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2020年2月25日火曜日

「北京が“毒都”になった」 新型肺炎、中国の“心臓部”近くの大病院で集団発生か!? 市民「秩序も崩壊…共産党は“陥落目前”だ!」 ―【私の論評】習近平生殺与奪の権は日本にあり!習近平は日本に来るも地獄、来ないも地獄(゚д゚)!

「北京が“毒都”になった」 新型肺炎、中国の“心臓部”近くの大病院で集団発生か!? 市民「秩序も崩壊…共産党は“陥落目前”だ!」 

中国発「新型肺炎」

北京の人民大会堂で開催予定だった全人代が延期に

新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、初動対応に失敗した中国の習近平政権への批判が噴出している。中国政府は24日、3月5日に北京で開幕予定だった全国人民代表大会(全人代=国会)の延期を決定した。日本政府も25日、「1~2週間が瀬戸際」として感染拡大阻止対策の基本方針を決定。中国の入国拒否対象も拡大する方針という。こうしたなか、習国家主席側がいまだに「国賓」訪日に意欲を見せているとの情報がある。人口の半数以上が「封鎖状態」というのに、正気なのか。ノンフィクション作家の河添恵子氏は緊急寄稿第5弾で、「首都・北京での感染拡大」や「人民解放軍の感染情報」「習主席訪日固執の背景」などに迫った。


中国全土は目下、「戒厳令なき戒厳体制」といっても過言ではない。

李克強首相(中国共産党序列2位)をトップとする、「アウトブレーク(集団感染)を防ぎ制御する領導小組(疫情防控領導小組)」が始動して以来、武装警察が“異様な静寂”に包まれた街に大量投入された。マスクをしていない人民を羽交い締めにして連行する様子などが、SNSにアップされている。



医師や看護師の死亡が次々と伝えられる新型コロナウイルスの発生地・湖北省武漢市の病院だけでなく、全国の医療機関は衛生当局ではなく、公安当局に管理されている。情報漏洩(ろうえい)を恐れているのだ。

一方、宣伝部と外交部は、習政権に「不都合ではない」情報だけを発信し続けている。

世界各国の専門家らによる「新型コロナウイルスは、武漢の病毒研究所から流出した可能性がある」「新型ウイルスは天然ではなく人工」との見解や推測については、外交部の報道官が「荒唐無稽で無知だ」「科学的根拠が全くない」などと真っ向から否定している。

習氏が1月20日に出した重要指示には、「迅速な情報開示の徹底」があった。中国政府の行動は正反対だが、皮肉にも、これに従って“模範的な行動”を取っているのは反習一派と反共産党勢力のようだ。

「北京が“毒都”になった」

こうした話題が、先週末から盛り上がっている。よりによって、北京でのアウトブレークは西城区の複数の大病院から発生したという。

西城区には、中国共産党の本部や習氏ら最高幹部、秘書などの居住区となる「中南海」がある。党書記処、規律委員会、組織部、宣伝部、国務院、国家発展改革委員会、国家人民委員会など、党中央の単位が120ほど集中する“中国の心臓部”なのだ。

中国最大のSNS「WeChat」(微信)に2月21日、医療関係者と思われる人物が書き込んだ衝撃的な内容が、たちまち拡散された。

そこには、「北京の大学病院と医院で集団感染が起き、大問題になっている」「北京の集団感染処置は武漢レベルに引き上げられ、医師は外部からの支援を受けられない」と記されていた。

複数の中国メディアも、「北京の付属病院と大学病院、2つの病院が緊急でアウトブレークの調査中」と報じた。

付属病院は、共産党の局長・部長級など高級幹部のための病室を備え、医師で高級幹部の子女も少なくない。北京の大病院がウイルスに侵食されていることは、以前から漏れ伝わっていたが、最近ようやく中国当局も認めた。69人、一説にはもっと多くが隔離されているという。

■米・露に見放され頼る先は日本のみ?

中国人評論家の1人は「付属病院は、中南海まで数キロの距離にある。ここでのアウトブレークにより、習氏の関心事がどこに向いたかは容易に想像がつく」「湖北省を捨てても、全国を放棄しても、北京を死守しなければならないのだ!」と記している。

北京は2月10日に封鎖されたが、西城区の区長は18日、「厳格な地区閉鎖管理」を宣布した。

こうしたなか、国内外のネット市民からは、以下のような冷ややかな声が上がっている。

「150歳まで生きる目標を持つ共産党幹部にとって、(新型コロナウイルスは)恐怖以外の何ものでもないはずだ」「中国政府がいくら法律をつくろうと、ウイルスは言うことを聞いてくれない」「権力者であろうが、庶民であろうが、ウイルス(の感染)には関係ないのだ」

人民解放軍への感染情報も相次いでいる。

香港を拠点とする人権民主情報センターは2月13日、「中国の空母『山東』の人民解放軍1人が、海南省三亜市で新型肺炎と診断され、三亜に『山東』の軍の100人が隔離された」と伝えている。

共産党一党独裁体制について、「北京の秩序も崩壊し、真の“毒都”となり、中南海の陥落も目前だ!」といった激しい論調すら飛び出すなか、習氏は日本への「国賓」訪問に固執しているとされる。

ドナルド・トランプ大統領の米国とは冷戦状態に陥り、ウラジーミル・プーチン大統領のロシアは中国との国境封鎖や中国人の入国禁止など、厳格な措置を取っている。世界各国から見放された習氏としては、すり寄る先が日本しかないのか?

いずれにせよ、来るも地獄、来ないも地獄であることに変わりはない。

■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体-脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。

【私の論評】習近平生殺与奪の権は日本にあり!習近平は日本に来るも地獄、来ないも地獄(゚д゚)!

北京で開幕予定だった全国人民代表大会の延期ということを聴くと、日本人なら、大事と思うかもしれませんが、全人代は日本の国会のようなものと認識する多くの日本人は、これは大事だと思うかもしれません。確かに北京の新型肺炎の感染のレベルは大事になっているのは間違いないでしょうが、全人代延期そのものは現実的にはさほどのことではありません。

ただし、全人代は中国共産党のパフォーマンスの一環であり、パフォーマンスとはいいながら、過去には、これにより、いかにも中国に当地の正当性があるかのように、主張するために機能させてきたのですが、それすらもできないということでは、新型肺炎の感染レベルが抜き差しならぬことになっているのかもしれません。

昨年の全人代

まずは、全人代がどういうものなのかを解説します。

中国の全人代=全国人民代表大会は、日本のメディアでは「国会に相当する」という修飾語がつくことが多いですが、これは随分誤解を招くな言い方です。全人代は日本人が「国会」として想起する姿や機能と全く違います。

まず、代表の選ばれ方が違います。日本の「国会」は主権者である国民が選挙で議員を選びます。その際、普通選挙・平等選挙・秘密選挙・直接選挙の4原則が確保されます。

これに対して全人代は、中国共産党が党にとって都合の良い代表者を党が指導する下部組織に間接的に選出させて組織されるもので、この選出過程に一般の中国国民は関与できません。

「国会に相当」と聞くと、民主的手続きによって選出された国民の代表で組織する立法機関が中国にもあると思いがちですが、現実は違います。

中国には、建国以来、先進国などでみられる民主主義的な選挙が行われたことはありません。その意味では、中国には先進国でいうところの、政治家は一人もいません。習近平や、江沢民、胡錦濤なども厳密な意味では政治家ではありません。先進国でいえば、官僚です。

その分かりやすい例が、香港議会の補欠選挙に民主派が立候補すらできなかったことです。党にとって不都合な人物はそもそも選挙から排除するのが北京流です。全人代の映像を見ると、約3000人の代表の中には民族衣装で正装した少数民族の代表者と思しき姿があります。

これは、少数民族も政治に関与できていると思わせる狙いがあります。その姿がカラフルで物珍しいので、日本のテレビ局はついつい放送に使ってしまううのですが、相手の思う壺です。

全人代に参加した少数民族

次に全人代の機能は手続き的なものでしかありません。毎年1回開催、会期は約10日間にすぎないです。

昨年全人代は、習近平総書記の2期目に当たり、憲法改正から国家元首の選出、行政や司法に関わるトップ人事、予算の承認、国の機構改革、法律の制定などなど、国政の重要事案を16日間でやっつけてしまいました。

そんなことができるのは、全ては中国共産党が事前に決めており、全人代での扱いは形式的なものにすぎないからです。

以前ほどラバースタンプ(《承認のために押すゴム印の意から転じて》提案や計画を十分に検討しないで、賛成したり、認可したりすること)言われなくなっているのは、裁決での反対・棄権票が増えてきていることと関係するのでしょうか。

全人代の電子投票システムでは誰が反対・棄権票を投じたか即座に特定できるはずです。反対者は断固排除する一党独裁制の基本をよくよく承知している代表者が、自分の将来を潰しかねない反対・棄権票をあえて投じるのでしょうか?甚だ疑問です。

それよりも、反対・棄権票も事前の振り付けと考える方が納得できるのではないでしょうか。

独裁国での形式的な選挙の投票率が99.4%などと発表されるのと同じ感覚ですが、その時々の世論を意識しながら数字を塩梅するのであれば、より洗練されてきているとも言えるかもしれません。

それはさておき、全人代の会期が年間10日程度で済んでしまう理由として、全人代常務委員会の存在が見逃せないです。

全人代閉会中、ということは年間350日程度、憲法の規定で全人代が持つ最高の国家権力を行使し立法機能を代行する常設機関です。

実際には主客逆転していて、常務委員会が随時立法し権力を行使し、全人代が年一回まとめて追認するのです。全人代で覆されることはありません。

この常務委員会のトップに中国共産党の最高指導部の一人が就き、200人弱の構成員の約7割を共産党が占めます。残りは「民主党派・無所属人士」と括られる、要するに、共産党以外の人々も関与していますけど…という人たちです。

一言でいえば、この全人代常務委員会が、党の政策と支配を憲法や法律に則り民主的な手続きを踏んだ形をとって国政の次元に落とし込む制度的仕掛けなのです。

党と国家の軸であると同時に、一党独裁を代表民主制のようにカムフラージュするのです。

現在の中国は国の大きさや経済レベルは全く違うが、支配の政治メカニズムは基本的に何十年も変わっていません。

だからこそ、「国会に相当する」と聞くと違和感を覚えます。「国会」の言葉のイメージによって「実態」を観る目が曇らないようにしたいものです。

中国には、政治家が一人もおらず、いるのは官僚だけなのです。官僚が政治を司るとどういうことになるか、日本で考えていただければ、おわかりになると思います。特に、官僚の無謬性へのこだわりは、とんでもない事態を引き起こしがちです。

選挙で選ばることない、官僚だけが日本を統治していれば、当然のことながら腐敗は当たり前ですし、何でも官僚にいうとおりです。日本では、財務省が力のある役所であるといわれ、まるで増税することが使命のように、増税がくりかえされました。

それでも、過去に安倍政権は二度も、消費税増税を延期を公約として選挙をし、大勝利して、消費税増税を延期しました。選挙で政権与党が、増税見送りを公約として大勝利した場合、さすがの財務省もこれを翻すことはできません。

日本と中国を単純比較はできませんが、もし日本が中国のように、官僚の国であれば、日本ではもう何度も増税されて、今頃、消費税は50%くらいになっており、経済は疲弊し、国民の怒りは頂点に達し、革命がおこり怒りのマグマが財務省に向かって大爆発し、財務省は粉砕されるなどということになったかもしれません。

しかし、中国は真の官僚国家であり、司法や人民解放軍は、国民ではなく共産党の下に位置づけられ、中国共産党は何事にも何者にも、制約されることなく、自分たちのやりたい放題です。そうして、この状態を全体主義というわけです。

このような国で、新型肺炎が起こったのが、人類の不孝でした。とにかく、全体主義国家では、良いことは率先して公表しますが、悪いことは隠蔽したり、あるいは報告が遅れるものです。そのため、中国では新型肺炎への対処が遅れてしまいした。

新型肺炎への対応がこのように遅れて、その結果として、新型肺炎、中国の“心臓部”近くでも蔓延して、中国共産党幹部らにもその驚異が間近に迫っているわけです。

この度は、新型肺炎への対応の遅れで、このような事態を招いてしまいましたが、他の驚異にも同じく今の全体主義的中共は対応できないことが十分予想できます。

このような国が長続きするとはとても思えません。米・露に見放され、日本にも見放されれば、とんでもないことになるのではないでしょうか。

だからこそ、習近平をわらをも掴むような気持ちで、今でも日本に向かってはっきりと日本訪問の延期や中止などを言えないようです。

日本では、中国を過大評価する人も多いですが、少なくとも日本は、中国国内ではかなり大きな影響力のある国です。

まずは、天皇の存在です。天皇は中国でいえば、皇帝です。その皇帝に謁見することは、中国国内ではかなり権威付けとなります。実際、いまた次世代の中国主席の候補者であった、習近平は2009年日本を訪問して自らの中国国内での権威付けに成功しました。

中韓では、反日運動が盛んですが、それは逆にいえば、日本に対する劣等感であります。中国や韓国に日本に対する劣等感がなければ、そもそも反日などする必要性もありません。

そうして、その劣等感がどこからくるかといえば、現在の韓国も、中国共産党も他国のように、他国と戦って独立を勝ち得た経験がないからです。そうして、そもそも日本は、かなり古くから天皇を頂点に独立の道を歩んできたからです。

韓国は、日本から独立したのではなく、日本から米国に移管され、その後に独立しました。中共は日本と戦ったことは一度もありません。いわゆる日本が戦った中国とは、蒋介石が率いた中華民国(現台湾)です。

中国建国の父である毛沢東は、日本と中華民国が戦ったくれたおかげで、中華民国が疲弊したおかげて、我々は中国を独立させることがだきたと語ったといわています。

韓国は、米国から独立、中国は内戦で勝利して独立ということで、いずれも外国などと戦ったことはないわけであり、そこでどうしても国内で統治の正当性が弱いのです。だから、中国では今でも日本の天皇に謁見したものは、かなりの権威付けになるのです。

韓国は、全く自分の力とは関係なく、米国から独立したということもあり、天皇に謁見することは権威付けにはならないようです。

いずれにしても、中国も韓国も国内で日本を悪者にして、自らの政権の統治の正当性を高めるということでは共通点があります。

八方塞がりの習近平にとつては、かつて自分が天皇に謁見して中国国内での権威付けに成功したのと同じ陽に、米露が見捨てられた現在では、日本でまた天皇に謁見して、国内での権威付けを高めることと、日本を介して米露などと良い関係を構築したいのでしょう。

習近平が予定通りに日本に来れば、ある程度の権威付けにはなるかもしれませんが、それにしても、反習近平派が日本に訪問しているうちに、クーデター起こすかもしれませんし、そこまでいかなくても、おそらくその時期には、まだ新型肺炎が終息していないでしょうから、中国に戻った習近平に対して大事な時期に国を離れたとして、謗ることでしょう。

日本に来なければ、習近平の権威は地に落ちることになります。まさに、習近平は日本に来るも地獄、来ないも地獄なのです。

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2018年6月16日土曜日

日米、次の一手は“中国封じ” 台湾&マレーシアと連携、河添恵子氏「中国は四面楚歌になりつつある」―【私の論評】日本はやり方次第で経済により南北全体の生殺与奪の権を握ることができる(゚д゚)!

日米、次の一手は“中国封じ” 台湾&マレーシアと連携、河添恵子氏「中国は四面楚歌になりつつある」

マレーシアのマハティール首相(左)と安倍首相(右)

 世界が注目した米朝首脳会談(12日)と同じ日、日米両国が痛烈な「中国の牽制(けんせい)」姿勢を誇示していた。米国は、台湾の大使館に相当する「米国在台湾協会」(AIT)の新事務所をオープンし、安倍晋三首相は「親中路線」を見直したマレーシアのマハティール・モハマド首相と会談したのだ。これは偶然ではない。専門家は、北朝鮮を連携して取り込むだけでなく、台湾やマレーシアへの関与を強め、世界の覇権を狙う中国と対峙(たいじ)する「日米の意思表示」と分析する。

 「21世紀の強固な米台パートナーシップの象徴だ」

 マリー・ロイス米国務次官補(教育・文化担当)は12日、台北市内で開かれたAIT台北事務所の新庁舎落成式で、こう語った。
AIT台北事務所の新庁舎落成式 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 式には、台湾の蔡英文総統と、首相にあたる頼清徳行政院長が顔をそろえ、ジェームズ・モリアーティAIT理事長と固い握手を交わした。

 蔡氏は「(台湾は)自由で開放的な民主国家として、共通の価値観と利益を守るよう協力する義務がある」と述べ、米国との「価値観同盟」をアピールし、「1つの中国」原則への対抗姿勢を打ち出した。

 これに対し、中国はロイス氏が出席したことに反発した。中国外務省の耿爽副報道局長は「米国に間違ったやり方を正すよう促している」と記者会見で語ったが、傲慢な内政干渉ではないのか。

 米国は最近、覇権主義の中国を「脅威の本丸」とみなし、貿易問題で対立するとともに、南シナ海での「航行の自由作戦」を展開している。今回のAITの新庁舎整備は「台湾重視政策」の一環といえる。

 トランプ政権は以前から、台湾との関係強化を進めてきた。

 自主規制してきた米台高官(一定の地位以上)の往来を促す「台湾旅行法」を3月に成立させた。4月には、超タカ派のジョン・ボルトン氏を大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に起用した。ボルトン氏は昨年1月、米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿論文で「台湾への米軍駐留」を提言している。

 背景には、中国が台湾周辺や南シナ海で、示威的な軍事行動を活発化させ、「台湾統一」の野心を隠さないことがある。これを許せば、日本をはじめ、世界のシーレーンを、共産党独裁の中国が支配することになる。

 中国軍は4月にも南シナ海で、空母「遼寧」を含む艦艇や航空機による「史上最大規模」の演習を実施したほか、台湾海峡では、陸軍航空隊所属の攻撃ヘリ部隊が実弾射撃訓練を強行した。

 台湾は、米中双方の利害がぶつかる「発火点」として、戦略的重要性が高まっている。

 元航空自衛隊空将で、軍事評論家の佐藤守氏は、米朝首脳会談と新庁舎落成式が同じ日に重なったことについて「中国への牽制になっていることは間違いない」と指摘し、続けた。

 「AITの新庁舎整備は、米国の『台湾は死守する』というシグナルだ。台湾周辺と南シナ海を中国に制圧されれば、自由主義陣営が危ない。トランプ政権の戦略として、『反中国』の北朝鮮を取り込むと同時に、台湾を(自由主義陣営の)前進基地にしようとしているのではないか」

 わが日本も、米国と連携して「中国包囲網」の形成に動いている。

 安倍首相とマハティール首相の首脳会談では、「北朝鮮の非核化」だけでなく、南シナ海の岩礁を軍事拠点化している中国を念頭に、「海洋安全保障分野でも連携する方針」で一致した。

 共同記者発表で、安倍首相は「インド太平洋地域を平和と繁栄のための国際公共財としていくことが重要だ」と強調し、マハティール氏は「南シナ海、マラッカ海峡を含む公海を自由で開かれたものにしなければならない」と足並みをそろえた。

 マハティール氏といえば、2003年までの22年間、マレーシア首相を務め、日本の経済成長を手本にする「ルックイースト(東方)政策」を提唱した。野党連合を率いて今年の下院選を制し、92歳の高齢ながら首相に復帰した。復活の一因に、中国の対外膨張策「一帯一路」のプロジェクトにのめり込む、ナジブ・ラザク前政権への危機感があったという。

 日米と台湾、マレーシアの連携が、中国への対抗軸となるのか。

 中国情勢に精通するノンフィクション作家の河添恵子氏は「トランプ政権は、12日の米朝首脳会談をもって、北朝鮮問題に1つの区切りをつけ、『中国との対峙』にかじを切ったといえる。台湾のAIT新庁舎も、マハティール氏の訪日も、すべてが連動し、自由主義諸国が中国と対決する新時代の幕開けを告げている。中国は四面楚歌(そか)になりつつあり、今後の火種は、朝鮮半島から台湾に移るだろう」と話している。
【私の論評】日本は経済により南北全体の生殺与奪の権を握ることができる(゚д゚)!
北朝鮮問題がある程度収束すれば、次は台湾を巡って米中対立があらわになるであろうことは、このブログでも以前から主張してきたことです。
北朝鮮問題の根底には、米中対立があり、米朝首脳会談はその前哨戦に過ぎないのです。米朝首脳会談の大きな目的一つは、今後金正恩が米国側につくか、中国側につくのか旗幟を鮮明にさせることだったのです。
トランプ大統領は、米朝首脳会談において北が、米国側につくというのなら、核廃棄と人権問題(拉致問題等)の解決などを条件に、北の現体制の存続を認めるが、もし中国側につくというなら、北の現体制を認めないということで金正恩に迫ったのです。
そうして、金正恩は中国側ではなく、米国側につくとトランプ大統領に約束したのです。そうして、その約束は、今後金正恩がすみやかに米朝首脳会談を開催しないこと、さらに核廃棄と人権問題の解決などで履行されているかどうかが検証されるのです。
トランプ大統領として、この約束が履行されるかどうかを検証する過程と同時進行で、対中国戦略をさらに強化していく腹です。
さて、このようなことは過去にもありました。
このトランプの戦略は70年代のキッシンジャーのものと似ています。当時は中国をソ連との対決に利用しました。今度は北朝鮮を米側に引き入れ中国共産党と対決するのです。

70年代のキッシンジャー(右)  周恩来(左)と食事をしている

そうして、米の中国包囲網は安倍首相が6年前の首相就任翌日12月27日に発表した戦略掛『安全保障のダイヤモンドhttps://www.project-syndicate.org/commentary/a-strategic-alliance-for-japan-and-india-by-shinzo-abe … と合致します。この偶然は歴史的必然なのかもしれません。

ただし、この戦略は注意を要します。米国は中国を利用したのですが、確かにソ連は崩壊してこの戦略は大成功だったのがですが、これには中国の増長という副作用を招いてしまいました。今や米国は、軒を貸して母屋をとられそうな状況になり、現在中国が海洋進出を強化して、南シナ海を我が物として米国に対抗しています。

トランプとしては、北朝鮮問題ではこのようなことは避けたいと考えたのでしょう。だからこそ、北の援助は米国が直接手がけるのではなく、日本と韓国に任せたのでしょう。特に、安倍総理は北の実情を知り抜いています。

日本と韓国の経済を比較すると、韓国の経済は日本の東京都と同程度です。であれば、北への援助のほとんどは日本によるものになるでしょう。

日本は最近北への援助の方式等の見解公表しています。

  「北朝鮮に現金を直接与えることはないはず。経済協力プロジェクト形式を取って支援することになるだろう」

最近、日本政府の関係者が記者に述べた言葉です。日朝交渉に関連し、北朝鮮は植民地支配および過去の清算による経済支援、すなわち現金支援を期待しているのですが、日本の構想は違うということです。実際、日本経済新聞は14日、日本政府の「3段階対北朝鮮支援」構想を紹介しました。
第1段階は国際原子力機関(IAEA)の核査察に対する初期費用の支援です。北朝鮮非核化の最初の段階といえるIAEAの査察に投入される人員と資機材の調達に必要な費用を日本政府が負担するという計画です。
菅義偉官房長官は13日の定例記者会見で「IAEAが北朝鮮の検証活動を再開する際は初期費用を支援する用意がある」と明らかにしました。2007年にIAEAが北朝鮮寧辺(ヨンビョン)にある核施設を査察した際、日本政府は50万ドル(当時約5700万円)の費用を支出しています。
第2段階は国際機関を通じた人道的支援です。これはコメや医薬品の提供を意味するもので、直接的な現金支援は含まれていません。2014年に拉致被害者の再調査を約束した「ストックホルム合意」では「適切な時期に北朝鮮に対する人道的支援を実施することを検討する」という内容が盛り込まれています。
菅官房長官は「引き続き北朝鮮に『ストックホルム合意』の履行を求めていく」と明らかにしていますが、北朝鮮は2016年に「ストックホルム合意」破棄を宣言し、拉致被害者に対する調査も中断した状態です。日本側は人道的支援をするには拉致被害者の帰国など目に見える成果がなければいけないという立場です。
第3段階はインフラ整備など経済協力です。2002年の日朝平壌(ピョンヤン)宣言では、国交正常化後に無償資金協力、国際協力銀行を通じた融資などの実施に言及しました。しかし今回は有無償借款のような現金支援方式でなく、経済協力を通じた投資形態で進める可能性が高いです。
安倍首相も11日、日本経済新聞社主催の国際交流会議「アジアの未来」に出席し、北朝鮮に対する投資形態の経済協力構想を明らかにしました。安倍首相は「北朝鮮には、手付かずの資源がある。勤勉に違いない豊富な労働力がある。北朝鮮が平和と法の支配と安定に向けた道へと踏み出すことの効果は、アジアを超越し、世界経済全体へ及ぶに違いない」と述べ、北朝鮮の非核化と経済協力を結びつけて述べました。

1965年の韓日国交正常化当時、日本は韓国政府に5億ドル(無償3億ドル、借款2億ドル)相当の経済支援をしました。したがって北朝鮮に現金支援でなく経済協力方式を選択する場合、北朝鮮の反発が予想される部分です。物価の変動などを勘案すると、北朝鮮に対する経済協力は1兆円を超えるという見方もあります。

日本政府が現金支援でない方式を考慮するのは国内の世論を勘案した選択でもあります。日本経済新聞は「巨額の資金拠出になれば、国内世論の理解も得なければならない」と分析しました。また「3段階目の経済協力のハードルは高い」と伝えました。

昨日のこのブログの記事では、北や韓国の経済援助に対して以下のような主張をしました。
日本が北に対して援助をするということになれば、韓国での失敗を反省して、援助にもさまざまな条件をつけるべきです。拉致問題の解決は絶対条件です。さらには、人権擁護に関しても、ある程度の基準を満たすようにさせるべきです。それと、いきなり巨大な額を一度に援助とするというのではなく、様子をみながら少しずつ援助し、約束を守らないなら、中止するというような方式をとるべきです。 
れと、韓国に対しては、援助にしても何にしても、目の前に北という協力なライバル現れて、慰安婦問題などでグズグズすれば、すべて北にかっさらわれてしまうという脅威を与えるべきです。 
また、北に援助をしてもなかなか約束など破らないなどのことがあれば、すぐに援助を打ち切り、韓国への援助を厚くするなどのことをすべきです。 
両方を拮抗させ、日本の国益にとって最も良くなるように、バランスをとって援助をしていくべきです。ただし、あまり長い間朝鮮半島にはかかわらないようすべきです。そもそも、ここしばらくは朝鮮半島には上で述べたような奇妙な状態が続くでしょうが、このような状態がいつまでも続くと考えるべきではありません。
まずは、日本が北に対して現金で援助することはないということは高く評価できるます。北に直接現金で援助した場合、北は密かにその現金で核開発を続ける危険があります。これは断じて避けなければなりません。

また、日本が様々な条件をつけて援助を始めるにしても、北朝鮮が約束を守らない場合はすぐにでも援助を中止する旨を最初から北朝鮮側に伝えて実行すべきです。

さらに、北朝鮮が約束を履行しているかどうかを監督するために、日本の監視団も受け入れさせるべきです。

これに加えて、上でも述べたように、韓国と北朝鮮を拮抗させ、日本にとって国益が最大限になるように管理しつつ、朝鮮半島への援助をすべきです。韓国も最近では経済は低迷し、雇用は最悪の状態です。韓国内では、通貨スワップなどを日本に求める声も大きくなっています。

一方、援助を外交カードとしてうまく立ち回れば、日本が半島全体に対して生殺与奪の権を握ることができるかもしれません。無論これは、米国の強大な軍事力を背景としてなりたつものです。だから、正確には日米が半島に対して生殺与奪の権を握るということです。

在韓米軍

しかし、深入りは禁物です。日本はもとより米国などの他国も、北が発展するとみて、民間企業が無制限に大規模な投資をするなどというようなことはやめるべきです。これは、しっかりと規制すべきです。

そんなことをすれば、民主化、経済の政治の分離、法治国家が不十分で潤沢な資金を手に入れ経済だけが発展した、小中国が半島生まれるだけです。中国と韓国に挟まれた小中国が、海洋進出などはじめたら、さらにアジアは緊張を強いられることになります。

北がさらに経済発展をすることを望むならば、すべての先進国がかつて歩んできたように、自力である程度の民主化と、法治国家化と政治と経済の分離を実行することにより、国内の中間層の活動を活発化させて経済を発展させるように仕向けるべきです。

それで、ある程度北の経済が良くなれば、その後は海外企業からの投資の規制も解くべきです。

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