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2018年6月27日水曜日

中国で元軍人デモが拡大 数千人集結、強制排除でけが人―【私の論評】退役軍人への権利や尊厳が守れない状況では、強軍化の夢どころか体制の根底を揺るがしかねない(゚д゚)!


中国江蘇省鎮江市で目撃者が撮影した、集会の最中に座り込む退役軍人ら(月22日撮影、25日公開)

 中国各地で元軍人らが待遇改善を求めるデモが拡大している。江蘇省鎮江市では数千人規模のデモが発生し、治安当局による強制排除でけが人が出たもようだ。人民解放軍が介入の準備を進めているとの報道もある。

江蘇省(地図の赤い部分) 図表写真はブログ管理に挿入 以下同じ

 鎮江でのデモは今月19日に市政府周辺で始まった。中国南部在住で、デモを支援する元軍関係者の男性(60)は産経新聞の取材に対し、現地に集まった元軍人の数を「4千人程度」と推測。22日から23日にかけて行われたとみられる強制排除でデモ参加者にけが人が出たことも認めた。排除にあたったのが人民武装警察部隊(武警)か、現地の警察部隊かは不明という。

 強制排除を受けて全国各地の元軍人が鎮江へ応援に向かったが、24日以降は当局が元軍人らの移動を厳しく取り締まっている。四川省を出発した数百人が河南省・鄭州の鉄道駅で拘束されたほか、鎮江周辺の高速道路では検問が行われ、元軍人らの市内への移動を阻止しているという。


 インターネット上では鎮江で起きたデモ関連の書き込みや画像などが次々と削除されている。ただ、元軍人らが国旗や共産党旗などを掲げて警察官らに抵抗しながら行進したり、地元住民が水や食料を差し入れる様子を映した動画も拡散している。

香港紙・星島日報は、デモ参加者が近くの校舎に30時間近く拘束されたり、入院先の病院で2日間食事が与えられなかったケースがあったと報道した。また軍が介入する可能性も伝えている。

 米政府系メディア、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が現地住民の話として伝えたところでは、市政府の周辺道路と、強制排除で負傷した元軍人を収容している病院には警察や私服警官が多数配置されているという。

 中国では6月上旬、河南省●(=さんずいに累)河市でも元軍人による数千人規模のデモが発生。中旬にも四川省中江県で、中越戦争で障害を負った元軍人が自宅で警察官に暴行され、それに抗議する数百人規模のデモが行われた。

 中国の退役軍人の数は約5700万人に達するとされ、その待遇をめぐって不満の声が高まっている。中国社会の不安定化につながりかねない問題であり、習近平指導部は退役軍人への保障強化を掲げて4月、国務院(政府)に「退役軍人事務部」を発足させた。

 ただ元軍人らへの保障の多くは財政が逼迫する地方政府に任されており、問題解決の糸口は見えていない状態だ。

【私の論評】退役軍人への権利や尊厳が守れない状況では、強軍化どころか体制の根底を揺るがしかねない(゚д゚)!

中国では、ついこの間、全国のあちこちでトラック運転手の大規模ストライキが起きたばかりです。これについては、このブログでもお伝えしました。

今度は、元軍人たちのデモが起きました。29年前の学生運動とは違って、労働者や元軍人たちが連帯的な反抗活動を始めたことは、「天下大乱の兆し」と見ることができるでしょう。

この軍人の大規模デモは、何も最近ふってわいたわけではなく、2016年にもありました。これについては、このブログにも掲載して解説しています。当時は、あのような大規模なデモは初めてだったので、習近平の権力掌握がうまくいっていないのではと、囁かれました。

さらに、ごく最近でも今年の2月の時点ですでに発生していました。大紀元は、この出来事のついて以下のように伝えています。
中国退役軍人が待遇改善で再抗議、「両会まで続く」=元軍人
 中国の20以上の省から上京した退役軍人は2月22日から24日まで、当局に対して待遇改善政策の実施を訴え大規模なデモを行った。一人の退役軍人は大紀元に対して、3月の全国人民代表大会と全国人民政治協商会議(両会)が開催されるまで、各地の元軍人は今後数回分けて、主要政府機関前でデモを続けていくと話した。 
 米自由アジアオ放送(RFA)によると、現地時間22日に約1万人の退役軍人は、北京市の中国共産党中央紀律検査委員会(中紀委)ビル前で集まり迷彩服を着用し整列しながら、当局が約束した待遇改善政策を着実に実施するようと陳情した。23日早朝に北京警察当局に鎮圧された。その後、退役軍人らが交流サイト(SNS)を通じて、全国各地の元軍人に応援を呼び掛け、24日に各地から駆け付けた一部の元軍人は天安門広場で再びデモを行ったが、また鎮圧された。
今年2月の北京での元軍人によるデモ
 湖北省襄陽市出身の退役軍人の王さんは大紀元に対して、「今回3日間は2万人以上の退役軍人が陳情に参加した。彼たちは2つのグループに分けて北京に入った。両会が開催するまで、第3グループ、第4グループ、第5グループと次々と北京に入るだろう」と話した。 
 中国当局は、退役軍人は社会安定を脅かす者とし、取り締まりの対象と見なしているため、各地の警察当局は地元の退役軍人に対して監視などを強化している。 
 このため、王さんの地元の襄陽市では約50人の退役軍人が24日の応援のために北京に入ろうとしたが、北京に向かう途中で地元の警察当局に阻まれて、北京に入られたのは10人だけだったという。王さん自身も途中で、王さんを尾行した4人の私服警察らに止められた。 
 それでも、王さんは「必ず北京に行く。第3グループに間に合わなかったら、第4グループに参加する。われわれの待遇が改善されない限り、北京でデモを続けていく」と述べた。 
 RFAの報道によると、22日から24日のデモに参加した退役軍人の大多数はすでに地元に強制送還された。また一部は北京市にある地方からの陳情者を拘留する施設に送られた。当局が鎮圧する際、元軍人らを殴打し暴行を加えた。また、当局は北京火車駅で、地方から上京した迷彩服を着る人に対して身分証検査を強化した。
ブログ冒頭の記事にもあった、退役軍人事務部の設置は習近平の肝入りであり、一般の傾向としては、こうした退役軍人問題の責任は習近平の手中にある、という形で、今回の事件の矛先は習近平政権批判に向かいつつあります。


1989年の天安門事件で失脚し、2005年に死去趙紫陽の元秘書、鮑彤は「警察力によって、(退役軍人の)正当な権利を粉砕すれば、(習近平)新時代の社会矛盾が消滅したり緩和したりするとでもいうのか? これが(習近平のスローガンである)治国理政の新理念新方向なのか?」と習近平政権批判につなげています。

鮑彤氏

さて、この事件の背景はまだ謎です。ですが、香港の民主化雑誌「北京の春」の編集長・陳維健がやはりツイッターで興味深いコメントをしていました。
"今回のデモの現場の鎮江は江沢民の故郷の揚州のすぐ隣の地方都市だ。デモと江沢民が関係あるかはわからないが、鎮江政府は(軍による鎮圧という)軽率な対応をしてはならなかった。…退役軍人問題は習近平自身の手中にあり、官僚たちは自分に責任の火の粉がかかるのを恐れて、行動したがらない。この問題を解決するには必要予算があまりにも大きく、鎮圧するにはリスクが高すぎる"
これはには、習近平の宿敵ともいえる江沢民が何らかの形でかかわっているのかもしれません。

また、一部SNS上では、国家安全部二局(国際情報局)がこの事件の背景を調査するために現地入りしたというまことしやかな噂も流れています。中国当局は海外の情報機関の工作を疑っているのでしょうか。

いままでのところ、中国政府からこの事件に対する詳報はなく、多くのがネット上のSNS発情報を引用したものであり、何が事実で、何がデマなのかはまだわからない状況です。

しかし、退役軍人デモが頻発していることは事実です。日本では2016年10月に北京で行われた数千人規模の退役軍人デモのみが大きく報道されましたが、それ以前もありましたし、それ以降も増え続けているのです。2017年も相当規模のものが少なくとも4件はありました。

習近平政権としては退役軍人デモには、他のデモとは違う「話し合い姿勢」を見せており、今回のような武力鎮圧事件に発展したことは意外感があります。習近平の判断というよりは、偶発的な事件をきっかけにした鎮江市の対応の誤りが引き起こした騒動といえそうですが、今後の中央の対応次第では、本当に1989年の六四天安門事件再来の可能性も否定できないと思います。

トランプ米大統領は3月28日、自身のツイッターで退役軍人省のシュルキン長官を解任することを発表し後任には大統領の主治医ロニー・ジャクソン氏を指名しました。退役軍人省は事務手続きが煩雑であることや期間が長すぎということで、退役軍人にはかなり評判が悪い官庁でした。

これを、トランプ大統領は根本的に変えようとしました。はやい話が仕事をしなけば、役人をすぐクビにできるようにしたのです。さらに、効率を良くするために民営化することも検討しているといいます。

とにかく軍人に対して、手厚い支援を積極的にしようという姿勢が見られます。なぜそうなのかといえば、やはり大統領選挙のときに米軍票がかなり大きな役割を果たしたからです。とくに、軍のある程度上のランクの軍人はヒラリー・クリントンを蛇蝎如く嫌っており、軍人誌には、「ヒラリー・クリントンは中国のスパイである」という記事が掲載されたくらいです。

だからこそ、トランプ大統領は、軍人に対する手厚い支援を心がけるのです。これに対して、習近平はどうなのかといえば、元軍人がここ数年は、毎年大規模なデモをするというのですから、トランプ大統領ほどには軍人を大事にはしていないのでしょう。

さらには、中国ならではの特殊事情もあります。そもそも、上記では元軍人という言葉を掲載しましたが、中国には米国のような軍隊は存在しません。

確かに、人民解放軍は核武装までしている軍事組織であることには違いないです。しかし、これは国民を守るための軍隊ではありません。憲法上の定めも、そうはなっていません。あくまで、共産党の下に配置されています。はやい話が、人民解放軍の中国の軍隊ではなく、中国共産党の私兵といっても良い存在なのです。

人民解放軍の使命は、まず第一に共産党を守ることです。そうして、他国に侵略したり、他の公安警察(日本の警察にあたる)などの公権力では力不足で対処できない人民の暴動などを鎮圧・弾圧することです。

さらに、驚くことにこの組織は、大規模な武装をしていながら、独自で様々な事業を営んでいるという不思議な組織です。日本でたとえると、商社のように様々な事業を営んでいます。

人民解放軍の実体は、軍隊ではなく、共産党の私兵であり商社でもある

日本でいえば、商社が武装したような組織が、人民解放軍なのです。そうして、この武装商社は、様々な事業を営んでおり、人民解放軍の幹部は様々な利権を我が物にし、部下もその利権によって様々な面倒をみていました。面倒をみてもらった軍人は、幹部に忠誠を誓っていたのです。

さらには、軍隊内でもさまざまな汚職や、おかしな慣行がはびこっていました。たとえば、ある程度上まで昇進・昇格するには、幹部に対する賄賂が欠かせないという信じがたい慣行もあったりしました。

しかし、習近平は、軍隊のこのような腐敗を撲滅しようとして、かなり多くの幹部らを粛清しました。たしかに、腐敗を撲滅するというのは良いことのようですが、先にも掲載したように、腐れきった組織を是正するには、それなりの準備をして、ある程度の時間をかける必要があったのですが、米国の退役軍人賞にあたる、退役軍人事務部の設置は今年の3月です。

本来なら、もっと早く設置して、具体的に退役軍人に対してどのような支援をしていくのか、明確にすべきでだったでしょう。しかし、民主化も、政治と経済の分離も、法治国家もされていない中国では、このように後手後手にまわってしまったのです。

習近平政権は今世紀半ばまでに、戦争に勝利でき党に従う一流の近代軍隊を作るという強軍化の夢を掲げて軍制改革に踏み出しました。しかし、退役軍人への権利や尊厳が守れない状況で、誰が命をかけて党に忠誠を尽くそうというのでしょうか。このままでは、強軍化の夢どころか、体制の根底を揺るがしかねないです。

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2018年2月7日水曜日

【米国:意見】トランプ政権1年目を考える:退役軍人であり、アフリカ系アメリカ人であり、母親として―【私の論評】トランプ大統領を色眼鏡ではなく等身大で見るべき(゚д゚)!

【米国:意見】トランプ政権1年目を考える:退役軍人であり、アフリカ系アメリカ人であり、母親として

Fox News by Kathy Barnette 2018/01/20】

キャシー・バーネット 写真はブロク管理人挿入 以下同じ
2018年1月20日でトランプ大統領就任一年を迎えました。アメリカの政治において他に類を見なかったこの365日間を振り返ってみました。

2017年1月20日にトランプ大統領が就任の宣誓をしてから多くの事が変わりました。しかし一つだけ絶えず続いている事があります。それは左派、多くの民主党支持者、マスコミ関係者、そして一部の共和党支持者だと称する人々から大統領に向けられる、大統領に対する怒りと誹謗中傷です。未だかつて、これほどに人格攻撃と非難を受けた大統領は殆どいません。

トランプ大統領は、「無能」「人種差別主義者」「精神疾患持ち」「ボケている」「汚職政治家」だと批難を受けました。ロシアと共謀をして選挙に勝利した疑いで捜査が行われていますが、この捜査も長引き終わりが見えないのです。

彼に対する反対はあまりにも病的で、ライター兼コメディアンのジェン・スタッツキー(「Late Night with Jimmy Fallon」「Parks and Recreation」「Broad City」の番組のライター)は「トランプを支持している人は、子供を取り上げられるべき」などとツイートをした位です。


トランプ政権が発足してから1年が経ちました。私は、この国を率いるためにアメリカ国民によって選ばれた彼を支持する事についてよく考えてみました。 黒人女性として、母親として、退役軍人として彼を支持し続ける事は果たして正しい事なのだろうか。批判している人たちが言っているほど彼は果たして酷くて極悪な人なのだろうか。彼のアイディアはいい加減で危険なのか。私が愛するこの国を傷つけているのか。

彼を支持する事によって私について何かいわれるだろうか。これ程嫌われている人を支持する事によって自分の誠実さと信条を曲げる事になるのでしょうか。トランプ支持でありながら良い人間でいる事が可能なのでしょうか。

トランプ大統領のツイートだけではなく政策を吟味したところ、私は大統領を支持しながらも自分の人生を誠実に生きる事が出来ると確信しました。

その理由を教えましょう。

まず黒人女性として、黒人コミュニティにおけるトランプ大統領の貢献はおおむねポジティブなものだと思っています。
2016年にドナルド・トランプ氏に投票した人々同様に、私は彼の選挙集会に何回も出席をしました。これほどに温かく迎えられた事は、今までありませんでした。その晩の間、私の子供たちは親代わりの人、叔父、叔母、従兄弟が出来たかのようで、アメリカ人として誇りと激昂に包まれていました。

これらの個人的な逸話以上に、トランプ大統領が黒人コミュニティに及ぼした影響を示す確実なものがあります。昨年12月の黒人失業率は6.8%に落ちました。これは過去45年間のうち、最も低い数値で、1%も減少しました。つまり、黒人の雇用がおよそ48万件増えたということです。これはただの数値の話以上に、これにより人生が変わった人々の話なのです。

更に、黒人と白人の失業率の差(黒人の失業率と白人の失業率を引いた数字)が3.1%に縮まり、記録上最小となりました。黒人の失業率が白人の失業率と同じになって欲しいかといえば、もちろんそうです。オバマ大統領もそのように望んでいたと思います。ですが、トランプ大統領の元で私たちは正しい方向に進んでいて、人種間の失業率の格差がなくなる事を願っています。

それに加えてトランプ大統領が署名した減税についての政策は、企業によるアメリカへの投資、雇用促進、賃金の上昇を目的としています。それによって、株価は上昇し、100以上もの企業がトランプ政権による減税と大幅な規制緩和によってボーナスや手当を支給する事が出来ました。

これら全ては皆のためになる強い経済へと結びついています。昔から伝わる名言には、「雇用主なくして雇用される側はなし」と「満ちてくる潮は全ての船を浮かび上がらせる」というのがあります。

次に、退役軍人としてトランプ大統領の退役軍人における貢献がポジティブなものだと思っています。

この国では退役軍人が2000万人以上います。非常に残念なこと、一日平均22人の退役軍人が自ら命を絶っています。退役軍人として、この酷い数字は心が痛むものです。健康保険や税の改革では駆け引きが行われてきたものの、VA(退役軍人省)の意見は妨害されませんでした。

退役軍人長官のデービット・シュルキンは、重要な事柄を前進させ、政党間の意見の違いを乗り超える事に成功しました。退役軍人は今までよりも迅速に手当を受け取っています。障害給付金を受け取るのに125日以上待っている退役軍人は611,000人から86,000人に減りました。

復員軍人援護法はほぼ永久的になり、これにより退役軍人はタイミングによる制限を受ける事なく、政府からの支援を受けながら教育を受ける事が出来るようになりました。

更に、トランプ大統領の元で成立された新しい法律によれば、退役軍人省の従業員で成績不振と不始末によって退役軍人の待遇を損ねた場合に解雇する事が可能になりました。退役軍人省はまだ問題がありますが、著しい進歩を遂げているのが目に見えます。これらの政策は良いものであり、決断力に満ちたリーダーシップを反映しています。

最後に、母親としてトランプ大統領の貢献が私の子供たちにとって有意義なものになったと思っています。

安全保障は、夜寝る前に全てのドアの鍵をかけるのと同じくらい重要な事だと思っています。誰が私の家に入るのかを知る権利があるように、誰が私の国に入国するのか知る権利があるのは極めて筋が通っていることだと思っています。

トランプ大統領の70項目にわたる移民制度計画を読みました。母親として、他者を死亡させた罪に問われた人が釈放されるという、時代錯誤の制度を撤廃する事の何が反米的なのか理解に苦しみます。

酒酔い運転の前科がある不法滞在者が起こした交通事故によって、唯一の子供を亡くした母親と話した事があります。私は、同じ母親として、子供を一人でも犠牲にする事は出来ません。だからこそ私は、トランプ大統領が複数の酒酔い運転の前科がある不法滞在者の強制送還が出来るよう、強制送還の条件の拡大を支持する事が恥ずかしいとは思っていません。

反社会的集団のメンバーが、移民としての恩恵を受ける事を阻止する事の何が間違っているのでしょうか。なぜ私たちはそれを税金で賄わなければいけないのでしょうか。私は、南方の国境に壁を作るという案も含めて、トランプ大統領が掲げた70項目の全てが合理的で必要な事だと思っています。アメリカを再び安全な国にするための沢山のステップのうちの最初のステップだと思います。

思い出して頂きたいですが、家の外にいる人々が嫌いだからドアに鍵をかけるのではありません。私たちは、家の中の人々を愛するからこそ家の鍵をかけるのです。それすらしないというのは、私たちに託された義務、すなわち家族と国を守る義務を放棄する事になるのです。

これらの事を踏まえて、私はトランプ大統領を支持しつつ、良き人間であり続ける事が出来るという結論に至ったのです。彼は完璧な人間でしょうか?彼の言動やツイートの全てに満足しているのでしょうか?もちろんそうではありません。他の全ての人間同様に、彼にも欠点はあります。

ですが、選挙というのは完璧な人間を選ぶためにあるのではありません。立候補している人々の中で最も適切な人を選ぶためにあるのです。トランプ大統領在任の一年目を振り返って、2016年の大統領候補者のうち、より良い候補者だったという私の確信は揺るぎません。

【私の論評】トランプ大統領を色眼鏡ではなく等身大で見るべき(゚д゚)!

上の記事、数字などのエビデンスも加えて、まともな記事です。この記事は、米国内でもかなり話題になりました。日本のマスコミも、米国のマスコミの受け売りで、「無能」「人種差別主義者」「精神疾患持ち」「ボケている」「汚職政治家」というような報道ばかりを繰り返しているようです。

しかし、これは、日本国内にみられるように「アベ政治を許さない」というスローガンをかかげるリベラル・左翼の主張とあまり変わりありません。

そうして、米国の場合、大手新聞はすべてリベラル・左派、大手テレビ局はフォックスTVを除いてあとはすべてリベラル・左派という状況であるため、日本よりも偏向しているかもしれません。

日本でも、産経新聞などを読まないで、朝日、読売、毎日新聞だけ読み、その他の情報源はテレビだけということになれば、相当偏向するのは容易に想像がつくというものです。

だからこそ、上のFOXニュースの記事は、日本でももっと読まれるべきだと思いましたので、本日掲載させていただきました。

上のニュースでは、経済や黒人の雇用が良くなっていることが掲載されていましたが、退役軍人の待遇がかなり改善されたのいうのは一つの注目点です。移民政策に関しても、オバマ時代には似たようなことをしていても何も言われなかったのが、トランプ大統領になると米マスコミはヒステリックに批判を繰り返すようになりました。

実は、軍人にはトランプ大統領の支持者が多いのです。軍人の中には、ヒラリー夫妻を蛇蝎のごとく嫌う人々も多いです。このようなこともあり、トランプ大統領は、退役軍人の待遇改善を強力に推進したのでしょう。

汚れ放題のヒラリー・クリントンは無視し、トランプの服の
シミを拡大して見ているメディアを風刺する米国の風刺画
1月20日、トランプ政権が誕生してから1年が経過しました。日本ではトランプ氏の過激な言動や「ロシアゲート疑惑」が報じられることが大半で、経済面等はあまり報道されません。大規模なインフラ投資や減税など、選挙中に訴えていた公約がどれほど進行しているのかがよくわからなくなっています。実際のところ、トランプ大統領になってから米国の経済はどのように変化したのでしょうか。

まず「大規模なインフラ投資を行う」という公約については、現時点では計画すらも立てられていません。議会の多数派にインフラ投資の法案を通すように「工作」している兆候も見られません。ちなみに「メキシコとの国境に壁を作る」という誰もが耳を疑った公約は徐々に進んでいて、'17年10月にいくつかの壁の「試作品」が公開されました。

次に「大型減税を行う」としていた点については、一定の成功を収めています。議会は'18年から、35%だった法人税率を21%に引き下げる大型減税法案を可決しました。個人所得税の最高税率も39・6%から37%に下げ、控除額も2倍に増やします。

それが達成されれば、全体の減税規模は10年間で1・5兆ドル、年間円換算で17兆円となります。この減税規模は、過去最大とされた'01~'03年の「ブッシュ減税」を上回るものとなります。

国内の経済状況は比較的良好です。実質経済成長率は3・2%('17年7~9月期)、失業率は4・1%('17年12月)、インフレ率は2・1%となっていますが、1年前にはそれぞれ2・8%、4・7%、1・3%だったので、文句をつけられないほど調子がよいです。

CPI(物価指数)、Civilian Unemployment Rate(失業率)、
10-Yr.Treasury Rate(10年国債金利)、IP(鉱工業指数)、
Payroll Employment(雇用者増加数)
部分的にはオバマ政権の成果とも考えられますが、その好調さを維持してきたトランプ政権の経済運営能力は十分にあるといえます。

今後大型減税が実施されれば、堅調な経済はさらに長く維持される可能性が高いです。仮に連邦準備銀行(FRB)が利上げをしても耐えられるだけの力をつけているでしょう。

株価については、昨年1月20日のニューヨーク・ダウ平均株価は19827・25ドルでしたが、今年1月19日には26071・72ドルと1年間で3割以上も上昇しました。

ただし、ご存知のように、最近株価はかなり落ちましたが、これは健全な調整とみるべきでしょう。これについては、ここで掲載すると長くなるので、以下にこれについて詳しく説明しているサイトの記事のリンクを掲載します。
米国の株価下落は、健全な調整
いずれこの株価の下落もおさまり、一定のところで落ち着くものと思われます。

とはいえ「口は災いの門」のようで、トランプ大統領の支持率は1月18日時点で37%と決して高いとはいえません。それでもトランプ大統領の支持層は強固なため、一定の支持率は維持できています。これはほかの大統領にはなかった特徴です。

トランプ政権は、対外的な評判もあまり良くないです。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やパリ協定からの離脱は明らかにアメリカのエゴを見せつけるもので、世界からの顰蹙を買いました。そのトランプ大統領が、最近ではTPPに復帰する可能性を示唆しています。

アメリカ経済の好調のメリットをもっとも受けるのは日本です。世界から好まれていないトランプ政権ですが、期待したい一面も備えています。

今後国内景気の安定をこのまま継続できれば、トランプ政権はまずまずと言って良く、これから比較的安定した政権となることが十分考えられます。

いずれにしても、米国のリベラル・左派の撒き散らすトランプ批判をそのまま垂れ流す日本のメディアの論調をそのまま信じ込んでしまっては、物事の本質を見誤ってしまうことになります。

無論トランプ大統領も人間ですから、強みも弱みもあります。トランプ大統領を色眼鏡ではなく等身大で見るべきです。そうして、長所に着目すべきです。これは、マネジメントの世界でも同じことがいえますが、人を見るときには、強みに着目すべきなのです。これは、経営者をみるときも、大統領をみるときも同じことです。



ドラッカーは経営者の資質について以下のように語っています。
いかなる教養を有し、マネジメントについていかなる教育を受けていようとも、経営者にとって決定的に重要なものは、教育やスキルではない。真摯さである。(『現代の経営』)
経営者にとってできなければならないことは、そのほとんどが学ぶことができます。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、初めから身につけていなければならない資質があります。才能ではありません。真摯さです。
経営者は人という特殊な資源とともに仕事をします。人は共に働く者に特別の資質を要求します。
経営が本気であることを示す決定打は、人事において断固人格的な真摯さを評価することです。リーダーシップが発揮されるのは人格においてであり、人の範となるのも人格においてだからです。
ドラッカーは、真摯さは習得できないと言います。仕事に就いたときに持っていなければ、あとで身につけることはできないといいます。
ごまかしはききません。一緒に働けば、特に部下には、その人間が真摯であるかどうかは数週間でわかります。
部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法などほとんどのことを許します。しかし、真摯さの欠如は許しません。そのような人間を選ぶ者を許しません。
人の強みではなく弱みに焦点を合わせる者をマネジメントの地位につけてはならない。人のできることは何も見ず、できないことはすべて知っているという者は、組織の文化を損なう。(『現代の経営』)
トランプ大統領の弱みにばかり、焦点を合わせ米マスコミは、米国文化を損なうことに気づいていないようです。というより、米マスコミは過去数十年にわたり、米国の伝統的文化を破壊してきました。そうして、それが善であるかのように思い込んでいます。

トランプ氏は米国の伝統文化の象徴的存在です。だからこそ、米マスコミはこれを破壊したいのです。だからこそ、徹底した個人攻撃を行うのです。

日本のマスコミのトランプ報道など、大統領選挙のときの失敗報道から反省することもなく、一歩も前に進んでいないとみるべきです。

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