準を出し、これを根拠に過剰避難や莫大な損害賠償請求が発生しました。

反原発という主張をしたり、自然エネルギー活用を主張したりすること自体は自由ですが、その主張を通すために、虚偽の情報を流したりすることなど到底許されることではありません。さらに、今回のようにアートを自分たちの意図を通したり、強化したりするたに利用することも、多くの福島市民から拒否されて、撤去さざるをえなくなったのです。

このように、放射能をめぐる迷信が変わってきたことは歓迎すべきですが、デマを流した人々が復興を妨げた罪は大きいです。ヤノベ氏は謝罪のコメントを出したのですが、今度は反原発派がデマを撤回して謝罪するべきです。

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2015年12月31日木曜日

【酒井充の野党ウオッチ】安保法制があぶり出す無節操な面々―【私の論評】来年は、道化死する日本の似非リベラリズム?


「市民団体」に加え民主党や共産党の幹部も参加した安全保障関連法の
廃止を求める集会=12月6日午後、日比谷野外音楽堂

安全保障関連法をめぐって揺れた永田町は冬の気配が色濃くなり、「戦争法反対」を叫んだデモの一群もすっかり見なくなった。臨時国会も開かれないとあって国会周辺は静けさに包まれているが、「戦争法」に反対する学生グループ「SEALDs(シールズ)」や「学者の会」「ママの会」などの「市民団体」は来年夏の参院選に向け着々と布石を打っている。

これまでは街頭での反対デモが中心だったが、12月20日、「市民連合」なる組織を立ち上げた。民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党5党などと共闘し、参院選で反安保法制を旗印とした「野党統一候補」を擁立する算段だ。国会外と国会内の行動が一体化する方向に進みつつあるというわけだ。

12月6日に日比谷野外音楽堂(東京都千代田区)で開かれた反安保法制の集会でも彼らは気勢を上げた。主催者発表で約4500人が参加したという集会の冒頭、俳優の石田純一氏が「重要“環境”事態法」なる独自の概念を表明し、安保法制を「反知性主義」と訴えたのは前座の漫談のたぐいだろう。その後、登場した民主党の福山哲郎幹事長代理と共産党の志位和夫委員長は真剣な表情で「市民団体」との共闘をアピールした。


国会周辺のデモを何回か取材した印象は、安保法制反対を叫ぶ「市民団体」の人たちには品性も知性も感じられないことだった。6日の集会もそうだった。

一連のデモを主導する「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」の高田健氏は、「敗北感や挫折感を語っている暇がない」とし、参院選の1人区で安倍晋三政権打倒のため「野党は共闘、結束して院外(国会外)の市民と一緒に戦おう」と呼び掛けた。

さらに自らも参加したという韓国・ソウルで行われた「数万人のデモ行進と集会」に言及。「ソウルの市民運動の仲間たちは日本の戦争法に反対する戦いに大きな関心を持ち、運動が盛り上がったことを本当に喜んでくれている」と紹介した。外国の勢力と連帯して安倍政権を打倒するということらしい。

ミサオ・レッドウルフ
 次に登壇した「首都圏反原発連合」のミサオ・レッドウルフ氏も参院選での「市民団体」と野党の共闘を求め、「亡国の首相・安倍晋三から日本を守る」と訴えた。続いて、本名かどうかよく分からないシールズメンバーの「くるみ」なる大学1年生の女性が登場。「今こそ私たち一人一人が過去の歴史に向き合い、日本帝国100年の総括を帝国主義の側からするのでなく、大衆意識の側からすべきだ」と主張した。「日本帝国100年の総括」の意味が分からない上、安保法制とどう結びつくのかも不明だ。

今年20歳になったという同氏は「この手で1票を投じることができる。うれしすぎる」と喜びを爆発させた上で、「安倍さん、個々の命の尊さを語れないあなたに私の尊い1票をあげられません」と宣言した。

たぶん首相もその1票はいらないと思う。

スマートフォンを見ながら発言していたので、事前に原稿を用意したのだろう。詩的な表現が随所にあり、「私は私であり続ける努力を続けます」と締めくくった。その自由を誰も阻んでいないと思うが、どうも被害者意識が強いらしい。

続いて立った「学者の会」の三島憲一大阪大名誉教授の発言は、およそ学者とはいえないほど聞くに堪えなかった。首相を「あの人」と呼び、「自分が何も分からないくせにノーベル賞受賞者に人前で電話をかけ…」と続けた。安保法制反対を呼び掛け、放送法違反との指摘もあるTBS「NEWS23」のアンカー・岸井成格氏を念頭に「ニュース番組のキャスターを裏で脅したりせずに…」と根拠も明らかにしないまま明言し、首相を「穴に籠もっているか海外に逃走するか。軍隊が好きな割には卑怯だ」と決めつけた。

三島憲一大阪大名誉教授
 さらに、「彼らには中国がとてつもない脅威のようだ」「誰も住んでいない小さな島を『尖閣、尖閣』と騒ぐのも非現実だ」とも述べた。まだ続く。「彼らはアジアのヘゲモニーという大昔のあり得ない非現実的な夢をアメリカとくっついて追いかけている」と一方的に指摘し、「昭和の妖怪といわれた岸信介の孫とそのお友達、平成のゾンビたちも夢を語り始めた。国民総生産600兆円や1億総活躍もゾンビの白昼夢だ」と揶揄した。

その後も「ゾンビの特徴は字が読めないこと」「戦後日本の基本的価値は自民党に対抗する勢力が守ってきた」と次々と“白昼夢”のような持論を展開した。学問や言論の自由は憲法で保障されているとはいえ、こういう教授に教わらなくて本当に良かった。

次は再びシールズメンバーの筑波大大学院1年生・諏訪原健氏が「皆さんに問いたい。あなたにとって理想の社会は、どんな社会ですか」と切り出し、延々と「自由」や「人生」を語り出した。「青年の主張」の会場かと思いきや、突然、安保法制に話題が移り、「無理やり成立させた」と訴えた。彼らには安保法制に賛成する国民は国民ではないらしい。

筑波大大学院1年生・諏訪原健氏
 話はどんどん飛躍し、「こうしている間にも、誰かが自分らしく自由に生きることを諦めているかもしれない。誰かが生きること自体すらも諦めてしまっているかもしれない。僕はそんなのは許せない」とも主張した。許せないのは勝手だが、それは果たして全部が全部、安倍政権の責任なのだろうか。

学生の論理破綻をたしなめるどころか、率先して品性を欠く発言をしたのは評論家の佐高信氏だった。佐高氏は首相を呼び捨てにし、大学時代のゼミが同期だという岸井氏も呼び捨てにした。だが、岸井氏については「50年のつきあいだから呼び捨てにすることを許していただきたい」と、わざわざ断りを入れた。

佐高氏は毎日新聞政治部記者だった岸井氏との内輪話として、岸井氏が首相の父・安倍晋太郎氏の外相時代に担当していたことを紹介し、「外相秘書で全く使いものにならなかったのが安倍晋三だ」と暴露。さらに「この愚かなる安倍晋三をゲッベルス(ヒトラー側近)のように支えているのが菅義偉(官房長官)だ。この男のいやらしさ、しつこさを岸井から直接聞いた」と披露した。もはや何の集会か分からなくなってきたが、反対派の下品さだけはよく伝わった。

評論家の佐高信氏
 それにしても安保法制に反対する学者や有識者とされる人たちは、他人を呼び捨てにして快哉を叫ぶ人が実に多い。民主党のブレーンらしい山口二郎法政大教授は、主催者が約12万人参加と発表した8月30日の国会周辺のデモで、首相を一貫して呼び捨てにし、「生来の詐欺師」「お前は人間じゃない! たたき斬ってやる!」と罵詈雑言を浴びせた。

その山口氏や諏訪原氏も加わった11月19日の「市民団体」と民主党など野党5党との会合で方向性を確認したのが、参院選での共闘だった。野党側は知性を感じられない学者らを是認しているのだろう。協力を求めたぐらいだから。

山口二郎法政大教授

12月6日の集会でも、「市民団体」の発言後に登壇した福山氏は「多くの皆さんが今も熱い思いを持っている。この思いを参院選まで高めていかなければならない」と呼応し、1人区での協力を要請。志位氏も「戦争法をそのままにしておくわけにはいかない」と共闘を求めた。

ところが、共産党が9月19日に発表した安保法制廃止のための野党連立政権「国民連合政府」構想は一向に進展がみられない。民主党内に懸念があるからだ。これだけ反安保法制で一体化しているのだから遠慮は不要のはずなのに、「政権をともにするのは難しい」(民主党の岡田克也代表)という。

【私の論評】来年は、道化死する日本の似非リベラリズム?

昨日は、 民主党ブレーン山口二郎氏の政府に言論弾圧要請でもしたとも受け取られる、「(慰安婦日韓合意)公式見解に反したら処断を」という爆弾発言についてとりあげ、日本の似非リベラルの退廃ぶりについて掲載させていただきました。

ブログ冒頭の記事では、酒井充氏は、日本の似非リベラリストたちを下品などと表現していましたが、私は自身は、もうそんな次元を通り越して、あまり腹もたたないレベルにまで達してしまいました。もう、彼らのパフォーマンスには哀れみすら感じます。なんというか、もう滑稽ですらあります。

左翼陣営が一丸となって、道化パフォーマンスに明け暮れた先には何が・・・?

安倍政権は今頃高笑いしているかもしれません。なぜなら、左翼陣営が一丸となって「反安保」「反原発」に関してまともな政策論議などとは、程遠い上記のように道化のようなパフォーマンスに明け暮れる始末ですから・・・・。本来ならば「反安保」や「反原発」でも厳しい視線を向ける材料は豊富にあります。

「反安保」であれば、北朝鮮による拉致問題は現在の安保法制で解決できるのか、あるいは新たな拉致問題が起こったときに、現在の安保法制で政府は本当にうまく対処できるのか、中国の南シナ海や東シナ海への海洋進出にどう対処するのか、ISをはじめとするテロリストにどう対処していくのか、などなど問題は山積みです。

「反原発」であれば、凍土の除染はうまく行っていないということもあります。さらに、生活圏から離れた森林を除染しない方針が固まっていることや、「もんじゅ」もうまく行っていないし、核燃料の最終処理場をどうするのかも決まっていません。廃炉は30年近くかかります。代替エネルギーの本命もまだみつかってはいません。本当に問題は山積みなはずです。

しかしそれを報道するメディアも反安保(左翼)と推進(官邸)、反原発(左翼)と推進(官邸)と両方とも二極分解しているため、ニュース記事の見出しを読んだり、テレビ報道を見ることすらあまり意味が感じられず、億劫に感じられ、大事なことが風化しつつあるようです。
「ああ安保ね、戦争になるのかな。あれ、いつまでたっても、戦争が起こらないね、大騒ぎしなくたって、ならそれでいいんじゃないの?」   
「ああハイハイ、原発ね。除染うまくいかないのね。なに、海にもう流れた?それでいいんじゃないの、薄まるから。代替エネルギー?原油が安くなっているから、当面いいんじゃないの」 
多くの人々にとって、もはやこの大きな2つの大問題は、もうすでに他人事になりつつあり、問題の本質は議論されないまま、風化しつつあります。今やこれが日本の「二つの日常」になってしまいました。

このままでは、本当に重要なことが政治課題にならないまま、来年は安倍政権が参院選で大勝利することになります。いやそれどころではないかもしれません。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。
「ダブル選」大予測 自公の圧勝、野党は壊滅…おおさか維新協力なら憲法改正も ―【私の論評】与党圧勝の真の背景はこれだ(゚д゚)!
安倍首相(左)は、憲政史上3度目の衆参ダブル選挙に踏み切るのか。
民主党の岡田克也代表(右)は、「一強自民」にどう立ち向かうのか
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事では、来年夏の参院選が、衆院選との「ダブル選」になる可能性が出てきたこと、実現すれば1986年以来、30年ぶりとなりますが、その結果をむ選挙予測に定評のある政治評論家の浅川博忠氏によるシミュレーションを掲載しました。

その結果は、自民、公明与党が衆院で3分の2以上を確保し、参院でも3分の2に迫るという結果でした。安倍晋三政権と気脈を通じる「おおさか維新の会」が自公両党に協力すれば、参院でも3分の2を超え、いよいよ憲法改正も視野に入ってきそうな勢いです。

以下に、浅川氏によるシミレーションを掲載します。


安倍政権も、本当はまともな議論をしたいところでしょうが、何しろ左翼や似非リベラルが、ブログ冒頭に掲載されているような体たらくでは、議論のしようもありません。

本当に安倍政権が、衆参同時選挙で大勝してしまったとして、次に、外国勢力に日本人が拉致された場合どうなるのでしょうか。あるいは、とてつもなく大きな事件や東日本大震災級の災害があったら、どうなるのでしょうか。

風化してしまった、本当の問題点が議論されないままの現状では、もう一度大衆(懐かしい言葉です)が左翼方面へと振りきれることは考えにくいです。左翼や似非リベラルに扇動されて、その気にさせられて、野党を支持した、自分たちを哀れなピエロのように感じることでしょう。

そうなれば、今度はむしろ欧米で噴出中の移民排斥、マイノリティー憎悪、反グローバリズムがごっちゃになった排他的なナショナリズムに類似した動きが急拡大する可能性のほうが高いかもしれません。

鍵となる要因はあまりにも長い間続いたデフレによる「中産階級の没落」、つまり余裕の無さです。そんな余裕のない多くの人々は、強い国家への渇望、かつて中産階級がうまくいっていた時代へのノスタルジー、途上国の労働者と競争させられることへの嫌悪感等にまみれ、極端な政治への期待へと流れこむことになるかもしれません。

「反安倍」運動に夢を見た人々が何かのきっかけで「民主党や、社民党、共産党に裏切られた」と思ったなら、今度は極右へと振りきれる可能性も強いです。米共和党に起きている現象は遠からず日本にも押し寄せるでしょう。日本にも、トランプのような人が出てこないとも限りません。 

今後、日本社会における大衆煽動の暴走を抑止するには、保守もリベラルも「知性」を回復していくための地道な作業が必要になることでしょう。昨日掲載したように、知恵を結集する必要があります。それも、上下左右に関係なく、誰が正しい、誰が間違いなどの不毛な論議は避け、何が正しいのか、何が間違いなのかを論議し、最初から妥協することを考えずに真摯な議論を重ねていくことが重要です。



今年は、特に安保法制をめぐって、左翼・リベラルの道化的なパフォーマンスが目立ちました。その前から、原発反対の道化パフォーマンスが継続されていました。

来年は、これらの道化パフォーマンスに翻弄された人々が、左翼・リベラルの政治家や言論人らに騙されたと思い、排他的なナショナリズムが勃興するかもしれません。

そのようなことがないように、政治家もマスコミも、言論人も本当に重要な、安全保障や、原発・エネルギー問題を議論できる機運を盛り上げていきたいものです。

いずれにせよ、道化パフォーマンスは、何の意味もないことを、野党も気づくべきです。それに気がつかず、いつまでも同じようなパフォーマンスを繰り返しているようでは、PKO法案が通った後の選挙で、社会党が消滅したように、野党の道化死がおこるのは、必至だと思います。

ちなみに、道化死とは、ホラー映画「道化死てるぜ!」から引用しました。この映画は、「ミートオブザデッド」のコナー・マクマホンが送るゴア・スプラッシャーホラー。2012年シッチェス映画祭でミッドナイトエクストリーム賞を受賞したこの作品は子供たちの悪ふざけが原因で不慮の死を遂げたピエロが蘇り、ひとり、またひとりと復讐を繰り返す衝撃作。

ピエロということでホラーコメディと思いきや、グロ描写多数なのでこの映画をご覧になる方々はご注意ください。以下に予告の動画を掲載しておきます。゜



反安保や、反原発で、道化パフォーマンスに踊らされた人々は、それこそ、それを煽った野党に対して、憎悪の念をぶつけ、極右化してしまうかもしれません。

そんなことにならないため、野党の方々は、煽りパフォーマンスはやめて、安保、原発・エネルギー、そうして経済の問題(特にマクロ経済)等を選挙公約などの形でまともに語ることができるように今から準備を怠ることなく努力していただきたいものです。このままでは、本当に私の予言があたってしまうかもしれません。

そうした意味で、来年は日本の政治にとって、本当に重要な年になるかもしれません。来年以降も野党が、何も変わらず、結局極右勢力が台頭するようになるのか、それとも野党が本来の役割に目覚めて、道化パフォーマンスをやめてまともな活動をするようになるのか・・・・。今のところは、五分五分だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

本年も、後残り少なくなりました。皆様、本年中は大変お世話になりました。良いお年をお迎えくださいませ。

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2014年4月10日木曜日

反原発→推進派を描く映画「パンドラの約束」公開 ロバート・ストーン監督に聞く―【私の論評】ロバート・ストーン監督の「パンドラの約束」が一斉公開されないのはなぜ?不都合な真実を知られないため?この映画原発賛成派も、反対派も見るべき(@_@;)

反原発→推進派を描く映画「パンドラの約束」公開 ロバート・ストーン監督に聞く


ロバート・ストーン監督


かつて反原発主義者だったものの、原発推進派に転じた知識人たちの声を集めた米映画「パンドラの約束」が19日から全国順次公開される。ロバート・ストーン監督(55)は産経新聞のインタビューに応じ、環境保護の観点や、他国への過度なエネルギー依存を避けるためにも、原発推進が必要だと強調した。

・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・

--日本へのメッセージは

「日本は原発問題で苦難を味わった。ここで選択肢がある。すべての原発を閉鎖し、多額の投資を放棄してガスや石油消費を推し進める。または将来、風力や太陽光エネルギーをあてにする。だが(原発を使って)中国が電気を蓄える一方、『(原発のない)日本は少なくとも安全だ。もう原発は利用しない』などと考えることは合理的な反応ではないだろう。この映画で日本に訴えたいのは、リスクを取り、リスクから学んだものを使うということ。そして、次世代技術で世界を主導することだ。それが日本にとっても、世界にとってもいいことだ」



「パンドラの約束」は12日に名古屋・伏見ミリオン座で先行公開され、19日に東京・渋谷のシネマライズ、横浜市の横浜ニューテアトル、以後全国順次公開される。問い合わせはフイルムヴォイス(電)03・5226・0168。



【プロフィル】ロバート・ストーン Robert Stone ビキニ環礁での核実験を追ったドキュメンタリー「Radio Bikini」(1988年、米国公開)でアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞候補に。その後、反原子力から原子力支持へと立場を転じた。他の作品に「Earth Days」(2009年、同)など。

【私の論評】ロバート・ストーン監督の「パンドラの約束」が一斉公開されないのはなぜ?不都合な真実を知られないため?この映画原発賛成派も、反対派も見るべき(@_@;)



かつて反原発派だったロバート・ストーン監督が撮った、迫真のドキュメンタリー映画「パンドラの約束」が19日から公開です。


この環境問題から切り込んだ全く新しい原発ドキュメンタリー映画は、正にパンドラの箱を開けたように、エネルギーを考えおる全ての立場の人々に衝撃的な内容です。福島事故は原子力の安全神話を完全に破壊した。しかし、その観念が間違っているとしたらいったいどうするというのでしょうか?

このドキュメンタリー映画が、現時点で限定された公開になるのは、日本の映画界が言論統制が好きな全体主義者の牙城である証左だとしか思えません。

私自身は、この映画をまだ観ているわけではないし、ロバート・ストーン監督の人物像はよく知りませんし、なんとも言えることもないのですが、それにしても、この映画観れるなら、見に行きたいです。

私自身としては、原発に関しては、結論に関しては賛成派です。ただし、だからといって単純に諸手をあげて賛成というわけではありません。

にもかかわらず、推進派というにはそれなりにわけがあります。というのは、現在稼働を止めているすべての原発に関して、稼働を止めているからといって、それでどうなのかといえば、安全ではないからです。

核燃料がある原子力発電所において、稼働を止めたとしても、核燃料は存在しています。その核燃料は、原子力発電所を稼働しようが、しまいがリスクであることには変りありません。稼働を停止している原発でも、核燃料が残っていれば、危険であることには変わりはないです。

原発を稼働させようが、させまいが、そこに危機が存在していることには変わりがないわけです。であれば、安全がある程度保障されている原発であれば、ためらわず、すぐにでも稼働させるべきです。そうでなければ、日本はとんでもないことになります。極端なことをいうと、エネルギー経費きがかかりすぎで、とんでもない状況になり、ラオス・カンボジアの経済状況になります。

ああそうかい、などという人は認識不足です、日本国内で、当たり前というサービスーができなくなります。たとえば、救急医療で何とか助けられるとされる人でも、延命治療はされなくなります。そんなことが当たり前になります。本当にそんなことで良いのでしょうか?

ロバート・ストーン監督は、無論こんな卑近なことで、原発存続賛成をしているわれけではないです、だ゜からこそこの映画必見です。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

本日は、長期出張中なので、このあたりで終わります。いずれ、さらに、掲載していきます。明日は、飛行機で移動です。みな様よろしくお願いもうしあげます。

2013年11月15日金曜日

小泉氏「反原発」発言の背後にある「組織」―【私の論評】最低30年くらいは原発は止められないことはわかっている!次世代エネルギーの先鞭をつけることは意義深いこと!しかし小泉氏はこれに先鞭をつけられない!それは、次世代の消費者が決めること(゚д゚)!

小泉氏「反原発」発言の背後にある「組織」



「反原発」に転じた? 小泉純一郎元首相だが、先日、日本記者クラブで「将来は原発をゼロにする」などと力強く講演し、各種メディアで大きく報道された。しかし、マスコミは皆分かっているが、背後の組織のことを伝えていない。その背後とは何か。さらには「ダメ元でノーベル平和賞を狙っているのでは」との声も出ており、ミステリアスな部分も多い。

・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・

小泉氏の政界引退後の活動を一般には知られていなかったものの、実は背後関係はなかなか「派手」なものであることはマスコミ関係者の間では周知であった。

「国際公共政策研究センター」という民間シンクタンクで顧問に就任しているのが小泉氏。これはどういったシンクタンクなのか。

 同センターは、理事長に政治・経済評論家の田中直毅氏、会長には元トヨタ会長で元経団連会長の奥田碩氏が、また理事にも御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長ら、そうそうたる面々がそろっている。

 小泉氏はセンターでの肩書きこそ顧問であるが、「政界を引退した小泉氏を支えるために立ち上げられた団体で、財界が資金を集めたようです。特に発起人は奥田さんで、何の意向もないのか、とは言い切れません」とマスコミ関係者が言う。

 活動は同センターが後ろ盾にあり、8月のオンカロ視察の際には、不思議なことに東芝、日立など原発プラントメーカーも帯同だったそうで、財界とは蜜月を保ちながらも、意図が不明で謎も多い。

この記事の詳細ははこちらから(゚д゚)!

【私の論評】最低30年くらいは原発は止められないことはわかっている!次世代エネルギーの先鞭をつけることは意義深いこと!しかし小泉氏はこれに先鞭をつけられない!それは、次世代の消費者が決めること(゚д゚)!

原発を廃炉にしたからといって、すぐ安全になるわけではない

上の記事から、小泉元首相は、「国際公共政策研究センター」という組織がバックにあり、この組織は次世代エネルギーを開発するシンクタンクであり、小泉氏は、このシンクタンクによって、世界の次世代エネルギーに先鞭をつけたいというのが真相のようです。

原発を、即刻廃炉にしたとしても、現在使用されている現在の原発の燃料、使用済み核燃料ともに、これからも長年わたって、存在しつづけ危険であることには全く変りがありません。廃炉イコール安全ではいないのです。なのに、急に原発廃炉などを言い出したのは、本当はそんなことは不可能であると最初からわかってはいるものの、首相時代にも披瀝された小泉氏のパフォーマンスであり、今のところあまりかえりみられていない、次世代エネルギーの周知のための下準備であると考えられます。

そうしてこの背景として、一時脚光を浴びた風力、太陽光発電などのドイツ型自然エネルギーは、アメリカなどもそれを踏襲する動きがあったのですが、実際に様々な国で稼働してみたものの、実際にはエネルギー効率も良くなく、今後いかに何かこれに関わる技術が開発されたにしても、サブ的エネルギーとしては使えるものの、それ以上にはなり得ないということがはっきりと認識されつつ有るのだと思います。

次世代エネルギーに関しては、世界各国でありとあらゆるものが開発されたり、実用化されつつあります。しかし、今のところどれが本命になるかは全くわかりません。

こうした小泉氏の動きに対して、穿った見方をする人もいます。その典型例は、以下の動画を御覧ください。



上の動画では、小泉氏はアメポチで、一目瞭然であり、要するに日本がこれからもアメリカの石油メジャーのために、日本の原発を廃炉して、毎年4兆円もの石油代金をアメリカに収めるための、活動であるとしています。

私は、無論石油メジャーはそのような考えはあるとは思いますが、それは成功するとはとても思えません。それほど、日本の政治家や官僚が馬鹿だとは思えません。

考えてみれば、アメリカだって、トウモロコシを材料にして、バイオエタノールをつくっていますし、そのスタンドが様々なところに設置されるようになっています。今では、負の遺産となっています。ただ、法律が生き残っているので、ほんどの人が使用しないにもかかわらず、配給体制は維持されているという異常な状況になっています。

バイオエタノール配給スタンド


小泉氏は、いずれ次世代エネルギーの時代は間違いなく来るものとして、これに日本が先鞭をつけるべきであり、そのために、余生を捧げようと考えているのだと思います。

しかし、バイオエタノールの教訓をみてもわかるように、あるいは、過去の化石燃料である石炭から、石油への転換が行なわれた歴史をみてみれば、小泉氏はエネルギー転換に先鞭を付けらる人にはなり得ません。

小泉氏と、その背後の組織が次世代エネルギーへの先鞭をつけらるということを信じるに足る、エビデンスはありません。もし、頭の良い人間が、設計してエネルギー転換を計画的に実現できるというのなら、共産主義も成功しているはずです。しかし、共産主義による設計主義は、全くの間違いであったことが今日明らかになっています。

とにかく、小泉氏は、一大ムーブメントを起こそうとしているようですが、それは現状では無理です。それは、過去の歴史が厳然としてそれが不可能であることを実証しています。

エネルギーだけではなく、世界で大成功を収めている産業はすべて、共産主義のように、頭の良い人や、組織が計画して実現したものは一つもなく、様々な民間企業が、互いに他社を出し抜こうといろいろ研究していて、最初がどの企業のものが成功するのかどうか全くわからず、しばらくやっているうちに、結局どれが一番かということが消費者が継続的に購入することが明らかになり、そうなった時にはじめて、その産業が成り立つことがわかり、その産業が勃興することになります。

そうして、過去の化石燃料の中でも、最初は石炭エネルギーなどが使われていて、石油エネルギーへ転換したときの事を考えていただきたいと思います。特に、移動の手段としての、車の普及にともない、石油エネルギーが一番の座を占めていきました。しかし、それでも他の化石燃料などもまだ、用いられていましたが、車の普及により、石油が手に入りやすくなると、それが暖房などにも一般に用いられ、さらに消費量が増え、今や何からなにまで石油ということになりました。

これは、私たちも、その一部を実際に見てきた変化です。石炭などが、石油に転換するにも、最初から現在までの道のりをたどれば、軽く30年以上はたっています。

これから、次世代エネルギーに転換していくには、過去の歴史のように、原発、石油、その他がいろいろ使われ、いずれどれかが、長い時間をかけて、消費者に選ばれ続けるようになり、転換していくものと思います。30年以上もかかるということであれば、とても小泉氏などが今の時点で先鞭をつけるなど、夢物語であり、とても無理です。この動き、いずれ時がたてば、多くの人に忘れ去られると思います。

最新のiPadAir ノキアはiPad、iPhoneの原型をすでにアップルが発売する
数年前に開発していたという。民間企業ですら、このような間違いがある。
ましてや、政府やシンクタンクのような組織がいくら頑張っても次世代産業
やエネルギーを開発することはできない。



石油メジャーなども、いくら小泉氏をもちあげたとしても、日本に4兆円も毎年石油代金をさらに支払わせるなど、なかなかできるものではありません。やはり、消費者が選ぶエネルギーが一番です。しばらくは、現在原発に反対している人でも、今すぐ廃炉にしても、安全性は確保されないことなどを理解すれば、原発も使用するということになると思います。

それに、30年もすれば、危険な核融合ではなく、核分裂による比較的安全な核エネルギーを使用できる条件が整うかもしれません。これ以外も、かなり多くのエネルギー源が見つかっている可能性も大です。

今から50年前の、世界の大都市で最大の問題は、馬糞の処理でした。そのようなものは、今日では、全く問題ではありません。30年後以降の世界を今と同じように考えれば、そこに誤謬が生まれます。

小泉氏はもとより、私たちもそのような誤謬にとらわれるべきではありません。小泉氏がこれからできることといえば、次世代エネルギーの開発に先鞭をつけることではなく、現在使用中や、使用済みの核燃料の安全で合理的な処分方法の開発です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年1月19日土曜日

放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論―【私の論評】無知と恐怖にとらわれて、人生を棒にふったり、ふらせても良いのか!!

放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論

(2013年1月13日 Forbes.com)

厳しすぎる日本の基準


 昨年12月、極めて重要な報告書が粛々と発表された。そこに結論として書かれているのは、原子力科学の専門家が長年にわたり主張してきたことだ。――つまり、約0.1シーベルト(Sv)または10 rem以下の放射線の被曝(ひばく)は大した問題ではない。

 「しきい値無し直線仮説(Linear Non-Threshold : LNT仮説)」は0.1Sv(10 rem)以下の被曝には当てはまらないが、世界中の自然放射線量はこの範囲にある。そればかりか、この低線量域は、原子力、医学的治療、そして福島のように原発事故で被害を受けた地域にとって最も重要な意味を持つ。

 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が提出した。低線量の被曝の影響は非常に不確かなものであるため、UNSCEARとしては「低線量の被曝と大人数を掛け合わせて、自然放射線量と同等以下のレベルで漸増的な被曝によって健康被害を受ける人数を推定することは勧めない」と述べている。



 この手法はチェルノブイリ以来広く行われてきたことであり、福島では今も採用されている。

■福島事故で「健康への影響無し」
 報告書により、世界はようやく正気に戻り、人体に害を与えないことに無駄な時間を費やすのをやめ、実際に悪影響を及ぼす問題、そして本当に注意を必要とする人々に目を向けるようになるかもしれない。例えば津波によって引き起こされたインフラや経済への打撃、あるいは福島周辺の真のホットスポットの除染。さらには、人体に影響を与えない程度の放射線量しか浴びていないのに、被曝の恐怖に怯えて暮らし、まさにそうした不安に心身をさいなまれている何万人という日本人をケアするといったことだ。また、日本政府においては真剣に原発再稼働の準備を始めたり、国際原子力機関(IAEA)や米国政府からの改善案に耳を傾けることだ。

 この報告書によって、低線量の被曝が個人と大規模な集団の健康に及ぼす影響について言えること、言えないことがはっきりするだろう。

 自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から3.5ミリSv(350 ミリrem)に上昇しても、発がん率は上昇せず、認識できるような公衆衛生上の影響は何も起きない。同じように、自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から1ミリSv( 100 ミリrem)に低下しても発がん率は低下せず、公衆衛生上の問題に一切影響を与えない。

 重要なのは、通常の議論は短期間(一度)に強烈な放射線に被曝することを想定しており、同じ量を1年といった長い期間をかけて被曝した場合、影響はさらに小さくなることだ。つまり毎月0.1Sv(10 rem)を被曝すれば影響はあるかもしれないが、年間で同じ0.1Svを受けた場合は、慢性にせよ、急性にせよ認識できるような影響は一切ない。

 さらにUNSCEARは、一昨年の福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている。「影響無し」としているのだ。

・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・


■日本人は恐怖ではなく真実に基づき行動を

 報告書によると、福島原発では非常事態に対応していた6人の作業員が0.25Sv(25 rem)を超える放射線を浴び、170人が0.1~0.25Sv(10 ~ 25 rem)を被曝した。このうち健康に悪影響が出た者はなく、おそらく今後も影響は出ないだろう。福島原発で亡くなった6人の死因は、がれきに押しつぶされたり、海に流されるといった事故で、放射能とは一切関係なかった。

 確かに0.1Sv (10 rem)を超える放射線の被曝は健康に影響を与え、それは統計的に1Sv (100 rem)に達するまで増加する。ただこの比較的高い線量域についても、十分に大きな母集団でない限り、影響は観察しにくい。それほどの規模の放射能事件、すなわち大勢が0.1~1Sv (10 ~100rem)の放射能を浴びたのは、第二次大戦中の原爆投下だけである。

 放射線の影響が明らかになりはじめるのは、1Sv (100 rem)以上の高線量を急激に浴びたときだが、そうした状況ですら、考え得る他の要素を排除しない限り、放射能を明白な原因と断定することはできない、とUNSCEARは説く。

 こうした見方が放射性廃棄物の処分にどれほど重大な意味を持つかは、別の機会に譲ろう。

 結局のところ、放射能への恐怖ではなく真実にもとづいて行動するように変わらなければ、われわれは日本、ベラルーシ、ウクライナの人々に責務を果たしたことにならないうえ、今後も見当違いのことに時間とカネを費やすことになるだろう。反核運動家や陰謀説が好きな人々は今回の国連の報告書を受け入れないだろうが、彼らはどのみち国連が嫌いなのだ。

【私の論評】無知と恐怖にとらわれて、人生を棒にふったり、ふらせても良いのか!!

上の記事、現在の日本にとっては、かなり重要だと思いますので、是非ご覧になってとください。新華社通信じゃなかった、日本経済新聞は、経済に関してはとんでもない記事が多いのですが、経済以外については秀逸な記事も多く、放射線に関する上の記事は、時宜を得た本当に良い記事だと思います。


低線量の放射線は従来考えられていたよりは、安全であることはこのブログにも掲載してきました。だから、上の論考は、私からすると何も目新しいいことはないのですが、それにしても、これについては、もっと多くの人々が理解すべきと思ったので掲載させていただきました。

最近は、東京ではさすがに放射能パニックになる人は、あまりいなくなったようです。東京の安全性については、このブログでも以前掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。

東京の地表放射性物質 1960年代と同水準 米ソ中が核実験「健康被害なし」―【私の論評】中国の核汚染のほうが余程恐ろしいかも?

詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、要するに米ソ中が核実験を頻繁にやっていたときのほうか、放射能ということであれば、福島での原発事故よりも、よほど危険な状況であったということです。さらに、では、その時代に生まれたとか、こども時代をおくった人々に何か深刻な障害が起こったかといえば、ご存知のように何もないわけです。

地盤沈下した石巻市内

MIT から低線量被曝影響の研究論文〜自然放射線の400倍でもDNAへの過剰影響なし―【私の論評】なぜこのような重要な情報が顧みられないのか?

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に要点だけコピペさせていただきます。
それに、似たような調査結果は、すでに、1990年代にアメリカでだされており、2000年代に入ってからは、専門家の意見もかなり変わってきていました。それどころか、低線量の放射線は、体に良いという「ホルミンス効果」なども指摘されていました。しかし、これは、昔から良く知られていて、昔は、ネックレスや、指輪などで、放射性物質が含まれているものが、健康器具として販売されていました。あるいは、天然温泉などでも、放射性物質が湯成分としてあるところがあり、そのお湯に入ると健康に良いといわれているところもありました。
これらからみても、上の記事の内容は、まともであり、信ずるに足るものであると思います。以上のような情報も含めて、実際どのくらいが危険なのか、もう一度正しい判断基準を公にすべきと思います。現在放射能汚染から避難生活を余儀なくされているかたの多くも避難しなくても良いのかもしれません。

それから、単純な原発廃止論には、私は反対です。これについては、このブログにも掲載したことがあります。以下にそのURLを掲載します。

デモや集会などの社会運動は本当に脱原発を後押しするか? 開沼 博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」―【私の論評】車社会の是正を考えてみると理解できる脱原発運動の無謀さ!!

このブログでは、脱原発と車社会の是正とを対比して論評しました。特に、車についての部分を以下に掲載します。
さて、脱原発運動の無謀さ、これとは一見関係のないようにみえる、脱自動車社会など思い浮かべると良く理解できると思います。自動車に関しては二つほどの論点があります。


まず最初の論点は、自動車の直接的な危険です。考えてみれば、自動車がかかわる交通事故は、毎年多くの死傷者がでます。これは、原発による直接間接の被害 者をはるかに上回っています。これは、確かに危険です。そうして、事故撲滅などの運動が毎年繰り返されています。しかしながら、車社会は、あまりにも社会 に浸透してしまっているため、車自体を否定してしまっては、社会が成り立たないということで、これを主張する社会運動などは聴いたことがありません。あく まで、事故撲滅をうたっています。


そうして、様々な取り組みがなされています。あのGoogleが自動運転する車を開発していることもこのブログで掲載したことがあります。いずれ、このよ うな自動車も実用化され、今の車よりも、はるかに安全な車が走るようになり、より安全な車により、安全性の高い社会が実現されることと思います。

Google無人自動車ロボット
そうして、二つ目の論点は、電気自動車に関する無邪気ともいえる、期待です。電気自動車が、環境に負荷を与えないなどと いう単純な思い込みです。現在の電気自動車は、ガソリンスタンドのような充電所や、家庭のコンセントから電力を供給します。確かに、電気自動車自体は、電 気を補給したあとは、二酸化炭素も、排ガスも放出さずに、一見クリーンなようにみえます。確かに運転している人には、良いかもしれません。


しかし、良く考えてみてください。これは、本当でしょうか?それは、この電力がもともとどこから供給されるのかを考えてみれば誰にでも理解できる話です。 そうです。これらの電力は、すべて既存にある発電所から供給されているのです。既存の発電所が変わらない限り、何も変わらないという図式です。既存の発電 所がたまたま、火力であったとすれば、電気自動車は化石燃料をつかわず、二酸化炭素も、排ガスも排出しないですが、火力発電所は、電気自動車を走らせるた めに、二酸化炭素や排ガスを放出することになります。それでは何も変わりはないのです。自分の手元で、排出されないだけであって、自分の目に見えないとこ ろで、間違いなく排出されているし、化石燃料が消費されているということです。
 このような論点が、多くの人びとの知るところとなったのでしようか?ひところから見ると、単純で無謀な脱原発論を息を潜めたと思います。特に、昨年暮れの総選挙では、争点にはなりませんでした。これには、本当に安堵しました。やはり、多くの人びとが、脱原発の空気には簡単には流されなくなってきたのだと思います。

原発に関しては、このような状況になったのですから、はやく、放射能による恐怖に関しても、 多くの人びとがまともな情報を得て、正しく判断するようになっていただきたものです。

正しい情報を得ることなく、無知と恐怖にとらわれて、多くの人が人生を棒にふったり、多くの人達の人生を棒にふらせても良いものでしょうか?避難生活を余儀なくされている人のことを考えると、新しい基準をつくれば、安全とみなされる地域も多いのではないかと思います。そうすれば、また元の生活の戻れる人も増えると思います。反核運動家や陰謀説が好きな人々も、このような現実を踏まえた活動をすべきと思います。この問題に関しては、もう一度仕切り直しをして、新たな判断基準を出すべきと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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MIT から低線量被曝影響の研究論文〜自然放射線の400倍でもDNAへの過剰影響なし―【私の論評】なぜこのような重要な情報が顧みられないのか?

 

デモや集会などの社会運動は本当に脱原発を後押しするか? 開沼 博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」―【私の論評】車社会の是正を考えてみると理解できる脱原発運動の無謀さ!!


デモの参加者にも広がり始めた焦りと無力感「脱原発」意識の二極化現象に覚える違和感の正体 ―【私の論評】生存の危機を身近に感じることのなかったニッポン人!!絶対などということがあり得ないと悟っていた日本人?


脱原発だと「貧富の差広がる」 ダライ・ラマが記者会見で述べる―【私の論評】ダライ・ラマの言葉の意味をかみしめよ!! 

 

太陽光発電は全体の3%!? 「脱原発」維持に向けて現実的な方策を模索し始めたドイツの厳しいエネルギー事情―【私の論評】「原子力の取捨云々」以前に、まず、現実的判断に基づくエネルギー論議をすべき!!


特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...