2008年10月15日水曜日

上海市警官殺傷事件・控訴審:市民ら、再び警官隊と衝突-社会不安がより鮮明になった中国、解決は共産党一党独裁制の終焉しかないか?




裁判所の前に集まった支援者たち(大紀元)

上海市警官殺傷事件・控訴審:市民ら、再び警官隊と衝突

  【大紀元日本10月15日】中国上海市で警察6人を刺殺し、一審で死刑判決を下された楊佳・容疑者の控訴審は10月13日、上海市高等裁判所で開かれた。 全国各地から大勢の市民が裁判所付近に集まり、中国古代の人食い虎(とら)を制する英雄・武松に喩えられている同容疑者を支持した。一時は警察と支援者が 小競り合い場面もあり、大勢が身柄拘束された。

 楊容疑者は昨年、無登録の自転車を乗っていた際に、警官に連行され取調べを受けた。そのときに、虐待を受け性器を強く殴られ大けがをした。その精神的損 害賠償を求めるため、同容疑者が公安局を提訴したが裁判に負けてしまった。7月1日、同容疑者はこの公安局にて刃物で警官を次々と刺し殺し、6人が死亡、 4人が負傷した。

 楊容疑者には犯罪の前科がない。周囲によると、年寄りを大切にする性格のおとなしい好青年であるという。

 中国のネットサイトでは、楊容疑者に同情する声が続発し、中国古代の人食い虎(とら)を制する英雄・武松の再来とされた。

 9月1日に公表された一審判決では死刑が下され、同容疑者は不服として上訴した。

 上海市高等法院(日本の高等裁判所に相当)では10月13日午前9時半、その控訴審が開かれた。裁判の争点は、同容疑者は犯行当時、責任能力があったか どうか。一審の際に、精神鑑定を行ったが、精神の異常が認められなかった。二審の同容疑者の代理弁護人は、被告は犯行当時心身喪失の状態にあると主張し、 再度の司法鑑定を要求したが、却下された。判決は当日に言い渡されなかった。

 裁判の結果を聞きつけた市民と支援者約千人が、裁判所の周辺に集まった。

 複数の参加者から大紀元に情報が寄せられた。

 それによると、当時、約60人の警官が現場に配置された。私服警官が一部の支援者らに激しい暴力を振るったため、現場は騒然となり、数百人が「共産党を 打倒」「ファッショを打倒」などのスローガンを叫び続けるシーンもあった。警察は現場をビデオ撮影し、その直後、100人あまりを強制連行した。国内外の メディアも複数現場にいたが、支援者への取材は私服警官に阻止されたという。

 支援者の一人、中央政府に陳情し続けている上海市民の張翠平さんは大紀元の電話取材で、「楊佳さんがやったことは、我々の心の叫びである。私たちはあま りにも多くの迫害を受けてきた。彼のような勇気がない。その勇気があれば、私も人を殺してしまうかもしれない。彼は私たちの心の中の英雄であり、長年蓄積 してきた鬱憤を晴らしてくれた」と話した。

 法廷では弁護士の問いに、同容疑者は「犯行を後悔していない」と答えたという。



裁判所周辺に集まった支援者と市民(大紀元)
応援メッセージを書いたシャツを着用する一部の支援者(大紀元)


 
(記者・夏雨薇、翻訳編集・叶子)


(08/10/15 08:18)

社会不安がより鮮明になった中国、解決は共産党一党独裁制の終焉しかないか?

日本国内では、毒インゲンの問題が騒がれていますが、そんな中にこんなニュースが飛び込んできました。中国の社会不安もいきつくところまで行った感があります。

私は、先進国に関してここしばらく、このブログで20世紀末からそれまでの社会とは異質な社会に突入しており、その異質な社会に対応するインフラ整備、システム開発などが必要不可欠なのだが、それが不十分だったということを述べてきました。不十分だったからこそ、日本では実感できない経済成長に陥ったのだと述べました。

また、アメリカでも今回の「金融危機」の原因は「誤った個人主義」とそれを支える「金融システム」によるものであり、やはりアメリカでも従来と異なる社会に突入したにもかかわらず、これに対する対応が十分にできていないことが問題であることを指摘しました。

日本やアメリカに限らず、先進国では前世紀末よりそれまでとは全く異なる「異質な社会」に突入し、それに十分対応できていないということが問題です。そうして、現在の先進国においては、実体経済を良くするにはこの異質な社会に対するインフラ革新、システム構築が必要だと指摘しました。

この考え、私自身はあまり意識していなかったのですが、最近ノーベル賞を受賞したポール・クルーグマン氏の主張と表現の仕方は違いますが、ほとんど同じだと思います。特に氏のブッシュに対する批判などは、結局は経済・金融だけではなく、社会に対する対応を迫るものでした。無論アメリカと日本にはそれぞれの特殊事情があるので一見異なるようにみえますが、新たな社会に対する対応ということでは同じことだと思います。

前置きが長くなりましたが、私はつい最近までは先進国ではこうしたインフラ革新、システム整備が必要であり、BRICSなどは従来どおりの経済発展を続ければ良いと思っていました。

しかし、インゲン問題のように、頻繁に発生する食品に対する不安、それに上記の記事のような社会不安を助長するような出来事などを見るにつけて、中国では先進国のように異質な社会に突入したというより、ここ数十年にわたって共産党による社会破壊が行われてきたのではないかと思うようになりました。

文化大革命などは、完全な社会破壊でした。文化革命などは数十年まえに行われたものですから、現代社会にはあまり関係ないように思われる人もいるかもしれませんが、文革によって破壊された社会、共同体のきずななどは完全に破壊され、良いものまで失ったということは現代社会にも大きな影響があります。一人っ子政策も完全に社会破壊です。それに鄧小平氏による「先富論」(「一部の人、一部の地域が先に豊かになれ」という論。「一部の人、一部の地域が先に豊かになることによって、最終的 に共に豊かになる」ことを目指す「共同富裕論」の一部だった。しかし、実際には結局は個人も政府レベルでも、個人主義的な経済優先的活動が主体になってき たのは否めないと思います)も社会破壊を助長したと思います。

これら社会破壊により、現代中国人に見られる暑苦しい「反省しない」「自己中心的」「社会性がない」「すぐ人のせいにする」などの「現代中国的利己主義」が中国に蔓延しているのだと思います。

このようなことが是正されなければ、中国には健全な社会が形成されず、社会が健全にならなければ、実体経済もよくならず、まともな金融システムもできない、それよりも何よりも、「民主化」「政治経済の分離」「法治国家化」という私がこのブログで主張してきたいわゆるこれらの三点セットの導入もままならないと思います。

こうしたことに、現代中国共産党は対処できなことでしょう。そうして、社会不安がますます増大して、いきつく先は共産党一党独裁体制の崩壊です。

いかに、関連記事を掲載します。反転文字列をクリックしていただければ、当該記事に飛ぶことができます。

■石鹸原料を食用油に、幼稚園でリンパ腫異常の集団発生=中国浙江省―現代中国的利己主義の結果がこれか?
先日のメラニン禍が覚めやらぬうちに、小規模ではありますが、また石鹸原料のパーム油を食用油に転用して問題が発生しました。これだけ頻繁に発 生するのは、すでに社会が崩壊しているのだと思います。私は、この出来事の根源は「現代中国的利己主義」に起因するものだと思います。このまま、社会の崩 壊を食い止めることができなければ、中国共産党一党独裁体制の崩壊、すなわち現代中国の分裂・崩壊につながると思います。

■中国産牛乳を試飲した英国閣僚、就任当日に腎臓結石で入院-中国毒入り食品で自滅の前兆か?
私 自身は、この牛乳の試飲と、英国閣僚の腎臓結石はおそらく、因果関係は薄いと思います。おそらく、この人は結石になりやすい体質で、たまたま 時期が重なっただけだと思います。ただし、このことが大きな話題になるのは、やはり中国の食品安全に対する信頼のなさを物語るものだと思います。ごく普通 の食品安全管理をしている国の話なら、ニュースバリューはゼロだったでしょう。いずれにせよ、中国の官僚の能力は驚くほど低いですから、中国政府はこれに 対する有効な対策をうつことはできません。他にも星の数ほど問題があります。イデオロギーや政治体制には関係なく最も重要視しなければならない、食品関連 の管理能力不足は、これを象徴するものです。こうした管理能力不足のいきつく先は、中国共産党一党独裁体制の崩壊であり、これは現代中国の分裂崩壊を意味 します。

■現在の金融危機は2003年当時からすでに予測されていた!!―真の原因は誤った個人主義であり、いまこそ社会変革が必要だ!
こ んにちは。今日の金融危機は、2003年あたりからすでに予測されていました。私のブログでは2003年のNHKスペシャル「個人破産―アメリカ経済が おかしい―」の動画を掲載しました。この動画をご覧になると、今日の金融危機すでに十分懸念されていたことが分かります。今日、その懸念はアメリカ金融機 関の崩壊という形で現実のものとなりました。この動画では、消費者に無理に消費を強いることにより今日の事態を招いたことがはっきりと示されています。現 在、ITバブル崩壊、株価低迷、消費者の旺盛な消費もなくなり、次の時代に何をすれば良いかが見えない時代になっています。しかし、私は、今こそ真剣に社 会変革に取り組む時期に来ていると思います。これが、アメリカの実体経済をも良くする唯一の道だと思っています。詳細は是非私のブログをご覧になってくだ さい。

■ベルリンオリンピックの後にナチス第三帝国は滅亡-北京オリンピックは、共産中国の壮大なレクイエムの序曲か?
こ んにちは。北京オリンピック閉会しましたね。しかし、中国ではさまざまな問題があるのに、結局放置された状態にあります。私は、今後なんらかの改善がな い限り、共産中国は10年後には崩壊していると思います。私のブログでは、ベルリン・オリンピックと北京オリンピックの比較など行ってみました。ベルリ ン・オリンピックは、終生「美」を追求し続けたレニ・リーフェンシュタールの演出だっので同じ国威発揚とはいいながらも「美」を体現していたと思います。 そういう意味からすると、北京オリンピックは醜悪であったとさえ言わざるをえません。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

■中国の4月~6月期は65%増益-華やかな五輪の裏でインドの下請けになる道をひたすら走る中国?
北 京オリンピック、開催しましたね。マスゲームなどすごい気迫でしたね。しかし、この華やかな五輪の裏で、中国は現在未曾有の経済的危機にあ ります。ご存知のようにそのほかにも問題が山積しています。私は、このまま中国が現在の経済や社会を温存し、改革を推進しなければ、いずれインドの下請け の地位に甘んずる時代がやってくると思います。この記事には、掲載していませんが、最近ある方から聞いたところでは、中国のレノボのパソコンのデザインは日本でやっているそうで、大陸中国ではあくまで組み立てだけだそうです。この話一つをとっても中国の製造業の底の浅さがわかります。

■有毒粉ミルク事件、浮上する報道規制問題―情報開示ができない中国は崩壊必至!!
中 国では、今回の有毒粉ミルク事件に関しても報道規制をしていました。報道規制などせずに、情報開示をして、真剣にこの問題にとりくんでいれ ば、たこ焼きにまで混入するなど、これほどメラミン禍が広がることはなかったと思います。国民や他国民の命や健康にも関わる重大事の報道に対して規制をか けるとは由々しき事態です。安全に関わる情報まで開示しない国には、将来はありません。今後、中国のこの体質は変わらないでしょう。行き着く先は、中国共 産党一党独裁の崩壊です。

■中国工業製品よりメラミン検出、英大手製菓企業自主回収―揺らぐ中国の「世界の工場」
こ んにちは。今回のメラミン禍によって、中国の「世界の工場」としての立場は大きく揺らいだと思います。中国は一方では宇宙開発や、オリンピックの開催、 先進国並の軍事費を計上するなどのことを行いながら、片方では発展途上国並のことするというアンバランスを解消しない限り、将来はないと思います。

■中国製靴大量押収、使用禁止の発がん性物質検出―中国の有害商製品は構造的なもの!
つ い先日メラニン問題が発覚したばかりなのに、今度はイタリアで靴から発がん性物質が検出されたそうです。こうなると、もう道徳とか倫理の問 題ではなく、中国でこうした問題が発生するのは、構造的なものであると考えざるを得ません。構造的なものであれば、改革すれば良いのでしょうが、そうした ことにも中国政府は取り組まずに、宇宙開発、万博の開催、世界トップレベルの軍事費の計上などにうつつを抜かして、真剣に取り組もうという気配が見えませ ん。今後この状況が継続されるなら、根本的な荒療治が必要です。そうです、中国を分裂崩壊させて、新たな国をつくり、ゼロベースで国をつくり直すことで す。一番良いのは、人民が革命を起して現共産中国政府を倒して新たな国家づくりを始めることだと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?

■中国、有人宇宙船「神舟七号」打ち上げに成功、初の船外活動も―旧ソ連のミールを彷彿させる大快挙により中国はまた一歩崩壊に近づいたか?
こんにちは。中国「神舟七号」打ち上げに成功し、船外活動にも成功しました。大快挙だったと思います。もし本当だとすれば!!しかし、いずれにせよ、一方 で国内では中国人民の不満のマグマは頂点に達し、いつどこで暴動が起こってもおかしくない状況です。この状況旧ソ連が宇宙ステーションのミールの建造に成 功したころと良く似ています。このままでは、中国は旧ソ連が崩壊したように、今後10年以内に崩壊すると思います。

■[竹島問題]「日本が国際裁判に負けて悔しがる」寸劇も・・・「日本が根拠もなく日本領というのは理解不能」と韓国の子供ら―地図は語る:中国の国家戦略では朝鮮半島は中国の領土、自治区にもなれない?
領 土問題では、中国にもオリンピックの日本海の地図表記で馬鹿にされた韓国。もうやけのやんぱちで、子供も利用して、世論をもりあげようとい う算段なのでしょうが、無理ですね。私のブログでも、この問題をとりあげました。今後日本の領土を守るためには、中国と韓国を適度に使い分けて手玉にとる 必要があると思います。この記事の中の中国の長期国家戦略をあらわす地図を見て多くの人は驚愕すると思います。

そのほか過去に大絶賛をいただきました、中国分裂シリーズのURLを掲載します。こちらもご覧になっていないかたは、是非ご覧ください。
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史


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