2008年10月6日月曜日

現在の金融危機は2003年当時からすでに予測されていた!!―真の原因は、誤った個人主義であり、いまこそ社会変革が必要だ!

個人破産―アメリカ経済がおかしい(NHKスペシャル2003年)

上の動画は、2003年のNHKスペシャル「個人破産―アメリカ経済がおかしい―」の内容です。個人に無理な借金をさせてまで、消費を促がしこの半世紀繁栄してきたアメリカ。しかし、このシステムを支えてきた個人の側から悲鳴が上がり始めています。

現在の金融危機は2003年からすでに予測されていた!!
最近のサブプライム問題とか、金融システムの崩壊など、マスコミで盛んに報道されていますが、多くの日本人にとっては、その真の意味が分かりにくいと思います。なんで「月収40万の人が月々25万円支払わなければならないローンを組めるのか、あるいは、組めるとしてもなぜそのような馬鹿げたことをするの」とか、「金融安定化法案に対してなぜ反対する有権者が多い」のかなど、なかなか理解できない面があると思います。これは、言葉で語ったり、文書で読むよりも、上のビデオを見ていただいたほうが分かりやすいです。現在のマスコミ報道のものは、「金融」にばかり目が向いていて、かえって状況を分かりにくくしています。この過去のビデオ、NHKはさほど意識していないようですが、アーカイブとして現在見てみると非常にインパクトがあります。

上記のビデオをご覧になると、上記の疑問が解けます。もうすでに2003年当時から今回のような金融危機が起こることは完全に予知されていたと思います。グリーンスパンがこの動画の最後の方で、「リファイナンスを含めた住宅ローンは去年の第四四半期にピークに達していたようです。この勢いが今後も続くとは考えにくいでしょう。つまり住宅市場にはかつての力強さは期待できないということです」とはっきり語っています。

ここでは、上のビデオを見てもらえばわかることなので、詳細は記載しませんが、アメリカ経済の良さは昔から個人消費に支えられてきたという面がありました。ここ数年のアメリカは、ミニマム・ペイメント(借金全体の2%を支払えば、次の月まで借金の支払いを持ち越すことができる仕組み。カードには限度額があるが、限度額を超えれば新しいカードをつくり、さらに借金を重ね続けて、実収入以上のライフスタイルを送ってきたアメリカ人が大勢いる)などで、消費者が消費することを煽りに煽ってきたという経緯があります。

このビデオでも最後の方で、「個人に無理な借金をさせてまで、消費をうながし、この半世紀繁栄してきたアメリカ。しかし、このシステムを支えてきた個人の側から悲鳴が上がり始めています」と言っていますが、現在の状況は、この時点では個人の破綻で済んでいたのが、アメリカ金融システムの破綻にまで発展したということです。いわゆる現在いわれている「サブプライム・ローン問題」は今回の金融システム破綻の引き金を引いたにすぎません、背景には上記のような「個人による無理な借金、それを支える金融システム」という背景があったということです。

真の原因は、誤った個人主義であり、いまこそ社会変革が必要だ!!
さて、背景はこういったものですが、真の原因にまでさかのぼればやはり「誤った個人主義」ということに尽きるのではないかと思います。自分さえ楽して、好きなことができれば、あとはどうでもいい、実収入以上の生活を送り将来のことは考えずに、今を楽しめるだけ楽しむ。また、こういった考えを支える金融システム。これらが、今日の金融システムの破綻を招いたのです。当然の報いともいうべきものです。

しかし、アメリカは奥行きのある国です。以前の不況のときにも、不況のさなかにありながら、次の産業であるIT産業や、バイオ産業が芽吹いていました。不況が終焉するとともにこれが、経済の牽引役として力強い躍動を始めました。しかし、この金融破綻や実体経済の落ち込み、今までのように金融的な措置だけ、あるいは新たな産業の勃興のみで是正できるはずはありません。

しかし、アメリカでは10年ほどまえから、すでにアメリカの良心ともいえる人々による新たな思想が芽吹いています。最初は経営学として「情報よりコミュニケーション」の重要性をうったえていました。そうして、その後は共同体(コミュニティー)の重要性を強調していまます。そうして、健全な社会の重要性を訴えています。

そうです。私の言いたいのは、かの偉大な経営学者「ピーター・F・ドラッカー」とその思想を受け継いだ人たち(ピーター・F・ドラッカー財団など)のことを言いたいのです。

ドラッカー氏は、2006年になくなりましたが、確か最後の書籍として出版された著作は経営や経済に関するものではなく「ネクスト・ソサエティー」というものでした。今日考えると本当に象徴的です。あのドラッカー氏の最後の著作が経済・経営に関わるものではなく、社会に関わるものだったということです。

まさしく、現在本当に必要なのは、社会の変革だと思います。誤った個人主義が跋扈するような社会では経済も、金融システムもまともにならないのです。今こそ社会変革が必要です。現在は応急処置的に、金融システムへのてこ入れを行いつつ、さらには実体経済への手当てを行い、先行き不安を解消するために社会変革をしていく必要があります。ここでは、社会変革の中身にまでは触れません。いずれ機会を改めて述べたいと思います。ただし、今のような誤った個人主義はやめて、新たな共同体の大儀を作り出し、その大儀を重んじるような社会を形成していくということです。

ドラッカーの思想を受け継ぐ「ピーター・F・ドラッカー財団」では、1999年に「未来社会への変革」という書籍を出版しています。このブログの中でも何回か紹介してきたと思います。この書籍にはいろいろ書かれてありますが、特に印象に残ったのは、「西洋型個人主義には、限界がある。共同体の大儀をつくりだし、共同体の大儀のために生きるべきだ。個人だけの喜びでは、その喜びには限界がある。共同体の喜びはさらに大きい。世の中には、個人をはるかに超えたものがあるのだ」という内容です。

この考え何か、一昔前の日本のようではあませんか?日本から共同体というものが姿をほとんど消してから久しいです。日本の場合、特に若い人々になるべく他の人に関わりあいたくないという考えや行動が顕著になりつつりあります。しかし、人に関心を持つ、社会に関心を持つ、社会を構成している共同体に関心を持つことなしにまともな生活は営めません。人は結局自分などと言っていては、まともな社会が構築できず、実体経済にも影響が及びます。それは、個人にはね返ってきます。いや、もうすでに「格差社会」という形ではね返ってきているのかもしれません。

ドラッカー自身も、随分前から、NPOの重要性を説いてきました。これは、NPOを通じて、健全な社会を築くことを意味していることは、いうまでもありません。今のアメリカを立ちなおさせるために、NPOの働き(アメリカでは、NPOの歳入は国家予算に匹敵するほどの規模)は多きいものがあります。少し考えただけでも、家をなくした人々の住居の提供、こうした人々に対する職業訓練や教育。家をなくした人々の子供に対する医療・教育の機会均等の保障。それよりもなによりも、誤った個人主義やライフスタイルを是正するための、教育・啓蒙など。そうして、こうした活動には巨大な資金を必要とすることはいうまでもありません。良き意図があっただけでは、家もたてられず、教育・訓練もできません。これを実現するためには、巨大な経済活動が必要です。いまこそ、社会変革に関わる大きな社会事業が必要です。

アメリカの政府筋も、それから民間企業も、実態経済を立ち直らせるためには、健全な社会を取り戻すことが肝要であるということを再認識して、これらNPOが活動しやすい環境づくり(この中には、厳しさも含まれる、使命を達成できないNPOには消えてもらうことなども勿論含みます)に努力すべき時と思います。そうして、これを良い機会として新たな健全な社会を築いていただきたいものです。

現在全世界的に株価が下落したり、円高基調に触れたり、いろいろ動いています。しかし、この動きもいずれ収束します。日本は、サブプライムの影響をあまり受けていないという意味で、世界各国の退避場所となる可能性が大です。円高であれば、輸出産業には痛手ですが、原油価格は下落しています。いずれ、日本に対して世界各国からのかなり投資がまた盛んになると思います。現在のアメリカ金融システムの動向に一喜一憂することなく、長期的にものを考えていく必要があります。

私たちは、この数ヶ月で非常に良い教訓を得たと思います。アメリカ型の消費型個人主義の破綻です。ITバブルの崩壊、株価の低迷、最後の頼みの綱の個人消費まで絶たれたアメリカ。これから、健全な社会作りのほうに目が向いていくのか、これから注意深く見守りたいところです。そうして、日本でも、変革をすべきであることは言うまでもありません。

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13 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Yamada Yukataさん、

私のブログの訪問、コメントありがとうございます!
基本的にELTのファンブログなんですが、在米のためたまにあんな記事も書きます。

ところで、Yamadaさんの記事を大変興味深く拝見しました。思えば20年近く前に、日本がバブル景気に湧いていた時「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と日本的経営スタイルこそが最高のスタイルだともてはやされていました。ことろが、その後のバブル崩壊で、日本的経営は時代遅れと言われ、アメリカ的な経営スタイルや雇用スタイルが日本にも採用されていきました。現在の派遣社員の問題や格差社会の問題が、その結果です。しかし、個人主義を中心とした、アメリカの経済至上主義、競争至上主義の弊害が、今回の金融危機で浮き彫りとなり、ドラッガー氏が提唱している共同体的互助社会の思想がスポットを浴びているのですね・・・ 日本が過去20年間、必死になって捨ててきたものです。

私はかねてから、日本人には欧米的個人主義やそれを基本とした経済競争主義は合わないと思ってきました。日本には日本的経営スタイルが合っていたんです。今回のアメリカの惨状を見て、日本がもう一度、自国の文化やシステムに自信を取り戻し、本当の意味で国民が幸福を掴める国づくりの見本を、世界にたいして見せて欲しいと願っています。

山田 豊 さんのコメント...

gentaroh様 コメントありがとうございます。
あなたのコメント、まさしく我意を得たりという感じです!!
本当は、あなたのコメントされたことも、書きたかったのですが、なにせ、いつも時間がなくて、パタパタした最中で書いてるものですから、いつも滴らずに終わってしまいます。
私の長々とした文章を読んでいただけでなく、行間まで呼んでいただけましたことを感謝いたします。
ありがとうございます。

tekkanon さんのコメント...

ご訪問ならびにコメントありがとうございます。

無知の為ドラッガー氏のことは知りませんでしたが、とても興味深く拝見させていただきました。

私は常々、欧米と日本の違いは奴隷社会と家来社会の違いだと思っておりました。家来社会とは、その家を全員で盛り立てていこうという社会ですね。家とは昔で言えば藩、今で言えば会社や市区町村でしょうか。みんなでという意識が強いですから、当然近隣住民との接点も増えます。それがドラッガー氏が提唱している共同体的互助社会と言う事なのでしょうか。

最近は日本も欧米と同じように奴隷社会化して来ましたが、やはり日本は日本のやり方が一番です。日本のみならず世界中に共同体的互助社会の思想が広がると良いですね。

今度時間をみつけてドラッガー氏の本を読んでみたいと思います。

tekkanon さんのコメント...

ご訪問ならびにコメントありがとうございます。

残念ながら、無知な私はドラッガー氏のことを知りませんでしたが、とても興味深く読ませていただきました。私は常々、欧米と日本の違いは奴隷社会と家来社会の違いだと思っておりました。家来社会とは昔で言えば藩、今なら会社や地域と言ったところでしょうか、その家をみんなで盛り立てていこうって社会です。残念ながら最近は日本も欧米にならって、そんな風潮もなくなってしまいましたが・・・・、ドラッガー氏が提唱している共同体的互助社会とはそのような思想なのでしょうかね。

やはり日本には日本のやり方があっています。日本はまた昔のように、そして日本のみならず世界中にドラッガー氏の思想が広まると良いですね。日本がそのお手本となれることを期待、いや日本人として頑張りたいですね。今度時間をみつけてドラッガー氏の本を読んで見ます。

山田 豊 さんのコメント...

tekkanon様 コメント有難うございす。日本の経営に関する雑記本はそのほとんどがドラッカーの受け売りといっても過言ではありません。
また、日本の優秀な経営者、全員がドラッカーの洗礼を受けているといっても過言でないほど、日本に影響を与えています。
そのドラッカー氏が、20世紀は組織の時代だったが、21世紀はNPOの時代になるとはっきり言い切っています。
ドラッカー氏ははやくより、NPOに着目していて、かなりはやい時期に『非営利事業のマネジメント』という書籍も書いています。
なくなっても、まるでまだ生存されているように、私たちに影響を与える大人物です。

匿名 さんのコメント...

私のブログへの投稿ありがとうございます。

今日はたまたま暇にしておりましたので^^;
ビデオを見ました。

驚きました。2003年当時にこんな状態であったとは。
番組のラストで
「IT」→ 「住宅」→ 「次に来るものがなかった」→ 「本来住宅を持てない人に貸しこんだ」=「サブ・プライム」なのだな、と頭の中で線がつながりました。

グリーンスパンさんもあれだけのことを
早い時期に認識したのにも関わらず、
なぜ手を打たなかったのでしょうか。
謎です。

山田 豊 さんのコメント...

りゅうぽん様 コメントありがとうございます。私自身は、サブプライムローンなど存在しなくても、この状況を見れば、同じような時期にアメリカの金融システムは破綻したと思います。サブプライム問題は、単に最後の引き金を引いただけのことで、実はあまりアメリカ金融システム崩壊の真の理由ではないと思います。

この状況を根本的に変えるには、無理に消費を強いる仕組みそのものを改める必要があると思います。また、八方塞のこの状況では、いわゆる社会変革を実行することが望ましいと思います。現在のアメリカの異常な社会においては、金融システムもまともにはなりません。そうして、実体経済も良くはなりません。

社会の変革をすることに、資金をつぎ込めば、社会がよくなり、実体経済もまともになり、金融システムも信用のおけるまともなものに生まれ変わると思います。

匿名 さんのコメント...

1980年代には、多くの警告が出されて、
1990年代には、新しい社会への試みが始まっています。
それを阻止したかったアメリカ政府が、
2000年代にテロとの戦争を始めたのですが、
すでに大量エネルギーを使う、大量消費者会は不可能なのです。
したがって今日のマネー金融経済の崩壊は当然で、
今頃マスコミが騒いでいることの方が滑稽でしょう!

山田 豊 さんのコメント...

イソップ様 コメント有難うございます。全くその通りだと思います。

匿名 さんのコメント...

はじめまして
小生「御一新マガジンレスジェネ」なる
ちんけなブログを運営させてもらっているものです。
犬を使ったイタリア料理のレストランのブログがあると聞き・・・え、違う?

まずは、あなた様が拙ブログにいただいたコメントへの返信が大幅に遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。

本題に入りますと
どうも、次の新しき時代の軸は
「日本」にあるようです。
管理人様が拙ブログに
"社会変革"と言われたとき
「ギャ!まだ構造改革がしたいのかYO!!」と
思いましたが、逆だったのですね。

昨今の日本が必死で否定し続けた「横並び型社会」が世界から注目を集めるとは、或る意味皮肉ですが、これで日本の進むべき道が決まったも同然。
われわれの父祖は間違っていなかった。
航路、元に戻すべしと。

しかし、先の「構造カイカク(笑)」に象徴されるように、おかしな個人主義が蔓延してしまっている今、どうすれば航路を元に戻せるか?
NPOは有効なツールと思えますが、
自称ネット右翼(笑)のワシには、少々抵抗があるのが本音。

乱文、失礼いたしました。

山田 豊 さんのコメント...

リトル愚礼様 コメント有難うございます。このブログの何回か後に書いたのですが、社会変革というより、もうすでに20世紀末に従来とは変わってしまって異質な社会」に入った先進国では、この異質な社会にあわせて、インフラ改革やシステム改革が行われるべきであったということだと思います。
事実、少子高齢化、IT革新、製造業の地位の低下、労働形態の多様化などさまざまな変化が起こっています。これに十分に応えてこなかったことが、アメリカに見るように、誤った個人主義に走って、金融危機につながったと思います。
一見全く関係ないと思われるような、最近ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏によるここ数年の、辛らつな「ブッシュ政権」批判は、健全な社会をつくるどころか、結果として壊してしまったことに対する批判だったと思います。
表現の仕方は、異なりますが、クルーグマン氏も「健全な社会」を作るべきであったと考えているのだと思います。
一部の金融馬鹿、賭博師は除いて、どこの国の国民も、社会主義であろうが、資本主義であろうが、右翼であろうが、左翼であろうが、共産主義であろうが、結局は健全でできれば、安定した社会を求めているのではないでしょうか。
また、政治家の真の役割も経済・金融がどうのこうのの前に、健全でできれば安定した社会をつくることが真の仕事だと思います。
ここ数十年、多くの人の頭の中には「経済・金融」というキーワードで埋め尽くされていたと思います。そろそろ、「社会」というキーワードを大きくとりあげなければならない時期に入っていると思います。
それに、インフラ改革、システム改革ということになれば、相当資金も必要となり、実体経済にも良い影響を及ぼすようになると重います。
ただし、この投資は、従来の経済学による社会資本に投資するのではなく、社会学でいうころの「社会資本」に投資するということだと思います。

匿名 さんのコメント...

元一橋大教授で小渕内閣の「経済戦略会議」の議長代理であった中谷巌氏が市場原理主義と小さな政府を掲げる新自由主義の信奉者であった自分のやり方は間違っていたと文芸春秋の平成21年3月号で述べています。

中谷氏の新しい提言はYUTAKAさんの言われていることとほとんど同じです。
オバマ大統領や中谷氏の言われる以前から社会を大事にしようと提言されているYUTAKAさんを尊敬してしまいます。

山田 豊 さんのコメント...

HULABOY様 コメント有り難うございます。中谷巌氏に関しては、昔雑誌の記事などを依頼させていただいたこともあります。そういった意味では思い出深い人でもあります。
オバマ大統領は、就任演説で、大きな政府か、小さな政府かが問題なのではない、機能するかどうかが問題だということを語っていました。
社会を大事にしようということは、以前からこのブログでも主張してきたところではありますが、私がそうした主張をすることになったいきさつは、やはりドラッカーの影響だと思います。
特に、ネクスト・ソサエティー(2002年発刊)から受けた影響は大きいと思います。さらに、それからさかのぼること、数十年前にはドラッカー氏は「非営利企業のマネジメント」という著作を出されています。
正直いって、最初読んだときは学生の頃のなのでほとんど意味がわかりませんでした。しかし、実際に社会人になってから読み返してみたところ、合点がいくところが多く、やはり、社会が大事だということを認識するにいたりました。
私に限らず、少し前の政治家や、官僚は、経済よりも社会を重視していました。しかし、ドラッカーが「ネクスト・ソサエティー」を出した頃から変わってきたような気がします。
現在の政治家・官僚は、アメリカのそれと同じように経済を優先し、社会をないがしろにする傾向がみられるようになってきたと思います。
いくら、経済が良くても、それは人間の一側面をあらわすだけであって、人が幸せになれるとは限りません。無論、政治家や官僚が社会を大事にしようと考えるようになって、そのような政策をたくさん打ち出したからといって、それだけで皆が幸せになれるとは限りません。
私が思うに、やはり、自分たち自らが行動するしかないのではないかと思います。たとえば、NPOを設立して、実際に行動することが必要だと思います。そういうことが実施できるように、政府も、税制などの仕組みを整えていただけたらと思っています。
そうは、言っても、私自身は未だ一民間企業の役員に過ぎず、こういった活動をするにも、現状ではなかなかできません。
しかし、いずれは、NPOを設立するなどして、社会貢献できたらなどと考えています。

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