出直し市長選と知事選、それに住民投票という名古屋の「トリプル投票」は、河村たかし前市長とその盟友の圧勝でした。7日、河村氏に当選証書が手渡されました。
6日夜は2時間ほどしか眠る時間がなかったという河村氏。朝刊に目を通しながら、再選の喜びを語りました。
名古屋市長に再選した河村たかし氏:「夢は何にも見ていないな。まぁ、現実が夢みたいなもんで」
市議会との対立の末、任期途中で辞職した河村氏は、6日の出直し市長選で66万票という過去最多得票でほかの候補を圧倒しました。7日午前10時半には名古屋市役所で当選証書が手渡され、17日ぶりに市長の座に復帰しました。
河村たかし氏:「市民の皆さんのためにしっかりやらないかんと。歴史に残る街、名古屋ということですわね」
一方、河村氏と連携し、愛知県知事選で初当選した大村秀章氏は、朝から支持者への挨拶回りに追われました。
愛知県知事選で初当選した大村秀章氏:「約束させて頂いたことを、公約をしっかり果たすということに尽きる。バリバリやっていきます」
大村氏には、午後に当選証書が手渡されます。
【私の論評】常識、非常識を疑え?
私は、このトリプル選挙の結果は、当然の事と思います。これだけ、景気が悪く、しかもデフレ基調のときに、増税するなど、高血圧の人に血圧が高くなるように、低血圧の人に血圧がさらに低くなるような治療をする医師のようなものです。
今の国の有様がまさに、そうです。デフレ・モンスターの与謝野さんをはじめとして、他のデフレ・ゾンビによる政府・与党の集中検討会議が消費税増税を実施しようとしています。老害与謝野氏と、他の無能なメンバーが、このデフレの時期に、財政再建や、福祉国家を目指して、増税論議に入っています。
多くの皆さん、高校あたりで経済を少しでも学んだとか、大学でマクロ経済学などを学んだ人ならば、なおさら、デフレなどの景気の悪いときに、減税はしても、増税などとんでもないということは誰もが理解しているのではないかと思います。いえ、高校で学んだことを忘れたり、大学でマクロ経済学を学ぶ機会がなかった人でも、少し思慮があれば、河村氏のように今は、増税すべきではなく、減税すべきということが理解できるはずです。これが、マクロ経済学で教えるところの対処方法であり、世界の常識であり、日本が非常識だということです。
とにかく、景気が悪いときには、どの順番で、どの程度実施するかのタイミングなどの問題や、具体的な方法の別はあったとしても、国でも、地方自治体でも、財政支出(官僚の給料を増やすような内側ではなく、あくまで外側という意味)を増やし、金融緩和をするのが常道です。これは、常識といって良いことだと思います。その一手法として、減税もありということです。もし、試験などで、今の時期のようにデフレで不景気な時期に増税すべきか、減税すべきかという選択肢あったとしたら、増税は絶対に☓(ぺけ)です。それを増税と教える教師がいたら、教師をする資格は剥奪すべきです。
こんな常識が、通らないのが今の日本のようです。それに、実際に歳入が減っていたわけですから、増税など問題外であり、議員定数を削減したりして、外ではなく、内側の歳出を減らすというの、当たり前の真ん中です。あまりに当たり前すぎて、本来ならば陳腐とさえいえる内容です。今の世の中、大企業の経営者でもこの常識が通らない人が増えています。今のこの世の中で、法人税を減らしただけで、効果ありなどと勝手に思い込むなど異常であるとさえ思います。なぜ、直裁に、財政支出を増やせとか、公共工事を増やせとか、金融緩和措置を実施せよとか、減税せよとか、理にかなったまともなことがいえないのでしょうか?
だから、今回のトリプル選挙で、当たり前のことを主張した方が勝つのは当たり前のことです。ようやっと、日本でも当たり前のことが当たり前になりつつあることを感じます。
しかし、こんなことを理解出来ない民主党という政党は一体どうなっているのでしょうか?それに自民党も、谷垣総裁は財政再建重視派であり、増税論議も、もともとは、自民党から出ていたものです。
一体どうなっているのでしょうか?もう、既存政党に任せてはおけません。常識を常識として認識し、実行する政治勢力が台頭すべきであり。今回の、このトリプル選挙をきっかけに、日本でも、そのように変わっていくのが当たり前の事だと思います。既存政党の、常識は非常識だったということにほかなりません。今回のこの結果で、少なくとも名古屋では当たり前だったということがわかりました。
話は変わりますが、先日、日本マクドナルドの12月の最高益のことを掲載しました。これは、今の世の中の情勢からみると、逆光しているようにみえます。しかし、本当は、まわりが狂っているのかもしれません。ユニクロの社長などはじめ、多くの日本の企業が、グローバル企業を目指して、あたかも、それが常識のように確信しているようにみえます。では、マクドナルドの最高益をどう説明するのでしょうか?非常識ということでしょうか?先日は、このことについて掲載しましせんでしたが、本日は常識、非常識の観念を覆す意味でも、掲載します。
確かに、海外市場、特に新興国市場は、これから需要が伸びて一見良いようにみえます、しかし日本と明らかに異なるところ、というより、世界的な規模でみると、日本が相対的に海外よりも優れているところがあります。
それは、いわゆるインタラクティブ・コストがかなり低いということです。インタラクティブとは、英語で「相互作用」という程度の意味ですが、要するに、事業を展開していく上での、関係者との相互作用のコストが低いということです。
それだけだと、分かりにくいので、例を出すと、たとえば、日本の場合、言葉が一つですむということです。アメリカだろうと、中国だろうと、必ずしも、英語や北京語が通用するとは限りません。それに、日本は、いわゆるインフラがかなり整っています。中国あたりだと、少し奥地にはいれば、電気などないとか、通信インフラがないようなところはいくらでもあります。さらに、日本の場合は、狭い国土に1億人以上の人々が住んでいます。そうして、交通の便も、通信も非常に良好です。大手企業を回るのに、山手線沿線をまわれば、かなりの数を訪問できるような都市は他にはありません。日本以外の国では、顧客自体が広い地域に拡散して分布しているのが普通です。取引先や、顧客に到達するだけでも、日本よりははるかにコストがかかかります。
阿吽の呼吸とか、腹芸とか、KYとか日本独特のものです。日本では、まわりの空気が読めない人のことをKYといって揶揄しますが、文化的背景や、育った環境がかなり異なる人の集まりである海外では、KYが当たり前であり、だからこそ、言葉を駆使して、自分の要求を主張します。そんな中で、日本のKYの常識は通用しません。
それに、日本では商習慣が均一というところもあります。これが、外国だと、同じ国の国民でありながら、民族が異なるとか、言葉が違うとか、商習慣も異なるとか、かなりの違いです。話ができても、字は書けないとか、読めないということも珍しいことではありません。何かを注文しても、日本のようにすぐ来るのが当たり前ではないところがほとんどです。電車が、だいたい時刻表通りに来ると期待出来る国は、日本くらいなものです。これでは、コミュニケーションをはじめとする、インタラクティブコストがかなりかかります。日本は、こうしたインタラクティブ・コストも含めて考えると、今でもかなり良い市場であることにはかわりありません。
日本マクドナルドの成功は、こうしたインタラクティブ・コストの低さを最大限に利用したものです。そうして、それを実証したといえます。日本の市場をないがしろにし、グローバル企業を志向する愚かな経営者は、まずは、マクドナルドを見習って、日本の市場を固めるべきですし、日本の市場をおろそかにしていれば、海外でもいずれ負けると言いたいです。今日のこの言葉、おそらく、長くても、5年後、短ければ、3年後に誰の目にも明らかになると思います。
さて、本日は、選挙の話から、マクドナルドの話に飛んで、まとまりが悪くなりましたが、結論としては、世の中の常識・非常識の両方共疑うべきだということです。皆さんも、まわりの人や、自分自身が常識とか、非常識と堅く信じていること、一度疑ってみてはいかがでしょうか?
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