2008年10月21日火曜日

09年、日米欧はゼロ成長 IMF世界経済見通し 世界も7年ぶり低水準-シュムペーターの創造的破壊を思い起こす時!!

International Monetary Fund: Forceful Action Necessary to Solve Finance Crisis Domini


09年、日米欧はゼロ成長 IMF世界経済見通し 世界も7年ぶり低水準
(この内容をご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
2008.10.9 01:12

 【ワシントン8日共同=杉本一朗】国際通貨基金(IMF)は8日、世界経済見通しを発表し、世界的な金融危機の影響で2009年は日本、米国、欧州ユーロ圏がそろってほぼゼロ成長となると予測、「先進国の多くは景気後退入りしたか、その瀬戸際にある」との判断を示した。

 世界全体では3・0%成長とし、七月の改定見通しから0・9ポイント下方修正。ここ数年の5%程度を大きく下回り、02年以来7年ぶりの低成長になると予測した。IMFは「1930年代(の大恐慌)以来最悪の金融ショックに直面し、世界経済は深刻な不況に陥っている」と警告した。

 特に金融混乱の影響が大きい先進国については、09年後半に回復基調に転じても、そのペースは遅くなると予想した。

 金融危機の震源地である米国の成長率は0・1%と1991年以来18年ぶりの低水準に落ち込む見通し。米経済は「08年後半から09年初めにかけ、収縮する公算が大きい」と指摘、景気後退入りを予想した。

 日本は08年が0・7%、09年が0・5%と2年連続の1%割れを予想。「他の先進国に比べ金融市場の緊迫度合いは低い」が、世界の景気減速による輸出減少と消費低迷で、景気後退期が長引く可能性を示唆した。

 ユーロ圏は「金融市場は異常な緊張状態」にある上に、実体経済が軟化し、09年は0・2%成長に低迷する見通し。イタリアとスペインはマイナス0・2%成長を予測。ユーロ非加盟の英国もマイナス0・1%を見込んだ。

 世界経済をけん引する新興国については、先進国の需要減などで経済成長は「08年初めに減速し始め、今後さらに弱まる可能性がある」と指摘。ただ、09年は中国が9・3%、インドが6・9%と堅調な成長を維持すると予測した。

シュムペーターの創造的破壊を思い起こす時!!
私は、このブログの中で、健全な社会を作り出すことが、健全な実体経済を取り戻す最短の道であることを何回か掲載してきました。場合によっては、日本が世界の経済の牽引役になる可能性をさえのべてきました。おそらく、皆さんの中には私自身が全くの経済音痴なのではなかろうかと思っている方も大勢いるかもしれません。私自身は、大学で経済学を学んだこともなく、確かに音痴の側面はあるかもしれませんが、現状の厳しさを全く知らないというわけではありません。私も、基本数値を見たうえでブログにもものを書いています。

上の記事から、日本の実質GDP成長率のみを、抜き出し、4月にIMFが出したものとの比較をしたのが下の表です。詳細は元表などご覧になってください。

実質GDP成長率(%)
       2008        2009

日本(2008年4月)    1.4       1.5

日本金融危機後   0.7       0.5

大雑把にいうと、金融危機後には、金融危機前と比較すると、1%減と予測したということです。これをどう見るかは、人によって大きく異なってくると思います。1%も減ったという人、わずか!%しか減っていないという人もいると思います。皆さんはどちらの方ですか。

私は、どちらかというとわずか!%しか減っていないという方です。それに、これはあくまでIMFによる予測であって、必ずしもその通りになるとは限りません。IMFの予測は過去に外れたことはいくらでもあります。

それに、この予測あくまで、世界経済に関して、以前と何も変わらないということを前提としていると思います。日本に関しても、特に新たな与件など何もないという前提だと思います。

だからこそ、ここに私は日本の社会を健全なものにする、という与件を新たに付け加えることが必要だと主張しているわけです。社会を健全なものにするために、すでに21世紀末に変わって「異質な社会」に突入した日本の社会に対応する新たなインフラの整備、システムの改革を提唱しているのです。異質な社会をもたらしたのは、年齢構成の変化(少子高齢化)、It革新による変化、製造業の相対的地位の低下、就業形態の多様化、知識労働者の台頭などです。これによって、私たちの社会は30年前ほどの社会とは完全に変化してしまいました。

そうして、健全な社会の構築のためには文字通り創造的破壊が必要になると思います。創造的破壊とは、オーストリアの経済学者シュンペーターによって唱えられた考え方で、非効率な古いものは効率的な新しいものによって駆逐されていくことで経済発展するという考え方であり、その新陳代謝のプロセスをそう呼びました。

不況には創造的破壊に必要であり、政府による介入はこれを妨げるものとして否定しました。現在ではこれを読み替えて、企業活動の中で古いものを打破し全く新しいものを生み出す行動、という意味合いで使われることが多いです。シュムペーター自身は、こうした企業活動が多く発生することにより、経済もよくなるという考え方をしていました。さらにシュムペーターが住んでいた時代のオースリアでは、NPOもあまり大きな活動をしていませんでした。現在では、不況期には民間営利企業、民間非営利企業(NPO)ともに創造的破壊をすべきだ思います。それに政府は、基盤整備に関しての支援などはすべきだと思います。ただし、整備した基盤の上で実際に行動するのは民間企業とNPOであるべきだと思います。

変質した社会においては、過度に「競争的」な社会になることは間違いありません。そのためセーフティーネットを構築することはいうまでもありませんが、知識社会に突入しているのは間違いないことであり、知識社会は激しい「競争」が展開される社会になります。不況期に創造的破壊をして新たなシステムを構築した個人、企業、国は不況中から躍進を開始し、不況終了時には大躍進をすると思います。不況期に不況だということを言い訳として、縮みこむだけで、何の創造的破壊も起さなかった人、企業、個人は、不況期も縮みこんだままで、好況に転じたときには、目の前のチャンスを何も活用できず、没落していくと思います。アメリカでは、今の金融危機の最中に、あのウォルマートが「マーケット・サイド」という10年ぶりの新業態を4店舗出店して実験をしています。これも、創造的破壊の一つだと思います。

シュムペーターの考え方は今でも通用すると思います。私も、自らチェンジ・リーダになりたいと思っています。そうして、今こそ行動すべきときだと思います。

【関連記事】
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■世界金融危機の直撃を免れたカナダ―日本こそ世界経済の牽引役になれるとき
カナダに関してはハーバー首相の手腕もあったのでしょうか、あるいは結果的にそうなっただけなのかは別にして今回の金融危機の直撃から免れまし た。日本では、サブプライムローンが大規模に取引された2003年当時は、竹中プランを実施中で、景気が低迷しており、多くの金融機関がサブプライムロー ンに手を出す余裕がなかったため、今回の金融危機本当は直撃を免れています。カナダは経済規模が小さすぎるので、世界経済の牽引役は無理です。中国もここ しばらく、無理です。BRICSも無理だと思います。そうなると、日本がいずれ近いうちに世界経済の牽引役として脚光を浴びてくることになり、内需拡大策 に走ることになるものと思います。ただし、私は、そうなるとしても拡大策においてキーワードは「経済・金融」ではなく「社会」にすべきと思います。

■P.F.ドラッカーの『ネクスト・ソサエティー』―ポスト金融危機を生き抜く知恵
私 のブログでは、金融危機後「健全な社会」を作り出すことが、健全な実体経済を取り戻す最短の道であることを訴えてきました。しかし、多くの人 の頭の中「経済・金融」というキーワードで埋め尽くされ、「社会」など何も関係のないことと思っているかのようです。そんなことはありません。私だけの訴 えでは多くの人は振り向いていただけないようなので、私のブログでは自らを社会生態学者であると称したドラッカーの著書「ネクスト・ソサエティー」につい て取り上げてみました。また、一方ではあまり関係ないように見える、今回ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏のここ数年の辛らつな「ブッ シュ批判」は、形こそ違え結局は「健全な社会」を作くるどころか壊してきたことに対する批判だったと思います。結局は、クルーグマン氏も「健全な社会」を 作りだすべきことを主張していたのだと思います。ポスト金融危機には、すでに過去とは違う社会に突入した先進国の「異質な社会」に対するインフラ革新、シ ステム革新が必要不可欠だと思います。

■東証急騰、終値1171円高 過去最高の上昇率―今はビジネスチャンスが溢れている?!
日 本国内ではインフレターゲット理論ばかり強調されるクルーグマン氏ですが、氏がかつて著書の中で「ローカル化する先進国の経済」について語っ ていました。まさしく実体経済はそうだと思います。昨日は、東証も過去最高の上昇率を記録しました。しかし、私はあまり近視眼的な株価の上昇、下落には関 心がありません。株価は、しょせんディラーの直近の心理状態を現すだけのものだと思っています。
当面この金融危機に関しては、信用不安だけ解消されれば十 分だと思っています。
そ れよりも、この金融危機の本当の意味を捉えることが重要だと思います。先進諸国ではすでに20世紀の後半部の時点で、それまでとは 全く違う「異質な社会」に突入しています。この異質な社会に対応する新しいインフラ作り、システム(制度、IT含む)開発が必要不可欠ですが、今までは不 十分でした。そのため、先進国ではいたるところに、ビジネスチャンスが溢れていると 思います。このチャンスをいかすことにより、各所でイノベーションがお これば、先進国の社会は飛躍的に良くなり、ひいては実体経済も大躍進すると思います。それにしても、この理屈、口で言うのは簡単ですが、楽ではありません ね。特に「似非経済・金融」で頭が凝り固まっている人々には語っても何も理解できないと思います。

■「80後」ホワイトカラーに「別荘貸し切り旅行」が流行―BRICsではさらなる経済発展を、先進国では「新たな社会」にあわせた、インフラ・システム改革を!!
今 日の金融危機、いずれ収束します。金融危機や、恐慌など大昔から何回も繰り返されてきたことです。現在では、信用不安を取り戻す措置などが考 えられているため、いずれ収束します。しかし、その後が問題です。現在多くの人々の中は「経済・金融」というキーワードで埋め尽くされています。しかし、 先進国においてはもはや「経済・金融」だけでは何も変わりません。特に先進国においては社会が変貌しています。もうすでに既存の社会とは全く違った「次の 社会」とも言うべき異質な次元の社会に変貌しています。今後、こうした「異質な次の社会」に対するインフラの改革、システムの改革などを実現しないことに は、健全な社会を実現することは不可能であり実体経済も健全にすることはできません。

■G7で日本の外準活用し各国支援を表明へ=中川財務・金融相―資本を速やかに注入して社会変革への道を開こう!!
現在の金融危機当面の信用不安を克服するため各国が資本注入することにより、いずれ金融システムはまた安定化すると思います。しかし、その後どうするかで、実体経済の回復が決まってきます。
私 は、現在多くの人々の頭の中は「経済」というキーワードでいっぱいになっていると思います。そうして、八方塞になっていると思います。私たちは、ここで 「社会」に着目する必要があると思います。今後健全な社会を形成しなければ、実体経済も良くはなりません。といようより、現在全く異質な社会に入りつつあ る先進国においては、「次の社会」に備える国だけが、来るべき将来において、健全な社会と経済を手にするということです。逆に、「次の社会」に備えない国 とっては、不健全な社会と経済で没落していきます。

■麻生首相:追加経済対策に改めて意欲―単なるばら撒きに終わらせずに、社会変革を実施せよ!!
麻 生首相の追加経済対策、今必要な内需拡大のために減税や財政出動を行うこと、現状にあっては定石だと思います。ただし、私は、この経済対策 従来と同じような手法で、社会資本の整備として、無駄な道路や港湾、空港への多大な投資や、独立行政法人に対して投資して役人や役人OBの無駄遣いの温床 とする事があってはならないと思います。現在の八方ふさがりの状況では、社会変革にも目を向けるべきであると思います。あの経営学の大家ドラッカー氏も、 最後の著書「ネクスト・ソサエティー」の中で、ここ40年から50年は経済の時代だったが、これからしばらくは社会に注目する時代が来ると語っています。 そうして、この困難な時期ほど社会変革はやりやすいのではないかと思っています。やり方によっては、偉大な社会改革であった明治維新にも匹敵するような改 革が可能だと思います。現在の多くの人々の頭の中は「経済」というキーワードで埋め尽くされていますが、これでは完全に八方塞になります。「社会」という キーワードこれから最も先端的なものになる可能性が大です。

■現在の金融危機は2003年当時からすでに予測されていた!!―真の原因は誤った個人主義であり、いまこそ社会変革が必要だ!
今 日の金融危機は、2003年あたりからすでに予測されていました。私のブログでは2003年のNHKスペシャル「個人破産―アメリカ経済が おかしい―」の動画を掲載しました。この動画をご覧になると、今日の金融危機すでに十分懸念されていたことが分かります。今日、その懸念はアメリカ金融機 関の崩壊という形で現実のものとなりました。この動画では、消費者に無理に消費を強いることにより今日の事態を招いたことがはっきりと示されています。現 在、ITバブル崩壊、株価低迷、消費者の旺盛な消費もなくなり、次の時代に何をすれば良いかが見えない時代になっています。しかし、私は、今こそ真剣に社 会変革に取り組む時期に来ていると思います。これが、アメリカの実体経済をも良くする唯一の道だと思っています。

■米金融安定化法案が成立 下院修正案を可決―今こそ金融馬鹿、賭博師を市場から退場させ、新たなパラダイムを構築すべきとき!!
金 融安定化法案下院を通りましたね。でも、アメリカの金融システムが安定するまでには、多くの吸収・合併・提携などが行われ、実質的に金融馬 鹿(サブプラム・ローンなどの金融商品を開発した金融機関の経営者)、賭博師(サブプライムローンを大々的に売り出すきっかけを作り出した金融機関の経営 者)が市場から退場するまで、安定化しないことと思います。安定化には3年から5年かかります。実体経済の回復は、8年~10年もかかるかもしれません。 そうなると、他の国々も相当影響を受けます。日本としては、独自の路線を歩まなければなりません。私のブログでは、日本の独自路線のヒントなど掲載してみ ました。(アメリカも同じことだと思いますただし、現状では余力がなさすぎか・・・)。

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ピザテンフォー今年の10月4日に生誕20年!!

今年の成人を迎えた方々には、もうお知らせしましたが、ピザテンフォー今年の10月4日をもちまして、創業20周年(こちらで、スマイルズ・ザ・プライスのプロモーションビデオを是非ご覧なってください)を迎えることができました。これも皆様のおかげです。

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