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2020年5月17日日曜日

衝撃!30万円給付案、実は「安倍政権倒閣」を狙った官僚の罠だった―【私の論評】今後自民党の中の人が、政府の財務方針を作成できる範圍をどんどん広げるべき(゚д゚)!

衝撃!30万円給付案、実は「安倍政権倒閣」を狙った官僚の罠だった

蓋を開けてみれば…

誰が「30万円案」を言い出したのか

4月30日に「一律10万円給付」を盛り込んだ補正予算が成立し、一部の自治体では先駆けて10万円の特別定額給付金を受け取る姿が報道された。

緊急事態宣言の延長にともない、この金額で適切なのかという議論は尽きないが、考えてみれば、当初の「特定の世帯に30万円案」とはいったいなんだったのか。

30万円案は、「世帯主の月間収入(本年2月~6月の任意の月)が新型コロナウイルス感染症発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直すと住民税非課税水準となる低所得世帯を対象とする」など、一度読んでも自分が対象なのかさっぱりわからない複雑怪奇な制度だった。政府に批判が集中したが、誰がこんな制度を考えたのか。

はっきり言おう。これは財務省の役人が仕組んだ安倍政権の「倒閣運動」だったのだ。もともと安倍首相は、一律10万円案を支持していたようだ。

しかし、経産省出身の今井尚哉補佐官ら官邸官僚が30万円案を吹き込んだとされている。経済的に困窮している人への支援が大義名分のため、所得制限をかけようとした。



所得制限つき30万円案は、対象を絞るので、予算額は4兆円程度になる。一方、一律10万円案では13兆円程度まで予算が拡大する。官邸官僚は財務省に忖度し、所得制限つき30万円案に傾くのは容易に想像ができる。予算をつけて欲しい官邸官僚は、財務省にからっきし弱い。

官邸を支配しているのは経産省出身者だと言われているが、内実は「経産省に予算をつけるから」と財務省に言われ、その対価として、所得制限つき30万円案を持ち上げたというのが真相だろう。実際、今回の予算配分は、経産省に大盤振る舞いのように見えなくもない。

土壇場でのちゃぶ台返し

財務省は、その一方で、自民党の岸田文雄政調会長も巻き込んだ。岸田氏の姻戚関係は財務省官僚が多く、もともと財務省の言いなりの人だ。

安倍首相は、財務省が官邸官僚、自民党岸田政調会長、麻生財務相も巻き込んで起こした「倒閣運動」に気がついたのだろう。連立パートナーの公明党が一律10万円案を言っていたのを利用して、所得制限つき30万円案を一度は閣議決定しておきながら、土壇場でちゃぶ台返ししたのだ。

30万円案が実施されていたら、今ごろ大変なことになっていた。そもそも事前に所得制限をするのは難しい。所得が行政当局にわかるのは1年先だ。自己申告による減収を当局が客観的に判断するのは難しい。

先に述べたとおり、実施要綱は一度読んでも理解不能なものだった。世帯主ベースの給付でいいのか、任意の月とは2月~6月の5つのうち、好きなものを選ぶという意味でいいのか、年間ベースに引き直すとはどのような作業なのか、など疑問は尽きない。こうなると「不正申請」も多くなるだろうが、誰にもチェックできなかったはずだ。

30万円案を実行していたら、給付が遅れて国民の不満は爆発、政府はその処理でパニックになるのが見えていた。

新聞では、異例とか、安倍首相の面子丸つぶれとか書かれているが、結果として欠陥のある制度をやらなかったのはよかった。簡素でスピーディな「一律10万円」のほうが、非常事態においてはまともだ。

『週刊現代』2020年5月16日号より


【私の論評】今後自民党の中の人が、政府の財務方針を作成できる範圍をどんどん広げるべき(゚д゚)!

貧困世帯を対象に絞った30万円の給付から、一律10万円給付に決まった経緯についてはこのブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
政策スピード不足 官僚の壁 一律給付に財務省反対―【私の論評】中国ウイルスで死者が出る今、政治がまともに機能していれば、起こらないはずの悲劇が起こることだけは真っ平御免(゚д゚)!
麻生財務大臣
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から一部を引用します。
自民党内で一律給付と消費税減税を求めた100人以上の議員が党内で議論を開いた時に政調会長らは「一律給付の場合は3ヶ月以上かかってかえって時間がかかるから所得制限」という話で押し切っています。 
この件は小野田紀美議員がぶち切れしてツイッターで愚痴っていたのでご存じの方もいらっしゃると思います。 
要するに麻生も岸田も一律給付反対、緊縮財政派なので一律給付に対して財務省サイドは「できない理由」を作ってそれしか方法がないかのように説明をしてきたわけです。 
なので麻生大臣に至っては「一律にしたら金がくばられるのは8月以降になる」とまで言っていました。麻生は良くも悪くも自分の部下の説明は疑わないようにしているので財務官僚にまんまと嘘をすり込まれていたのかもしれません。 
財務官僚はその説明で総理まで騙していた形になります。 
30万円の給付条件は最終的には、次の通りになっていました。
このように、この記事でも、30万円給付は財務省の差し金であることをはっきりと主張しました。というより、様々な動きを総合的に判断すれば、財務省抜きには考えられないのです。

上の記事では、30万円給付案、実は「安倍政権倒閣」を狙った官僚の罠だったとしています。結局財務省が倒閣を狙い、仕掛けてきたものを、安倍総理がちゃぶ台返しをして、10万円給付案をすすめたということです。

これは、首相としては当然といえば、当然です。コロナ禍で大変なことになっているのに、複雑怪奇な30万円給付金など実行することにしては、国民は黙っていないことを誰よりも理解しているのは安倍総理自身だったと思います。

そもそも、有権者がそのようなことは許さないことは、あまりにはっきりしすぎています。なせそうなるかは、明らかですが、30万円給付金の最終的な給付の条件などをふりかえっておきます。

まずは、給付の条件は、世帯主の収入が、新型コロナ感染拡大の影響で、2月~6月の任意の月において

(1)減少し、住民税非課税水準になる場合

(2)半分以上減少し、住民税非課税水準の2倍以下となる場合

 です。

 住民税非課税の基準は住んでいる自治体や世帯人数によって異なる。そのため、総務省は10日、給付条件を全国一律にするため、単身世帯の場合は減収後の月収が10万円以下であれば非課税世帯とみなすとした。扶養家族が1人増えるごとに月収の基準額が5万円ずつ上がります。


この給付条件に該当する世帯は、全国で20%程度と言われ、非常に対象が狭いものでした。その上、住民税非課税水準を確認し、自分の収入と比較するなど、特に経済的に余裕のない人たちにとっては煩雑な作業が求められてしまうものでした。

さらに、次の2点についても問題を指摘できます。

(1)「世帯主の収入」が対象であること

夫婦共働きが当たり前になっている今日では、世帯主の収入だけでは生活できないです。夫婦共働きであれば、夫婦2人の収入を合わせて生活を営んでいるだろう。

そうすると、世帯主の収入が減っていなくても、もう一人の稼ぎ手の収入が大幅に減少した場合、生活に困窮することがありえます。「世帯主」を対象としているのは、「男性が稼ぎ主」と想定しているからでしょう。これでは現実の生計の構造に適していません。

(2)世帯が給付対象であること

また、世帯が給付対象であることに注意が必要です。単純に計算すると、単身世帯であれば1人で30万円を受け取ることができますが、4人世帯であれば1人当たり7.5万円にしかならです。これだけでも不公平感が出てくるでしょう。

それだけでなく、世帯単位で支給すると、世帯構成員全員にきちんと行き渡らない可能性があります。なぜなら、世帯構成員それぞれが対等ではないからです。

特に、コロナの影響で在宅勤務や自宅待機が広がる中、DVや虐待が深刻化している状況においては、DVや虐待の被害者にお金が行き渡るはずもないでしょう。

これに対して、コロナ対策で同じく現金給付を行なっている米国では、年収7万5千ドル(約825万円)以下の大人1人につき現金1200ドル(約13万円)、子ども1人につき500ドル(約5万5千円)と、個人単位で支給します。こうすれば、上述の問題は起こりにくいです。

こうした給付の方法にも、「現実の家族の状況」に対する理解の不足がみられました。

さらに、今回の現金給付においては、感染リスクを高めるという問題も指摘できます。上述の通り、給付条件がわかりにくく、自分が対象なのかわからないということもあり、窓口に人が殺到することが予想されます。

収入要件がある分、証明する書類などを窓口に持参する必要もあります。そうすれば、人が密集することで感染リスクが高まってしまうでしょう。

感染リスクを抑えるため、会社を休業し自宅待機してもらう上で必要な補償であるはずが、むしろ逆効果となってしまいます。これでは本末転倒です。

この世帯を絞った給付金制度を実行しようとしたら、対象要件を満たしているかどうかを確認するだけでも大変です。そもそも、上の記事にもあるように、所得が行政当局にわかるのは1年先です。このような給付金制度は、最初から不可能だったと言わざるを得ません。

自己申告による減収を当局が客観的に判断するのは難しいです。給付までには、かなり時間がかかったでしょうし、それに上でも示したような不公平感から、国民の不満は一挙高まったことは必定です。

そうして、国民から安倍内閣に対する不信の声が上がり、それこそ、野党はもとより、与党内からも倒閣運動につながり、安倍内閣は実際に崩潰したことでしょう。

安倍総理はギリギリのところで踏みとどまったのです。そうして、昨日もこのブログで示したように、今回の2次補正予算は、これを機として、官邸官僚や財務省の手を離れて、自民党の中の人が主導権をとったのです。

財務省岡本次官

今回、財務省は第2次補正予算の主導権を奪われたということは、当然といえば、当然です。日本に限らず民主国家においては、選挙で選ばれた与党政治家が実質的に政府の財政方針を決め、財務官僚などは本来専門的家的な立場から、それを実行する手段を選ぶことができるだけです。ただし、専門家的な立場から、財政方針を提案することはできますが、決めるのは、あくまでも政府です。

財務の方針を財務省が定めるべきではないのです。財務省がすべきは、政府の定めた財務の目標をなるべく迅速に実行することです。しかし、過去においては、実際には、財務省が決めてきたようなものです。

今回、財務省でもなく、官邸官僚でもなく、自民党の中の人が、10万円給付の方針定め、2次補正の主導権も握ったようです。

であれば、今後も政府の財務方針を作成できる範圍の幅をどんどん広げるようにすべきです。

補正予算なとは、比較的簡単ですが、本予算まで踏み込むのはなかなか難しいです。そうなれば、欧米のように日本でも、政策提言のできる本格的なシンクタンクを複数設立して、政策提言をさせ、その政策提言を比較検討して、政府が国の方針を定めるようにすべきです。

ただし、政治家、その中でも特に政権与党の政治家は、きちんと勉強して、政策提言を選択できる、センスや知恵を身につけるべきです。このような素養を身に着けられない政治家を有権者は選挙で落とせば良いのです。

そうなれば、財務省の弊害など徐々に薄れていくはずです。薄れなければ、昨日も示したような強硬手段をとるべきです。

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2020年5月16日土曜日

【日本の解き方】コロナ諮問委員会に緊縮経済学者…政権内の力学が変わったのか? 再自粛時の休業補償に反対も―【私の論評】自民党の中の人たちは、小人閑居して不善をなす財務省に徹底的に負荷をかけよ(゚д゚)!

【日本の解き方】コロナ諮問委員会に緊縮経済学者…政権内の力学が変わったのか? 再自粛時の休業補償に反対も

コロナ対策諮問委員会

政府は新型コロナウイルス対策を具申する諮問委員会に経済学者4人を加えると発表した。 委員会は発足当初は医療関係者だけで構成されていたが、自粛の経済への悪影響が懸念されるので、経済学者を入れたというのが、公式の説明だろう。

 自粛による経済への悪影響を分析するなら、経済学者よりシンクタンクのエコノミストのほうが適任だ。新たに加入する経済学者は、そうした試算を行うというより「ストーリーテラー」のようだ。そもそも試算なら、官庁エコノミストでもできるのに、何のために経済学者を加えたのだろうか。

 いずれにせよ、自粛の経済への悪影響を試算した後の政策対応が重要な課題だ。そこには2つの対応パターンがある。

 1つは、自粛は経済に悪影響があるので、自粛を解除し経済活動を再開するというものだ。その場合、再び感染者が増えて公衆衛生上はまずいので、感染症対策を優先するか経済を優先するかという二者択一になる。

 ここでの政府は、公衆衛生政策は行うが景気悪化に対応する政策は行わないという前提だ。景気悪化に対応する政策を行わないのは、財政負担を避けるためには当然という立場だ。これを「財政緊縮派」と呼ぼう。

 もう1つは、休業補償などで政府が所得補填(ほてん)をして悪影響を最小限にとどめることで自粛を継続するというものだ。

 この場合、政府は公衆衛生政策のみならず、経済への悪影響のコストも負担する。そこでは当然、財政負担が生じるが、感染症は戦時状態と同じなのでやむを得ないと考える。

 もっとも、経済の悪化は需要の蒸発による需要ショックなので、デフレ圧力がある。そうしたなかでカネを刷る政策は実質的に財政負担は生じないともいえる。これを「財政積極派」と呼ぶ。

 今回、諮問委員会に加わった経済学者は、ほぼ緊縮派であるので、前記の2つのパターンのうち、財政緊縮派のパターンが提言されると予想できる。

 この時期にこうした人選が行われることについて、筆者は政権内の政策決定力学の変更が背景にあると感じている。

 今国会での2次補正予算編成は必至である。経済苦境はリーマン・ショックを上回り、戦前の大恐慌並みなので、1次補正の真水約25兆円では足りないのは明らかだ。

 ということで、自民党を中心として補正予算の議論がなされている。一方、官邸側は、当初は官邸官僚が主導権を握っていたが、「30万円給付」でミソをつけ、党主導になった。そこで、諮問委員会に、緊縮派の経済学者を送り込んだと筆者は見ている。

 今本当に求められているのは財政積極派の経済学者であるが、その期待に沿うことはなく、官僚側の緊縮財政を代弁するだけに終わりそうだ。

 自粛解除後に流行第2波が来て「再自粛」となった際には休業補償が必要となるが、今回の学者たちは、それに反対するのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】自民党の中の人たちは、小人閑居して不善をなす財務省に徹底的に負荷をかけよ(゚д゚)!

自民・公明の与党両党が12日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた追加対策を盛り込む第2次補正予算案について、野党側とも協議を進め、今国会での成立を図る方針を確認しました。会期末は6月17日です。

緊急経済対策の第2弾については、いろいろな観測報道が飛び交っていて、総理が数兆円規模での編成を指示したとか、国会は6月17日で閉じて延長はしないと委員長が言ったというような報道などがあります。

ただ、総理が数兆円規模と言ったという報道は、誰かがその思惑からリークしたものをそのまま報じたというというか、元々世論等を操ろうとする観測気球とはそのようなものです。

その思惑とは、誰が補正予算を仕切るかということです。普通であれば、予算なので財務省が仕切るのが通例なのですが、現在は自民党のなかの人の方が世間の状況をより反映できます。

自民党の中の人?

自民党の人は政治家として、現在の状況を肌感覚として、中小の経営者をはじめとする国民の声や、支持者らの大変だという世間の実態を把握しています。そういう人から見て、従来の財務省のパターンでは予算が、足りないのです。

一方で財務省の人は、今回の話だと補正予算にはあまり関わらないので、観測気球をあげ、それをマスコミがそのまま流したというのが真相なのでしょう。

いままでであれば、どちらかというと官邸の方が政策の主導権を握って、党は追認ではないかと一部で批判されているところもありました。しかし、今回のコロナウイルス対策では、そこがひっくり返っているところがあるようです。

官邸主導でコロナ対策をで考えていた時、30万円の給付金話がありました。30万円のときは所得制限をするので、予算規模は4兆円くらいにしかなりません。それがあまりに少ないということで、ひっくり返されてしまいました。

このブログにも以前掲載したように、あれをひっくり返したのは公明党となっていますが、安倍総理個人が「これではまずい」と思ってやったと私は見ています。逆に言うと、官邸でうまく仕切れていないのです。いまは自民党と公明党が中心となって補正予算を考えている状況のようです。

もともと30万円を発案したのは岸田政調会長で、安倍総理が岸田氏に一任すしたところ、全然まとめられないので、下駄を二階さんに預けたと言われています。

実際、あのまま貧困層に絞った30万円の給付金ということになれば、真水も少ない状況で、安倍政権はかなりの批判を浴びることになったでしょう。あそこでひっくり返すことによって、真水をかろうじて増やしました。今回の2次補正は1次補正と同じくらいやらないと経済が持ちません。

1次補正は10万円一律給付を含めたところで、国債の発行額が23兆円くらいになり、だいたいGDPの5%くらいの規模になりました。今回のコロナ禍による経済への打撃は、大恐慌並みなので、本来はGDPの10%以上真水を出さないと話になりません。

まともな経済政策ができないと、1年後くらいに失業者は300万人以上増えるレベルです。失業者が300万人以上増えると、自殺者は1万人ぐらいに増えるので、コロナウイルスの死よりもはるかに多い死者が出ることになります。

昨年は自殺者数は2万人を切ったが、今年はコロナ禍で増える懸念が・・・・

このようなことをどのように防ぐかが、マクロ経済政策のいちばんの基本です。そのようなときは従来型のケインズ型と言われる、真水を投入して有効需要を増やす方法しかありません。それをやるかどうかにポイントが絞られています。大恐慌並みに落ちるとなると、数兆円の補正では間に合うはずはありません。

コロナ感染の防止と経済との兼ね合いを考えると、緊急事態宣言の延ばす期間、自粛を呼びかける際の対象をどうするかという事が重要になってきます。

そこでコロナの諮問委員会のなかに、経済の専門家とされる人が入ることになりました。そのメンバーが12日に報道されました。大阪大学大学院の大竹文雄教授、慶応大学の井深洋子教授、東京財団政策研究所研究主幹の小林慶一郎氏、慶応大学の竹森俊平教授の4人です。

ところが、この4人の経済の専門家は、マクロ経済立場からすると緊縮派ばかりです。補正予算の拡大を抑制しようという側に立つ人が選んだ人事といえます。

この人事の思惑は、予算が膨らむのを防ぎたいということでしょう。しかし、はっきり言うと、諮問委員会も最近休業続きですし、あまり関係ないともいえるでしょう。

もう補正予算は出てしまうでしょう。補正予算が出てしまった場合、経済のことを諮問委員会で議論してもほとんど意味がありません。

今回の第2次補正予算案は、緊縮という省是に拘る財務省などは、抜きにして自民党内ですすめて、財源が足りなければ、マイナス金利の国債を発行させるように財務省にせまり、さらに消費増税もせまり、なんでコロナ禍の時にそんなことまでやるの、というようなことまで実行して、様々な難題を財務省に押し付け、事務・法律事務手続きなどに忙殺させ、財務省の余力を奪う戦術に出るべきと思います。

財務省の岡本薫明事務次官

そもそも、財務省は本質から外れた省益など拘泥するために、忙しがっているだけであり、国民生活の安寧などは無視し、まさにに小人閑居して不善をなすの格言を地で行っているような組織ですから、余計なことを考えられないくらいに徹底的に負荷をかけるくらいが相応しいのです。

そうすれば、自民党の中の人は、今回のコロナ禍による苦しんでいる国民のために、大鉈を振るえるようになります。はっきりいいます。国民の側からすれば、緊縮頭の財務省など、コロナ対策にはいらないのです。

そうして、あわよくば、財務省が負荷に耐えきれなくなって弱音をはけば、財務省を解体して、各省庁の下部組織として編入して、財務省が省益と盲目的に信じている緊縮というDNAを粉砕すれば良いのです。

このようなことが実行できれば、政治主導も夢ではないです。そのときには、日本も本格的に政策提言ができる、シンクタンクを複数設置すると良いと思います。

そうなれば、日本でも官僚が政治に介入するという思い上がりを断ち切り、まともになれるかもしれません。元々官僚とは、マックス・ウェーバーも言うように、決まったことを迅速に実行できるようにするのが本質であり、政治に関与するものではないのです。今回のコロナ禍をきっかけに、官僚は官僚の本分に戻るようにすべきです。

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