2025年5月27日火曜日

年金引き金「大連立」臆測 自民一部に期待、立民火消—【私の論評】自民・立憲大連立:日本を破滅に導く亡魂

年金引き金「大連立」臆測 自民一部に期待、立民火消し

まとめ
  • 年金改革協議の進展: 自民、公明、立憲民主党が基礎年金の底上げ策で合意間近。2029年の年金財政検証を基に改革を進める方向で、協力関係の足掛かりができた。
  • 大連立の臆測: 参院選後に自民・立民の大連立が政界で話題に。石破首相と野田氏の政策相性や財政問題への共通認識が背景だが、両党内の反対意見が強い。
  • 実現の困難さ: 企業献金や夫婦別姓などの政策の隔たり、過去の連立失敗例、立民の「あり得ない」との否定、自民内の保守派反発から、大連立は困難。保守系無所属の取り込みが現実的との声も。

 自民党、公明党、立憲民主党による基礎年金の底上げ策に関する修正協議が26日に合意の見通しとなり、参院選後に「自民・立民大連立」の可能性が政界で取り沙汰されている。背景には、年金制度改革で石破茂首相と野田佳彦立憲代表が協力可能との見方や、両者が財政問題など政策面で近い立場にあるとされる点がある。協議では自民が立民の底上げ策をほぼ受け入れ、2029年の年金財政検証を基に改革の必要性を判断する方向で一致し、今後の協力の足掛かりができたとの見解も。

 しかし、企業・団体献金や選択的夫婦別姓制度を巡る両党の政策の隔たりは大きく、過去の2007年の「ねじれ国会」での大連立構想失敗の例もある。立民の長妻昭代表代行は「大連立はあり得ない」と否定し、党内では「党分裂の引き金になる」「自民政権を倒すべき」との声が支配的。自民党内でも高市早苗氏ら保守派の反発が予想され、政府関係者は「大連立しても過半数に届かない可能性がある」と指摘。ある自民幹部は、参院選の結果次第で保守系無所属の取り込みが現実的との見方を示す。

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【私の論評】自民・立憲大連立:日本を破滅に導く亡魂

まとめ
  • 連立の可能性: 2025年5月、年金改革の成功(読売新聞、2025年5月27日付)、2024年衆院選での自民・公明の過半数割れ(産経新聞、2024年10月28日付)、石破・野田の相性が自民・立憲大連立の現実味を高める。
  • 政局の不安定さ: 自民・公明の215議席(自民191、公明24)に対し、立民は148議席で単独政権は困難。2024年12月の補正予算成立も国民民主党との不安定な協力に依存(NHK、2024年12月12日付)。
  • 障壁: 企業献金や夫婦別姓での政策の溝、2007年の連立失敗(読売新聞、2007年11月5日付)、立民の長妻氏の「あり得ない」発言(朝日新聞、2025年5月26日付)、自民保守派の反発が連立を阻む。
  • 破滅的危機: 連立は経済(デフレ逆戻り、2010年菅政権の前例)、外交・安保(尖閣問題の迷走、朝日新聞、2011年9月20日付)、エネルギー(電力危機、毎日新聞、2012年7月2日付)、社会問題(分断深化)で最悪の事態を招く。
  • 参院選の影響: 2025年夏の参院選後の政局不安定化と秋の補正予算論議(日本経済新聞、2025年5月13日付)が連立を現実的にするが、破滅への道を加速させる危険がある。
日本の政界に暗雲が迫る。自民党と立憲民主党の大連立――。荒唐無稽に思えたこの構想が、2025年5月、危険な現実味を帯びる。年金改革の成功、少数与党の危機、両党リーダーの相性。連立への道筋は見える。だが、深い溝と過去の亡魂が立ちはだかる。何より、連立が実現すれば、日本は民主党政権の悪夢を超える破滅に突き進む。経済はデフレの泥沼に逆戻りし、外交・安保は迷走、エネルギー政策は破綻、社会は分断される。最悪の事態が待つ。一気にその危険に迫る。

連立の火種:年金改革と政局の不安


2025年5月26日、自民党、公明党、立憲民主党が基礎年金の底上げ策で火花を散らす。読売新聞(2025年5月27日付)によると、自民党は立民の要求をほぼ丸のみし、2029年の財政検証を基に改革を進めることで合意間近だ。この歩み寄りは、両党が手を組める可能性を示す。朝日新聞(2025年4月24日付)は、4月23日の党首討論で石破茂首相と野田佳彦代表が互いに敬意を示したと報じ、信頼の芽を育てた。

背景には、2024年10月27日の衆院選の衝撃がある。産経新聞(2024年10月28日付)によると、自民党は191議席、公明党は24議席の計215議席にとどまり、過半数(233議席)を失った。立民は148議席に躍進したが、単独政権は夢のまた夢。石破政権は法案成立に苦労し、NHK(2024年12月12日付)は、2024年12月の補正予算案が国民民主党との「年収103万円の壁」見直しなどの事前合意に基づき成立したと報じた。だが、国民民主党との関係は不安定で、日本経済新聞(2025年5月13日付)は、新たな補正予算の論議が2025年秋の臨時国会に予定されていると伝える。政局の行き詰まりが、連立の火種を煽る。石破氏と野田氏の財政危機への共通認識が、破滅への第一歩となる。

障壁と危険信号:政策の溝と党内抗争

2007年、福田康夫首相が小沢一郎民主党代表に大連立を打診

連立への道は険しい。企業献金や選択的夫婦別姓を巡る両党の溝は深い。自民は献金を容認、立民は禁止を主張。夫婦別姓も自民保守派が猛反対、立民は積極推進だ。2007年、福田康夫首相が小沢一郎民主党代表に大連立を打診したが、読売新聞(2007年11月5日付)は党内反発で潰えたと報じた。立民の長妻昭代表代行は、朝日新聞(2025年5月26日付)で「連立はあり得ない」と一刀両断。立民党内では「党分裂の引き金」「自民を倒すべき」との声が響く。自民でも高市早苗氏ら保守派の反発は必至だ。

2025年の政局は危険を増幅する。参院選を控え、予算案や経済対策が急務だ。日本経済新聞(2025年4月23日付)は、4月22日の経済財政諮問会議でインフレ対策やトランプ政権の関税政策への対応が議論されたと報じた。立民も低所得者支援や賃上げを掲げ、経済政策で接点が見える。毎日新聞(2025年4月24日付)は、4月23日に石破氏が米国大使予定者と会談し、野田氏も日米同盟の重要性を認めたと伝える。2024年衆院選での女性議員73名の当選は、夫婦別姓や同性婚への機運を高めるが、自民保守派との対立を深める火種だ。高橋洋一氏は、動画で参院選後の不安定政局が連立を現実的にすると指摘する。

結論:連立は日本を破滅に導く

自民・立憲の大連立は、年金改革の成功、少数与党の危機、石破・野田の相性から、可能性を否定できない。2025年夏の参院選で与党が議席を失えば、政局はさらに不安定化し、連立が現実味を帯びる。だが、この連立は日本を破滅に導く。経済、外交・安保、エネルギー、社会問題――すべての分野で最悪の事態が待つ。

自民・立憲大連立成立で大喜びする、野田と石破 AI生成画像

経済:連立は財政破綻を過度に恐れ、誤った財政・金融政策を招く。世界標準のマクロ経済学では、適度な財政支出と金融緩和が成長を支える。だが、財務省の影響下にある石破政権と立民に共通する緊縮志向と、立民の分配偏重が中途半端に妥協し、過剰な財政規律が経済を冷やす。日本は30年にわたるデフレの泥沼に逆戻りし、企業倒産と失業が急増する。読売新聞(2010年6月15日付)は、菅直人首相の消費増税議論が経済を停滞させた前例を報じた。連立はこれを上回るデフレ危機を招く。

外交・安保:連立は外交と安保を迷走させる。立民の左派は自衛隊の海外派遣に慎重、自民保守派は強硬な防衛強化を主張。産経新聞(2025年4月24日付)は、4月23日の石破氏と米国大使予定者の会談で日米同盟強化が確認されたと報じたが、連立政権では左派の反対で具体策が停滞。トランプ政権の関税圧力や中国の海洋進出に対し、統一した対応が取れない。朝日新聞(2011年9月20日付)は、民主党政権下で尖閣問題への対応が後手に回り、日本の国際的地位が揺らいだと報じた。連立はこれを上回る失墜を招く。

エネルギー:エネルギー政策も破綻する。立民は脱原発を掲げ、自民は原発再稼働を推進。日本経済新聞(2025年3月10日付)は、3月のエネルギー基本計画見直しでこの対立が顕著だったと報じた。連立政権では中途半端な妥協が電力不足を招き、産業は停滞、国民生活は混乱する。毎日新聞(2012年7月2日付)は、民主党政権下で原発停止による電力危機が経済を直撃したと報じた。連立はこれを上回るエネルギー危機を引き起こす。

社会問題:夫婦別姓や多様性政策を巡る対立が、国民の分断を加速する。読売新聞(2024年10月28日付)は、2024年衆院選で女性議員73名が当選し、立民の進歩的政策が注目されたと報じたが、自民保守派の反発は根強い。連立は妥協による政策の迷走を生み、社会の亀裂を深める。民主党政権の3年間は、党内分裂と政策混乱で日本を揺さぶった。だが、自民・立憲連立はその規模と複雑さから、2009年の悪夢を超える国難を招く。

短期的に見れば、連立は難しく見える。立民は政権交代を掲げ、自民保守派は妥協を嫌う。だが、参院選後の動乱期には、連立が誤った切り札として浮上する危険がある。石破と野田は、国民の信頼を裏切り、党内を分裂させ、破滅のビジョンしか示せない。新聞報道や世論は、連立への期待と警戒が交錯する日本の危機を映す。政局の行方は、参院選の結果にかかっている。日本は破滅への道を避けられるのか。その答えは、間もなく明らかになる。

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