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2019年5月19日日曜日

「丸山が電話に出ない。孤立させるのではなく、再生のチャンスを」丸山穂高議員への辞職勧告に元経産官僚が涙の訴え―【私の論評】辞任勧告決議はどう考えても行き過ぎ(゚д゚)!

「丸山が電話に出ない。孤立させるのではなく、再生のチャンスを」丸山穂高議員への辞職勧告に元経産官僚が涙の訴え


17日、日本維新の会、立憲民主党、国民民主党、共産党、社会保障を立て直す国民会議、社民党が丸山穂高議員に対する辞職勧告決議案を国会に提出した。丸山議員を除名処分とし、辞職を促してきた維新の協力要請に応じた形だ。一方、共同提案を持ちかけていた与党側は慎重な姿勢で、態度を保留した。

その丸山議員に対し、同日放送のAbemaTV『AbemaPrime』で「まず、一緒に診断を受けてみよう。一人じゃない。アルコールの問題を抱えている人は日本に何百万人といる。そういう仲間と一緒に道を歩んでみないか」と涙を浮かべて呼びかけたのが、元経産官僚の宇佐美典也氏だ。宇佐美氏は丸山議員と同じく東京大学経済学部に学び、経済産業省でも1年先輩に当たる。


今回の決議案の内容について宇佐美氏は「これまでの辞職勧告決議は、違法行為や不正行為が伴っていた。しかし今回は言論に対してのもの。もちろん戦争発言は憲法の趣旨に反しているが、単に糾弾するだけの決議案なら、言論の自由を保障した憲法の趣旨に反していると思う。私は彼に責任を取らせないといけないと思うし、辞職すべきだとも思っている。ただ、辞職した後の道が見えなければ辞職はできない。そして、彼の問題発言の背景には、お酒の問題があったことは間違いない。そこも含め、"あなたの将来のためにも議員を辞めたほうが良い"というメッセージを伴った決議案にすべきだった」と指摘する。

「今まで週刊誌に報じられたものもあるが、周りが隠してきたものもある。お酒を飲むと強気になってトラブルを起こすというようなことは学生時代から聞いていたし、経産省に入ってからもお酒絡みのトラブルで2か月間くらい普通の仕事をしていない時期もあった。経産省を辞めた原因の一つだと思う。2016年に禁酒宣言をしたのでやめたと思ったわけだが、今回のことで飲んでいたことが期せずして分かった。彼がアルコール依存症かどうか、医師の診断もないので現時点ではわからないが、飲み始めると止まらない"ビンジドリンカー"であることは間違いないと思う。本人は反省していると言っているが、本当に覚えているかどうかは疑問だ。"いつでもやめられるんだ"と言って、自分が依存症であることを否認するケースは多い。だから映像や音声が残っていたのは、彼にとっては良いことだと思う。プロが介入し、治療や回復に向けて説得するチャンスだ。ここで孤立させてしませば、その働きかけが困難になってしまう。少なくとも、医師の診断を受けかせてから除名処分にするべきだったと思う」。


経産省を退職後、ギャンブル依存症問題もコミットしてきた宇佐美氏。自身もギャンブル依存症に悩んだ経験を明かし、涙を堪えながら、次のように訴えた。

「私は大学4年生の時にパチンコにハマってしまい、経産省の内定をもらっていたのに留年してしまった。それでも経産省は"働きながらでいいから残りの単位を取れ。仕事で返してくれればそれでいい"とチャンスを与えてくれた。だから僕なりに克服し、どこまで仕事で返せたかは分からないが、一生懸命に働いた。そして、それが今に繋がっている。依存症の人というのは、周りに相談しても、大抵の場合"お前がしっかりしないから"と言われてしまう。でも、そんなことは本人が一番よく分かっているし、後悔もしている。だからこそ、蜘蛛の糸を垂らすことが組織として大事だと思う。やはり依存症の人が希望を断ち切られたら、依存していた対象に戻るしかない。日本維新の会は今まで"ちゃんと依存症対策をやるからカジノを作っても大丈夫"と言い続けた党。大嘘じゃないかと思う。身内の中にそういう疑いのある人が出てきたの場合どう対応すればいいのか、という模範を示し、社会の理解を深めるべきだ。それなのに維新は真逆のことをやっている。除名し、批判し、辞職勧告した。彼を排除し、どんどん孤立に追い込んでいる。今、丸山に電話しても通じない、出ない。どうしろというのか。もう酒を飲むか死ぬかしか道がないかもしれない。それは自民党も同様だ。あるいは、ギャンブル依存症を根拠に、国会でさんざんカジノに反対してきたは野党はどうなのか。かつて堀江メール問題で辞職した永田寿康という議員がいた。彼もそういうチャンスが与えられず、精神病になって最終的には自殺してしまった。彼は民主党の議員だった。立憲民主党の人たちは、あのときに何も学ばなかったのか。責任と向き合わせると同時に再生のチャンスを与えるということが依存症対策で最も大事なこと。やはりここは維新が中心となって、辞職勧告決議案を修正するなりして、ちゃんと責任をもって対応してほしい」。


テレビ朝日政治部デスクの足立直紀氏は「国会議員というのは有権者に与えられた身分なので、まずは自分で律しなさいというのが与野党問わず基本。だからこそ維新も除名にした段階で一段落、"あとは自分で辞めろよ"ということだと思っていた。ところが批判が止まなかったことから、都構想実現への流れを断ち切られたくないという考えがあったと思う。松井一郎代表に"何とかならないか"と言われた遠藤国対委員長が動き出し、立憲に相談が行き、立憲が野党に持ちかけるという形でトントン拍子で決まっていった。果たして野党の中で、議員の身分を奪うという重要性について、どれだけどこまで吟味したのかというのは甚だ疑問に感じているし、維新としても除名したから関係ないではなく、ちゃんと責任を取るところまで面倒を見なければいけないと思う」と話す。

その上で与野党の温度差について「今までに辞職勧告決議案が可決された議員は4人いるが、いずれも辞めなかった。丸山議員も辞めないとなると、国会の権威にも関わる。また、自民党が慎重なのは、国会議員の身分が憲法でも保障されている以上、それを奪うということは非常に重いという認識があり、これまで刑事事件に発展するようなケースでしか提出していない。丸山議員は小選挙区で6万人以上の有権者に選ばれた国会議員。発言自体は問題だが、辞職勧告にまで持っていくのは違うだろうという考えだ。もしそれが乱発されるようなら、今後も失言やスキャンダルで出すことになってしまう。与党であれば、野党の議員に対し"あいつ辞めさせたいから出しちゃえ"ということも可能になる。だから自民党としては慎重なスタンスだ」と説明した。


 作家の乙武洋匡氏は「国会議員であるべきはないとしっかりと意思表示をし、彼にも理解させ、私人に戻ったところで、"ただ、お前の人生、このままほっとくわけにはいかない。党職員という立場でやり直さないか"というのが然るべき順序なのではないか。それをせずに、いきなりなんとかしようというのは、有権者の理解も得られないのではないか」と話していた。

決議案の扱いは、週明けの21日に議院運営委員会で協議される見通しとなっている。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

【私の論評】辞任勧告決議は、どう考えても行き過ぎ(゚д゚)!

丸山議員の北方領土発言についてロシア側が怒っているというが、9年前、当時のメドベージェフ・ロシア大統領が「敗戦国のくせに領土を返せという国がある。戦争で捕ったものは戦争でしか解決しない」と言っています。ロシアはそれを十分分かっていてて丸山発言を非難しています。ロシアとはそういう国なのです。

日本のマスコミや、識者などは、このことはすっかり忘れているようだし、いかに丸山氏の発言の場がまずいとはいえ、ロシアの大統領が同じような発言をしてもあまり騒がなかったにもかかわらず、丸山議員が似たような発言をすれば、大騒ぎというのは、本当に典型的な二重基準だと思います。

ただ、お花畑の人々が多い日本では良く理解されていないようですが、丸山議員も、メドベージェフ大統領も実は国際法上の常識を語っただけなのです。

武力で奪われた領土や自国民を武力で取り返す事は国際法上認められています。しかし、これは、裏返せば「戦争で奪われた領土は、戦争で奪い返すしかない」ということです。

丸山議員は、この当たり前のど真ん中を言いたかったのかもしれません。ただし、報道されている内容をみるとたしかに不適切なところもあったことがうかがえます。

以下に発言の経緯を北海道 NEWS WEBから引用します。
【「戦争」発言の経緯】
日本維新の会の丸山穂高議員は衆議院の沖縄・北方問題特別委員会の委員で、「ビザなし交流」の訪問団の顧問として今回、北方領土を初めて訪問しました。 
丸山氏は今月11日午後4時すぎから国後島の古釜布でロシア人の家庭を訪問して食事しながら交流を深める「ホームビジット」に参加しました。 
この際、丸山氏は「たくさん酒を飲んだ」と13日の記者会見で説明しています。 
丸山氏は午後7時ごろ宿泊施設に戻ったあと、施設にある食堂で団員と話をしていたということです。 
訪問団の同行記者によりますと、午後8時ごろ、国後島出身で訪問団の団長を務める大塚小彌太さんに2人の記者が取材していたところ丸山氏が割って入り、記者の質問をたびたび遮ることがあったということです。 
そして丸山氏は、大塚さんに「戦争で島を取り返すことには賛成か反対か」「戦争しないとどうしようもなくないか」と、大きな声でただしたということです。 
これを受けて、12日昼、宿泊施設の食堂に団員が集まり、参加者の1人が「大きな声を出したり、話を遮るという行為はビザなし訪問という活動以前に社会的に許されないことだ」と指摘し、丸山氏に対し謝罪を求めました。 
これに対し丸山氏は「かなり酒が入っていて大きな声を出したり、話を妨げたりしてしまった。ご迷惑をおかけしたことをおわびします」と述べ陳謝しました。 
丸山氏は根室港に戻ったあと、13日、記者会見で、戦争で島を取り返すことの是非などを尋ねた発言について「団員にタブーなく考えを聞く中で、団長にも聞いたが、それが最善とは思っていない。交渉の中で国益を勝ち取るのが当然の話で、真意が伝わらなかった」などと述べました。 
その後、13日夜、東京都内で記者団に対し、発言をした際、酒を飲んでいたことを認めた上で、「誤解を与えてしまうような極めて不適切な発言で、特に元島民の方に対し、非常に配慮を欠いた形だった。一般論として話を聞いたつもりだったが、私自身がそう考えていると誤解を与えてしまうような状況だった」と述べました。
その上で、丸山氏は、「私の発言で、国益を損ねかねない状況になれば、真意ではない。 
心から、今回の発言を謝罪し、撤回させて頂く」と述べました。
以下に丸山議員の問題発言の録音を含む動画掲載します。



いずれにしても、場所柄をわきまえてはいなかったと思います。これが、国会の中での議論であったり、少なくともビザなし交流の場でなければ、私としては何の問題もなかったと思います。

動画で、発言内容を聞いた限りでは、丸山議員は「北方領土を取り返すために戦争すべきである」と直接言っているわけではないことがわかります。それに、酔っていたこともあって、話が途中で終わっているのか、それても途中までしか録音されていなのかはをかりませんが、丸山議員が単純に、戦争をして北方領土を奪い返すと思っているとは到底思えません。

当然言いたいことは他にあったと思います。私としては、おそらく私が以前このブログ記事に掲載したように、中国が新冷戦で弱体化したときには、かつての中ソ対立のように、中露対立が再燃し、中露国境紛争が再燃する可能性があり、そうなると当然のことながら、ロシアは弱体化するはずであり、そのときこそが、北方領土交渉の好機であるというものに近いことを考えているのではないかと思います。

ここでは、詳細はに述べません。興味のあるかたは、以下に当該記事のリンクを貼っておきますので、そちらをご覧になってください。
対ロ交渉、長期化色濃く=北方領土の溝埋まらず―【私の論評】北方領土は今は、返ってこなくても良い(゚д゚)!
    河野太郎外相は16日(日本時間17日)、ロシアのラブロフ外相と、
    平和条約交渉の責任者に就いてから2度目となる会談に臨んだ。

丸山議員には、本当は何を言いたかったのかを明らかにするための説明責任があると思います。

以上のような経緯から、私自身は、日本維新の会から除名処分を受けたこと自体は致しかたないとこがあるとは、思いますが、議員辞職決議までもっていくのは非常に問題だと思います。

自民党が丸山氏への議員辞職勧告に慎重なのは、氏の発言を擁護してのものではないです。罪を犯したわけでもないのに、簡単に議員辞職勧告が出されるようになれば、将来への禍根を残す可能性があるからです。

自民党が決議案に賛成して可決されると、今後は決議案が失言をした閣僚らに対する野党の追及材料になりかねないです。一方、野党も安易に考え過ぎです。今回決議案が通って、実際に丸山議員に勧告が出されば野党側にも将来不都合なことが起こりえます。

たとえば、野党議員が不適切な発言を行えば、今度は与党側から、辞任勧告決議案が出され野党議員に辞任勧告が出されることになる可能性もでてきます。この場合、与党は多数派ですから、確実に勧告が出されることになります。野党議員は、この危険性に気づいていないようです。日本の将来を考えない無責任な態度は、政治家としての資質を疑われても仕方ないです。

これにより、何度も辞任勧告を出された議員は、それこそ議員をやめなくても、レイムダックになってしまうということも十分に起こりえます。政敵を倒すために、政権与党がこの手を頻繁に使うようになれは、野党自体が最初から無力になってしまう危険性もあります。このような危険性に気づかない野党は非常に問題だと思います。

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2017年3月21日火曜日

「自衛隊が来たら婦女暴行事件起きる」FBに投稿した石嶺香織・宮古島市議に辞職勧告 宮古島市議会、賛成多数で可決―【私の論評】自らの主張が多くの住民に受け入れられないなら、主張を変えるか、そもそも市議になるな(゚д゚)!

「自衛隊が来たら婦女暴行事件起きる」FBに投稿した石嶺香織・宮古島市議に辞職勧告 宮古島市議会、賛成多数で可決

石嶺香織市議
宮古島市議会は21日午前、石嶺香織市議(36)に対する辞職勧告決議を賛成多数(賛成20、反対3、欠席1)で可決した。

 石嶺市議は9日に自身のフェイスブック上で、「海兵隊から訓練を受けた陸上自衛隊が宮古島に来たら、米軍が来なくても絶対に婦女暴行事件が起こる」などと自衛隊配備に反対。

 さらに「宮古島に来る自衛隊は今までの自衛隊ではない。米軍の海兵隊から訓練を受けた自衛隊なのだ」として、陸上自衛隊がカリフォルニアでの演習に参加した際の写真を添付した。

 これに批判が殺到したため、弁明する投稿をしたが、再び批判を受けたため、2つの投稿を削除した。

 決議では「投稿は自衛隊員、米海兵隊員に対する職業的差別であり、断じて許すことができない暴言と言わざるを得ず、市議会の品位を著しく傷つけるものだ」などとした。

 宮古島市議会で辞職勧告決議が可決されるのは初めてという。

 石嶺市議は議会で「私は議会が選んだ議員ではない」などと述べ、辞職を拒否した。勧告に法的な拘束力はない。

【私の論評】自らの主張が多くの住民に受け入れられないなら、主張を変えるか、そもそも市議になるな(゚д゚)!

石嶺香織市議とはどのような人物なのかまずは、調べてみました。それを以下に掲載します。

石嶺香織市議の出身地は福岡県です。筑紫女学院卒業後大阪外国語大学に進学しました筑紫女学院卒は福岡の方ならご存知の方も多いかと思われる女子高です。

少しお嬢様のイメージもあり学力も比較的高い有名私立です。

石嶺香織市議は筑大阪外国語大学を中退しますが、しばらくは大阪にとどまり豊能障害者労働センターというところで勤務していました。その後2008年に宮古島に移住しました。

移住の動機は、宮古島の伝統宮古上布を学ぶためだそうです。結婚してご主人と3人の子供さんがいます。

石嶺香織市議のFBも調べてみましたが、ブログ冒頭の記事にもあったように、FB上で問題のある発言をしたためか、現在はかなり削除された模様です。以下に、そのFBのリンクを掲載しておきます。


一番上のお子さんが5歳とのことなので結婚を機に宮古島に移り住んだというわけではなさそうです。

その後2017年1月に議員に当選しました。その時の公約は、公約内容は、陸上自衛隊配備反対、地下水を守ることでした。そうして、わずか2か月足らずでの問題発覚となりました。

ブログ冒頭の記事にもあるように、石嶺香織市議に対して宮古島市議会初となる辞職勧告が行われました。しかし、本人は辞任を拒否していることと、辞任勧告には、法的拘束力もないのでこのまま任期が終了するまで議員を続ける可能性が高いです。

市議の基本的な任期は4年です。しかしは石嶺香織市議は補欠選挙での当選なので任期は平成29年11月12日までです。

石嶺香織市は、「石嶺かおり後援会~てぃだぬふぁネット~」という団体の後援を受けています。

この団体のホームベージも存在してまいす。そのベージのリンクを以下に掲載します。


FBのページもあります。そのページのリンクを以下に掲載します。


石嶺香織市自身のFBの投稿は今回問題になったものを含めて、多くのものが削除されていますが、この団体のものはまだ多く残っており、おそらく石嶺市議自身の謝罪の投稿も掲載されています。ただし、問題となった投稿は掲載はされていません。

この団体は宮古島への陸上自衛隊配備に反対する母親たちを中心に作られました。現在は石嶺香織市議の「講演会」になっているところから考えると、かなり前から議会にこの団体のリーダーとなる方を当選させようという考えや準備があったようです。

このような後援会が存在することからも、そう簡単に石嶺香織市が辞職するようなことは
ないかもしれません。

さて、以下に問題となったFBの投稿掲載します。これはサイトに掲載されていたものを引用したものです。


確かに、この投稿は、酷いです。この投稿は確かに「自衛隊員、米海兵隊員に対する職業的差別であり、断じて許すことができない暴言」としかいいようがありません。それに、明らかに宮古島に自衛隊員が駐屯することに対して反対しています。

これに対する釈明の投稿もありましたが、それも削除されています。その内容を以下に掲載します。



この投稿も、全く釈明になっていません。

それにしても、このような議員の存在も現在ではネットで全国どこにいても知ることができます。本当に良かったです。ネットで調べることができない時代の場合、このような議員の存在も放置されていたかもしれません。

以下に、宮古毎日新報のサイトに掲載されたこの出来事に関する記事のリンクを掲載します。
「陸自来たら婦女暴行起こる」
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、以下に一部を引用します。
 石嶺氏の投稿を受け、宮古地区自衛隊協力会(野津武彦会長)などは、12日に会合を開き、今後の対応を協議した。

 野津会長は13日の本紙の取材に「自衛隊に対する侮辱的発言だ。黙って見過ごすわけにはいかない」と述べ、法的措置も視野に今後の対応を検討する方針を示した。

 全国の宮古島出身隊員は陸・海・空合わせて275人。その家族で構成している宮古地区自衛隊家族会の池村英三会長は「家族として侮辱された感じ。議員は発言に責任を持つべきだ」と話した。

 防衛省が進めている宮古島市への陸上自衛隊配備計画では部隊の人員規模は700~800人の予定。

 石嶺氏は、宮古島市への陸自配備反対や命の水を守ることなどを公約に掲げ、今年1月22日に行われた市議会補欠選挙で7637票を集め初当選した。

 石嶺氏の投稿を巡っては、市議会事務局に10日と13日にあわせて約25件の内容を批判する電話のほか、市民からの相談などを受け付ける市民生活課には10日だけで3件のメールがあったという。
以下に、宮古島に自衛隊を駐屯させる意図について掲載します。

宮古島は、沖縄本島から南西に約290kmに位置し、南西諸島西部の宮古列島に属し、先島諸島の一部を成しています。

その宮古島と沖縄本島との間にある宮古海峡は、東シナ海と太平洋を隔てる要衝です。宮古島には現在、中国軍の動向を知る上で不可欠な航空自衛隊のレーダー基地である宮古島分屯基地が置かれ、南西諸島に接近する航空機を監視しています。

また、下地島には3千メートル級の滑走路をもつ下地島空港があり、戦闘機の運用も可能です。

太平洋への進出を目指す中国軍にとって、宮古島を含む境界線上の島々は第一列島線と表現され戦略上重要視されています。

宮古島の位置
特に、宮古海峡は最短で太平洋に進出できる出口として、重要視されているのです。

今回の計画では、宮古島に700~800人規模の陸上自衛隊ミサイル部隊などを配備する方針です。

配備予定の部隊は、警備部隊に加え、航空機を撃墜する地対空ミサイル部隊、軍艦など大型船を迎撃する地対艦ミサイル部隊などで構成された本格的な戦闘部隊となるようです。

中国軍は近年、宮古島周辺の海空域を太平洋への出入り口として、航空監視などの動きを活発化させています。

計画通り部隊を配置すれば、高い抑止効果が期待できます。

部隊配備の狙いは中国の海洋進出に対応するだけでなく、尖閣諸島などの離島防衛を強化するためのものです。

順当にいけば、2018年度末までに7〜800人規模の部隊が宮古島に発足することになります。

宮古島への自衛隊の駐屯は、尖閣諸島などの離島防衛を強化するためのものなのです。

石嶺香織・宮古島市議は、このように我が国の安全保障上に重要な宮古島への自衛隊の駐屯を反対する立場なのです。

無論今の日本は言論の自由があります、自衛隊の駐屯に反対するという意見もあります。だからこそ、市議に当選できたのだと思います。

しかし、自衛隊の駐屯に反対であるということと、婦女暴行事件が起こるということは直接関係はありません。

私としては、「支那を刺激することはやめるべきだ」というような主張であれば、無論私はこれには反対ではありますが、このような主張ならば今回のような大きな騒ぎにはならなかったと思います。

おそらく、これが、石嶺香織市議の本音なのでしょう。しかし、今や支那の脅威は、左右・上下などに関わらず明確なものになっています。

一昔前と違い現在の日本ではこのような主張はなかなか受け入れないですし、今年1月22日の宮古市長選挙では、保守系の下地敏彦氏が革新系でオール沖縄を掲げる元県議の奥平一夫氏(67)=民進推薦=、前市議会議長の真栄城徳彦氏(67)、医師の下地晃氏(63)=社民、社大推薦=の無所属3人を破り、3選を果たしています。

3選を決め、支持者らとバンザイする下地敏彦氏(中央)=22日、下地氏の選対本部
このような状況から「支那を刺激するべきではない」などと主張すれば、市議としての地位もゆるぎかねない状況なので、それよりも多くの人々の情感に訴える、それも激しく訴えるような表現で、今回のようなことをしでかしてしまったのでしょうが、これは全くの逆効果になってしまったようです。

市議の立場では、自らの主張が多くの住民に受け入れられないというのなら、主張を変えるしかありません。そもそも市議になどならなければ良いのでしょうが、それでも自らの本来の意図を隠してでも、自分の主張を通したいということなのでしょう。

しかし、これでは本来の議員の仕事をまともに実行しているとは思えません。本来は、辞職勧告を素直に受け入れるべきだったと思います。

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