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2008年11月19日水曜日

都会の隠れ家 有料の民間図書館、読書家に好評-従来からある施設にも社会的イノベーションが必要か?

都会の隠れ家 有料の民間図書館、読書家に好評
2008.11.19 07:20

築80年以上の民家を使った
「読書空間みかも」=東京都世田谷区

 師走のあわただしさを前に、秋の余韻に浸りながら、しばし読書に耽ってみるのはいかがだろう。有料会員制の民間図書室が登場して、読書家たちに静かな人気となっている。時には、せわしないインターネットや日常の煩雑さを忘れてみるのも、いいものだ。読書家たちの「隠れ家」を訪ねてみた。

 おしゃれな街として人気の東京・自由が丘。この住宅街の一角に、私設図書室「読書空間みかも」(世田谷区奥沢)がある。築80年を超える洋風の木造民家で、昭和初期の雰囲気を醸し出している。

 近くで古書店を経営する町田恵美子さんが平成18年、「本を売るだけではなく、日常から離れて読書を楽しめる空間を作りたい」と、家主から建物の一部を借りて「読書空間」に衣替えしたのだ。

 会員制で、月会費2000円(1回だけの利用は500円)。蔵書を読んでもいいし、好きな本を持ち込んで読んでもいい。窓の外には緑が茂り、四季の風が通り抜ける。居心地のいい場所として人気を集め、少しずつ会員を増やしているそうだ。 

 利用者の渡辺和子さん=東京都目黒区=は「みかもには、電話も来訪者もない。居間のようなくつろいだ雰囲気で、自分だけの特別でリッチな読書の時間を楽しめる」と話すように、固定ファンも増えてきた。

 特徴はもう一つある。サポーターと呼ぶスタッフが講師を務めるさまざまな分野の教室が開かれることだ。ビーズで作るアクセサリー、チェロの体験レッスン、きもの着付けの基本教室…。土曜日は、小学生らに無料開放して絵本の読み聞かせなどを行い、地域に受け入れられている。

 町田さんは「みかもは静かに読書をできる空間である一方で、地域のサロン的な『場』として共有してほしい」と話す。


今年4月、東京・代官山の複合商業施設、ヒルサイドテラスの一角に開設した「ヒルサイドライブラリー」(渋谷区猿楽町)。有料の会員制図書室で、クラブヒルサイドの会員(入会金2万円、年会費1万円)になれば会員証提示で利用できる。

 やはり静謐(せいひつ)な空間で自分だけの読書、勉強、思索のための時間を持てる、として話題となり、すでに30、40代の200人以上が登録。最大で400人の会員登録を目指している。

 仕切りのある個人用ブースの使い勝手が良さそうだが、特徴は蔵書だ。さまざまなジャンルの100人がそれぞれ「目利き」をした10冊、計1000冊以上が書棚を埋める。「あの人の本棚を見てみたい」という欲求を満たすのが狙いだった、とライブラリーの担当者はいう。

  例えば、文化庁の青木保長官はルース・ベネディクト著『定訳菊と刀 日本文化の型』やレヴィ・ストロース著『悲しき熱帯』などを列挙。ベネッセコーポレー ションの福武総一郎代表取締役会長兼CEOは山崎正和著『柔らかい個人主義の誕生』などを、劇作家・演出家の平田オリザ氏はガンジー著『ガンジー自伝』な どをそれぞれ推す。

 いずれもすぐに書棚から取り出せ、訪れた人々の読書意欲を大いに刺激してくれる。

 このほか東京・六本木ヒルズの有料会員制「六本木ライブラリー」はビジネス関連などの蔵書が充実し、自習や仕事の準備などの利用者も目立つ。入会金1万500円、月会費9450円だが、併設のカフェで休憩でき、無線LANのネット接続も可能だ。

六本木ライブラリー

 従来の公立図書館は無料が一番の魅力。だが、一人きりになれる都心の「隠れ家」として、公共施設とは一線を画した有料会員制ならではのサービスを利用し、読書にふけるのもいいだろう。

従来からある施設にも社会的イノベーションが必要か?

最近うちの近所の函館市立中央図書館も新しくなり、出来たばかりのときに何度か行きましたが、それからは行っていません。建物は立派になったし、確かに前よりも随分良くなりました。なぜかと考えてみると、行っても自分の読みたい本はないことが、主な原因ではないか思っていました。結局はインターネットで注文して自宅で読んでしまうので、必要性を感じません。さらには、主だった図書であれば、今は「青空文庫」やフリップ・ブックがあるので、インターネットで無料で見ることができます。

それから、小学生や中学生などもたくさんいたりして、騒がしいということはないのですが、落ち着かない場合もあります。函館市立図書館ではそのようことはないですが、前にこのブログにも掲載したように都内の図書館では、ホームレスの人が多く来て問題になっているなどということもあります。

そんなこともあり、足が遠のきます。しかし、この民間の図書館の記事を見て、納得しました。公立の図書館の目的は、「自宅で本をゆっくり読む環境がない人も含めて、なるべく多くの人に読書の機会を保障すること」であり、上記の民間の図書館では、「対象とするお客様になるべく良い環境でくつろぎながら、本を読んだり、情報を収集していただく」ということなのだと思います。公立の図書館とは違い上記の民間の図書館の場合、自らの工夫によって利益をあげ、存続できています。函館市立図書館など地方都市の図書館は金喰い虫ということで地元からはその設立にかなり批判があるようです。

私は、このブログでいまや私たちの社会は以前とは異なる社会に突入していているにもかかわらず、異なる社会に対するインフラやシステムが整っていないということを掲載しました。この図書館も社会への対応という意味で、良い事例だと思います。もはや、以前とは違って日本の家屋も本を読めるくらいの環境は整ってしまっています。それどこか、インターネットなどがあって、電子出版の本を無料で読んだり、情報を集めることなど簡単にできるような環境にある。そうした場合、従来タイプの図書館の需要も以前よりはかなり落ちているのだと思います。もはや、図書館に求めらることは従来とは異なってきているということなのだと思います。

無論従来の図書館の機能が全くいらないということはないと思います。特に大都市では未だ劣悪な環境に住んでいる人もいると思いますので、従来タイプも必要だと思います。しかし、このように民間の施設が立派に成り立つということは、社会の変化に対して旧来のシステムが追いついていないということだと思います。

それと、人口50万以上の都市であれば、場所によって上記のような民間図書館は、顧客数も多いため十分成り立つと思います。しかし、函館市のような地方都市の場合は、なかなか成り立たないと思います。そうしたときに、NPOを活用すべきだと思います。いくつかのNPOに新たな図書館の提案をさせて、最も優れたものに対して市が補助や、助成をするのです。こうしたことによって、函館市内でもいくつか赴きのある図書館ができる可能性があります。東京都内でももっと多くの上記のような素敵な図書館ができあがる可能性があります。しかも、民間ですから、市民から会費を徴収するなどして自らも利益をあげつつ、市役所の補助金もあるので、安定した経営ができるようになります。市の方からしても、図書館を新しく設置するよりは、随分安くできることになると思います。

函館には立派な広い庭園のついた古いお屋敷や、洋風の建物などがたくさんあります。持ち主は売りたいと考えいるのですが、なかなか買い手のつかないところがあります。これらの、お屋敷など図書館にして開放すれば、素敵でお洒落な特徴のある図書館がすぐにもでもできそうです。

函館の古い様式の建築物(このブログの文章とは直接関係ありません。イメージとして掲載しました)

将来的には、日本全国で公立図書館と、NPOが混在するようにすると良いと思います。NPOは、地域社会に密着した活動が得意ですから、地域社会にも大きな影響を及ぼす、素晴らしいアイディアもでてくるかもしれませわん。そうすることによって、再度図書館のとい施設の存在意義が明確になるでしょうし、社会の変化に対応した立派な社会的イノベーションになると思います。

このブログを書き終えた後で知ったのですが、図書館を民間に委託する動きがあるようです。ただし、あくまで民間委託ということですから、地方自治体が設立した、あるいはこれから設立する図書館を民間に委託という趣旨のようです。私の考えとは少し違うようですが、下に参考URLを掲載します。

■指定管理者制度って、どうなの?

http://shitei.seesaa.net/article/33244525.html


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