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2016年12月28日水曜日

【電通女性社員過労自殺】労務問題が経営揺るがす 安倍政権の働き方改革示す一罰百戒の側面も―【私の論評】根本にあるのは電通の市場独占!これを崩さない限り問題は起こり続ける(゚д゚)!

【電通女性社員過労自殺】労務問題が経営揺るがす 安倍政権の働き方改革示す一罰百戒の側面も

女性新入社員が過労などで自殺し、長時間労働をいとわない旧態依然の企業体質が露呈した電通の石井直社長が辞任に追い込まれた。労務問題への対応を誤れば、大企業といえども屋台骨が揺らぐことが明確になった。

 電通はさまざまな企業や団体から広告を請け負う代理店で、世界有数のメディア関連企業だ。国内の政治や経済、スポーツなど各界にネットワークを張り巡らせており政治力もあるが、政府は強硬姿勢で臨んだ。

電通本社ビル
 労働基準監督署からの度重なる是正勧告にもかかわらず、抜本的な改善策を怠っていた電通の経営陣に対し、安倍政権の働き方改革への本気度を示すために、一罰百戒の意味を込めたと言えそうだ。

 「取り組んだら放すな、殺されても放すな」などの言葉が並ぶ「鬼十則」という電通社員の心構えを巡っては、SNSなどに批判の声があふれ、社員手帳からの削除を余儀なくされた。若手社員が追い詰められた理由や背景の徹底解明が求められる。

【私の論評】根本にあるのは電通の市場独占!これを崩さない限り問題は起こり続ける(゚д゚)!


高橋まつりさんのtwitterのプロフィール写真

この事件、安倍首相の肝いり「働き方改革」を進めている段階で、明らかになりました。そのためでしょうか、政府としてもかなり厳しく追求する構えであるようです。

この事件で、厚生労働省東京労働局が石井直社長を含む役員から事情を聴いていたことが28日、分かりました。東京労働局が記者会見して明らかにしました。年明け以降、家宅捜索した3支社を管轄する各労働局と連携し、上層部の組織的な関与について捜査を本格化させます。東京地検も電通幹部への事情聴取に乗り出す方針です。

東京労働局によると、会社と上司だった幹部の書類送検容疑は平成27年10~12月、高橋さんら2人の社員に対し、労使協定(三六協定)の上限である月50時間を超えた違法な残業をさせた疑いによるものです。2人についてはそれぞれ月約58時間と約54時間の残業を確認しました。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けました。労働局は捜査継続を理由に、上司の詳しい役職や認否を明らかにしていません。

高橋さんは昨年12月に亡くなり、今年9月に労災認定されました。うつ病発症前には労使協定の上限を超える105時間の残業をしていました。

しかし残念ながら、いまのところ残業のことばかりが追求されているようです。しかし、高橋まつりさんを自殺に追いやった、電通の異常性はたんなる長時間労働だけではありません。

それについては、以前もこのブログに掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【電通に強制捜査】「この件はわれわれに判断できるレベルでなくなった」と厚労省幹部 安倍政権、高橋まつりさん過労自殺に重大関心―【私の論評】今回の強制捜査は、公取委の出番の前哨戦かもしれない?
悪魔のイラスト

 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では電通の異常なまでの広告市場の寡占ぶりをとりあげました。以下に、この記事の結論部分を掲載します。
電通1社で4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)の広告市場のシェアは5割に及ぶという状況は異常ですし、それに大手企業に限っていえば、ほとんど100%が電通、博報堂が占めています。 
平成20年には業界首位の電通がネット広告大手のオプトへの出資比率を引き上げ。さらに平成21年7月、ネット広告大手のサイバー・コミュニケーションズを完全子会社化。平成25年3月には英イージスグループを買収し、海外展開も加速しています。 
また、業界2位の博報堂DYホールディングスはアサツーディ・ケイとの合弁で設立したネット広告大手のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを連結子会社化。さらに同子会社の博報堂は平成21年2月、PRエージェンシーであるケッチャム(米)と業務提携を結びました。 
業界首位の電通と2位の博報堂による再編は活発化しており、このままでは、業界における2社の寡占化は今後も進むものとみられます。

本来の公取委の機能からすれば、これを放置しておくわけにはいかないはずです。政府・官邸もこれには危機感を抱いてると思います。

私自身は、今回の厚労省による電通本社・支社に対する強制捜査は、実は公取委による審査の前哨戦ではないかと思っています。

そもそも、電通が市場を寡占して、さらには寡占を強化するためのさまざまな団体と「非公式なつながりを強化する」戦略を前提に人員採用の方針が採用されていなければ、過労死などの問題など起こらなかったはずです。

寡占により、仕事は無尽蔵といつても良いほどあり、同じ社員でも「非公式なつながりを強化する」ための人材はあまり仕事をせず、そうではない人材にしわ寄せが行くことが過労死の原因だからです。

この構造を壊さなければ、問題は根本的に解決されません。私は、電通をいくつかに分割するのが一番良い方策だと思います。それによって、電通の寡占状況がなくなり、それによって労務環境が改善されるとともに、マスコミの偏向も是正されると思います。

どう考えても、電通の寡占状態は良いことではありません。やはり、早急に公取委が審査すべきものと思います。 
そうして、官邸、安倍総理は当然のことながら、このようなことを視野に入れていると思います。
ある企業の市場におけるシェアが小さければ、存続の危機に見舞われます。適度にライバルが存在すると、商品やサービスの用途が広まり、市場が膨らみます。

しかし、独占状態になると、想像力は失われ、市場のキャパは100で止まってしまいます。
どのような市場においても、ライバル不在の独占状態よりも、適度なライバルが存在した方が、市場のキャパが拡大するはずです。

最近のテレビが面白くないのは、電通による支配が広告業界に及ばず、メディアに対しても及んでいるからではないかと思います。


企業が市場を支配すると惰眠をむさぼることになります。自己満足によって失敗することになります。市場を支配すると、組織のなかに革新に対する抵抗が出てくるようになります。外部の変化に対する適応が危険なまでに難しくなります。

企業が、市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適であるべきなのです。想像力や革新性を失わないために、ライバルを歓迎すべきなのです。

まさに、市場を独占した「電通」は惰眠を貪り、長時間労働においては、前々から問題を起こしていて、厚生労働省などから厳重注意を受けていたにもかかわらず、また問題を起こしてしまったのです。

おそらく、「電通」の市場独占状況を打破しなければ、同じような問題が起こり続けるものと思います。たとえ、一時影を潜めたように見えても、忘れたころに似たような問題が発生することになると思います。

あるいは、「電通」内でこの問題が解決したにしても、電通の取引先などで、低賃金労働や、長時間労働が発生するということになり、問題は解決しないと思います。

「電通」の市場独占状態を何としても打破すべきです。

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2014年9月29日月曜日

【NewsPicks】経営学は経営の役に立つのか第2回 ビジネスにおける「学者」と「理屈」の意義―【私の論評】経営には原理・原則がありそれを多くの人々が知ることにより、社会は確実に変わる。しかし、知識ある者は、常に理解されるように努力する責任があることを忘れてはならない(゚д゚)!

【NewsPicks】経営学は経営の役に立つのか第2回 ビジネスにおける「学者」と「理屈」の意義

理屈じゃないから、理屈が大切

今回は、「なぜ学者が実務家とやり取りすることに意義があるか」について説明していきましょう。

最初に下図をご覧ください。理屈(論理)と理屈でないものの比率は一緒です。8割は理屈では説明がつかないにしても、ビジネスのもろもろのうち2割は、やはり何らかの理屈で動いているわけです。「ここまでは理屈だけれども、ここから先は理屈じゃない」というように、左から右へと考えてみてください。すると、「理屈じゃないから、理屈が大切」という逆説が浮かび上がってきます。
ストーリー_図01-2ai-01



何が理屈かをまるでわかっていない人には、「理屈じゃない」ものが本当のところ何なのかもわかりません。私も実務家の方々と議論しているときに、「まぁ、理屈としてはそうですが、現実は理屈じゃないので……」と言われることが少なくありません。しかし、私の経験からすれば、「現実は理屈じゃない」という声に迫力を感じる実務家に限って、総じて理屈っぽく、論理的なのです。

「いやー、ビジネスなんて理屈じゃないよね」ということで、のっけからけもの道を爆走しているだけでは、肝心の野性の勘をつかめないはずです。

野性の嗅覚が成功の8割にしても、2割の理屈を突き詰めている人は、本当のところ何が「理屈じゃない」のか、野性の嗅覚の意味合いを深いレベルで理解しています。「ここから先は理屈ではなくて気合だ」というふうに気合の輪郭がはっきり見えています。だからますます「気合」が入り、「野性の勘」に磨きがかかる。「理屈じゃないから、理屈が大切」なのです。

経営や戦略を相手にしている以上、法則定立は不可能です。しかし、それでも論理はある、「論理化」は可能だという主張です。ストーリーとしての競争戦略も「法則はないけれども、論理はある」という立場に立って、優れた戦略ストーリーの論理を明らかにすることを目的としています。

そして、その論理というのは、「イノベーションが大切だよね!」というほど元も子もない話ではありません。もう少し考えてみたほうがいい何か、しかもそれは実務の「けもの道」を走っているだけでは、なかなか見えない何かなのです。


楠木 建
一橋大学教授








上の記事は要約記事です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】経営には原理・原則がありそれを多くの人々が知ることにより、社会は確実に変わる。しかし、知識ある者は、常に理解されるように努力する責任があることを忘れてはならない(゚д゚)!

News Picks ロゴ


皆さんは、NewsPicksをご存知でしょうか。新しいタイプのニュース・サイトです。今まで、いろいろなニュース・サイトのアプリをパソコンや、スマホ、タブレットで使用してみましたが、結局長続きせず、最初は見ても、後からはほとんど使わなくなるということがほとんどだったのですが、このサイトはこれからも使い続けると思います。

日本国内の、いわゆる普通のメディアなどに掲載されている犯罪・災害などのニュースは掲載されていませんが、主要なニュースをほぼ網羅されています。これは、犯罪などに関しては、サイトでみるまでもなく、通常のニュース・メデイアで十分であるとの考えでわざわざ掲載しないのだと思います。

しかし、通常のメディアだけだと、見逃してしまいそうにもかかわらず重要なものが掲載されているようです。そうして、この方針は良いと思います。

御嶽山の噴火のニュースなど、サイトで長々と、何度も掲載されても、確かにあまり意味はないと思います。そんなのは、テレビで十分です。

そうして、このサイトの魅力は何といっても、twitterとの連携がすごいことです。それも、ただ単に、twitterにニュースに関するコメントを掲載できるというだけではありません。なかなか優れものの機能があり、使い勝手かかなり良いです。

この使い勝手の良さもあってか、結構有名人も使っています。あの堀江貴文さんなども使っています。

これは、言葉で説明しても、なかなかご理解いただないと思いますので、是非一度ご覧になって下さい。以下にリンクを掲載しておきます。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、本日の主題は、NewsPicksの紹介を兼ねては、いますが、それが本題ではありません。

本題は、このニュース・サイトに掲載されていた、連載企画であるブログ冒頭の記事です。

私は、この記事に興味をひかれたので、読了後すぐにコメントしました。

本日は、まずはそのコメントの内容を以下に掲載します。
私は、経営学を専攻はしませんでしたが、学生の頃からドラッカーの書籍を読んで、感動し経営学がドラッカー氏が語っているようなことを意味するのであれば、経営学は本当に役に立つと確信しています。
特に、最近では、企業内の資料である『新・時流人』という会長のお言葉をまとめた、書籍の原稿を執筆しましたが、その時にも非常に役にたちました。会長の言葉の真の意味が、ドラッカーの書籍ではこういうふうに掲載されているという具合に確認することができました。

執筆した書籍の表紙

書籍ができあがってから、結局書籍の八割が、表現は異なるものの、ドラッカー氏のいう経営の原理原則であり、後の二割が、会長ご自身の哲学のようなものということに気付きました。
しかも、会長自身は、あまりドラッカーの書籍を読んでいるといこともないようでしたので、経営には原理原則というものがあるという結論に至りました。
しかしながら、こうした会長が原理原則を自らの経験を踏まえて、誰にでも解りやすく平易な言葉で語っていたことには、改めて感動を覚えました。いくら原理原則を知っていても、それを本当に理解してもらうには、ただ原理原則を語れば良いというものではありません。多くの人々に理解できる言葉や、事例を用いなければ、誰も納得しません。
最近もドラッカー氏の"Management revised edition"を読みましたが、構成や力点の置き方が多少異なり、事例などが新しいものに置き換わっているものもありましたが、原理原則はそのままで、今でも十分に通用するもであると思いました。
経営学か全く役にたたないという方は、ドラッカー氏の書籍を読んだことがないか、読んだとしても、その本質を理解していないということではないかと思います。あるいは、教える側にも問題があって、うまく伝わらないだけではないかと思います。
そうして、ドラッカー氏の書籍を読んでいて感じるのは、まさに、経営に法則や定理はないということです。こんなものがあったら、誰も苦労しません。しかし、それでも原理・原則はあるということです。
そうして、原理・原則に従い日々の問題に取り組めば、それを知らないよりは、はるかに様々な事柄に対処しやすくなります。
私は、多くの人々がドラッカー氏が語っていたような、経営学の本質を学べば、社会は随分変わってくると思います。
私は、経営学という学問を正式に学んだことはありませんが、ドラッカー氏を抜いて現代の経営学を語ることはできないと思います。

ドラッカー氏のように、経営学の原理・原則について考えぬいた人はいないのではないかとさえ思っています。
ドラッカー氏


なぜなら、現在であれば、多くの人々が、ドラッカー氏のマネジメントにおける原理・原則を下敷きとして、様々な現象を説明したり、理解したり、積み上げたりすることが容易にできますが、その下敷きを創った人がドラッカーです。

ドラッカー氏以前にも、マネジメントについて考えた人は大勢いますし、先人の研究があったからこそ、ドラッカー氏もマネジメントの体系化ができたのではありますが、どれも部分的であって、全体像に関して考察して、体系化したのはドラッカー氏がはじめてだからです。

今の私達は、このようなものがすでにあるのですから、マネジメント関連のことで、いろいろ考えたり、疑問などがあった場合には、他の書籍や、コンサルタントにあたる前に、まず一度はドラッカー氏の書籍を熟読するべきと思います。

熟読すれば、必ずそこには、すくに役立つことや、すぐにではなくても、いずれ役に立つ原理原則がみつかるはずです。無論、特定の事柄にすぐに役立つ法則や定理などはみつかりませんが、多くの事柄に適用できる、珠玉の原理原則が散りばめられていことに気づくはずてす。

そうして現代の私達が最も気をつけなければならないことは、ドラッカー氏の語る以下の言葉です。
知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。知識労働者は、直接にものを生産するわけではない。
生みだすアイデアや情報を誰かに使ってもらうことで、いわば間接的に生産する。だから、市場を理解すると同時に、組織における上下左右の人間が何を必要としているかを知らなければならない。さらに、自分のアイデアの内容や情報の価値を彼らにわかってもらう事が不可欠だ。
現在の仕事は、従来から比較すると、どの仕事も高度な知識労働となっています。だから、多かれ少なかれ、どの人の仕事もある程度以上は専門的になっています。現在では、ある人の仕事は、別の人にとっては、すぐに理解できるような簡単なものではありません。

特定の専門的知識を有する人々の中だけで、話が通じて事が足りるということはないのです。多くの人々にわかってもらえなければ、専門化した現在の知識は全く役に立たないのです。だからこそ、伝えることが本当に重要になってくるのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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