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2017年5月25日木曜日

出会い系バー通いを注意され「逆恨み」か…和田政宗議員、加計学園「怪文書」犯人を告発―【私の論評】加計問題を最大の攻撃材料にする野党は、犯罪者を応援することになる(゚д゚)!

出会い系バー通いを注意され「逆恨み」か…和田政宗議員、加計学園「怪文書」犯人を告発

和田政宗参院議員
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐってバラまかれた「文書」の“闇”に、無所属の和田政宗参院議員が切り込んだ。和田氏は24日未明、自身の公式ブログに《メディアに文書を持ち込んだのは元文科省幹部M氏》というタイトルの記事を掲載したのだ。M氏がメディアなどに「文書」を持ち込んだ動機についても、「逆恨み」などと言及している。

 元NHKキャスターらしい、衝撃的な告発だ。

 和田氏は公式ブログに、《M氏は各メディアに文書を持ち込み、記事として書いて欲しいと依頼していました。しかし、朝日新聞以外は記事にしませんでした。それはM氏以外に裏付けが取れず、M氏自身が作成して持ち込んだ可能性が否定できなかったからです》と書き込んだ。

 夕刊フジの取材でも、同じ「文書」が、他の新聞社やテレビ局、週刊誌に持ち込まれていたことが分かっている。

 和田氏は、M氏の動機についても、以下のように続けた。

 《M氏は新宿歌舞伎町の出会い系バー(連れ出しバー)に通っておりそれを官邸から注意されたことや、天下り問題についても逆恨みしたのか安倍政権に対する反感を(周囲に)話していました》

 これについても、歌舞伎町の出会い系バーに「複数の文科省幹部が出入りしていた」という話を、夕刊フジは既報している。こうした形態の店は、売春や援助交際の温床になっているとの指摘もある。

 朝日新聞が17日報じた「文書」について、菅義偉官房長官は同日、「怪文書みたいな文書」と記者会見で発言。文科省は19日、同省職員への聞き取り調査の結果を発表し、「該当する文書は確認できなかった」との結論を出している。

 和田氏は自身の調査も踏まえて、《M氏が持ち込んだ文書は自らが作成した可能性が濃厚となりました(誰かに指示して書かせた可能性はあります。自らが作成したとばれないように)》とブログに記している。

 これでは、元文科省幹部が、自身の「私生活の乱れ」や「同省の天下りスキャンダル」への厳重注意や批判を逆恨みして、マッチポンプで政権批判をしたことになる。わが国の教育行政に携わったものとして、いかがなものか。

 和田氏は、朝日新聞の報道姿勢についても疑問を投げかけている。

 夕刊フジは24日朝、和田氏を直撃した。

 和田氏は「この『文書』は悪意を持って持ち込まれた可能性が否定できない。野党が『文科省内から流出した文書』と主張するならば、その根拠を示して追及すべきだ。M氏は朝日新聞以外のインタビューにも応じているようだが、その内容を信用できるのか」と語っている。

【私の論評】加計問題を最大の攻撃材料にする野党は、犯罪者を応援することになる(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、メディアに文書を持ち込んだのは元文科省幹部M氏と匿名にしていましたが、本日このM氏本人が記者会見を開催して、当該文書は存在していたという趣旨で、記者会見を開催しています。さすがに、自ら朝日新聞などのマスコミに持ち込んだとは語っていませんが、常識的に言って、持ち込んだのは記者会見を開催した文科省の前川喜平前事務次官でしょう。

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画で、文部科学省が内閣府から「総理のご意向」と早期開学を促されていたとする文書を巡り、文科省の前川喜平前事務次官は25日、東京都内で記者会見を開き、「文書は確実に存在していた」と述べました。

以下にその記者会見の動画を掲載します。



文書の存在が報道された17日、菅義偉官房長官は「内閣府が『総理の意向』などと言ったことは一切なく、総理の指示もない」と内容を否定。文科省は19日、「文書の存在は確認できなかった」との調査結果をまとめています。

前川前事務次官は「私の後輩やお世話になった大臣にご迷惑をおかけすることになり、大変申し訳ないと思うが、あったことをなかったことにすることはできないと思っている」と話しました。

加計学園は政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に獣医学部新設を計画。国家戦略特区諮問会議が昨年11月、新設を認める規制改革を決定した。前川前事務次官は自身の任期も含まれることから、「当事者として業務に携わってきた。まっとうな行政に戻すことができず、押し切られてしまったことについては、私自身の責任が大きい」と話しました。

前川前次官は、どうやら天下り当然と思っているようで、参入阻止すなわち既得権保護を公平行政と勘違いしているようで、典型的な「官僚」です。こういう官僚がいるからこそ、国家戦略特区が必要になるのです。

ところで、あの怪文書ですが、最初に公開されたもの(2頁のもの)と後から公開されたもの(8頁のもの)とがありますが、両方とも公文書としては、書式も内容かなりお粗末なものでした。これは、レク資料というものであると、前川氏が説明しています。ということは、公文書ではないということです。

特に、最初に公開されたものは、宛先も発信者の部署名や、所属も、発信日時すら明記されておらず、とても官公庁内の公式の文書であるとは考えられませんでした。これでは、まともな会社の公文書であるとも主張できないです。これについては、ネット上に添削した内容を掲載していましたので、その添削をした内容の画像を以下に掲載します。

この後に公開された8頁のものは、一部だけ公開されています。それを以下に掲載します。


以上の公開文書の写真は、クリックすると拡大して、よりご覧いただきやすくなります。

この文書はレク資料としても稚拙ですが、そもそもこの文書に書かれていることが真実だとして一体何が問題になるのでしょうか。文書の核心部分が真実だとしても、獣医学部の開設をできるだけスピード感をもって進めろ、と首相が命じているだけです。

国家戦略特区とは、首相官邸ホームページの説明よると、「国家戦略特区は、産業の国際競争力の強化および国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、2015年度までの期間を集中取組期間とし、いわゆる岩盤規制全般について突破口を開いていくものです」というものであり、簡単に言うと。規制緩和を短期集中的に行う枠組みです。

規制緩和を早急に進めていくことを、首相が指示したとして何の不思議もありません。「総理のご意向」があったとしてそれは違法でもないし、道義的責任をもたらすものでもありません。首相は当たり前のことを当たり前にしているだけです。

これを犯罪とか、道義的重大な責任があるというのであれば、全国会議員が犯罪者か、性格破綻者ということになってしまいます。

このいわゆる家計学園問題とやらは、法的にも道義的にも何の問題もないのですが、マスコミが報道するだけで不安や疑心を抱く人たちが少なからず生まれるものと思います。もちろん報道にそれなりの正当性があれば推測記事も許される場合もあるとは思います。

ネットでも様々な疑惑がささやかれています。たとえば、「公募期間が1週間なのは加計学園ありきだ」というものがありますが、実は1週間とは公募期間の平均的な設定で優遇といえるものではありません。

また、「土地の無償譲渡は首相が便宜したもの」という指摘もあったのですが、これは今治市議会が賛成多数で決めたことで、地方自治の成果ということです。このように、「疑惑」は簡単に人の心に芽生えてしまうのです。

国会で追及した玉木議員自身が、フジテレビ系報道番組「ユアタイム」で違法性がないことを認めており、まったく理解に苦しむところてす。しかし、民進党の蓮舫代表は、「いま急がれるのは共謀罪よりも加計学園や森友学園の究明だ」と断言しています。違法性もなければ道義的責任もない、加計学園を単に政争のために利用していることは明瞭です。なお森友学園も同様です。あれだけ時間を費やしても、一人の閣僚も責任を問われていません。

さらに、先日もこのブログに掲載したように、そもそも獣医学部新設の動きは、民主党や民主党議員(現民進党議員)らが積極的にすすめていたことが明らかになっています。これだけでも政党としてまったく首尾一貫していないです。


そうして追及の急先鋒である玉木議員は、日本獣医師政治連盟から政治献金をうけ、または父親が獣医師であることで、既存の獣医師の利益を守るために行動する私的なインセンティブ(動機付け)が存在するということもあります。

既存の獣医師たちの多く、特に日本獣医師会は、特区における獣医学部の設置については従来から反対でした。玉木議員はこの意図を忖度して、今回の疑惑を意図して意識してつくりだしたのではないという疑念です。もちろん民進党が規制緩和に反対するというのなら、それはそれで政策論争の意味で興味深いものがあります。

しかし、蓮舫代表や玉木議員がやっていることは、なにがなんでも安倍氏を首相の座から引きずりおろすための、怪文書を利用した不公正な扇動だけしかありません。そこに朝日新聞など一部マスコミが安易に同調しているという事実を知ると忸怩たる思いがします。

そうして、本日前川前事務次官が、この文書は確実に存在するものと証言したわけですが、それにしてもこれはいわゆるレク資料であり、文部省内の公式の公文書ではないことが明確になっただけのことです。

この文書に「総理のご意向」があったとしてそれは違法でもないし、道義的責任をもたらすものでもありません。首相は当たり前のことを当たり前にしているということに変わりはありません。

本日は以下のようなツイートがありました。

夕刊フジ報道部@yukanfuji_hodo 
「加計告発」の前文科次官が出入りしていた連れだしバーを、当局が「管理売春」で内偵捜査していたことが分かりました。本日1面。


私は、最近は夕刊フジは購読していないので、この記事を読んではいませんが、何となく想像はつきます。

民進など4野党は、前川氏を国会招致する構えで「第2の籠池氏」のように国会戦術へ生かす構えです。

文部科学省の前川喜平前事務次官はどっちにしろ犯罪者になる可能性が高いです。 もし文書が本物だったとすれば、国家公務員法の守秘義務違反にあたります。 これは、国家公務員をやめたあとでも、一定期間には適用されます。

もし、文書が偽物だったとしたら、刑法の公文書偽造罪になります。さらには、「管理売春」関係で犯罪者になるかもしれない可能性すらでてきました。このような、私怨で馬鹿な行動をした人を、国会に招致したとしても、結局篭池の二の舞いになるだけです。それに、犯罪で訴訟された場合、そのような人は国会に招致できません。

民進党など野党は、組織犯罪処罰法改正案の衆院通過を許し手詰まり感が漂う中だけに、加計問題を終盤国会最大の攻撃材料に据える構えのようです。しかしこれは、同時に、文科省の天下り問題に関与して責任を問われ、更に今回の怪文書問題で犯罪者になりかねない前川氏を“応援”することにもなります。

家計学園問題の国会での追求は、当然のことながら国会の傍聴人以外にも、当然のことながら、テレビなどで多くの国民がこれを見守ることになります。そうして、これは先に述べたように、「総理のご意向」があったとしてそれは違法でもないし、道義的責任をもたらすものでもありませんから、全く意味がありません。

これは、形を変えた審議妨害に過ぎません。過去においてPKO法案可決のときの審議に、「牛歩戦術」という審議妨害を実施した後の選挙では、社会党は大敗して、姿を消しました。野党は、このようなつまらない審議妨害をすれば、そのようなことにもなりかねないということを全く意識していないようです。

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2016年7月26日火曜日

相模原の障害者施設、刺され19人死亡 26歳の元職員逮捕 「障害者なんていなくなってしまえ」供述―【私の論評】鬼畜の仕業、良心を持たないサイコパスに対処するには?

相模原の障害者施設、刺され19人死亡 26歳の元職員逮捕 「障害者なんていなくなってしまえ」供述

植松聖容疑者(フェイスブックから)
【産経新聞号外】障害者施設19人刺殺[PDF]

26日午前2時45分ごろ、相模原市緑区千木良の障害者施設「津久井やまゆり園」に「刃物を持った男が侵入してきた」と110番通報があった。神奈川県警や相模原市消防局によると、男に刺されるなどして19人が死亡、26人が負傷した。うち13人が重傷とみられる。県警は殺人未遂と建造物侵入の疑いで、現場近くに住む元職員、植松聖容疑者(26)を逮捕した。

県警によると、植松容疑者は午前3時ごろ、津久井署に「私がやりました」と車で出頭した。所持していたカバンから複数の包丁やナイフが見つかり、血痕が付いたものもあった。「ナイフで刺したことは間違いない」などと認め、「障害者なんていなくなってしまえ」という趣旨の供述もしているという。

事件のあった津久井やまゆり園前に集まった緊急車両=26日
死亡した19人は19~70歳で男性9人、女性10人。負傷者は男性21人、女性5人。東京医大八王子医療センター(東京都八王子市)によると、重傷者のうち同センターに搬送された男女4人はいずれも意識不明。首に刺し傷があり、胸や腕などにも複数の傷があった。北里大病院(神奈川県相模原市南区)にも13人が運ばれ、首に傷があった。

県警によると、入所者がいた居住棟1階の窓ガラスが割られ、近くにハンマーが落ちていた。植松容疑者が出頭した際に乗ってきた車の後部座席には、血の付いた結束バンドのようなものが複数本あり、施設からの通報には「縛られている人がいる」との内容も含まれていたことから、植松容疑者が犯行時に被害者を縛っていた可能性もある。県警は、詳しい経緯や動機を調べ、事件の全容解明を進める。

神奈川県などによると、植松容疑者は平成24年から同施設に勤務し、今年2月に「自己都合」を理由に退職した。在職時は入所者の生活支援を担当していたという。

現場はJR中央線の相模湖駅から東へ約2キロ。山に囲まれた住宅地で、近くに市立小学校もある。

【私の論評】鬼畜の仕業、良心を持たないサイコパスに対処するには?

この犯罪は、今後明らかにされる様々な背景は抜きにして、鬼畜の仕業としかいいようがありません。

このような凄惨な事件が起こるたびに思うのは、いわゆるサイコパスという言葉です。サイコパスとは、日本語では精神病質(せいしんびょうしつ、英: psychopathy、サイコパシー)とは、反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われています。その精神病質者をサイコパス(英: psychopath)と呼びます。

精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)や疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)においては反社会性パーソナリティ障害(Antisocial personality disorder/ASPD, dissocial personality disorder/sociopath)として分類されています。


犯罪心理学者のロバート・D・ヘアはサイコパスを以下のように定義しています。
  • 良心が異常に欠如している
  • 他者に冷淡で共感しない
  • 慢性的に平然と嘘をつく
  • 行動に対する責任が全く取れない
  • 罪悪感が皆無
  • 自尊心が過大で自己中心的
  • 口が達者で表面は魅力的
オクスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンによると、サイコパスの主な特徴は、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・感情の欠如・結果至上主義、です。

別の言い方をすると、他人に対する思いやりに全く欠けており、罪悪感も後悔の念もなく、社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手に欲しいものを取り、好きなように振る舞うのです。

日本国の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律・第5条に、「この法律で『精神障害者』とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう」と定義され、精神障害者に該当しつつ、保護の対象者と成る事を法的に認めているが、必ずしも全てが該当するとも言えず、時代相応の医学(科学)的な診断結果に基づいて判断されます。

植松聖容疑者 自身のフエイスブックの写真 23歳の誕生日の時のもの
さて、植松聖はいわゆる、サイコ・パスなのかどうかは、これからの調査を待たなければ何ともいえない部分もありますが、あの鬼畜とも呼ぶべき犯行手口からすれば、おそらくサイコ・バスなのでしょうし、彼のような人物をサイコ・パスと呼ばずして誰をそう呼ぶのか、私にはわかりません。

そうして、サイコ・パスは遺伝的なものなのか、それとも環境によるものなのでしょうか。精神疾患の原因として遺伝的な要素もあるともされています。そうなると、サイコ・パスも遺伝的要素が強いのでしょうか。

しかし「犯罪は遺伝するのか」といったテーマは社会的にはタブー視されており、語られることはほとんどありません。

とはいえ、こうしたテーマについての調査がないわけではありません。

海外では「サイコパスと遺伝」についての驚くべき研究結果も発表されています。

社会的にタブーとされるテーマについて、様々な研究の成果を紹介しながら論じ、ベストセラーとなっている『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(橘玲・著)では、「犯罪と遺伝」について、次のように述べています。

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 現代の精神医学では、犯罪を引き起こすような精神障害は「反社会性パーソナリティ障害」と呼ばれている。とはいえ、ずるがしこいひとや残酷な人間はどんな社会にも一定数いるし、これを安易に治療の必要な「病気」にしてしまうと、刑法における責任能力との関係でやっかいな問題が出てくるから、どこからを「障害」と見なすかはあいまいにならざるを得ない。 
 だがそれでも、誰が見ても「異常」な人間はいる。 
 イギリスで、1994年から3年間に生まれた5000組の双子の子どもたちを対象に、反社会的な傾向の遺伝率調査が行なわれた。それによると、「冷淡で無感情」といった性格を持つ子どもの遺伝率は30%で、残りの70%は環境の影響だとされた。この「環境」には当然、子育ても含まれるだろうから、これは常識的な結果だ。 
 次いで研究者は、教師などから「矯正不可能」と評された、きわめて高い反社会性を持つ子どもだけを抽出してみた。 
 その結果は、衝撃的なものだった。 
 犯罪心理学でサイコパスに分類されるような子どもの場合、その遺伝率は81%で、環境の影響は2割弱しかなかった。しかもその環境は、子育てではなく友だち関係のような「非共有環境」の影響とされた。
もちろん、あくまでもイギリスでの一研究結果に過ぎず、また犯罪全般ではなく「サイコパス」に限っての話である点は忘れてはならないものです。安易に「犯罪と遺伝」を結びつけるのは許されないことでしょう。

しかし、昨今、何不自由なく育ったにもかかわらず、異常な殺人や誘拐などをおこなった「少年」「少女」のニュースがよく伝えられます。恵まれた環境で、教育熱心な親に育てられたのに、理解しがたい残酷な事件を起こす若者の「動機」については、多くの場合、納得のいく説明はなされないままです。

こうした事件について考える上では重要な視点なのではないでしょうか。そうして、植松聖についても、そのような視点も失わず、見ていくべきものと思います。

サイコ・パスに関しては、現在では相当研究が進んでいて、専門家によるサイコ・パス・チエック・リストも開発されており、サイコパス的な資質のあるなしを専門家によってチエックできます。

実際、英国国立医療技術評価機構(NICE)は精神病質の診断基準を満たす人口に対しては、認知行動介入を検討するとしています。また併発疾患を治療することで、精神病質によるリスクを減少させることができます。

また、これに携わるスタッフは有害事象リスクが高いため、スタッフには高レベルの支援と厳重な監督が提供されなければならないとしています。ただし、日本ではまだまだ認識が低く、十分に対策がなされているとはいえません。

だから、私たちは身近にサイコパスがいる場合には、自ら対処しなければならない部分が大きいです。

スタンリー・キューブリックの映画「時計じかけのオレンジ」のテーマはサイコパスの治療
以下に、サイコパスの性格や特徴、対処法などについて抜粋します。

サイコパスに共通していること
  • 先を見ることができない
  • 今より前のことしか考えられない
  • 目先のことしか考えられない
  • 協調性がない
  • うぬぼれが強い
  • ちょっとしたことですぐキレる
  • 人を利用して勝ち上がる
  • 自分の事しか考えない
  • 人の話をきかない
  • 全部自分が正しい、絶対自分が悪いと認めない
  • 自分より立場の低い人に説教(いじめ)して、潰しにかかる。
サイコパスへの対処法
  • どうしても接する必要がある相手なら慎重に接すること
  • なるべくサイコパスから離れる事
この性格や特徴に該当する人が、あなたの周りにもいるかもしれません。危険を感じたら離れるようにしましょう。

私たちが自分でできるということは、このくらいしかありません。そうして、ある程度サイコパスの人が明らかに度を超した振る舞いをすれば、まずは警察等に相談すべきです。

しかし、警察なども実際に大きな犯罪が起きていない場合は、なかなか動かないというのが実体です。いざとなれば、自分の身に降りかかる火の粉は自分で振り払わなければなりません。

しかし、私などはいざというときは、ある程度自分で振り払うこともできるかもしれません。それでも、相手によりけりです。

そうして、小さな子どもや、お年寄りや、今回犠牲になられたような、障害者の方々ではどうしようもないというのが実情です。

そうなると、日本でも自衛のため、民間警備員が小火器を携行したらどうかという議論あっても、良いのではないかと思います。

外国の民間警備員は銃火器を装備するのが当たり前
欧米ではこれは、普通のことです。本日は、石平氏のツイートが炎上していました。以下にそのツイートを掲載します。
このツイートは、警備員や職員を責めていると受け取る人も多く、石平氏はさらに以下のようなツイートを発信しています。
この施設にも、夜中には警備員や、当直の人は当然いたとは思いますが、それでもこの犯行は止められなかったのでしょう。とにかく、勝手のわかった人間が方はしから殺傷に及んだわけですから、警備員や職員など途中で気づいたにしても、武装も何もしていなかったのでとめようもなかったのかもしれません。

そのあたりのことも、これから徐々に明らかにされてはいくでしょうが、いずれにしても、このような事件が発生した場合、なかなか止められないのも事実です。

このような無力の人が多く住んでいたり、滞在するような施設では、民間警備員が小火器を携行して、いざというときに対処するということが検討されても良いはずです。そうすれば、全員とはいかなくても、何人かでも助けることができたかもしれません。

とにかく、いわゆるサイコパスには理屈は通じません、これはテロも同じことです。どんなに防ごうとしても、サイコパスがらみの事件・事故は起こるときは起こるわけです。私たちの社会は、その時に備える体制づくりがあまりにも遅れています。

また、サイコパスには大量殺人をするような事例ばかりではありません。マーサ・スタウト博士の著書「良心を持たない人たち」の副題は「25人に一人の恐怖」となっています。

驚くべきことに、欧米の社会ではなんと人口の4%にあたる人がサイコパスだと言われているのです。

単純に人数の割合で考えれば、一クラス30人くらいの学校なら学級ごとに一人か、あるいは二人くらい、全く良心を持たない恐ろしい人間が紛れ込んでいる事になります。


これほどの高確率であるにも関わらず、大きな社会問題に発展することが少ない事からも、サイコパスが社会にいかに上手く紛れ込んでいるのがわかるでしょう。

ただし、サイコパスの出現率は国や地域によってもかなり差があるようです。特に日本を始めとした東洋の国々ではサイコパスの割合は大きく下がり、欧米社会の10分の1くらいであるとも言われています。

とはいいながら、確実にごく少数ながら、サイコパスは必ず存在するわけで、そのような人と関わりを持たなければならない場合もないとはいえません。私たちは、個人としてもそのような時の対処の方法がわかっていないと思います。

日本であれば、学校などでも、職場などでも教えられることはありません。やはり、これも自分で学ぶよりほかありません。

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